マフィア梶田の二次元が来い！：第577回「エイプリルフールに渋谷で魔を祓うSTRANGER OF PARADISE」

撮影好調の「わしゃがなTV」。「英傑大戦」特集回でゲストに来ていただいた，声優の最上嗣生さんとわしらです

　今年もエイプリルフールがやってきましたね！　マフィア梶田自身はとくに何かやるというわけでもないのですが，毎年この時期になるとあの手この手でファンを騙そうとする企業系の悪ふざけが大好きでして，アニメやゲームの公式サイトを巡回するのが楽しみのひとつになっています。

　……というか，最近では“ネタ”のはずだった企画がファンからの反響で正式に実現することも珍しくないので，シンプルにサプライズ発表の日としても身構えてしまいますよね。はたして今年はどんな企画がネットのトレンドになるやら……。面白いものを見つけたら，ぜひ自分にもTwitterなどで教えてくださいね！



　「RADIO 4Gamer Tap（仮）」の第190回では，スクウェア・エニックスの「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」（PC / PS5 / Xbox Series X / PS4 / Xbox One）を特集。ゲストとしてディレクターの井上大輔氏をお招きし，ゲームの魅力を解説していただきつつ実際にプレイしてきました。

　言わずとしれた初代「FINAL FANTASY」の世界観をベースに，新解釈の外伝ストーリーが展開される本作。コーエーテクモゲームスの「仁王」チームが開発を担当した歯応えのあるアクションに加えて，マルチプレイを意識したゲーム性も「FF」シリーズとしては新たな挑戦であり，好評を博しています。
　個人的にはダークヒーロー然とした主人公の「ジャック」が，従来の「FF」とは一味違った雰囲気作りに大きく貢献していると感じますし，「オリジン」のシリーズ化も含めて「FF」の新たな挑戦には今後とも期待していきたいところですね。

「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN」公式サイト

　Bethesda Softworksが2022年3月25日にリリースした「Ghostwire: Tokyo」（PC / PS5）。本作は般若の面を被った謎の人物によって引き起こされた怪現象により，魑魅魍魎の跋扈する異界と化した“渋谷”を舞台にしたオープンワールドゲームです。


　幼少時代から妖怪や都市伝説といったオカルトに目がなかったマフィア梶田からすると，本作はストライクゾーンど真ん中の豪速球。発売を心待ちにしておりましたが，今のところプレイ中に味わえるワクワク感は期待を上回っております。


　「バイオハザード」や「サイコブレイク」シリーズで知られる三上真司氏が手掛けておりますし，ゲームのシステム面に関しては不満もなければ驚きも薄めの“手堅い”出来栄え。一方で，世界観や演出面では「これはどう海外向けに翻訳するんだ？」とちょっと心配になるくらい“日本ローカル”なネタがたんまりと盛り込まれており，あくまで「ジャパニーズ・オカルト」というコンセプトに徹底してこだわろうとする気概が見て取れます。


　まさしくそこが本作を評価するうえでもっとも重要なポイントであり，おそらくですが，「現代の渋谷」や「日本独自の民間信仰」を肌で感じたことのあるプレイヤーと，そうでない（※主に海外の）プレイヤーとでは，ゲームに対する感触に大幅なズレが生じることは想像に難くありません。


　日本在住のマフィア梶田は，当然ながら「現代の渋谷」を知る立場としてレビューしており，その視点から見た本作は「和製オープンワールドFPS」として他に類を見ない完成度に到達していると感じます。
　洋ゲーでよく描かれるような「ありそうでない日本の都市」ではなく，渋谷を渋谷として極めて忠実に描きながらも，そこに絶妙な塩梅で土着的なオカルトをミックスした世界観。荒唐無稽かと思いきや，プレイしていると妙に説得力があり，なぜかすんなり納得させられます。


　なお「オープンワールド」とは言っても，主な舞台となるのは「渋谷」のみ。小国を丸ごと探索できる海外のA級タイトルなんかと比べられてしまうと，小粒に感じるのは間違いないのですが，「渋谷」という区画に潔く絞ったからこそ，街並みのディティールには特筆すべきものがあります。きらびやかなネオンに彩られた看板から，コンビニの棚にならぶ商品の一つひとつまで，“こんなんあるよね感”のレベルがとにかく高い。まさしく「神は細部に宿る」とでも言いましょうか，前述した“妙な説得力”は，こういったディティールへのこだわりから生まれているのでしょうね。


　日本の街を現実さながらに探索できるゲームとして，たとえば「龍が如く」シリーズなどがありますが，「FPS」というジャンルに限って言うならば現状では間違いなく本作がトップレベルかと。
　ゲーム全体としての満足度はクリアまでのボリュームも関わってきますし，まだ遊び始めの自分としては評価する段階にありませんが，「渋谷を探索できるFPS」という点に興味があるのなら，間違いなくオススメできるタイトルです。

　まだまだ語るべきことはありますので，次回の連載では登場するキャラクターや戦闘面の魅力について触れていこうかと。お楽しみに！