プレイレポート
[プレイレポ]「GRANBLUE FANTASY: Relink」では,解像度の高いグラブルの世界が描かれる。キャラごとに差別化されたアクションも楽しめる
読者のプレイ体験を損ねるネタバレは記述しないが,大まかなストーリーの流れなど,一部でネタバレ要素を含むので,その点に留意して読み進めてほしい。
「GRANBLUE FANTASY: Relink」公式サイト
新しい空で繰り広げられる仲間と世界を救う物語
本作は,Cygamesが運営するスマートフォン向けRPG「グランブルーファンタジー」(以下,グラブル)を原作とする3DアクションRPGだ。原作付きではあるが,グラブル本編のメインストーリーとは異なったオリジナルのストーリーが展開されるため,グラブルをまったく知らない人でも問題なく楽しめる。
本作の舞台は,新しい空域「ゼーガ・グランデ」。イスタルシアを目指す道程で行きついた空域で起こったとあるトラブルをきっかけに,プレイヤーは空の世界全体を揺るがす壮大な事件に巻き込まれていく。
基本となるゲーム進行は,会話などのイベントパートで始まり,アクションパートでステージを進み,ボスを倒すなどしてステージをクリアし,再びイベントパートを挟むという流れだ。
アクションRPGには付き物のキャラクターの強化はいつでも行えるし,拠点となるフォルカの街にもいつでも戻れる。ただし,今回メインストーリークリアまで遊んだが,いわゆるレベリングをしなければならないほどの難所はそこまでなく,サクサクとストーリーを楽しめた。
ゲームをプレイしていて,次の話が気になるのにステージをクリアできないから先に進めない……というのはテンポの悪さにつながるのは確かだ。かといって,すべてのステージをボタン連打だけで乗り切れるかというとまったくそんなことはないし,戦闘時間が長く,なかなかに苦労するステージも用意されている。
一言で表すなら「簡単すぎず,詰まらない難度設定」になっており,プレイ体験を損ねないよう難度調整は丁寧に行われている印象を受けた。
また,本作にはアクションゲームが苦手な人,プレイしたことがない人に向けて,戦闘の補助をしてくれる「アシストモード」「フルアシストモード」が用意されている。
使う使わないはプレイヤーの自由であり,好みであるが,個人的には初見は使わずにプレイしてみてほしいと思う。というのも,本作の後半のストーリーは,仲間や世界の危機を救う壮大なものになっていくのだが,その成功体験こそが本作の醍醐味であるように感じられたからだ。
本作には難度調整機能もあるので,まずは一番簡単な「STORY」で遊び,詰まったらレベリングをし,それでもだめならアシストモードに頼る。それくらいの感覚で遊んでみてほしい。
キャラクターの数だけ異なったアクションを楽しめる
本作のゲーム性のキモとなるアクションだが,本作のメインストーリーでは,初期メンバーの主人公,カタリナ,ラカム,イオ,オイゲン,ロゼッタの6人に加え,12人の仲間が使用でき,キャラクターごとに異なったバトルアクションを楽しめるようチューンされている。
なお,途中参加する12人の仲間は,ストーリーを進行すると手に入る「キャラクター解放チケット」を使用することで加入する。なかなかに貴重なアイテムなので,好きなキャラクターから選んでいくことをオススメしたい。
各キャラクターのアクションだが,複雑なシステムを必要としないオーソドックスなものから,目押しが必要なもの,連係を用意しておく必要があるものと千差万別になっている。
立ち回りに関しても,前線で仲間の盾となる,ヒット&アウェイを得意とする,張り付いてDPSを出す,遠距離で援護をしつつ戦うなど,キャラクターごとに異なるため,18人それぞれの個性に合わせたアクションを楽しめる。
攻撃アクションは,XボタンとYボタン(Steam表記)を組み合わせたシンプルなもので,必殺技のアビリティはRBを押しながら対応するボタンを押すだけで簡単にくり出せる。複雑な操作は必要としないので,どちらかと言えば連係を把握するほうが大切だ。
防御行動は,攻撃を防ぐ「ガード」と,無敵になって移動する「回避」が基本となる。キャラクターによっては,怯み無効を付与したり,無敵状態になったりするアビリティもあるが,最初はガードと回避を使い分けて相手の攻撃を防いでいこう。また,十字キーの長押しで回復アイテムを使用できるので,ピンチのときはこちらも併用したい。
アクションの手触りについては,レスポンスは悪くなく思い通りに動いてくれるのでキャラクターを動かしていて気持ちいい。とくにキャラクターごとに用意された連係や動きを理解して実践できたときは,その分だけダメージが出せたり,味方の援護をできたりするので,ゲーム攻略の面でも役立ってくれる。
連係を詰めていきたい人に向けて,自由にキャラクターを動かせるトレーニングモード的役割の「トライアルバトル」も用意されているのもうれしいポイントだ。
ボス戦の流れは原作グラブルを踏襲
本作のボス戦では,ボスの状態に応じて動きを変化させる必要があり,この要素が原作グラブルに近いものになっていたので紹介したい。ボスの状態は体力バーの下に配置されたドライブゲージで管理されており,「通常」「OVER DRIVE」「BREAK」の3つが存在する。
OVER DRIVE状態は,ボスのステータスが向上する。とくに一部ボスは,OVER DRIVE状態に移行したあたりのタイミングで「バーストオーラ」を纏い,強力な攻撃を仕掛けてくる。バーストオーラ状態は,防御力が大幅に増加するうえ,奥義も効かないので回避に専念しよう。
バーストオーラ状態の強力な攻撃を凌いだあとは,攻撃を加えていき,OVER DRIVE状態の解除を目指していく。モードゲージが空になれば,ボスはBREAK状態になり,一定時間無抵抗となる。この流れは原作グラブルを遊んでいるプレイヤーなら分かりやすく,すぐに理解できるはずだ。
グラブルらしさが散りばめられたアクションRPG。グラブルの世界に触れてみるいい機会にも
2016年8月のCygamesNEXT2016での発表から,実に7年以上かけてついに発売された「GRANBLUE FANTASY: Relink」。世界観の作りやキャラクターグラフィックス,ゲームシステムなど,随所に“グラブルらしさ”が散りばめられており,グラブルファンである筆者は十二分に楽しませてもらった。
ただし,今回のプレイレポはあくまでもメインストーリーをクリアするところまでの所感であり,ここから追加ストーリーや高難度クエストが開放されていくことでまた違った遊びが提供されていくのは想像に難くない。個人的に原作グラブルの面白い部分は,少しずつキャラクターが強くなっていくところにあると思っていて,この徐々に強化していく遊びは本作のエンドコンテンツに詰まっていると予想しており,そちらも楽しみだ。
筆者がそうだったようにグラブルは息が長いコンテンツであり,新規参入するハードルが高いとされている(筆者は3年目からスタートしたが,それでも抵抗があった)。ただ,これだけ長く続くコンテンツなので,多少なりとも興味を持っている人は少なくないはず。買い切りのアクションRPGで手に取りやすいので,新規勢にとってはグラブルに初めて触れてみるいい機会になるのではないだろうか。
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(C)Cygames, Inc.
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