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  • 任天堂
  • 発売日:2021/10/08
  • 価格:パッケージ版:7678円(税込)
    ダウンロード版:7600円(税込)
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「メトロイド ドレッド」で,未知の“恐怖”との戦いに挑め。メトロイドらしさはそのままに,新たなアクションや探索要素が加わったシリーズ最新作
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印刷2021/10/07 12:00

プレイレポート

「メトロイド ドレッド」で,未知の“恐怖”との戦いに挑め。メトロイドらしさはそのままに,新たなアクションや探索要素が加わったシリーズ最新作

画像集#002のサムネイル/「メトロイド ドレッド」で,未知の“恐怖”との戦いに挑め。メトロイドらしさはそのままに,新たなアクションや探索要素が加わったシリーズ最新作
 任天堂のSwitch用新作アクションゲーム「メトロイド ドレッド」が,いよいよ明日(2021年10月8日)発売される。

 本作は,2Dアクション(メトロイド)とFPS(メトロイドプライム)という,大きく分けて2種類で展開している「メトロイド」シリーズの最新作だ。1986年発売のディスクシステム用ソフト「メトロイド」の登場から35年。リメイクやスピンオフを除くと,国内では2003年2月に発売されたゲームボーイアドバンス用ソフト「メトロイド フュージョン」以来およそ19年ぶり“2Dメトロイド”完全新作となる。

 複数のエリアに分かれ,それが迷路のようにつながったマップを行き来し,さまざまな仕掛けを解いたり,キャラクターを強化したりして探索をする――のちに“メトロイドヴァニア”関連記事)と呼ばれる作品群の大元となったゲームシステムが特徴の“2Dメトロイド”最新作は,はたしてどのような作品となっているのか。プレイレポートを通してその魅力を伝えたい。

※欧米でのリリース日は2002年11月15日

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「メトロイド ドレッド」公式サイト



奇妙な運命で結ばれた,サムスとX,そしてメトロイドの“区切りの物語”を描く


 まずは,「メトロイド」の世界観やこれまでの話を簡単にまとめよう。
 ゲームの舞台は,さまざまな惑星の種族たちによる政府機関「銀河連邦」が,銀河社会の平和と繁栄のために統治している宇宙。主人公は,銀河最強との呼び声も高い凄腕のバウンティハンターであるサムス・アランだ。これまでの“2Dメトロイド”のシリーズ作品では,パワードスーツに身を包み,右腕に装着されたアームキャノンで戦う彼女が,困難なミッションに立ち向かう姿が描かれてきた。

画像は1986年発売の初代「メトロイド」と,1994年にリリースされたスーパーファミコン用ソフト「スーパーメトロイド」。どちらも任天堂の有料サービス「Nintendo Switch Online」でプレイ可能だ(公式サイト
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 あらゆるもののエネルギーを吸収し尽くすその特性から生体兵器として使用され,数々の事件の発端となった浮遊生命体メトロイド。あらゆる生物や死骸,あるいはその一部に浸入し遺伝子情報を得る恐ろしい寄生擬態生物X。そして,Xに寄生され命の危機にさらされたサムスを救ったのは,Xの天敵であるメトロイドのDNAから精製されたワクチンだった……など,これまで“2Dメトロイド”では,サムス,メトロイド,そしてXの長きに渡る因縁が描かれてきたが,本作はその区切りとなる物語が展開する(関連記事)。

 これまでの物語は,本作のオープニングのイントロダクションとしてまとめられているので,初めてメトロイドを遊ぶ人や久しぶりにシリーズ作品に触れるという人でも,すぐに物語の世界に没入できるだろう。その物語は,映画「エイリアン」シリーズなどのSFホラーの名作を彷彿とさせるものがあるので,ゲームをプレイしながらそれを感じ取ってほしい。

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 今回,サムスが受けた依頼は惑星ZDRの調査である。絶滅したはずのXが,惑星ZDRに存在することを示す映像が見つかったのだ。
 銀河連邦軍はサムスへの依頼に先立ち,調査ロボットのE.M.M.I.(エミー)7体からなる調査部隊をZDRに派遣したが,この部隊はZDRへ到着してまもなく消息不明となっていた。もはや事態を打開できる者は,これまでの戦いの中でXへの耐性を獲得していたサムスのほかになかったのである。

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 そしてサムス自身も,ZDR到着し,これから調査を進めようとした矢先に予期せぬ“波乱”に見舞われることになるのだが,それは実際にプレイして確かめてほしい。まさにSFホラーという不気味さのある物語の始まりは,それらの演出もスリルあるものとなっており,ぐいぐいと引き込まれていくはずだ。

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新たなアイテムやアクションを使いこなし,謎多き惑星ZDRを探索せよ


 続いて,ゲーム進行やアクション,システムについて紹介していこう。プレイヤーはサムスを操作して,洞窟,溶岩地帯,森林,水没した研究施設など,迷路のように入り組んだ各エリアを探索しながら,惑星ZDRとそこで起きた出来事の謎を紐解いていく。

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 惑星最深部に位置する洞窟「アルタリア」,惑星のエネルギーを賄うマグマ循環システムのある「カタリス」,海洋生物を研究していたと見られる「バルエニア」,鳥人族の宗教観が垣間見える「フェーレニア」など,各エリアはそれぞれ独自の雰囲気が漂い,また固有のギミックも存在する。各エリアはエレベーターやシャトルによって複雑につながっており,新たなルートを求めて一度探索したエリアを調べなおすことも多々ある。

画像集#015のサムネイル/「メトロイド ドレッド」で,未知の“恐怖”との戦いに挑め。メトロイドらしさはそのままに,新たなアクションや探索要素が加わったシリーズ最新作 画像集#016のサムネイル/「メトロイド ドレッド」で,未知の“恐怖”との戦いに挑め。メトロイドらしさはそのままに,新たなアクションや探索要素が加わったシリーズ最新作

 エリアの各所には隠されたアイテムや通路があり,ビームやミサイルで地形に隠されたオブジェクトなどを壊すことで発見できる。一見通れないような場所でも,ジャンプで越えられるところがあったり,新たに加わったアクションであるスライディングでくぐり抜けられるところがあったりするので,道に迷ったときは壊せるオブジェクトはないか,“ちょっとした隙間”はないかなどを探してみよう。

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 探索に役立つアクション(アビリティ)は,アイテムを入手することで徐々に増えていく。青く光る壁や天井(マグネットサーフィス)に張り付くことができるスパイダーマグネット,マグネットサーフィスに吸着させたり,青く光るオブジェクトを引っ張って動かしたりできるグラップリングビーム,身体をボールのように丸めて狭い隙間を転がって移動できるモーフボールなど,目新しいものからシリーズファンにはおなじみのものまで,さまざまな種類がある。
 アクションを修得するごとに探索可能な領域が広がっていくため,見逃さず確実に入手していくことが,探索を進めるうえで重要なポイントとなるのだ。

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 ほかにも,画面左上の黄色いゲージ「エイオン」を消費することで使用できるアクションが存在する。
 姿を消して敵やセンサーをあざむくファントムクローク。前後への高速移動を連続で3回行えるフラッシュシフト。破壊可能なブロックをサーチするパルスレーダーの3種類で,そのどれもが重要度が高いものとなる。とくに,戦闘でも活用できるファントムクロークとフラッシュシフトは使用頻度が高くなるだろう。

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 なお,探索をすすめる際にとても便利なのがマップ画面の各機能だ。中でもとくにお伝えしておきたい機能はアイコンハイライトで,指定した種類のゲートやブロックなどをマップ上で強調表示するというもの。使いどころとなるのが,新たなアクションを修得したことで開けられるようになったゲートや,破壊できるブロックなどが増えたときだろう。

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 探索を進めると,すでに行ったことがある場所にそれらがあったことを忘れてしまう場合もある。そこで,アイコンハイライトでの強調表示を使用すれば,これから進む場所はもちろん,通り過ぎた場所の再探索もスムーズに進められるのだ。気になる“何か”があるポイントにあらかじめ「マーカー」を置いておけば,その謎が解けたとき再訪しやすくなるので,こちらも活用するといいだろう。

初めての人や久しぶりの人にとってうれしいアイコンハイライト。「悩んで迷ってこそのメトロイド!」というシリーズファンは,それらをあえて使わず,コアな探索要素をそのまま楽しもう
画像集#024のサムネイル/「メトロイド ドレッド」で,未知の“恐怖”との戦いに挑め。メトロイドらしさはそのままに,新たなアクションや探索要素が加わったシリーズ最新作

 ……と,こうした基本的な部分を知っているプレイヤーでも,しばしば探索に行き詰まりがちなのがメトロイドシリーズでもある。最新作でも,それらの調査や謎解きの手応えは健在だ。
 “最大の敵は「ここには何もない」という自分自身の思い込み”である。すでに調べたはずの場所にも,なにか見落としがあるかもしれない。怪しいところはハイライト(もしくは記憶)し,あらゆるアクションを試してみて,複雑な迷路のようなマップの踏破を目指そう。



武器を切り替えて華麗に操り,メレーカウンターを決めて強敵たちを駆逐せよ


 サムスの行く手を阻むものは,謎の多い複雑なマップやさまざまなギミックがある地形だけではない。ZDRの各所には,惑星の原生生物やロボットたちが待ち受けている。

画像集#025のサムネイル/「メトロイド ドレッド」で,未知の“恐怖”との戦いに挑め。メトロイドらしさはそのままに,新たなアクションや探索要素が加わったシリーズ最新作

 サムスのメイン武器であるアームキャノンの基本的な攻撃方法は,弾は無制限で連射も効くが一撃の威力は高くないビームと,弾数に制限があるが強力な一発となるミサイルの2種類。ビームでは与えるダメージが低い。または弾かれるということがあればミサイルに切り替えるといったように,相手の性質に合わせ,この2つを使い分けることが戦いの基本だ。
 なお,画面左上のE(エネルギー)の数値が0になるとゲームオーバー。敵の攻撃や体当たりを受けないように,しっかり回避する必要もある。

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ビームはYボタンで発射。初見の敵はまずはこれで攻撃し,効果が薄かったり,装甲で弾かれるようならほかの武器に切り替えてみよう。アイテムを取ってパワーアップすれば,序盤は手ごわかった敵も倒しやすくなることも
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ミサイルなら装甲の厚いロボットなどにも有効。Rボタンをホールドしている間にYボタンを押せばで発射できる

 射撃の方向は左アナログスティックで変えることができ,移動中やジャンプ中でも,スティックを入れた方向に射撃が可能だ。またLボタンをホールドすればフリーエイムを使用でき,その場で立ち止まったまま自由な方向を狙うこともできる。LボタンとRボタンの両方をホールドすれば,フリーエイム中にミサイルを撃つことも可能だ。

敵と距離を保ちつつ,フリーエイムを活用して射撃すればダメージを受けにくい
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 敵の中には,体当たりなどの近接攻撃を仕掛けてくるものもいる。
 このとき,相手の体が光った瞬間にXボタンを押すとメレーカウンターが発動。成功すれば,敵は一時的にひるみ,その直後にビームなどで追撃することで瞬時に倒すことができる。さらに,普通に倒すよりも多くのエネルギーやミサイルを入手することが可能だ。

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 メレーカウンターのタイミングはなかなかシビアで,こういったアクションに慣れていない人にはリスキーではあるが,成功時に充分なリターンを得られるので,どんどん練習して使いこなせるようになることをオススメしたい。なぜなら,先々に登場するボスと戦うときに,このテクニックが大きな役割を果たすためだ。

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 例えば最初のエリアのアルタリアに登場するボスのコルピウス戦でも,メレーカウンターを活用できる場面がある。戦いを進めていくとあるタイミングで,カメラが横視点から迫力のあるアングルにスムーズに変化。このときタイミングよくメレーカウンターを成功させれば,大きな攻撃のチャンスが生まれるのだ。

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カメラアングルが変わっている間は単なるカットシーンではなく,Yボタンで攻撃できる。RボタンをホールドからのYボタン連打で,ミサイルを思う存分撃ち込むことも可能だ
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 さらに,壁のマグネットサーフィスに吸着することで,コルピウスの攻撃の一部を回避しやすくなるなど,ZDRの各所で待ち受けるボスとの戦いでは,前述した「スライディング」「グラップリングビーム」「フラッシュシフト」など,サムスのアクションをフル活用することで戦いを有利に進めることができるのだ。

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 8月に公開された「メトロイド ドレッド 2nd トレーラー」では,フラッシュシフトの直後にメレーカウンターで反撃する場面や,アイスミサイルで敵の動きを止める場面,ストームミサイルで多数の標的をロックして撃破するところなど,具体的な戦いの様子を確認できる。プレイの前に雰囲気を知りたい方はぜひチェックしてみよう。
 またトレイラーでは,サムスと鳥人族の兵士によるスピーディーな戦いも確認できる。シリーズにおいても重要なポジションにある鳥人族は,その見た目の印象どおりかなりの強敵であり,おそらく多くの人は何度も倒されながらも勝利する方法を探ることになるはずだ。


 ここまでお伝えしてきた多彩なアクションは,サブ画面に切り替えてアクションを選択して……といった操作をする必要がない。すべてスティック操作とボタン操作の組み合わせで瞬時に使い分けることができる。
 もちろんある程度の練習は必要になるが,操作に慣れると自分でも驚くようなスピードで武器を切り替え,華麗に戦えるようになっていく。銀河最強のバウンティハンターの名に恥じぬアクションを自らの手で生み出す――それが本作のバトルの楽しさだ。



生存するうえで欠かせないのが“恐怖の存在E.M.M.I.の追跡をどうかわすか”


 これまでのシリーズでは,(プレイヤーのウデ次第ではあるものの)まさに銀河最強の存在であったサムスだが,しかし本作では,そんな彼女でも戦いにすらならない相手が登場する。

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 それは,ZDRに先遣されていたE.M.M.I.たち。Xの調査のために送り込まれたはずだが,どういう理由かE.M.M.I.は,サムスの存在を感知するや否や,素早く,かつ執拗な動きで追いかけ回してくる。それも,明らかに敵意を表しながら,だ。
 ピクセル化されたドアを抜けるとそこはE.M.M.I.の領域。いつどこからE.M.M.I.が現れるか分からないため,異質な雰囲気のこのエリア内にいるときは注意深く行動しなければならない。

高い敏捷性と耐久力を兼ね備えた惑星外多形態機動調査機ことE.M.M.I.。生物の捕獲とDNA採取に特化した優秀なロボットだが,それがなぜかサムスに襲いかかってくる。いったいこの惑星に何が起きているのか……
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 サムスの武装はE.M.M.I.たちにはまったく効果がなく,捕まってしまえば,ほぼゲームオーバーとなる。……“ほぼ”と断定を避けたのは,E.M.M.I.に対してもメレーカウンターが可能であるため。E.M.M.I.のアームや,頭部のコアが光ると同時にXボタンを入力すれば,拘束を振り払って逃げることができる。が,そのタイミングはかなり厳しく,狙って決めるのは不可能と言っても過言ではない。基本的に“捕まらないように逃げ切ること”がE.M.M.I.の対策方法となる。

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 E.M.M.I.は3つのモードを使い分けてサムスを追ってくる。まずサムスの存在を認識していないうちはパトロールモードで付近を巡回し,特殊なパルスを発して空気の振動,つまり「音」を感知することでサムスを探す。サムスの発する音を感知するとサーチモードへと移行し,最後に音が聞こえた場所へと向かってくる。


 そしてサムスを視認するとチェイスモードに移行。“外敵”を排除せんばかりにスピーディな動きで追いかけ回してくる。チェイスモード中はE.M.M.I.の巡回する区画(E.M.M.I.ゾーン)から出られなくなるので,まずは全力で追跡をかわし,サーチモードに戻さなくてならない。
 遠く離れて視界に入らない部屋に隠れ,物音をたてないよう潜む。E.M.M.I.がサーチモードに戻って別の場所に移動したら,見つからないようそっとエリアの外に逃げよう。

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 なお,E.M.M.I.が放つ特殊なパルスは,どことなく小鳥の鳴き声を思わせる電子音となっており,これも実に不気味な音だ。E.M.M.I.が画面内に見えなくても,この音が聞こえてくるだけで接近を意識させられ,否応なしに緊張感が高まってくる。
 また,E.M.M.I.だけが使えるショートカット用の通路もあるため,“大きく引き離したつもりでも前方に回り込まれていた”といったような,ショッキングな出来事も頻発する。まさにE.M.M.I.はタイトルどおりドレッド(恐怖)を感じさせてくれる存在というわけだ。


 E.M.M.I.がいるのは一定の区画のみで,そこにいない限りは追いかけ回されることはないのだが,しかしE.M.M.I.が巡回している区画は各エリアの中心部を占めている場合が多く,探索を進めるためにはE.M.M.I.のいる区画を頻繁に通過しなくてはならない。前述したファントムクロークやフラッシュシフトはE.M.M.I.の追跡をかわすときにもかなり役立つので,エイオンの残量を気にしつつ,しっかりと活用したいところだ。

音さえ立てなければファントムクロークで欺ける……場合もある
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 なお,E.M.M.I.と戦うための方法も存在しないわけではない。各エリアを管理するコンピューターのセントラルユニットを破壊すると,サムスのアームキャノンが一時的にオメガキャノンへと強化される。

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 ビームを連射するオメガストリームでE.M.M.I.の頭部コアを守る外殻を破壊したあと,エネルギーを最大まで溜めて撃つオメガブラスターでコアを破壊すれば,E.M.M.I.は沈黙する。とはいえ,オメガストリームの照射中や,オメガブラスターのチャージ中も,E.M.M.I.はどんどんサムスへと迫ってくる。
 チャージ等の時間が間に合わなければ,当然,E.M.M.I.に捕らえられてジ・エンドとなってしまうわけだ。そんなスリルと緊張の中で冷静に距離を把握し,正確に照準を合わせ,E.M.M.I.を沈黙させたときの開放感は得も言われぬものがある。

オメガキャノンを構えるとカメラアングルも変化。このときのE.M.M.I.の迫力がまた凄まじい
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 音楽やカットシーンなどの演出は抑えたものとなっており,それによって生まれる静けさによって感じられる孤独感や寂寥感が,未知の惑星を探索している気分を盛り上げてくれる。謎の多いストーリーも,「いったいこの先に何が待っているのだろう」と,探索を進めたいというモチベーションとなるだろう。
 迷路のように複雑なマップや,その中を何度も行き来して仕掛けを解くというゲームシステムは,初めての人にはたしかに難しいものとなるかもしれないが,アイコンハイライトなどの機能を使えばどう探索すればいいかも掴めるはずだ。
 敵はなかなか手ごわく,とくに初見の強敵やボスとの戦いでは何度もやられることになるだろう。こちらはマップ探索も同じだが,“何度も挑んで攻略法を掴み,難関を突破する”というのも本作の特徴の一つ。迫りくるE.M.M.I.の恐怖や強敵との戦いに見事打ち勝ち,この任務を完遂してほしい。


 やり応えのある探索要素や,手強い敵たちとの“納得のいく勝負”ができる磨き抜かれたバトルの操作感など,いつものメトロイドらしさを軸に,E.M.M.I.による未体験のスリルと恐怖を味わうことができる本作は,シリーズファンはもちろん,アクションゲーム好きにはぜひプレイしてほしい作品だ。

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