プレイレポート
貞子から逃げて。でないと――新作「貞子M」の謎解きホラー脱出アクションを例の女性と体験
これには例の女性もやってきた。
本作の主軸は,謎の連続変死事件の真相を探るアドベンチャーパートと,貞子が潜むマップでの謎解きに挑むアクションパートである。
物語は“T大学付属高校連続変死事件”の発生から数年後。主人公は記憶喪失になっている「あなた」だ(私・僕・俺から人称選択)。
あなたは未解決事件の犠牲者の身内「紅葉巴杏」(CV:千本木彩花)と,私立探偵の男性「岩井賢二」(CV:てらそままさき)の力を借り,自らの手で事件の謎を究明していくことになる。
当然,事件には「貞子」が関わる。そうじゃなかったら逆に怖い。
■ 紅葉巴杏(あきば ともな) |
■ 岩井賢二(いわい けんじ) |
■ 栢原隆一(かしわばら りゅういち) |
■ 杵島・L・ユイカ(キジマ ローレンス ユイカ) |
■ 嬉野めぐり(うれしの めぐり) |
長い黒髪に,白いワンピースの不気味な女性。
本作に登場する,ジャパニーズホラーの代名詞たる貞子は“ゲームオリジナル設定の貞子”だが,描き方の方向性はオカルトかつサイエンスとのことで,ある意味「分かってる」作りになるようである。
貞子はまさかの場所からはいずって出現することでもおなじみだが,本作でも“現代チックな新まさかの場所”から現れる。
驚きでスマートフォンを落とさないように注意しよう。
ストーリーは章仕立てとなり,各章でシナリオメインキャラクターが変わるなどし,事件をさまざまな角度から追っていくことになるが,内容は紹介すること自体がネタバレになるので深い言及は避ける。
特筆すべきは“シナリオ重視のアプリ”な点で,スタート直後からスマホゲームとしては珍しいほどに,コンシューマ向けのノベルアドベンチャーをやっているかのようなテキストとがっつり対面するところだ。
ミステリーやサスペンス好き,あるいは原作小説や映画を追った人にはうってつけの立ち上がりと言える。
貞子から逃げて。でないと――
ゲームはストーリー進行の合間に「捜査(アクションパート)」がはさまる。基本的に“物語の行き詰まりをアクションの力で突破”といった構造のため,シナリオと連動したプレイ感覚を味わえる。
捜査時は「アバター」を操作し,画面左側でアバター移動,右側でカメラを操り,マップ内の謎解きタスクのクリアを目指す。
マップは立体構造のため,途中で目的地を見失うこともあるかもしれないが,そういうときは地図とタスクを確認すれば安心だ。
ただし,捜査エリアには人間の敵や怪異が潜んでおり,暗がりで追いつかれれば最後(でもない。体力制)。
とても説明しがたい惨状になってしまう(体力0でゲームオーバー)。
謎解きを含めたプレイ感覚は,ゲーム市場で定評を得ているいくつかの非対称型対戦アクションゲームのように,シンプルなルールで遊びやすくはあるが,難度については簡単すぎるわけではない。
スタミナを使う「はしる」,光源で照らす「スマホライト」,机の下などで敵をやりすごす「潜伏」などアクションは多彩だが,全体的にいい意味でスピード感が抑えられており,そのぶん緊張感が高まっている。
アバターには事細かなステータスのほか,鍵開け・交渉術などの技能に影響する「職業」が存在し,捜査時のアクションを左右する。
職業はプレイ経験値によるレベルアップのほか,プレイでためたリソースを使い,成長ボード「能力解析」を自分好みに育てられる。
さらに登場人物のいずれか1人を「協力者」として連れることで,職業外の能力・技能を追加で得られる仕組みもある。
アバターにはバリエーション豊富な「衣服」があり,帽子・眼鏡・マスク・上半身・下半身の見た目や能力に変化をつけられる。
これらは有償通貨やゲーム内アイテムで購入できる。
さらにガチャで獲得する「護符」は,捜査中に自動使用されるスキルで,敵を足止めするなどのさまざまな効果を得られる。
護符にはレアリティに応じたスロットに,さらなる追加効果を付加できる「祈祷文」も装備できるので,オリジナル効果を追求しよう。
本作には(1人でもプレイ可能な)マルチプレイも存在し,フリーマッチングとプライベートマッチングに対応している。
マルチ専用依頼は難度もそこそこ高めなので,職業や技能の違いを生かして探索役,貞子を引きつけるオトリ役に,窮地を救うレスキュー役など,個々人の役割を追求するのも楽しみになるようだ。
また,リリース後には“リアル脱出ゲーム級の本格謎解きイベント”を提供していくという。ストーリー進行に伴う依頼は中盤以降の所感こそ分からないものの,少なくとも序盤は「〜〜で〜〜を拾って〜〜に行く」程度のものであった。しかし件のイベントでは「暗号表の解読」「パズルの構築」など,解法を探すところから見つけないとならない,思考回路をガツンと襲ってくる謎解きギミックを体験できるとのこと。
つまり本作は,貞子にまつわるストーリー(とアクション寄りの脱出ゲーム)に加え,エンドコンテンツとして“ガチの謎解きマルチプレイ”を楽しんでもらう構造を目指しているようだ。
ゲーム面の率直な感想としては,2頭身のアバターというのがそれだけでコミカルに見えたのだが,マップの明暗や異音表現により,普通に,けっこう,かなり怖い。ホラーが苦手な人を突き放すつもりはないが,もしかしたら遊べないかもしれないくらい追われるのがちゃんと怖い。
こちらはがんばってマップを探索しているだけなのに,気付けば彼女はこんな感じで待ち構えていたり,迫ってきたりする。
いざなわれるように興味を持ってしまった人は遊んでみるといい。
「最初は遊びのつもりだったの――」と思う日がくるまで。
今年の秋が危ない――新作「貞子M」の真相を,古びた井戸の横で,関係者たちがポツリポツリと語る
グラビティゲームアライズが2021年秋に配信する,新作スマホゲーム「貞子M 未解決事件探偵事務所」。4人マルチプレイも搭載するという“謎解きアドベンチャー”の真相を,貞子Mの関係者に尋ねてきた。愚かにも,古びた井戸の横で。
「貞子M 未解決事件探偵事務所」公式サイト
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