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ポケモン25周年で待望のリメイクが発表された“究極”のタイトル,「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」を振り返る
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印刷2021/03/11 12:00

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ポケモン25周年で待望のリメイクが発表された“究極”のタイトル,「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」を振り返る

 「ポケットモンスター」シリーズが,2021年2月27日に25周年を迎えた「ポケットモンスター 赤・緑」が発売されたのは,1996年2月27日のこと。子供の頃にプレイした人が,今は自分の子供とポケモンで遊んでいてもおかしくない歳になっているのだから,月日の流れは早いものだ。
 筆者は小学生のときに「ポケットモンスター 赤・緑」と出会った(正確には,筆者が最初に手にしたのは購入方法が特殊だった青なのだが)人間だが,まさか大人になった今でも遊んでいるとは。ポケモンというコンテンツの広がり,人気の高さには驚くばかりだ。


 25周年を迎えた当日の0時には「Pokémon Presents」が配信され,さまざまな新情報が明かされた。その中で最も大きなトピックは,やはり「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンドシャイニングパール」の発表だろう。2006年にニンテンドーDSで発売された「ポケットモンスター ダイヤモンドパール」のリメイク作品だ。

 この発表は,多くのポケモンファンにとって待ちに待ったものであったかと思う。近年のネット上の反応を見ていても,ポケモン関連の新情報が発表されるたびに「ダイパリメイクは!?」という声は数多くあった。もちろん,タイトル展開の順番で言えば,次のリメイク作が「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」という予想はあってのことだろうが,それ以上に,復活を切望されるだけの理由もあるタイトルなのだ。
 本稿では,リメイクを控えた「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」が当時のプレイヤーにとってどんなゲームだったのかを振り返ってみたい。



「究極」をテーマに,本当にあらゆる面で究極だった


 「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」が発売されたのは,2006年9月28日。つまり今年で発売から15周年ということになる。
 2年後の2008年9月13日には,一部シナリオの変更などを行った新バージョンの「ポケットモンスター プラチナ」も発売されているが,プレイヤーがこの世代のポケモンを指すときはプラチナを含めず「ダイパ」と略して呼ぶことが多い。

「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」は9月28日で15周年を迎える。え,遊んだの15年前!? 時の流れが早すぎる。ディアルガが操っているのではないか
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ギラティナをパッケージにした「ポケットモンスター プラチナ」。対戦環境への影響が大きかったので,対戦用のポケモンはこちらでせっせと育てた覚えがある
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 舞台となるのはシンオウ地方だ。それまでに登場したカントー地方やジョウト地方よりも自然豊かな印象……というか,地形が妙に複雑で,火山や湿地など険しいロケーションが多い。雷雨は振るわ,霧は出るわ,吹雪に見舞われるわ,砂嵐は巻き起こるわと,冒険の舞台としてはシリーズ屈指の大荒れ具合ではなかろうか。ついでに,とある場所のホラー演出が妙に怖い。

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 新作らしく登場ポケモンも大幅に増え,「ぜんこくずかん」に登録できるポケモンは493種類(※)に。ゲームボーイアドバンス世代のタイトル展開が,新作の「ポケットモンスター ルビー・サファイア」の次に,シリーズ初のリメイク作品「ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン」だったので,シンオウ地方の登場で久しぶりに新ポケモンがたくさん出てきて嬉しかった。「ポケットモンスター 赤・緑」の151匹から考えたら,3倍以上になったわけで,ポケモンどこまで増えるんだよという感じだ。
 ネタとして「ポケモンの種類がそのうち4桁に到達するのでは」と言われるようになったのは,この頃からだったと思う(25周年でもまだ1000匹は越えていないが)。

※一部のポケモンは発売当時,「ダイヤモンド・パール」のソフトだけでは入手できなかった。

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ナエトル,ヒコザル,ポッチャマからパートナーを選んで,シンオウ地方での冒険に旅立つ。進化したヒコザルには「またほのお・かくとうかよ!」と画面の前でツッコミを入れてしまったことを覚えている。まあ,次のイッシュ地方でも同じこと言うんですが
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 こうしたボリュームアップが図られた「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」だが,実は「究極」をテーマに作られている。シリーズの開発において,テーマを定めるようになったのがこの頃だそうで,例えば「ポケットモンスター ソードシールド」なら「最強」がテーマだ。このあたりの話は同作のインタビューで語ってもらっているので,ぜひ合わせて読んでみてほしい(関連記事)。

 この究極というテーマは,時間と空間を超越したものであり,別次元のものと開発チームは考えたそうだ。そうした発想から,「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のストーリーは神話性を絡めたものになったという。言われてみれば確かに,ストーリー面でポケモンに引き込まれるようになったのは,テーマが定められた本作の頃からだったかもしれない。
 パッケージを飾る伝説のポケモンも,時間を操る「ディアルガ」,空間を操る「パルキア」という,スケールの大きな存在だった。

ディアルガとパルキア(画像は「ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」のもの)
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 そして本作は,実際に別次元の進化を遂げたタイトルと言える。とくに分かりやすい進化ポイントとなるのが,ハードウェア面だ。ニンテンドーDSで初めて発売されたポケモンであるため,それまで展開されてきたゲームボーイアドバンス世代のポケモンとは,大きく異なっていたのだ。
 上画面から下画面に視線が移動するタイトル画面や,UIの整理で小さな携帯ゲーム機でありながらぐっと見やすくなった戦闘画面,そしてスケールの大きな,2画面をフルに使ったイベントムービーなど,純粋にグラフィックスが強化されたのはもちろん,ニンテンドーDSの2つの画面が活用された新しいゲームであることを感じさせてくれた。
 ……「画面の小さな携帯ゲーム機」という表現自体,今から考えると時代を感じさせるが。Nintendo Switchもスマホも,画面でかいし。「かがくのちからってすげー!」というやつだ。

当時は2つの画面に分割された表示でものすごく見やすくなった気がしていたが,今,改めて本体を見ると,この小さな画面で遊んでいたのかと驚く。写真は,もはや上の画面が映らなくなってしまったニンテンドーDS Lite
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 もう1つ,ハード面で大きく変わったのが通信機能である。「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」では,シリーズとしては初めて,追加機器を必要としないワイヤレス通信が可能となった。
 もともと,ポケモンは通信による楽しみがフィーチャーされているシリーズであり,「ポケットモンスター 赤・緑」の頃から「通信ケーブル」を用いた通信ができた。当時は,弁当箱のようなサイズのゲームボーイ本体と,ゲームボーイ同士をつなぐ通信ケーブルを持ち歩いていたのだから,今,思い返せば正気の沙汰ではない。
 ゲームボーイアドバンス世代の「ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン」になると,ソフトに付属のワイヤレスアダプタを使うことで,ワイヤレス通信が可能となったが,これもゲーム機本体とは別にアダプタが必要だった。

 そんな状態から,ニンテンドーDSの本体機能だけで完結するワイヤレス通信の登場である。遊びやすさが,それまでの比ではない。近年のタイトルほど自由ではないが,オンラインでの交換システムも用意され,インターネットを使った遊びの広がりにはワクワクさせられた。
 また,シンオウ地方の地下世界を舞台に,友達と一緒に楽しめる「ちかつうろ」や,ポケモンをダンスや演技で競わせる「ポケモンスーパーコンテスト」など,対戦と交換以外にもワイヤレス通信を用いた遊びが用意されていたのも印象的だった。

 ちなみに,今ではポケモン映画のお約束となった映画館でのポケモン配布だが,これが行われるようになったのも,ワイヤレス通信が可能になってからだ。初めて映画館で配布されたのは2007年の「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」のときで,ここではダークライがお迎えできた。

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初代ポケモン直撃世代にとっての思い入れ


 グラフィックスや登場ポケモン数,ハードの機能と,当時の環境としてはまさに究極のポケットモンスター。それが「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」だった。そんなタイトルなだけに,リメイクが切望されていたのも納得なのだが,個人的にはもう1つ,ポケモン直撃世代としての思い入れも加味したい。

 先に述べたとおり,筆者は小学生の頃に「ポケットモンスター 赤・緑」と出会っているのだが,そこからポケモントレーナーとして歩んできた結果,「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」は高校〜大学生のあたりでやり込んだタイトルだ。学生時代にハマったものは,やはり思い出に残る。「ポケットモンスター 赤・緑」から10年後のタイトルであるからこそ,長年のファンの多感な時期に刺さっているのだ。そりゃあ「リメイクでもう一度遊びたい!」と思うというものである。

 当時の個人的な思い出を話すと,通信環境の大幅な進化は,対戦へのやる気を生み出した。筆者がいわゆる“個体値”を意識して,対戦に向けたポケモンの育成を始めたのはこの頃で,対戦用のメンバーをどうするか考えるだけで楽しかったものだ。

 筆者の推しポケモンはガブリアスなのだが,間違いなく「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」から対戦をやり込んだ影響だろう。ストーリー中で人気キャラクターが切り札的に繰り出してくることから,印象に残っている人も多いであろうポケモンだが,ガブリアスの活躍の場と言えばやはり対戦だ。当時(というか,ここからしばらくの世代)対戦に熱中した経験があるなら,こいつを意識しなかったプレイヤーなどおるまい。
 速い! 強い! カッコイイ! あと速い!! なんだその絶妙に高い素早さは。ドラゴン・じめんのタイプ一致から繰り出される,げきりんやじしんの破壊力は文句なしに強力だし,覚えられるサブウェポンの種類も豊富。先手を取って相手を殴り倒すタイプのくせに,防御面も地味に優秀で,頼りになりすぎる。最初は単純に「強いから」で選んでいたのが,使い倒しすぎてすっかり愛着が沸いてしまった。
 いや,近年の対戦環境ではだいぶ大人しくなっちゃったけど,長いこと大暴れしたから仕方ないね。今でも好きだよガブリアス。

「ダイヤモンド・パール」で登場以来,長いこと対戦環境のトップに君臨し続けたガブリアス。こおりはやめろ,4倍だ
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 そんなこんなで,思い入れのある「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」だが,肝心のリメイクはどのようなものになるのだろうか。
 良くも悪くも驚かされるのがグラフィックスだろう。「ポケットモンスター ソード・シールド」でグラフィックスが大幅に強化され,キャラクターの頭身も高くなったので,直後に本作の二頭身のキャラクターを見ると,さすがにびっくりする。

 本作は,原作のサイズ感を丁寧に再現し,懐かしの場所を冒険できるようにしているとタイトル発表時に明かされているので,その点で二頭身になるのは必然なのだろう。というか,「ポケットモンスター ソード・シールド」に寄せた作りで,入り組んだシンオウ地方を冒険するとなると,だいぶ感覚が変わってくるのではないだろうか。
 一方で,個人的には「今の時代に生まれ変わったダイパが遊びたかったな」という気持ちも強いので,手放しで喜べるかというとちょっと悩む。このあたりは,実際にプレイして感触を確かめたいところだ。

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 ともあれ,待ちに待ったリイメイクは,2021年冬にやってくる。今後の情報公開を楽しみにしつつ,同時に発表されたシンオウ地方の過去を描くタイトル「Pokémon LEGENDS アルセウス」にも期待したい。

「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」公式サイト

  • 関連タイトル:

    ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド

  • 関連タイトル:

    ポケットモンスター シャイニングパール

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