「Ghost of Tsushima Director's Cut」プレイレポート。強敵で溢れる新マップ「壹岐」は本編クリア後がおすすめ

　「Ghost of Tsushima Director's Cut」（以下，Director's Cut）が，PlayStation 5とPlayStation 4に向けて8月20日に発売される。Director's Cutでは，オープンワールド時代劇アクションアドベンチャー「Ghost of Tsushima」の本編に加え，完全新規ストーリーとなる「壹岐之譚」が楽しめるほか，PS5版はDualSenseのフィードバックに対応し，プレイしたときのフィールも向上している。

　今回は発売に先駆けてPS5版をプレイできたので，その新要素を中心にしたプレイレポートをお届けしよう。

PS5版の場合，PS4版のセーブデータが本体にあれば，メインメニューから簡単に引き継げる

壹岐之譚のプレイは本編クリア後がオススメ

　Director's Cutの目玉といえば，やはり完全新規ストーリーの「壹岐之譚」だろう。新しい追加マップ「壹岐」を舞台にした壹岐之譚では，壹岐に侵攻したある蒙古の一族と主人公・境井 仁の戦いが描かれる。一族を率いるのは，信者から崇拝され，“オオタカ”と呼ばれる呪師のアンクサー・ハトゥン。壹岐之譚では，“呪い”や“信仰”といった本編とは異なるアプローチで，壹岐や境井家の隠された過去に触れる物語が展開されいくのだ。


　壹岐之譚は，本編の第二幕で「豊玉」に到着するとメニュー画面の「進行状況」に追加され，いつでも開始できるようになる。ここで気になるのは，開放されたタイミングですぐに始めても良いのかどうかだろう。結論から言うと，本編をクリア済みであればすぐに始めて問題ない。逆に本編の途中であるのならば，やめたほうがいい。

　というのも，壹岐之譚の物語は本編をクリアしたことを前提に進んでいくので，本編の途中で始めてしまうと，不意なネタバレを食らうハメになるからだ。また，壹岐之譚に登場する蒙古兵達はかなりの強敵なので，装備や技がまともに揃っていない段階で足を踏み入れると，痛い目を見ることになるだろう。


　そして極めつけは，壹岐に到着後，すぐには対馬に戻れないということ。対馬に戻れるようになるまでには，ストーリー上で何度も強敵と戦うことになるので，とくに壹岐之譚が開放されたすぐのタイミングで始めてしまうと，最悪先に進めなくなる可能性もあり得る。
　というわけで，Director's Cutで初めてGhost of Tsushimaに触れるという人や，本編がまだ途中だという人は，本筋の物語を終わらせてから壹岐之譚を始めることをオススメしたい。

蒙古兵を強化する「呪師」の登場で，戦闘がより難しく

　壹岐にいる蒙古兵達は，「呪師」によって大幅に強化されている。呪師は，経を唱えて仲間の士気を高める新しいタイプの蒙古兵で，経の効果範囲内にいる蒙古兵は攻撃力と耐久力が大幅に上昇する。この状態の蒙古兵達と戦うのはかなり厳しいので，経が聞こえたら呪師を探すことに専念し，見つけたら先に片付けておきたい。呪師は槍を持っているので，風の型で攻めればすぐに倒せる。


　呪師のほかにも，剣/盾/槍を切り替えながら戦う蒙古兵や，双頭刃で素早い攻撃を仕掛けてくる剛兵など，壹岐には手強い敵がたくさん登場する。前述したとおり，仁の技や装備が揃っていない段階では，かなりの苦戦を強いられるので，壹岐に向かうときは相応の準備をしておきたい。

動物と心を通わせれば，新しい護符が手に入る

　壹岐に入ると追加される新たな誘い風「霊地の風」「集中の風」は，スキルポイントを使って習得できる。霊地の風は“獣の霊地”に導くもので，獣の霊地ではそこに棲まう動物と笛で心を通わせることで，新しい護符が入手できる。また，笛の演奏が終わると仁の幼少期の記憶が語られるので，積極的に霊地に訪れることで壹岐での物語に深みが増すだろう。

動物とのやり取りはミニゲームになっている。コントローラを上下に傾けて光の玉を操作し，動物側から流れてくる調べに合わせ続けよう

一度心を通わせた動物は，撫でることができる。フォトモードが捗る

　一方の集中の風は“弓の修練場”に案内するもの。修練場では，時間制限内にすべて灯籠を弓矢で撃ち抜くというミニゲームに挑戦でき，時間内にクリアすることでこちらも護符が手に入る。ちなみに，こうして入手した護符は対馬にも持ち込み可能だ。

壹岐では，馬の突進で敵を蹴散らす「馬力」という技も習得できる。こちらも習得後は対馬でも使用可能だ

PS5版はDualSenseのフィードバックに正式対応。仁が受けた衝撃が手のひらに伝わる

　「Ghost of Tsushima」はPS4向けタイトルであったものの，互換性があるのでPS5でも問題なくプレイはできた。しかしDualSenseコントローラのフィードバックには正式に対応しておらず，PS5で遊ぶからこその体験というものは感じられずにいた。それだけに，Director's CutでPS5版が用意され，DualSenseのフィードバックに正式対応したのは，喜ばしいことだ。
　今回のプレイで言えば，刀で相手を斬りつけたときや，逆に斬りつけられたときの衝撃。馬の蹄が地面を蹴るときに乗り手に伝わる微細な振動。弓を引き絞るときの抵抗といったものを，手のひらや指で感じ取ることができた。


　また，PS5版は4K/60fpsで安定して動作するので，プレイ中に妙な引っ掛かりを感じることもなかった。ロード時間もほとんど感じられず，ファストトラベルも一瞬で完了する。加えて，日本語音声に合わせたリップシンクに対応し，キャラクターの口の動きとセリフがより自然に描写されている。総じて，ゲーム体験という観点ではPS4版と比べて数段向上しているので，PS5でPS4版をプレイ中の人は，Director's Cutへのアップグレードをオススメしたい。

※すでにGhost of Tsushimaを持っている人はPlayStation Storeにて，2200円（税込）でPS4版，3300円（税込）でPS5版のDirector's Cutへ，それぞれアップグレードが可能。

新しいLegendsモード「群雄」は9月3日に配信

　Ghost of Tsushimaは，9月3日のアップデートで新しいLegendsモード「群雄」の追加も予定されている。また，Director's Cutの発売当日に行われるアップデートにより，コントローラのレイアウト変更，矢筒の非表示設定，戦闘に使える新しいロックオン機能といった，コミュニティのフィードバックに基づいた機能改良も実装される予定だ。

　仁の物語に一区切りついた人は壹岐之譚で新たな敵に，まだGhost of Tsushimaを遊んだことがない人は，Director's Cutの発売を機に蒙古兵達との戦いに挑んでみてはいかがだろうか。

「Ghost of Tsushima Director's Cut」公式サイト