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[TGS 2021]ヨコオ氏が「Voice of Cards ドラゴンの島」の制作秘話を語った生放送をレポート。コンセプトは“四畳半で安元GMと遊ぶTRPG”
「Voice of Cards ドラゴンの島」公式サイト
“脳内再生”RPGを謳う本作は,カードで表現されたフィールドを冒険し,ダイスを振って戦闘を解決,イベントでは声優の安元洋貴さん演じるゲームマスター(以下,GM)が情景描写を読み上げるなど,テーブルトークRPGを強く意識したタイトルとなっている。
番組は以下の出演者が登場し,そんな同作の制作秘話を語るものとなった。
- MC:安元洋貴さん(『Voice of Cards ドラゴンの島』GM役)
- ヨコオタロウ氏(『Voice of Cards ドラゴンの島』クリエイティブディレクター)
- 齊藤陽介氏(『Voice of Cards ドラゴンの島』エグセクティブ・プロデューサー)
- 岡部啓一氏(『Voice of Cards ドラゴンの島』ミュージックディレクター/MONACA)
- 藤坂公彦氏(『Voice of Cards ドラゴンの島』キャラクターデザイナー)
- 三村 麻亜沙氏(『Voice of Cards ドラゴンの島』ディレクター/Alim)
- 松尾勇気氏(『Voice of Cards ドラゴンの島』シナリオライター)
本作は,コンパクトなソーシャルゲームとして企画がスタートしたものの,途中から現在のような買い切り型のソフトに路線変更した経緯があるという。
ヨコオ氏から開発担当のAlimに出されたお題は,「システムはスタンダードに。表現はアナログに。そして,カードを使うこと」。Alimのディレクターである三村氏は,ヨコオ氏が持つイメージどおりの表現を実現するために苦労したという。
ダメージを表す数字が派手に飛び出す表現はヨコオ氏からNGが出され,カードが燃えたり凍結したりする表現はOKと試行錯誤が続けられた。Alim側でさまざまなエフェクトを作っても,ヨコオ氏から不要と判断されることもあったという。
キャラクターをカード化するという表現自体はソーシャルゲームでは珍しくないが,本作におけるポイントは,カードをテーブルトークRPGやボードゲームで用いるコンポーネントとして扱うことにあった。確かにリアルなカードから数字が飛び出すことはないが,燃やしたり凍らせたりすることはできなくはない。こうした表現により,プレイヤーにはカードのアナログ感を楽しんでほしいという意図のようだ。
テーブルトークRPGを強く意識した本作のコンセプトは,ヨコオ氏によれば,安元さんが演じる“オタクのGM”と遊んでいるプレイフィールを再現することだったという。さらに踏み込むなら,「安元さんがGMとして,付き合って3年目の彼女とテーブルトークRPGをやっている」感覚とのこと。
実にヨコオ氏らしい表現だが,その意図はいわゆる“演技らしい演技”ではなく,あくまでGMとして,フラット(平坦)な表現に徹してほしいということらしい。なるほど“付き合って3年目”なら,過剰なサービス精神を発揮することもなく,普段どおりの語り口になるだろう。
ヨコオ氏はここ5年ほど,“声優文化が発達したことで演者さんの演技力が向上し,ゲーム内のキャラクター達が皆,良い発声で聞き取りやすく喋るようになったが,本当にこれはリアルなのだろうか?”と考えていたという。
こうした疑問に対する答えの一つが今回の“オタクGM”というアプローチだそうで,安元さんがつい芝居を入れてしまうと,ヨコオ氏から「もっと平らに!」という演技指導が繰り替えし入ったとのこと。
一方で,普通ならNGになるような言い間違えなども,ごく一部ではあるがゲーム内に採用されているという。オタクがGMをやっているのだから,プロのように淀みない名演が続くわけはない,というわけだ。なら「台本で言い間違いを指示すればいいんのでは?」と思うかもしれないが,演劇出身の安元さんの高い演技力では,それは“失敗するという演技”になってしまう。本作のコンセプトを表現するには,あくまで本当の失敗でなくてはリアリティが足りないというわけで,なるほど徹底している。
こうして収録された本作は,ヨコオ氏曰く「安元さんと四畳半に閉じ込められて延々とテーブルトークRPGをするようなゲーム」になっているとのこと。安元さんファンはもちろん,テーブルトークRPG体験に餓えている人も要チェックのタイトルと言えるだろう。
そんな「Voice of Cards ドラゴンの島」は2021年10月28日に発売予定だ。体験版でプレイできたミニゲームは,製品版ではルールが拡張されて戦略性がアップ。1台のコントローラを参加者が持ち回りすることにより,複数人でプレイすることも可能となっている。なおSwitch版ではローカル通信にも対応し,本体4台を持ち寄れば,参加者が自分の名前を入力して遊ぶことも可能だとか。シナリオにヨコオ氏作品らしいテイストがあるかどうかは番組では明言されなかったものの,気になる人はぜひ自分の目と耳で確かめてみよう。
またすでにお伝えしているように,キャッチコピーや応援イラストを募集するキャンペーンもスタートしている。実際に被れるエミールマスク,そして非売品カードセットなどの賞品が贈られるので,気になる人は参加してみてはいかがだろうか。
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