インタビュー
Oculus Quest 2版「バイオハザード4」が発売。開発を担当したArmature Studioスタッフへのショートインタビューをお届け
本作は2005年にニンテンドーゲームキューブ用ソフトとして発売された「バイオハザード4」をVR化したタイトル。VR向けにするにあたり,さまざまな要素が再構築されているほか,VR環境下でのシームレスなプレイを実現するため新たな機能が追加されているという。
今回4Gamerは,開発を担当したArmature Studioのシニアプロデューサー・Tom Ivey氏とリードゲームエンジニアのAdam Starks氏にショートインタビューを行ったので,その模様をお届けする。また,本作のプレイレポートも掲載済みなので,ゲームの雰囲気を確認したい人はこちらもチェックしておこう。
Oculus Quest 2版「バイオハザード4」プレイレポ。瞬時に武器を取り出しダッシュ撃ち! VR化により新たなプレイスタイルで遊べるように
カプコンとFacebookは日本時間の2021年10月21日23:00,Oculus Quest 2版「バイオハザード4」のリリースを予定している。素早い武器変更やダッシュ撃ちなど,VR化によりさまざまな進化を遂げた本作のプレイレポートをお届けしよう。
Oculusストアの「バイオハザード4」ストアページ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。Oculus Quest 2版「バイオハザード4」がまもなく発売※を迎えますが,現在の心境を聞かせてください。
Tom Ivey氏(以下,Ivey氏):
とても大変な仕事だったこともあって,無事リリースできることにとても興奮しています。本作はバイオハザードのファンはもちろん,初めてバイオハザードをプレイする人にも,驚きと興奮を提供できていると思うので楽しみにしていてください。
Adam Starks氏(以下,Starks氏):
とても長い間手掛けてきた作品なので,プレイヤーからの反応がすごく楽しみです。まもなくリリースということで少しナーバスになっている部分もありますが,とてもワクワクしています。
※インタビューは10月15日に実施
4Gamer:
本作は「バイオハザード4」のVR版タイトルになりますが,VR化するにあたってどのようなテーマに取り組んだのでしょうか。
Ivey氏:
一言で言うのは難しいくらいさまざまな要素があるんですが,大きいものとしては「これまでにない新しい体験を提供する」というものになります。オリジナルは3人称視点でしたが,本作ではすべてのアクションが1人称視点に変化しており,すべてのことを新しいやり方でクリアしていく必要があります。
オリジナルの「バイオハザード4」をすでにプレイしたことがある人は多いと思いますが,内容を知っている人に対しても新しい体験を提供できると確信しています。ボス戦では激しい戦いが繰り広げられますが,本当に自分が戦っているかのような迫力があるのでぜひ体験してほしいですね。
4Gamer:
3人称視点から1人称視点に変化させるにあたり,どのようなことを意識したのでしょうか。
Starks氏:
自分自身がバーチャルの世界に入り込んで動き回れるという設計の元で,本作の制作を進めました。そのためには,プレイヤーがフレキシブルかつ心地よくプレイできることがもっとも大切で,プレイヤーキャラクターの動きはもちろん,クリーチャーの動きにもかなり気を使いました。VRならではの緊張感と難度を保ちつつ,いい作品に仕上げられたと感じています。
また,VRが初めてで慣れていない人のために,移動を3人称視点で行うテレポート機能を実装しています。VRの没入感を損なわない程度にバランスを取りつつ,機能性を高めています。
4Gamer:
オリジナルの「バイオハザード4」から変化した部分,変えなかった部分でこだわったポイントがあれば聞かせてください。
Ivey氏:
まずゲームの内容は変化していません。クリーチャーやギミック,武器などはそのまま残しています。大きく変化したのは体験へのアプローチで,例えばクリーチャーを攻撃するのにボタンを押すのではなく,実際に自分で武器を構えて攻撃をしたり,ギミックは自分から動いて解除したりする必要があります。
また,最初からVRでうまく操作できる人は少ないと思うので,ある程度動きをカバーしてくれるコンフォートモードというオプションを実装しています。このあたりはカプコンとFacebookとで協力して開発を進めていきました。
4Gamer:
VR化するにあたってグラフィックス面で意識した部分はありますか。
Ivey氏:
根本的な部分はオリジナルの「バイオハザード4」を踏襲しており,基本的な作業はVRのテクスチャを何層にもわたって作るというのがメインでした。VRの作品なので当然3Dモデルに置き換えることになるんですが,色合いだったり,影の付け方だったりを調整して平面ではない世界を違和感なく作り出しました。
久しぶりに「バイオハザード4」を遊ぶ人にとっては馴染みがある世界に感じるかもしれませんが,実際にはまったく違うので見比べてみるのも面白いかもしれません。
4Gamer:
どことなく雰囲気がシリーズ最新作の「バイオハザード ヴィレッジ」に似ているようにも感じましたが,影響を受けた部分はありますか。
Ivey氏:
オリジナルの「バイオハザード4」を参考にしつつ制作したので,「バイオハザード ヴィレッジ」はとくに参考にはしていません。ただ,我々がVR化するにあたってグラフィックスを追求した結果,似通った雰囲気が出たというのは,たいへん興味深いことだと感じています。
4Gamer:
VRタイトルですと3D酔いを気にする人もいると思います。何か対策を施していますか。
Starks氏:
先ほど少し話もありましたが,テレポート機能があるほか,柵を乗り越えたり,梯子を登ったりといったアクションのときに3人称視点になるオプションを付けています。また,とくに動きが大きいシーンで注目すべき部分を集中して見られるオプションもあったりと,いろいろと機能が搭載されているので,うまく活用してもらえればと思います。
4Gamer:
最後に本作の発売を楽しみにしているファンや読者にメッセージをお願いします。
Starks氏:
「バイオハザード4」は自分自身もファンであり,16年経ってその作品に携われるのはとても名誉なことだと感じています。とてもすばらしい作品に仕上がっているので,みなさんもぜひ遊んでみてください。
Ivey氏:
いよいよ発売を迎えるということでとても興奮しています。バイオハザードシリーズのファンはもちろん,シリーズを遊んだことがない人もぜひプレイしてください。みなさんからどんなリアクションが返ってくるか,とても楽しみです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
Oculusストアの「バイオハザード4」ストアページ
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バイオハザード4(Oculus Quest 2版)
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