プレイレポート
「Back 4 Blood」β版のファーストインプレッションをプレイムービー付きでお届け。仲間と協力して死地からの脱出を目指す
今回4Gamerは国内では中止となってしまったオープンβテスト版を触れる機会を得た。今回プレイできた内容は仲間と協力してステージクリアを目指す“キャンペーンモード”と,4対4の非対称対戦モードである“スワームモード”の2つ。本稿ではそれぞれのファーストインプレッションをお届けしていく。
なお,インプレッションをお伝えるうえで,「L4D」と比較することは避けられないと筆者は考えており,本稿でもしばしば引き合いに出している。こちらをあらかじめ理解したうえで記事を読んでもらえれば幸いだ。
「Back 4 Blood」公式サイト
人間に襲いかかるリドゥンを蹴散らし,ゴールを目指すキャンペーンモード
β版をスタートすると,プレイヤーは最初にホープ要塞と呼ばれる拠点を訪れる。この要塞には多数のNPCキャラクターが存在しており,「ウォーキング・デッド」に出てくるようなコミュニティを形成している。ホープ要塞では銃火器の試し打ちや後述するデッキの構築,NPCからのカード購入などができるほか,キャンペーンモードとスワームモードのマッチングもできる。なお,マッチング人数はキャンペーンモードが最大4人,スワームモードが最大8人までとなっている。
ホープ要塞ではデッキ構築やカード購入ができると説明したが,本作の重要な要素となるのがこれらのカードシステムだ。カードには手持ちの弾薬増加や,特定の条件を満たすことで体力が回復するといったさまざまな効果のものが用意されている。最初は用意されたスターターデッキを使っていくことになるが,ゲームを遊んでいると少しずつ購入に必要なポイントが貯まり,拠点内で新しいカードを購入できるようになる仕組みだ。
このカードシステムにはハッキリ言って功罪がある。ただ射撃をするだけでなく,デッキ構築によって戦略的にゲームを攻略していくという「L4D」との差別を図り,深みを持たせた点はポジティブな要素と言えるだろう。
しかし同時に,事前のデッキ構築やチャプターごとに使用するカードの選択といった手間が発生するため,「L4D」のようにキャラクターを選んだら即スタートというテンポの良さが失われているのは確かだ。
本作にはさまざまなキャラクターが用意されているが,所持しているサブウェポンや才能がそれぞれ違い,個性として差別化されている。才能とは簡単に言えばスキルのようなもので,自分へのバフとチーム全体へのバフが得られるシステムとなっている。プレイするシナリオや難度によって,得意とするキャラクターやチームが変化する可能性もありそうだ。
仲間との協力プレイが楽しめるキャンペーンモードでは,プレイヤーはひたすらガン攻めで突っ込んでくるリドゥンと呼ばれるクリーチャー(「L4D」でいうゾンビ)を捌きながら,チャプターごとに用意された出口を目指して進んでいく。
なお,出口までは1本道ではなく,道中に用意されたさまざまなギミックを解除しつつ,進まなければならない。例えば,クレーン車を動かして道を作ったり,旅客船に爆弾を設置したり,トンネルの入口を塞いでいる瓦礫を榴弾砲で取り除いたりといった感じだ。
もちろん,こういった作業をしている最中にもリドゥンの猛攻は止まらない。プレイヤーはギミックの解除を目指しつつ,襲い掛かるリドゥンの対処を迫られることになるわけだ。
ゲーム中は多数のリドゥンが出現するため,ほぼノンストップでひたすら銃をぶっ放すこととなる。そうなってくると気になるのは弾薬の消費やダメージの回復手段だろう。
弾薬については道中で拾える数も少なく,決して潤沢に用意されているわけではない。無駄撃ちを控えて丁寧に敵を倒していけば,なんとか足りるといった印象だ。逆に考えると,適当に射撃していたら,すぐに弾薬が足りなくなるバランスと言える。
一方で回復手段としては,手持ちの包帯やマップに備え付けられている薬箱などが用意されている。ただ,回復アイテムは携行できる数には限りがあるため,慎重に使っていく必要がある。実際,筆者も回復アイテムくらいたくさんあるだろうと予想を立てて適当に使っていたところ,5分後にはコンティニュー画面を眺めることになってしまった。
道中にはさまざまな場所にお金が落ちているのだが,このお金は各チャプターのスタート地点(セーフルーム)にある箱からアイテムを購入するときに消費される。
この箱には武器や弾薬,銃に取り付けるアタッチメント,AEDや火炎瓶といった装備品などが用意されている。基本はチャプターごとに使用する弾薬やグレネード,回復薬を買うことになりそうだが,注目すべきはチームアップグレードが用意されている点だ。購入費用は高めに設定されているが,アイテムスロットを拡張できるなど攻略面で役立つので,うまくお金をやりくりしていくとよさそうだ。
対戦モードは短期決戦型! バトロワのアレを導入していた
スワームモードは,8人のプレイヤーがクリーナー(生存者)とリドゥン(クリーチャー)に分かれて対戦する4対4の非対称対戦モード。クリーナーとリドゥンを交互にプレイするゲームモードで,クリーナーサイドでより長く生き残れたチームの勝利となる。
なお,プレイヤーは対戦中の活躍に応じてポイントを獲得できるのだが,ポイントを使うことで有利に試合を進められる。クリーナーサイドであれば,新しい武器や設置物を購入できるし,リドゥンサイドであれば,より強い特殊個体などを使用できるといった感じだ。
スワームモードの面白い特徴として,クリーナーサイドがある程度攻撃を凌いでいるとバトロワゲームのように行動可能エリアが狭まっていくところが挙げられる。対戦が間延びしないようにするためのシステムだと思われるが,実際プレイしたところ,このシステムのおかげでワンプレイが短時間で遊べるようになっていたと思う。マッチングがサクサクと成立するのであれば,ちょっとした空いた時間に対戦を楽しむということもできそうだ。
協力メインのFPSとしてはもちろん,精神的後継作として上々の出来だが……
「Back 4 Blood」β版の率直な感想としては,協力型FPSとして十分に楽しめる仕上がりになっていると言っていいだろう。道中で出現するリドゥンに対し,味方と四苦八苦しながら歩みを進め,この狂った状況からの脱出を目指すというゾンビ物の王道的展開を楽しめる。「L4D」を触ったことがあるゲーマーなら違和感なく,むしろ似通った感覚で遊べるはずだ。
その一方,カードシステムについては前述したように賛否が分かれるところだ。ゲームシステムがややこしくなった感は否めないのだが,うまく活用すればFPSが苦手な人でも攻略しやすくなるかもしれない。野良マッチ時にひどいトロールデッキと出会う可能性も否めないが……。
PvPモードは短期決戦で勝敗を決められるお手軽さが魅力に感じられた。キャンペーンモードとは異なり,普段は辛酸をなめさせられるユニーク個体を駆使することでクリーナーを狩る側にもなれるのはすなおに楽しい。ただ,個人的には「L4D」のようにエピソードを通じてクリーナーとリドゥンに分かれて戦う攻防戦も実装してほしいと思う。今回実装されているスワームモードに大きな不満があるわけではないが,筆者のように「L4D」の対戦にハマっていた人ほどその思いは強いのではないだろうか。
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