プレイレポート
「OlliOlli World」プレイレポート&インタビュー。カジュアルで病みつきになるプラットフォーム型スケボーゲームの最新作
記事後半では開発者へのメールインタビューも掲載しているのでそちらもチェックしてみてほしい。
2014年にリリースされた1作目の「OlliOlli」,そして翌年にリリースされた「OlliOlli2: Welcome to Olliwood」は,簡単操作でいろんなトリックを繰り出し,さまざまなステージを滑走していくという2Dゲームだ。スキルが必要ながらも難し過ぎず,失敗しても何度もプレイしたくなるという絶妙なバランスが高く評価され,オリジナル作品はBAFTA(英国アカデミー賞)のスポーツジャンル最優秀賞を始め,さまざまなゲーム賞を受賞した。
そんなシリーズの続編となる「OlliOlli World」は,Take-Two Interactiveのインディ系販売ブランドPrivate Divisionとタッグを組み,3Dグラフィックスにフラットなトゥーンシェイダーを加えることで大きく進化。NPCたちがバカンスを楽しんでいたり,巨大なタコやシカなどの野生動物が描かれた,パステルカラーに溢れたカラフルで生き生きとした世界になっている。
Roll7は,もともとは共同設立者であるプロデューサーのトーマス・ヘガティ(Thomas Hegarty)氏,同じく共同設立者でビジネス担当のサイモン・ベネット(Simon Bennet)氏,そしてクリエイティブ・ディレクターのジョン・リビンス(John Ribbins)氏の3人でスタートした小さなメーカーだったが,大きな規模の作品になったことで「オリオリワールド」は総勢42人のメンバーで開発が進められているという。
パステルカラーでいっぱいのスケートボーダーのパラダイス
本作の舞台となるのは,鮮やかで活気に満ちたスケートボーダーたちのユートピア「ラドランディア」だ。多彩なキャラクターたちと出会いをとおして,謎に満ちたスケートの神“スケートゴッド”を探し,桃源郷「ナルヴァーナ」への道を切り開いていくのが目的となるという。
マップはいくつもの島(ディストリクト)で構成されており,今回はチュートリアルで利用される最初の2つから,5つずつのステージをプレイできた。島はステージを示すポイントをつなぐトレイルで結ばれており,このあたりはどこか,「マリオブラザーズ」シリーズのようなクラシカルな作品を彷彿とさせる。
チュートリアルで紹介されるのが4人の仲間たちで, “チャレンジ”をゲーム中に与えてくれる“マイク”,リプレイビデオを撮影しているという設定の“スージー”,みんなのお父さんという役どころの“ダッド”,そしてひとつ目の不思議な女の子“クリフォン”が,ステージの最初と最後でプレイヤーを待つ。(おそらく)念力を使えるクリフォンは,ステージの途中に用意されたセーブポイントで迷走しており,瞬時にプレイヤーを前のセーブポイント,もしくはスタート地点に転送してくれる。
ステージ構成の基本は,頻繁にギャップや階段などの障害物があるプラットフォームと,黄色く表示された“グラインディング”用の手すり, “ウォールラン”ができる壁と,そして方向転換するランプ(クウォーターパイプ)だ。トリックを上手く発動して着地するだけでなく,なるべくグラインディングやウォールランの時間を増やすことでポイントが加算されていく。
それぞれのステージでは,次のステージに行くためにポイントを獲得する必要がある。さらにステージに点在するアイテムをすべて見つけ出したり,特定のトリックを決めたりすることで達成できる“チェレンジ”があり,ステージクリア後も,さらなる高得点を狙う以外に,目標を達成していくことがモチベーションとなっている。また,3Dグラフィックスになったことでルートも何度か分岐し,ある程度の探索の面白さも加えられている。
簡単ながら奥深い操作で,様々なトリックを決めよう
「オリオリワールド」のゲーム操作は,これまでのシリーズどおりにシンプルにまとめられており,地面のキック(PSは[×],Xboxは[A]ボタン)と,[左アナログスティック]の押し込みでジャンプ,操作でさまざまなトリックを使う程度だ。
ゲームのメニューには“トリック”と“ディクショナリー”を組み合わせた造語である“トリックショナリー”というものが用意されており,ここでいろいろ覚えることもできるが,適当に操作しているだけでも割と楽しい。もちろん,しっかり決めれば高得点を狙える大技もあるので,ステージに慣れてくればトリックを覚えて高得点を狙いたくなるだろう。
多くのアクションゲームは,×/Aボタンと言えば“ジャンプ”に無条件に振り分けられていることもあって,「オリオリワールド」ではジャンプしようと思ってキックしてしまってミスすることもある。そんな時は,[△/Y]ボタンを押せば,瞬時にセーブポイントに戻って再プレイ可能だ。
さすがに,手軽だからと同じ場所で何度もミスをすると気がめいってしまうが,少し休憩して再びプレイし始めると難なく通過できてしまうことが起こり得るのは,プラットフォームアクションの不思議さであり,面白さと言えるだろう。
ステージ総数からカスタマイズ機能まで,まだまだ未発表なフィーチャーも満載
それでは以下,Roll7の開発メンバーに,メールインタビューという形で送ったQ&Aに答えていただいたので紹介しよう。
4Gamer:
ローンチ時のマルチプラットフォームサポートや新しいアートワークから考えて,「OlliOlli World」はより大きな層のゲーマーにアピールしているようですね。
Rolle7:
開発最初から私たちにとって非常に重要だったのは,より多くのプレイヤーにゲームをもっとプレイしてもらうことでした。 「OlliOlli」と「OlliOlli2」は,どちらも多くのプレイヤーにとって難度の高いゲームであったことは実感しており,このゲームと私たちの描くゲーム世界をプレイヤーにもっと歓迎してもらいたいと当初から考えました。もちろん,ハードコアなチャレンジに挑戦して,ゲームスキルを習得したいプレイヤーの要望にもお応えできるようしっかりとゲーム作りをしています。
4Gamer:
アートフルな世界観は,どのようなインスピレーションを受けているのでしょう?
Roll7:
多くの人が,Netflixの「ミッドナイト・ゴスペル」やカートゥーンネットワークの「アドベンチャータイム」のような作品を連想されるようです。「オリオリワールド」を含めてこうした作品の共通項と言えるのが「パステルカラーの夢心地な世界」と言えるでしょうが,ゲームプレイをベースにどんな世界が構築できるのかを考えながら,作り出したものです。
4Gamer:
パステルカラーを多用するゲームでは,色覚特性を持つゲーマーのアクセシビリティも必要かとは思いますが。
Roll7:
そのコメントをいただきありがとうございます。現時点ではメニューにアクセシビリティのオプションはないですが,アートチームを中心にその問題については考察している最中であり,どのアプローチを使って解決できるかを模索しながら制作を進めているところです。
4Gamer:
ラッドランズはいくつかのディストリクトで構成されているのでしょう?
Roll7:
現時点では,ゲーム環境やステージの数については最終的な数字をお伝え出来ませんが,今回のデモでご紹介している2つのディストリクトと5つずつのステージは,まだゲームのほんの一部でしかありません。現時点では,公式には「共有可能な何百万ものレベル」とアナウンスしているので,どうなるのか今後の発表をお楽しみにしてください。
4Gamer:
ゲームではスケートスピードの速さはポイントに加算されますか。
Roll7:
いえ,スピードがそれぞれのトリックのポイントに加算されることはないですが,特定のスピードを持続させることはステージのクリアや,例えばより難しい隠しエリアを発見するのに必要なことになります。
4Gamer:
4人の仲間たちにはそれぞれの役割のようなものがあるようですが,“ダッド”は何をするのでしょう?
Roll7:
ダッドはみんなのお父さんです。ちょっとオタクっぽくてヘンな服を着ているし,食べ物や安全アイテムにこだわる人で,みんなが楽しくスケートボードを楽しめるよう願っているのです。
4Gamer:
キャラクターやボードはカスタマイズできますか。
Roll7:
はい。「オリオリワールド」にはカスタマイズオプションを用意しています! こちらもまだ詳しくお話ししていないフィーチャーですが,カスタマイズ機能については我々も非常にエキサイティングに感じている本作の新要素の1つで,いつか詳しく皆さんにご紹介できるのを楽しみにしています。
4Gamer:
サウンドトラックも非常に良いですが,本作の楽曲について教えてください。
Roll7:
BGMも,スケートボードカルチャーをしっかりと表現できるようにしっかりとキュレーションした部分の1つです。
IDM(インテリジェント・ダンス・ミュージック),チル・ビートのエレクトロ,それからダウンテンポ・ビーツといった音楽ジャンルの,アンダーグラウンドなアーティストたちを世界中から探して協力してもらいました。こうしたサウンドとタックを堪能してもらいつつ,ゲームでトリックを決める際のテンポを見つけ出していただきたいですね。
4Gamer:
ありがとうございました。
「OlliOlli World」公式サイト
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