プレイレポート
[プレイレポ]作り込まれた世界観に自由度の高いアクション。25年ぶりの続編「Outcast - A New Beginning」で異星探索を堪能しよう
しかし,続編といっても主人公は記憶を失っており,ゲーム開始直後の彼の状況は,本作で初めて「Outcast」の世界に触れたプレイヤーとほぼ同じ立場だ。そのためオリジナルの「Outcast」や,リメイク作の「Outcast: Second Contact」を知らずとも,面白さが目減りするような仕掛けは盛り込まれていない。25年前のことは気にせず予備知識なしで,新作のSFオープンワールドアクションRPGを楽しもう。
「Outcast - A New Beginning(アウトキャスト 新たなる始まり)」公式サイト
ビジュアルから設定まで,真摯なまでに作り込まれた舞台“惑星アデルファ”
「Outcast - A New Beginning」をプレイしてまず驚かされるのは,ゲームの舞台となっている惑星アデルファと,そこに住むタラン人に関する要素の作りこみだ。架空の惑星や生物が登場するので,画面には本作ならではのビジュアルが絶えず映し出される。さらに,タラン人の生活様式や文化,言語などにまつわる描写のディティールがとても細かい。
ただ,世界観の表現があまりにも丁寧に作りこまれているがゆえに,本作独自の固有名詞が飛び交うタロン人との会話や,部族ごとに異なる村の作り(商店や鍛冶屋を発見しづらい)など,ゲーム的な不自由さをやや感じることもあった。とはいえ,主人公が“いきなり異星に放り出されて困っている感”は十分に味わえるので,ある意味魅力と言えるかもしれない。
発生するミッションが,世界観を表現する一助になっているのも注目すべきポイントだ。本作はアデルファで侵略行為を行う地球軍の拠点を破壊して回りながら,惑星に点在する村々で起こる厄介ごとを片付けていくことでゲームが進んでいく。
村人から依頼されるミッションは戦闘だけでなく,タロン人が飼っている家畜の世話や(追い回して柵の中に誘導する,超巨大生物の散歩を手伝うなど),超高所でしか採れない素材の収集(ジェットパックでの多段ジャンプや滑空を駆使したアクション),果てはタロン人の男女の営みを手助けする(オカストックと呼ばれる子作りの儀式に必要な物や状況を整える),なんていう内容のミッションも登場する。
こういったミッションの存在により,軍事力や科学技術で圧倒的な差がある相手に侵略されているという,かなり絶望的な状況でありながら,随所でユーモアを感じさせる作りになっているのも,本作の魅力のひとつと言えるだろう。
SFガジェットが生み出す自由度の高さ
ミッションの幅の広さと合わせて,本作の“シリアスだが陽気”という独特な雰囲気作りの要因になっているのが,どんなピンチに陥っても軽口を忘れない主人公カッターの性格と,SFガジェットによって担保されているキャラクター性能の高さだ。
ゲーム開始直後から装着するジェットパックが便利かつ高性能で,少ないエネルギー消費で多用できる回避行動を駆使すれば,敵弾の多くを見てからかわせる。また,敵弾を無効化できるシールドも展開可能で,回避と併用すれば,遮蔽物のない場所での撃ち合いも無傷で切り抜けられるだろう。
ジェットパックは拡張性も高く,ミッションを達成して得られるブルー・ヘリディウムを使用すると,地上スレスレの低空飛行や,滑空,最大5回のブーストジャンプ,空中回避やジャンプ中の狙撃が容易になる重力補助といった機能も追加できる。特に滑空とブーストジャンプの回数増加を解禁すると,行ける場所が増え,フィールド全体が広がる感覚を味わえるのでオススメだ。
ジェットパックと同等かそれ以上に拡張性が高いのが,武装のカスタマイズだ。カッターが携行する銃は基本的にハンドガンとアサルトライフルの2種だが,敵基地に保管されているパーツを手に入れ装着すると,連射速度を上げたり,スコープをつけてスナイパーライフル化させたりと,銃の性質を変化させられる。さらに,弾にホーミング機能をつける,ヒットするとHP回復など,追加効果が付与されるパーツもある。カッター自身の戦闘スキルとあわせれば,自分好みの戦い方を作り上げられるだろう。
要所の戦闘は歯ごたえ十分,カッターの真価が問われる
これまで紹介した要素を見ると,本作の戦闘はヌルそうに感じるかもしれない。しかし,HPの回復方法が限られていたり,敵基地に高火力のロボット兵が多数配備されていたりと,難度はむしろ高めと言える。FPS,TPSが得意な人であっても,適度な緊張感を味わえるはずだ。
撃ち合いに自信がないプレイヤーは,村で精製できる各種ポーションで回復手段を確保し,身体能力アップによるブーストで生存率を高めていきたい。
このほか,ジェットパックを使った進入ルートも活用したい。一見移動の余地がないような崖や建物なども,本作であればブースト多段ジャンプと滑空で強引によじ登れるため,敵に囲まれづらい場所から進入すれば,より戦いやすくなるだろう。
もし難しいと感じたら,ちょっとズルい攻略法ではあるが,本作は死亡した際に,消費したアイテムは回復しないが,基地の攻略に必要な端末のロック解除はそのまま引き継がれる。そのため,端末を発見したら,最も近い場所からジェットパックでたどり着き,被弾を無視して解除さえしてしまえば,死にながらでもクリア可能だ。オプションから難度の変更もできるので,詰み状況に陥ることはまずないだろう。TPSは苦手だが,本作のビジュアルや世界観に惹かれてプレイしたいという人も,安心してストーリーを進められるはずだ。
「Outcast - A New Beginning」は,作りこまれたストーリーや世界観,質と量のどちらも充実しているミッション,自由度の高いアクションなど,ゲームを構成するさまざまな面のクオリティが高い。この春に腰を据えて遊べるゲームを探しているゲーマーには,ぜひプレイしてみてほしいタイトルだ。
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