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[gamescom]「Alan Wake 2」,主人公は自ら生み出した異世界からいかに抜け出すのか? プレスイベントで公開された新たなデモを紹介
2023年10月27日の発売が予定されている「Alan Wake 2」は,2010年にリリースされたオリジナル作品の「Alan Wake」,そして2012年の「Alan Wake: American Nightmare」に続くシリーズ最新作だ。ベストセラー作家であり,不眠症に悩む主人公アラン・ウェイクは,自身のホラー小説から生み出された“ダーク・プレゼンス”に囚われてしまい,13年という長い間にわたって失踪状態にあるという。これは,今年6月のSummer Game Fest: Play Days 2023の際に明らかにされた設定だ(関連記事)。
そんなアランに代わって,現実世界からの橋渡しとしてプレイアブルキャラクターになるのが,サーガ・アンダーソンという名のFBIエージェントだ。本作においては,特定のポイントで2人のキャラクターを交代させながら,現実とダーク・プレゼンスの中での秘密を解き明かしていくことになる。
今回のデモで描かれているのは,「CASEY」と題された第2章(Chapter 2)で,アランを操作してプレイを進めていくという内容になっていた。すでに役者を使ったライブムービーも公開(関連記事)されているが,「In Between with Mr. Door」というトークショーに出演したアランが,自分で執筆した記憶のない新しい小説を売り込まされるというシーンが展開する。このシーンは,自分のドッペルゲンガーにさいなまれるというストーリーとなるようで,「自分のドッペルゲンガーが書いたとでも言うのかい?」などと,要領を得ないアランのトークをミスター・ドアが何とかカバーして笑いを取つつ進行していくという。
ちなみに,ミスター・ドアと言えば,Remedy Entertainmentの「CONTROL」にも登場したキャラクターであり,統一された「Remedyワールド」のクロスオーバーが楽しめるという趣向になっている。このライブムービーが同じくRemedy Entertainment作品である「Quantum Break」のように,ゲームにもフィーチャーされているのかは不明であるものの,今回のデモ(事前収録とのことだった)は,このトークイベントを終えたアランがスタジオから出てくるというシーンから始まった。
このスタジオがあるのは,ダーク・プレゼンスの中に作り出されている,現実なのか想像上のものなのかはわからない“不気味なパラレルワールド版ニューヨーク”だ。人も歩いていなければ車も走っておらず,街燈やネオンサインなどは電気が付いたままだが,路上には新聞のような紙や枯葉が覆いつくし,ゴミゴミとしつつも静かで殺風景な光景が広がっている。
その不気味な雰囲気は,「You Lost Alice」(お前がアリスを消した)というような,アランの心の内を書き出したようなグラフィティ(落書き)で覆われた壁によって増幅されている。なお,アリスはアランの失踪した妻で,彼女の失踪が原因でアランは不眠症になり,療養目的でブライトフォールズという田舎町に移住している。
ケイシーも,オリジナル作品では小説の中のキャラクターとして描かれていた人物であり,関係は不明であるものの,「CONTROL」では大きなカギを握るトレンチ役を務めた声優のジェームス・マカフェリー(James McCaffery)さんが声を担当しているという。
そんなケイシーが追うカルト教団は,6月のデモでは生け贄の儀式で殺されたロバート・ナイチンゲールの事件と絡んでいた。ナイチンゲールも前作では敵として登場したキャラクターで,前作での設定が幾重にも伏線として利用されている非常に複雑なストーリーになっているのが伝わってくる。
こうして,ケイシーの持っていた拳銃を手にして戦うことになるアランだが,アランは「エンジェルランプ」という光を放つデバイスも携帯している。このエンジェルランプはシャドウ(光を嫌う魔物)を攻撃するだけでなく,ダーク・プレゼンスの中にある非現実な光景を壊す際にも利用できる。例えば,ゴミ袋などの廃棄物が不自然に積まれていた場所に光を当てると,非現実な光景が吹き飛んで,地下鉄の出入り口が出てくるといった具合だ。
ダーク・プレゼンスのシャドウたちは,必ずしもアランの敵ではないようで,多くの場合は戦うことなくやり過ごせる。しかし,ときおりアランのようなドッペルゲンガーに変化して襲ってきたり,突然ラリアットを食らわせてきたりする。エンジェルランプで非戦闘的なシャドウを押しのけたり,襲ってきた相手に対して拳銃で戦ったりできるが,どのシャドウがアランを襲ってくるのか,または何をきっかけにして攻撃的になるのかは不明であり,突っ立っているだけのシャドウたちも非常に不気味な存在だった。
アランもサーガの「マインド・プレイス」と呼ばれるディテクティブモードを活用できるが,アランの場合,「ライターズ・ルーム」に名称が変わる。いつでもアクセス可能なライターズ・ルームの中には,何かに利用できると思われるテレビやラジオのほか,「プロットボード」と呼ばれるボードがあり,ここに探索によって見つけた新しい地点や実況証拠が,執筆中の小説のストーリーを整理するために並べられていく。
このプロットボードは,アランの目的である“ダーク・プレイスからの脱出”のために,“新しいシナリオ(プロット)”を作り出すインスピレーションを得ていくために利用されるそうだ。
地下鉄構内は,カルト教団のテロ行為によって天井が崩れ落ち,さらには地下鉄の列車が放火されて死体が無残なまま放置されている。その奥にある,カルト教団の聖堂のような場所へと向かうのが,この章の目的となっている。しかし,そこに行きつくためには「カルデラ駅」「倒壊したトンネル」「脱線した列車」,そして「線路の終点」という4つのシーンを見つけ出さなければならない。
さらに,この章では,「殺人カルト」「失踪したFBIエージェント」「松明を掲げし者」,そして「召喚の儀式」という4つのエレメントがあり,このエレメントはそれぞれのシーンに加えることで,アランの見るシーンの様相が異なってくる。この変化によってダーク・プレイスの本質を見抜き,現実に戻るための謎を解き明かしていくという流れになるようだった。
ライターズ・ルームにおいても,「Quantum Break」のショーン・アシュモアが,ティム・ブレイカー(Tim Breaker)に名前を変えて登場する。警官のユニフォームをまとって登場し,アランの謎解きをサポートするのだが,これまでのRemedy Entertainment作品をプレイしている人からすれば,頭の中がハテナマークだらけになりそうなクロスオーバーで,「Alan Wake 2」の謎は深まるばかりだ。
果たして,ダーク・プレイスから抜け出すための新しい小説を書き上げることができるのか。また,アラン・ウェイクに加えて,プレイアブルキャラクターとなるサーガ・アンダーソンは,このストーリーの展開にどのように関わることになるのか。そして,ダーク・プレイスにも登場したアレックス・ケイシーとは何者なのか? 「Alan Wake 2」では,こうした謎が謎を呼ぶ奥深いストーリーが堪能できるのは間違いなさそうだ。
「Alan Wake 2」公式サイト
「gamescom」公式サイト
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