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桜がほころぶ福岡市をピクミンと探索! 「Pikmin Bloom Tour 2024:福岡」体験レポート&運営陣インタビュー
本稿では,ピクミンたちと桜の花を植えつつ,スペシャルスポットとなる福岡市の名所を巡っていくウォーキングイベントの体験レポートをお届けしよう。記事後半では,シニアプロデューサーの小山 顕氏と,イベントマネージャーの長野 剛氏に,「Pikmin Bloom Tour 2024:福岡」の選定スポットのこだわりや,公式X(旧Twitter)で始まった「ARフォト部」など,「Pikmin Bloom」の今をうかがったインタビューも掲載する。
トータル2万5000歩! 福岡市の魅力が詰まった
「Pikmin Bloom Tour 2024:福岡」が楽しすぎた
筆者は,過去に横須賀と京都(岡崎エリア)で開催された「Pikmin Bloom Tour」を取材しており,今回の福岡で3度目のツアー参加だ。3回目ともなると,取材&旅の準備のコツもつかみ,筆者なりのツアーの楽しみ方も発見しつつある。今回は事前準備も含め,筆者とピクミンの福岡ツアーの様子をレポートしていこう。
ピクミンと横須賀市をひまわり畑に! 「Pikmin Bloom Tour 2023:横須賀」体験レポート。開発者にこだわりも聞いた
Nianticの手がける「Pikmin Bloom」のリアルイベント「Pikmin Bloom Tour 2023:横須賀」が,2023年7月23日に神奈川県横須賀市で行われた。イベント開催への想いやこだわりを聞いたインタビューと,体験レポートもあわせてお届けしよう。
動物園や発電所がスペシャルスポットに! 京都の名所にいるピクミンたちに出会えた「Pikmin Bloom Tour 2023 : 京都」体験レポート
Nianticの手がける位置情報ゲーム「Pikmin Bloom」のリアルイベント「Pikmin Bloom Tour 2023:京都」が,2023年11月12日に開催された。本稿では,普通の観光とは少し違う視点で京都を知ることができたイベントの体験レポートをお届けしよう。
■マップを見るのがまず楽しい!〜事前準備編〜
「Pikmin Bloom Tour」は,アプリ「Pikmin Bloom」を使って子どもから大人まで楽しめるウォーキングイベントだ(参加するには事前の申し込みが必要)。その名のとおり歩くイベントのため,歩きやすいスニーカー,(バッテリーの消費が早い人は)モバイルバッテリーを準備することをおすすめする。基本的に市街地を歩くので,飲み物の確保や休憩場所などには困らないが,事前に水分を用意しておくと安心できるだろう。「スペシャルスポット」や「プレゼント配布場所」が掲載されたイベントマップは,公式サイトで事前に確認できる。実際に現地に行ってアプリを見ながらスペシャルスポットを探すのも楽しいが,「テンポよく回って,たくさん観光したい!」「あんまり歩くのが得意じゃない」という人は,事前にイベントマップを見て経路を決めておくのがオススメだ。
ちなみに筆者は,マップアプリを使用して「AからBは5分」など,スペシャルスポットの移動時間を調べ,事前にどんなルートで回るかの計画を立てておく派だ(石橋を叩いて渡るタイプなので,目安が分かると安心して進める)。このマップを見ながら,「ここでご飯を食べよう」「ここはじっくり見よう」と考える時間も最高に楽しい。
なお,現地に行くと景色に目を奪われて立ち止まってしまったり,近道と思ったら急な坂だったりと,マップを見ているだけでは分からない発見や驚きがあって,旅の面白さを毎回あらためて実感する。
■史跡もグルメも満喫!〜当日編〜
「Pikmin Bloom Tour」の当日は,特別な3つのお題に挑戦できる。チケットを入手していても,ちゃんと開催地に行かないとお題は表示されない,ツアー参加者のみがチャレンジできる仕組みだ。スペシャルスポットは全部で12か所あり,全部踏破すると約6キロ,1時間15分〜20分ほどのコースとなる。1時間以上歩くと思うとげっそりするが,実際には各スポットで観光&休憩できるので,運動不足気味でも「もう……足が動かない」とはならないので安心してほしい(インドアな筆者の体験談なので,信憑性は高い……はず)。
なお,お子様連れで全スペシャルスポットは難しいという場合は,7か所巡ればお題はクリアできるので,自分たちのペースで楽しめるのも本イベントの魅力だろう。
もう1つの魅力は,多彩なスポット選定だ。「福岡城天守台」や「福岡市赤煉瓦文化館」など歴史を感じられる場所から,「唐人町商店街」や「新天町商店街サンドーム」など街の様子がうかがえる場所まで,本当にさまざまなスポットがある。筆者は旅行時に,史跡巡りや食い倒れといった目的を決めがちなので,こういった場所を巡る体験は新鮮で,ワクワク感が高まった。
いろいろな場所を訪れたなかで,「光雲神社 鳥居」を見たついでにお参りをして御朱印をいただいたり,「観月橋(北側)」でピクミン撮影に悪戦苦闘したり,自分なりの楽しみ方やお土産探しを満喫した。のんびり,まったり,マイペースに楽しめる,本当に散策にピッタリのイベントだ。
今回のイベントでは,スペシャルスポット以外にも,福岡名物「もつ鍋」を食べたり,「博多あまおう」のパフェを食べたり,福岡市を満喫しながら歩き回って,トータル2万5000歩以上という結果に。それでも大変だったというよりも,楽しかったという気持ちが強いのはピクミンたちのおかげだ。
気候がだんだん暖かくなり,散策にぴったりの季節がやってくる。皆さんもぜひ,ピクミンと一緒に街へ出かけてみよう。
ARフォトは花壇が狙い目!
「Pikmin Bloom」の今を聞く運営陣インタビュー
4Gamer:
まずはお約束の質問になりますが,今回の開催地である福岡の魅力やスペシャルスポット選定の意図を教えてください。
長野 剛氏(以下,長野氏):
スポットの選定は,参加者の皆さんがどこを訪れてどう歩いたら,福岡市の魅力が一番伝わるかということを,市の皆さんとお話ししました。
今回の場合は「福岡城さくらまつり」(期間:3月27日〜4月9日)の時期の開催でしたので,会場近くである舞鶴公園を拠点に,その周辺で歩いて楽しい場所や,見どころになっている場所を,福岡市さん側と話し合って決めました。
4Gamer:
桜の時期の福岡を歩けるなんて,ステキですよね。
小山 顕氏(以下,小山氏):
そうなんですよ。直前まで雨が降ったり,桜が咲いていなかったりしていたんですが,イベント当日は天気にもお花にも恵まれて,良かったです。
長野氏:
桜だけが理由ではないですが,「福岡城さくらまつり」の時期というのはイベント全体でも,ステキな見どころになりましたね。
4Gamer:
桜もですが,福岡市は「一人一花運動」という取り組みをしているため,プランターや花壇が多いですよね。スペシャルスポットを巡るなかで,ピクミンたちが植えているチューリップやパンジーを見かけるのもいいなと思いました。
長野氏:
そうなんですよ。顕さんは,昨日「ARフォト」を使って,花壇でピクミンたちを撮影していましたよね。
小山氏:
公園の池沿いの花壇がキレイで,「Pikmin Bloom」とマッチしたロケーションです。そのなかで,参加者の皆さんが楽しんでくれたらいいなと思っています。
4Gamer:
今回,土日の2日間(1人につき参加は1日のみ)になったのは,やはりこれまでのイベントの反響の大きさからでしょうか。
長野氏:
はい。抽選制の事前申し込み形式のイベントですので,どうしても参加できないユーザーの皆さんも出てしまいます。今回はより多くの方に楽しんでいただきたいという思いから,2日間の開催を決めました。
4Gamer:
以前の取材で,全国から参加者が集まるとお聞きしました。福岡から距離のある地域にお住まいの方もいますし,土日のどちらかを選べると気持ち的にも楽になりますよね。
小山氏:
僕ら自身も第1回の「Pikmin Bloom Tour 2023:札幌」(2023年4月23日開催)の時に,もう1日あったら,参加者の皆さんのペースで観光するコースも考えてもらえただろうなと感じました。今回は,その形で楽しんでもらえているのではないかなと思います。
4Gamer:
かなり早い段階から,2日間での開催を考えられていたんですか。
長野氏:
ありがたいことに,参加希望の申し込み数は多くなっています。そのため,具体的な時期は言えませんが,多くの方に参加していただきたいと思い,2日間開催を考えていました。
4Gamer:
アプリのイベントというだけでなく,旅行も兼ねて家族や友だちと参加したくなる内容だと思います。
長野氏:
イベントもそうですし,「Pikmin Bloom」そのものが,あまり画面を見る必要がなく,歩きながら楽しめるプロダクトですからね。
4Gamer:
「Pikmin Bloom Tour」は4回目の開催となりますが,とくに印象に残っていることを教えてください。
長野氏:
どこの開催地でも,参加者の皆さんがイベントで配布しているピクミン型のサンバイザーをつけて,歩いてくださっていることに感動しています。それを見た方がSNSで「街でピクミンが歩いてる」や「ピクミンがどこどこにいる」と発信し,一種の現象として広がっているのがうれしいです。
小山氏:
同意ですね。ピクミンを見つけるアプリですので,実際に見つけられるし,参加者自身もピクミンになって歩くというのは「Pikmin Bloom Tour」独特の楽しみですよね。いろいろな方が楽しんでくださっている姿を見られるのが,1番印象に残っています。
長野氏:
今回に限らずですが,地元の商店街の皆さんにもご協力いただいています。フォトスポットの設置やステッカーの配布,さらにお店の皆さんにもサンバイザーを身に着けていただいています。その様子が見ていて楽しいですし,やりがいを感じます。
4Gamer:
商店街のいたるところに,ピクミンのサンバイザーを身につけた方がいるので,みんなでイベントを盛り上げているところがいいですよね。商店街のフォトスポットを見ていると,海外からの参加者も増えたように感じました。
長野氏:
福岡市は,海外からのアクセスがいいのも魅力ですし,タイミングが良かったのかなと思いますね。
小山氏:
「キノコお助けメガホン」(遠くのフレンドをキノコチャレンジに招待できるアイテム)が実装され,キノコチャレンジで海外の方とつながっている感じが強くなっていました。それがイベントで可視化されたといいますか,さまざまな国の方とつながる機会になっているといいなと思います。
4Gamer:
アプリについても,いくつか質問させてください。2023年11月20日より,ウィークリーチャレンジに新機能の「誰とでもグループ」が実装されました。反響はいかがでしたか?
小山氏:
自主的にフレンドとコミュニティを築いている人もいれば,ソロで遊びたいという人もいて,どちらの距離感でも遊べることを大事にしています。ほどよい距離感を作れるためか,ご好評をいただいています。
4Gamer:
私はソロで遊ぶことが多いので,個人的にも助かっています。またお話ししたりお会いしたりすることはないですが,かなり歩いている人や,オシャレなアバターなど,ちょっとしたプレイスタイルが垣間見えるのも楽しいですよね。
小山氏:
本当にMii(アバター)で自己表現されている方もいますし,びっくりする歩数を歩いている方もいますよね。見ず知らず同士なのに,ちゃんとつながっている感じがあるプロダクトで,僕らも開発していて不思議だなと思います。
4Gamer:
Miiと言えば,最近イベントの報酬にコスチューム系が増えてきました。これは,オシャレも楽しんでほしいという意味もこめてなのでしょうか。
小山氏:
アプリも2周年を迎え,フレンドが多くなってきた方も多いと思います。デフォルトのMiiを使用されている方も多く,皆さん同じ姿だと少し味気ないですよね。Nintendoのアカウント連携をしてオリジナルのMiiを使用している場合でも,服装の選択肢が少ないと感じていた方もいたはずで,そこをどうにかできないかなと考えました。
なかには有料のものもありますが,ウィークリーチャレンジなどで並んだときに,服装でも季節を感じていただけたらなと追加しました。
4Gamer:
季節感のあるコスチュームは,今後も予定されているのでしょうか。
小山氏:
皆さんで楽しく,遊べば遊ぶほどコスチュームの選択肢が増えていくようにしていければと思います。
4Gamer:
公式Xで,「ARフォト部」がスタートしました。こちらを始めた理由を教えてください。
小山氏:
こちらから提案しなくても,オーガニックにARフォトを楽しんでくださっている方はたくさんいます。そんな皆さんに我々も協力して,より楽しんでいただきたいなと考えてスタートしました。
長野氏:
そうですね。すでに楽しんでくださっている方には作品を発表できる場,知らない方にはこんな楽しみ方があるという紹介の場になればと思います。弊社としてもARはウリの1つなので,いろいろな方に触ってほしいという気持ちもあり,積極的にアピールしています。
4Gamer:
ARフォト部のタグを見ても,影や自然を利用して,芸術的なフォトを撮影している方をよく見かけますね。何か撮影のアドバイスがあれば,教えてください。
小山氏:
先ほど私も撮影したというお話をしましたが,花壇は狙い目です。段差のある花壇は,平面を検知しやすく,お花とピクミンの相性もいいです。手前にフラットな空間があって,奥に花や自然があるロケーションがあったら撮影してみてください。
4Gamer:
自然もですが,スポットに合わせたデコのピクミンを撮影したくなるのが面白いところですよね。福岡ですと,博多ラーメンの横にラーメンデコのピクミンたちを並べたくなります(笑)。
小山氏:
本当にそういうふうに,ピクミンは日常や旅に溶け込みますよね(笑)。そのための機能だと思っていますし,皆さん工夫して撮られていますね。実はロード画面のイラストも,「日常にピクミンがいたらこうだよね」というシーンを描いています。
4Gamer:
イラストからピクミンたちの日常がうかがえて,起動するたびにほっこりしています。アプリやイベントでここに注目してほしいという部分はありますでしょうか。
長野氏:
イベントだけでなく,近所でもいいのですが,知っているけど行ったことがない場所,近くに行くけど通ったことがない場所を散策,探索してみてほしいです。僕たちも社内のメンバーで歩いてみたのですが,「この小道いいよね」や「こんなお店あったんだ」という発見があり,そんな寄り道をするには最適なアプリだと思います。
小山氏:
そういう時に,「探知機」(近くの苗やフルーツを見つけられるアイテム)を使ってみてほしいです。皆さん,苗を見つけるために使うと思いますが,「探知機」で見つかったフルーツからは,必ずポストカードが手に入ります。お土産のポストカードが欲しい方は,フルーツを拾うのも忘れずに。面白い場所がポストカードになっていますし,更新すると同じスポットでも写真が新しくなっている場合もあります。ユーザーの皆さんと協力して,作っている要素ですね。
長野氏:
あと「Pikmin Bloom Tour」では,スペシャルスポットの説明文はぜひ読んでいただきたいです。弊社のゲームデザイナーが考えていて,歴史やどんな場所かも分かりますし,クスっと笑えるものもあります。
4Gamer:
スペシャルスポットの説明文を読むだけでいろいろ知ることができ,自分が計画する旅行ではできない発見があるのも本イベントの楽しさですね。
小山氏:
そうですね。「Pikmin Bloom Tour」に参加すれば,旅はもちろん,花を植える,ピクミンを見つけるなど,「Pikmin Bloom」の楽しみ方や面白さを全部知ってもらえると思います。
4Gamer:
最後に,プレイヤーの皆さんへのメッセージをお願いします。
長野氏:
いつも遊んでいただき,イベントに参加していただき,ありがとうございます。これからもよりよいイベントを開催し,参加していただけるように頑張ってまいります。「こういうふうにしてほしい」というご意見がありましたら,遠慮なくSNSなどで発信していただけたら幸いです。
小山氏:
ユーザーの皆さんの声をいろいろな形で拝見していますし,プロダクトに反映させています。なかなか希望通りにいかないこともあると思いますが,ちゃんと我々も目を通していますので,気長に待ちつつ,楽しんでいただきたいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
――2024年3月30日収録
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