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「モンスターハンターオーケストラコンサート 〜狩猟音楽祭2023〜」レポート。ライズシリーズの楽曲を中心に,新譜3曲を含む17曲を披露
「モンスターハンターオーケストラコンサート 〜狩猟音楽祭2023〜」公演概要
<セットリスト>
1.カムラ祓え歌
2.妖艶なる舞/タマミツネ
3.悪逆無道/マガイマガド
4.銀翼の凶星/バルファルク
5.終わりなき迷路/樹海:Sunbreak ver.(新譜)
6.朱に染むる夜宴/メル・ゼナ
7.深淵から迫る絶望/ガイアデルム(新譜)
8.閃烈なる蒼光/ジンオウガ
9.光蝕む外套/ゴア・マガラ
10.光と闇の転生/シャガルマガラ
11.飛来せし気高き非道/バゼルギウス
12.壮麗纏いし銀盤の貴人/イヴェルカーナ
13.大風に羽衣の舞う 〜 嵐の中に燃える命
14.百竜ノ淵源(新譜)
<アンコール>
15.生命ある者へ
16.大敵への挑戦
17.Monster Hunter
<出演者>※敬称略
指揮:栗田博文
オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団
ゲスト:加藤いづみ(ボーカル),宮崎カナエ(ボーカル),HIDE×HIDE(和楽器ユニット),久保田晶子(琵琶),宮﨑大介(ギター),Voces Tokyo(合唱)
トークゲスト:辻本良三
司会:宇佐美友紀
「モンスターハンターオーケストラコンサート 〜狩猟音楽祭2023〜」公式サイト
コンサートのオープニングを飾ったのは,モンスターハンターライズの拠点となるカムラの里の楽曲,「カムラ祓え歌」だ。本公演では和楽器ユニット・HIDE×HIDEによる三味線と尺八が加わり,より一層和の印象を強め,また加藤いづみさんによるモンハン語のボーカルも聴きどころとなっていた。
次に披露されたのは,モンスターハンターライズで再登場したタマミツネの狩猟曲「妖艶なる舞/タマミツネ」。こちらは「モンスターハンタークロス」バージョンを元にしたアレンジで演奏され,やはりHIDE×HIDEによる三味線と尺八が印象的だった。
最初のトークコーナーには,「モンスターハンター」シリーズ プロデューサー 辻本良三氏が登壇。辻本氏は,会場が満員御礼となったことに感謝の意を示すとともに,ぜひオーケストラの演奏を楽しんでいってほしいと観客に呼びかけていた。また,シリーズのディレクターを務める藤岡 要氏が,すき焼きを食べながら本公演のオンライン配信を観賞していることも明かされた。
続いて「悪逆無道/マガイマガド」が披露された。この楽曲は久保田晶子さんによる琵琶のソロから始まり,HIDE×HIDEの石垣秀基さんによる尺八,オーケストラ,そしてVoces Tokyoのコーラスが加わった重厚かつ禍々しい響きが聴きどころに。
「銀翼の凶星/バルファルク」は,「モンスターハンターダブルクロス」バージョンを元にしたアレンジで披露された。歴代メインモンスターの楽曲の中では初のコーラス入り編成で,迫力とスピード感にあふれる展開となっていた。
続く「終わりなき迷路/樹海:Sunbreak ver.」は,「モンスターハンターフロンティア」(以下,フロンティア)から再登場したエスピナスの曲で,本公演では緊張感と疾走感のあるアレンジがなされていた。
2回めのトークコーナーでは,辻本氏よりエスピナスがサンブレイクに追加された時の開発裏話が語られた。辻本氏曰く,フロンティアのモンスターについては,以前より再登場を願うリクエストが多かったという。しかしフロンティアとサンブレイクではシステムなどが異なるため,単純に移植できず,結局エスピナスはすべて作り直しになったそうだ。
このコーナーには,サンブレイクのプロデューサーを務める平 空大氏も登壇。自身が普段,プロデューサーとして現場のスタッフと一緒に開発やプロモーションの方針や内容などを決めていると説明した。また,もともとサンブレイクにイヴェルカーナを登場させる予定はなかったが,平氏と開発チームによる検証の結果,出せることになったことも辻本氏より明かされた。
平氏は,以前フロンティアのチームに在籍していたそうで,今回エスピナスの楽曲として演奏された,「終わりなき迷路/樹海:Sunbreak ver.」にも言及した。それによると原曲となる「終わりなき迷路/樹海」は,もともとエスピナス自体の楽曲ではなく,フロンティアの1フィールドだった「樹海」の「凄腕クエスト」用に作られたものだったとのこと。またエスピナスの再登場に関しても,かつてのフロンティアを知る人達の思い出を昇華できるように,新たなアレンジを施したと話していた。
サンブレイクの開発における,音楽制作に関するこだわりも明かされた。同作は港が拠点となるため,サウンドチームから「クエスト出発時の角笛のSEを,ドイツの船の汽笛に変えたい」という申し出があったという。実際に,ドイツの船をチャーターして,その汽笛を収録した音源が,同作には使われているそうだ。そのほか楽曲の収録は,ビートルズなど名だたるロックバンドが使った,イギリスのアビー・ロード・スタジオで行ったことも明かされた。
コンサート前半の締めくくりでは,迫力のある弦楽器と金管楽器,そしてコーラスによってダイナミックな展開を見せる「朱に染むる夜宴/メル・ゼナ」と,起伏に富んだ重厚な展開が聴きどころとなる荘厳な「深淵から迫る絶望/ガイアデルム」が立て続けに披露された。
コンサートの後半は,「閃烈なる蒼光/ジンオウガ」からスタート。「モンスターハンターポータブル 3rd」バージョンを元にしたアレンジで,宮﨑大介さんによるエレキギターと,HIDE×HIDEによる和楽器,そしてオーケストラによる演奏が渾然一体となってクライマックスに向けて盛り上がっていった。
3回めのトークコーナーでは,2024年にモンスターハンターシリーズが20周年,狩猟音楽祭が15周年をそれぞれ迎えることが紹介された。辻本氏は,大きな節目を迎えるにあたってさまざまな企画を用意しているとし,また狩猟音楽祭に関しても開催地を増やすことを検討していると話していた。
2023年9月に10周年を迎える「モンスターハンター4」からは,「光蝕む外套/ゴア・マガラ」と「光と闇の転生/シャガルマガラ」が披露された。また演奏前には,この2曲を作曲した鈴木まり香氏から寄せられた,「ゴア・マガラとシャガルマガラは黒と白,影と光という関係なので,楽曲のイメージも対で考えていった」といった,当時を振り返るコメントも紹介された。
続いて,スリリングな展開が特徴となる「飛来せし気高き非道/バゼルギウス」,「The Chase」のメロディが組み込まれたアレンジの「壮麗纏いし銀盤の貴人/イヴェルカーナ」,そしてアマツマガツチの楽曲で,荘厳かつドラマティックな「大風に羽衣の舞う 〜 嵐の中に燃える命」が次々に披露された。
最後のトークコーナーでは,辻本氏が「10数年前に作られた曲もたくさん演奏したので,モンスターハンターシリーズの歴史も感じていただけたら」とコメント。また,あらためてシリーズ20周年に向けて準備を進めていることや,9月14日にスマートフォンゲーム「モンスターハンター Now」の配信を開始することを紹介し,「まだまだモンスターハンターは頑張って行きます」と意気込みを見せていた。
コンサート本編最後の楽曲は,ナルハタタヒメの楽曲「百竜ノ淵源」。加藤いづみさんと宮崎カナエさんのツインボーカルがフィーチャーされたこの楽曲では,古龍の脅威と荘厳さを再現する力強い演奏が披露された。
鳴り止まない拍手の中始まったアンコールでは,「モンスターハンター3」のメインテーマ「生命ある者へ」,「モンスターハンター2」のメインテーマであり,シェンガオレンの楽曲でもある「大敵への挑戦」,そして初代「モンスターハンター」のオープニングテーマ「Monster Hunter」が相次いで披露され,会場の盛り上がりは最高潮に。再び鳴り止まない拍手の中,コンサートは幕となった。
なお,本コンサートは9月3日までアーカイブ配信を行っている。本稿を読んで興味を持った人,会場に足を運んだが,配信ならではのカメラワークや演出を楽しみたいという人などは,ぜひ公式サイトをチェックしてほしい。
「モンスターハンターオーケストラコンサート 〜狩猟音楽祭2023〜」公式サイト
「モンスターハンターライズ:サンブレイク」公式サイト
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