プレイレポート
[プレイレポ]生と死の世界を渡り歩くソウルライクARPG「ロード オブ ザ フォールン」。魔神により荒廃しきった世界に希望を取り戻せ
もはやゲームジャンルとして確固たる地位を築いたソウルライク系の作品。その中でも初期のソウルフォロワーのゲームとして,欧米などを中心にヒットした作品が,約10年の時を経てどのような形で復活したのか,発売前にプレイする機会を得たので早速レポートをお届けしたい。なお,今回プレイしているのはPC版だ。
「ロード オブ ザ フォールン」公式サイト
邪悪に蝕まれた荒れ地を巡り,魔神の復活を阻止せよ
本作の舞台は,モーンステッドと呼ばれるファンタジー世界だ。かつてこの世界は暴虐を尽くす魔神アディールにより支配されていたが,長きにわたる戦いを経て人類はアディールに勝利し,平和な時代が訪れた。
だが,不滅である魔神が消滅することはなく,虎視眈々と復活の機会を伺い,ついにはその配下である悪魔たちが地上を蹂躙するまでに事態は悪化していった。アディールの復活は目前に迫り,人々のために戦う戦士たちも倒れ,荒廃した地上に残された人類の命運はもはや尽きたかに思えた。
残された唯一の希望は,アディールの宿敵であるオリウス神を崇拝する教団の騎士たちだけだった。彼らは「生者と死者の世界の領域を移動できる」という,強力だが冒涜的な力を持つ「アンブラル・ランプ」を発掘し,これこそが魔神を滅ぼす手段であると確信する。
プレイヤーは,とある事情からこのランプを入手し,魔神を打ち倒す“闇の十字軍”として,強大な敵が跋扈するモーンステッドの各地を旅していくことになる……というのが物語の導入だ。
冒頭でも触れたように,本作はソウルシリーズなどの影響を強く受けた,三人称視点のアクションRPGだ。プレイヤーはモーンステッドの地で戦闘や探索をしながら,この世界の秘密や,魔神アディールに迫っていくことになる。
ソウルライク作品としては定番だが,世界観は非常にダークであり,エリアの多くは廃墟などの人々の生活を感じない場所になっているうえ,凶悪なモンスターがそこかしこにうろつく。基本的に安全な場所は,道中に定期的に置かれている「痕跡」と呼ばれる休息とワープポイントを兼ねた拠点のみとなる。
フィールドそのものは数多くの分岐や高低差などが用意されているが,基本的には特定の仕掛けを解いたり,ボスを倒したりすることによって,行動範囲が広がるという仕組みだ。とはいえ道中の敵はザコですら強力で,何も考えずに突っ込むとあっという間に死んでしまう。
敵の攻撃力が単純に高いだけでなく,手前の敵を攻撃すると周囲の敵が一斉に襲ってきたり,アイテムを取った瞬間に隠れた敵が飛び出してきたり,近くの敵との交戦中に遠方の敵が飛び道具で攻撃してきたりと,序盤から殺意が相当に高い。そのため,なるべく一体ずつ相手にする,敵の遠距離攻撃の射線上に入らない,明らかに強そうな敵からは素直に逃げるなど,慎重な立ち回りが重要になる。
なお,ゲームオーバーになった際,経験値にあたる「活力」は,その場にドロップして1回だけなら回収できるが,回収前に再度ゲームオーバーになると永久に失われる。基本ではあるが,レベルアップが近いときは無理せず拠点に戻るなど,リスク管理を徹底することが,結果的にスムーズなプレイに繋がるはずだ。
プレイヤーの分身である主人公は,ゲーム開始時にキャラクタークリエイトを行い,序盤の装備やステータスに関わるクラスを選択する。重装備で片手剣と盾を駆使する聖なる騎士や,火炎の魔法で敵を遠距離から始末できる炎の崇拝者,平均的で低いステータスしかない断罪された者など,さまざまなクラスが用意されている。
また,顔のパーツの変更や見た目の年齢はもちろん,肌の色や性別,体型やタトゥーなども細かく調節可能なので,じっくりこだわって作り込むのもいいだろう。なお,ここで決めたクラスやステータスは,あくまで初期値として設定されるだけで,レベルアップ時にどのステータスを伸ばしてもいいし,必要ステータスさえ満たせば装備も自由である。
とはいえ,基本的には最初のクラスに沿った育成をすることになるだろう。いろいろと試して,自身のプレイスタイルに合うものを選ぶのもいいだろう。
生者の世界「アクシオン」と死者の世界「アンブラル」。二つの世界を行き来することが探索のカギだ
シビアな戦闘以外に,もう1つ本作の大きな軸となっているのが「アンブラル・ランプ」だ。見た目は単なる青い光を放つ手持ち式のランタンだが,実は,生者の世界「アクシオン」と,死者の世界「アンブラル」を行き来できる力を持っている。
本作のマップは“表側”のアクシオンと“裏側”のアンブラルの二層構造になっている。アクシオンで死ぬとアンブラルで甦るという,残機(ライフ)のような役割も持っているが(アンブラル側でも死ぬと拠点から復活),二つの世界を上手く渡り歩かないと,先に進むのもままならない場面がある。
例えば,アクシオンでは単なる断崖絶壁でも,アンブラル側では崖を移動できるギミックが用意されているという場所がある。“向こう側”に何かある場合,周囲に蛾が飛び交っているなど,何かしらの目印が用意されていたり,露骨に邪魔なオブジェクトが置かれていたりする。そうしたときはランプを掲げて,周囲を確認してみると新しい発見があるだろう。
アンブラル側に何かあることが確認できたら,あとはランプを好きな場所で使えば“リフト”(移動)できる。見た目がより荒廃し,空気も重苦しいが,基本的な地形は大きく変わらない。ただし,たとえランプの力で移動したとしても,アンブラルで死ねば即ゲームオーバーな点には注意したい。
元々モーンステッドは現実世界のアクシオンでも十分に危険だが,闇世界とも呼ばれるアンブラルは,より危険な領域となっている。例えば,一定時間が経過すると敵がどんどん沸き始めるので,長時間の滞在はそれだけで危険だ。
しかし,ランプの力でアクシオンからアンブラルに移動できても,実はその逆は不可能になっている。ランプでの移動は“一方通行”なのだ。
アクシオン側に戻るためには,すでに発見した,もしくは先にある未発見の拠点へたどり着くか,フィールドに点在している“形代”と呼ばれる移動ポイントを利用するしかない。じっくりと探索できるアクシオンに比べ,アンブラルに長くいることはそれ自体がリスクを高める。リフトする際はどうやって生き延びるか,ある程度算段をつけてから実行する必要があるだろう。
ただし,アンブラルへの移動はデメリットだけではなく,ルートがショートカットできたり,取得できる経験値(活力)にボーナス倍率がかかったりする。上手く利用して,プレイを有利に進めよう。
なお,ランプは単なる移動手段にとどまらず,敵の魂を抜き取って精神自体に攻撃を与えられる「ソウル・フレイ」,特定のオブジェクトに込められた魂や,敵を強化している寄生生物を吸い上げられる「ソウル・サイフォン」など,戦闘に役立つ機能も有している。
回避やパリィ,あるいはコンボなどのスタンダードな戦法も重要だが,ランプを活用すれば戦術の幅がとても広がる。敵はいくらでもいるので,いろいろ試してみるといいだろう。
難度は高めだが,初心者向けの配慮もあり。歯ごたえ抜群のアクションを求めているならプレイしてみよう
これまでお伝えしたように,本作はかなり難度が高く,一瞬の操作ミスでライフは大幅に削られるし,逃げ回ってもあっと言う間に敵に追いつかれるし,ボスに関しては動きを覚えて対応するなど,がっつり攻略法を組み立てなければ到底倒せない。ほとんどのプレイヤーは,幾度となくゲームオーバー画面を拝むことになるだろう。念のため言っておくと,難度を調節できる設定はない。
とはいえアクションが苦手な人を完全に突き放しているかというと,そうでもない。レベルを上げていけば確実に戦闘は楽になるし,ボス戦には任意でNPCの援軍を呼べるなど,一定の救済策も用意されている。
本作は,広く万人向けの作品とはいいがたいものの,荒涼としているが印象的な美しいグラフィックス,プレイヤーのテクニックや経験が如実に結果として表れるアクション,そしてランプを軸にしたパズル風のフィールド構成や探索の楽しみなど,見どころは少なくない。発売前の先行プレイという環境のため,オンライン要素には触れられなかったが,Co-opプレイや他のプレイヤーの“侵入”など,定番の要素は盛り込まれているようだ。
ソウルライク作品が好み,あるいはプレイヤーのテクニックがダイレクトに反映される高難度アクションに興味があるという人は,本作をプレイしてみてはいかがだろうか。
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