プレイレポート
パンイチ女「DEATHVERTH: LET IT DIE」で復活……できず!の巻。初プレイの筆者が戦場に飛び込んだ奮戦記をプレイ日記風でお届けしよう
あれから5年,2022年9月28日にガンホー・オンライン・エンターテイメントから,バトロワゲーム「DEATHVERSE: LET IT DIE」(PS5 / PS4。Steam版は10月5日リリース)が登場したのである。本作は名前にあるとおり,LET IT DIEと世界観を同じくするゲームだ。
となれば……「パンイチ女が帰ってきた!」とやるつもりが,時代は数百年後でパンイチにもなれない!? と前提から崩れ落ちたのだが,そこはLET IT DIEで死にまくっても折れなかった心は健在である。きっと子孫だかが,非人道サバイバルTVショー“DEATH JAMBOREE”(デス・ジャンボリー)に挑戦することになったのだ(ということにしよう!)。
ちなみに世界観は先に紹介したとおりだが,ゲーム自体に前作とのつながりはなく,知っていればニヤリとできる要素があるくらいで,本作から入っても問題ない。「LET IT DIE」と同様に,基本プレイ無料だ。
なお,4Gamerでは本作について,これまでにいくつかの記事を掲載しているが,本稿では,初プレイとなる筆者が実際に体験した内容を,プレイ日記っぽくお届けする。
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ガンホー・オンライン・エンターテイメントの新作ゲーム「DEATHVERSE: LET IT DIE」のPS5/PS4向けサービスが9月28日に始まった。10月5日にPC版のサービスも開始された本作は,近接武器を持ったプレイヤーキャラクターたちが入り乱れ,予想不可能なバトルを繰り広げる,多人数サバイバルアクションだ。その魅力を紹介していこう。
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殴り合いが主体の新感覚バトロワアクション「DEATHVERSE: LET IT DIE」。PS5/PS4版が9月28日,基本プレイ無料となるPC(Steam)版のサービスが10月5日に始まったばかりの本作には,特徴の異なる5種類の近接武器が登場する。本稿では,これから遊んでみようという人に,どんな武器を選べばいいのかを紹介していく。
やるか,やられるか!
最後に立ってりゃ何でもアリのバトルロイヤル
本作の舞台は,16人が近接武器を持ち,最後の1人になるまで戦う様子をテレビ中継するというもので,その番組こそ前出の非人道サバイバルTVショー“DEATH JAMBOREE”だ。プレイヤーは16人の内の1人として,この,まさにデス・ゲームと呼ぶにふさわしいバトルロイヤルに身を投じることとなる。
さてさて,まずはキャラメイク。プリセットも用意されているが,顔から髪型から声から,かなり細かくいじり倒すことができる。プリセットをベースに,自分好みに調整していくといいだろう。
ゲームの形式は「ランクゲーム」と「エキシビションゲーム」の2つとシンプル。「トレーニング」と「チュートリアル」も完備されている。
ランクゲームとエキシビションゲームの下に小さく「ハンターの詳細」というのがあるが,これは,試合中に投入される“ハンター”という存在の説明だ。本作の戦闘は他プレイヤーだけでなく,このハンターへの対処も重要になってくる。定期的に異なるハンターに変わるようで,筆者は「ハンターG」と「ハンターQ」を確認している。
チュートリアルで操作を一通りマスターしたあと,いざ,ランクゲームに挑戦だ!
戦闘フィールドは画面左上に表示されており,蜂の巣のような,7エリアのマップになっているようだ。1つのエリアがけっこう広く,高低差にあふれた作りになっているため,16人いても,序盤は結構周囲がシーンとしている。
さて,まずはどうしよっかな……とウロウロしていたのだが,下段にほかプレイヤーを発見。こちらには気付いていないようだ。
L2ボタンで防御用のシールドを張れるのだが,これは飛び道具のように使うこともできる。そんなにダメージはないが,このくらいの距離から,ちょっとした嫌がらせ的な攻撃には使えそうか?
「活きた! チュートリアルで覚えた内容が!」と心の中でガッツポーズをとっていると,不意に側面からダメージ。「なっ!? まさか,いつの間にか他プレイヤーが真横にまで迫っていたのか!?」と焦るが,これはスカイフィッシュの仕業だった。
本作の戦闘フィールドには“UMA”と呼ばれる生物が徘徊していて,プレイヤーに攻撃してくる。ハンターほど強くはなく,倒すとアイテムを落としたり体力が増えたりするので,見かけたら狩りたい存在だ。
それはそうと,シールドは一定以上のダメージを受けると,しばらく使用不可能(ウィルソンダウン)になる。このとき,武器の使用も封印されて素手攻撃になってしまうのだが,シールドを飛び道具として使ったところにスカイフィッシュの攻撃を受けたことで,さっそく,武器使用不可状態になってしまったのだ。
何せこのときは初めてだったもので,「あ,あれ? 武器攻撃ができなくなってる? あと,この空飛んでる変な虫は何?」と焦ったが,少し経てば元に戻る。なんとなく事情を把握して,「そうか,シールドは大事に使わんといかんなぁ」と思っていたところへ……。
この赤いスーツは……さっきの下段にいたヤツか! 筆者がスカイフィッシュ相手にオロオロしていた間に,シールド攻撃の仕返しに来たようだ。完全に予想外の襲撃,しかも背後からということで連続して攻撃をくらってしまう。これが初戦の,ドが付くほどの初心者がこの危機を乗り越えられるはずもなく……。
実況が「運が無かった? いえいえ,実力が無かったのですよ」と何も言い返せない事実を言葉にしてくる。ま,まあ,初めてだし? 向こうはあの服装からして,結構やり込んでいるプレイヤーだろうし? ……仕方ないよね。
そもそも,ほとんどダメージにもならないのに,シールドで攻撃してこちらの存在を気付かせたのが悪手とも言える。あと,空からスカイフィッシュが襲ってくるとは知らなかったから……。
記念すべき初バトルは1分10秒ほどでフィニッシュという恥ずかしさ満点のスタートを切ったわけだが,リザルト画面をよく見ると,「12/16」とある。筆者がやられる前に,すでに4人倒れていたのだ。そう考えると,とくに気にすることもないのかもしれない。
「自分より下を見てちょっと安心する」というゲスな方法で心の安寧を保ち,いざ2戦めへ。そう言えば,さっきはランクゲームだった。だから猛者が多かったのでは? ……というわけで「エキシビションゲーム」を選択。
改めて考えてみると,16人もいるなら,序盤に交戦するのは賢明とは言えない。どこかに隠れて,数が減るのを待ったほうがいいな……と考えていたら,側面に掴まって上へ登っていくタイプの柱を発見。
先述のように,マップは7つのエリアがあり,場所によって高低差はあるものの,それらはすべて横につながっている。各エリアを行き来するのに,この柱を登らなければならない理由はない。つまり,こんなところは誰も来ない。この柱の上にいれば,万が一,他プレイヤーが来たとしても,柱の側面に掴まって登ってこなければならない。登ってきたところを攻撃して落とせば……無敵やん?
2戦めにして必勝法を見つけてしまった……かたじけない……と思っていたら,数分後に「エリア汚染」の文字が。そう,本作は一定時間ごとにエリアが汚染されていき,移動を余儀なくされるのだ。汚染エリアに居続けると,猛烈な勢いで体力が減っていく。なるほど,同じ場所にジッとしていることを許さないシステムというわけか。……ですよね。
そんな移動中に,他プレイヤーとも遭遇。このエリアは汚染されるという警告が出ているのに,お構いなしに襲いかかってくる狂犬っぷりに参ってダッシュで振り切ろうとするも,律儀に追いかけてきた挙句,背後からズドン。2戦めは,「柱の上でニヤニヤしたあと,必死こいて隣のエリアに逃げようとしたところを背後からブッ刺されてゲームオーバー」となった。
クソッ,柱の上でニヤニヤしている場合じゃなかった! 次だ,次! と意気込んで3戦め。武器を,初期装備の「マチェーテ」から「刀」に変更してみる。試し斬りがてらにオブジェクトを攻撃してみると,金属製の箱の中からマテリアルが。
各武器はマテリアルアイテムとキルコイン(ゲーム内リソース)で新しいものを製作できるのだが,マテリアルはこんな風に入手できるのか……。なお,オブジェクトを壊すと必ず出現するわけではないし,普通に落ちていることもある。
エリア汚染の警告が出たので隣のエリアを目指して移動していると,センシティブ(※某国の大統領)な名前のプレイヤーと遭遇。しかし汚染までの残り時間が少なかったこともあり,今度はあっちが逃げて,こっちが追う形に。ここで初めて,汚染開始までに隣接エリアに逃げることができずに巻き込まれてしまったのだが,思いのほか体力が高速で削られていく。なるほど,これはマズい……。
そうこうしていると,ショーダウンゾーン封鎖までの時間表示が。どうやら,7つのエリアの内,安全なエリアは最終的に1つになり,そこで最終決戦が繰り広げられるらしい。ラスト1つのエリアの中にショーダウンゾーンと呼ばれる場所があり,制限時間内にそこへの扉をくぐっていないとアウトになるようだ。
なんとか扉の中に入り,同じように到着していた他プレイヤーとの最終決戦が始まる。画面左上の残り人数表示を見る限りでは,16人中,残り4人の中に入れているようだ。ここまで来たらなんとか勝ちたい……! と,がんばったものの,先程のセンシティブネームにやられ,あえなく脱落。結果は4位だったが,試合的にはバックアタック1回しか決められていないため,実にショボいリザルト画面に。
※編注:実は攻撃したり倒したりして活躍すると,視聴者からGP(グッドポイント)がもらえる。要は“いいね”だ。これが一定以上になると攻撃力もアップするので……隠れていると弱いまま。「TVショーですよ? 目立たないと」と誰かに言われそうである。そりゃ,番組から報酬も支払われないわけだ。
4位に入れたことで若干の自信を取り戻し,4戦め。武器をハンマーに変更。振りは重いが,当たれば大きい火力武器だ。ドラクエで「まじんのかなづち」が出てきたら必ず誰かに装備させるような筆者向けの武器と言える。
「1〜2戦目で使っていたマチェーテや,3戦目の刀はどうだったの?」と思われる人もいるかもしれないが,1〜2戦めは攻撃を当てる前にやられ,3戦めはエリア汚染から逃げるプレイヤーを背後からダッシュで突いた1回きりなので,正直,よく分からないんだ。武器のせいにして気持ちを切り替えていきたいこの心情……分かるよね。
初期装備の白服キャラと遭遇したので,今度はしっかりと戦ってみることに。今までに倒されたときは相手がすべて上級者っぽかったので,相手が白服ならワンチャンあるはず。
チュートリアルで習うのだが,シールドを張った状態で相手の攻撃を受け,直後に攻撃をすることで「リバースストライク」になる。要するに防御からの反撃で,防がれることがないのが強みだ。このリバースストライクを存分に活用し,初の勝利をおさめることができた。
リバースストライクがあるので,シールドを張った相手への攻撃は要注意なのだが,ハンマーのような武器で強攻撃をくらうと,いきなりシールドごと破壊されて隙を晒すことになる。それに,ずっと防御し続けているとシールドのゲージがどんどん削られ,いずれはシールドが破壊されてしまう。シールドはここぞという場面で張るべきだし,シールドを張って,相手がそれを壊そうと振りかぶった瞬間にシールドを解除して出が早い攻撃を当てたり,その場から逃げたり……という駆け引きもある。
……と,後からこの原稿を書いているので分かったようなことを解説してはいるが,このときは初勝利の余韻に浸っており,「やっぱ,ハンマーだな……圧倒的な暴力はすべてを解決する」と,たいへん頭の悪い戦い方もしていた。
攻撃をヒットさせ続けると,相手の頭上に★マークがチカチカしてフラフラし始める。このときに攻撃を当てると「ファイナルジャッジメント」となり,必殺。派手な演出と共に勝利となる。
初のファイナルジャッジメントも決め,テンションが上がってきたところへ,ショーダウンゾーン開放までのカウントダウンが始まる。今回は……今回は手応えがある……!
扉の中に入ると,三つ巴の激戦。画面左上を見ると,残りは3人。つまり……この3人による最終決戦だ。複数人相手だと怖いので,ちょっと距離をとったり,自分以外の2人が潰し合うように仕向けたりと,どこまでもずる賢く立ち回る。
そうこうしているうちに残り2人になり,自分と相手の一騎討ち。こうなったら,こっちのもんじゃー!
部屋の隅に追い詰め,ハンマーで殴る殴る。相手がシールドを張っても,そのシールドごと破壊する。こちらもシールドを張って,相手が何かしてくる前にやっぱりハンマーで攻撃する。この勢い……いける!
ド派手な演出と共に「ONE LAST STAR」の文字が! 4戦めにして,ついに最後の1人となれたようだ。
さすがに優勝ともなると,得られる賞金の額が違う。ファイナルジャッジメントによるフィニッシュを決めたこともあり,なんと合計3万キルコイン獲得。1戦で3万はウマい。
戦いは試合前から始まっている──武器は何を選ぶか?
さて,マテリアルやキルコインが集まってきて何ができるようになるかというと,「新たな武器の製作」と「武器の強化」だ。初期状態で持っている武器種は「マチェーテ」「刀」「ハンマー」の3つで,クラフトによって「アームズ」と「丸鋸」も製作できる。2022年11月のアップデートで新たに「ツインナイフ」も追加された。各種武器の特色については,こちらの記事で詳しく解説しているので,合わせて読んでみてほしい。
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殴り合いが主体の新感覚バトロワアクション「DEATHVERSE: LET IT DIE」。PS5/PS4版が9月28日,基本プレイ無料となるPC(Steam)版のサービスが10月5日に始まったばかりの本作には,特徴の異なる5種類の近接武器が登場する。本稿では,これから遊んでみようという人に,どんな武器を選べばいいのかを紹介していく。
武器のレベルが一定まで上がると能力が強化されたり,各武器種には異なるスキルを持つ別の武器も存在する。「刀は自分には合わないなー」と感じた人であっても,別の刀なら別のスキルがセットされているので,使い勝手が変わってくる。敬遠していた武器を逆に好きになる可能性もあるというわけだ。
初期武器が弱いわけではなく,むしろ,新たに作った武器のほうが使いづらいと感じることもある。なので,ついつい,初期のころに気に入った1種を使い続けがちなのだが,その時々によって「ラッキーウェポン」というものがあり,得られるキルコインや武器に入る経験値が増えたりする。稼ぎを効率的に進めたいなら,あらゆる武器を使いこなせるほうがお得だ。
……とはいえ,誰にでも苦手武器はあるもので,「その武器を使った試合では,何度やっても序盤で敗退する」というジンクスも生まれがちだ。武器を使ってダメージを与えないことには,その武器のレベルに経験値が加算されない。そのため,試合開始すぐに背後から一方的に倒されたりすると,何も得られないまま試合が終わってしまう。上で挙げたような,とてもきれいなリザルト画面で「なんの成果も!! 得られませんでした!!」と唇を噛み締めることも多い。
ビギナーズラックとはよく言ったもので,筆者も初勝利後,なかなか勝てない暗黒時代が続いた。いいところまでいってからの敗北ならまだ諦めもつくのだが,ゲーム開始直後にやられたり,ハンターがことごとく自分のいるエリアに出現して追いかけ回されたり……。
では,どうすべきなのか。何度も何度も倒されてきた筆者の経験から言わせてもらうと,まず,正々堂々と戦うのはやめよう。例えば,正面からこちらへ向かって走ってきているプレイヤーがいたとしたら,律儀に迎え撃つ必要はない。というか,ダッシュ攻撃にはシールドによる防御がきかないため,この時点で,すでにこちらが不利なのだ。
基本は,そんなプレイヤーを見かけたら,気付かれないようにダッシュで追いかけ,射程範囲内に入ったところでダッシュ攻撃で初手をいただくことを目指す。
その後も大事だ。そのプレイヤーと決着がつくまでその場で戦う必要はない。背後から一撃を決めたら,そのままダッシュで逃げてしまってもいい。ただし,今度はこちらが敵に背を見せることになるので,背後からのダッシュ攻撃をくらわないように,うまく逃げる必要がある。高いところへ登ったり,急に旋回して逆方向へ逃げたりといった工夫が必要になってくる。
では,武器は何がいいのか。個人的にはハンマーをオススメしたい。筆者はマチェーテが大の苦手なのだが,その理由のひとつとして,当ててもダメージが低いことが挙げられる。「そりゃ,そういう武器なんだから……」と思われるかもしれないが,攻防の時間が長引けば長引くほど,こちらがダメージをくらう機会も増える。だったら,当たれば大ダメージの武器に賭けたほうが勝率が高い気がするのだ。というか,筆者の場合は実際に高い。
とはいえ,武器選択は人それぞれだ。筆者が幾度も負けてきた中で,相手がハンマーだった回数は少なく,ハンマー以外の武器で倒されたことのほうが多い。結局は使い手次第ということになる。
考えるべきことはシンプル,戦い方は多彩
本作の感想としては,“シンプルながら奥深い駆け引き”,これに尽きる。これ自体は手垢のついたフレーズではあるが,実際そうなのだから仕方ない。
他プレイヤーと相対して,まず,どう動くのか。こちらから仕掛けるのか,カウンターを狙うのか。カウンターを狙うなら,シールドを張ってからリバースストライクを狙うのか,後方ステップで避けてからの攻撃にするのか。これらが基本の駆け引きとなり,こうして文章で書くとアレだが,やってみると決してややこしいものではない。
それに加え,戦闘場所,高低差のある地形,他プレイヤーの存在,ハンターの存在,エリア汚染といった要素が絡み合い,上級者であっても毎回やすやすと勝てるわけではなくなっている。言い換えると,そこそこプレイして「初心者は脱したかな」と思っていたら,開幕でいきなり倒されることもある,ということでもあるのだが……。
そしてやはりなんといっても,前作「LET IT DIE」と同様,基本プレイ無料なのは強い。面白いのかどうなのか,気軽に自分の目で確かめられる。本稿がその最後の後押し,「んじゃ,いっちょダウンロードしてみっかぁ」という気分になる一助となれば幸いだ。
「DEATHVERSE: LET IT DIE」公式サイト
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