インタビュー
「モンスターハンターライズ」メディア合同インタビュー。物語の核となる百竜夜行など,新情報の気になるアレコレが明らかに
なお,インタビューはメディア合同で行われたが,各メディア個別の時間も設けられた。4Gamerが個別に聞いた「百竜夜行」などの情報を本稿終盤に掲載しているので,最後までしっかり読み進めてほしい。
「モンスターハンターライズ」公式サイト
新モンスターや狩猟笛の操作変更など,新情報の気になるアレコレが明らかに
──本日はよろしくお願いします。さっそくですが,最新PVで公開された新モンスター「妃蜘蛛 ヤツカダキ」の生態や特徴などについて,生態や特徴などを教えてください。
辻本良三氏(以下,辻本氏):
ヤツカダキは久々に登場する虫型の新規モンスターになります。実は海外ではネルスキュラといった虫をモチーフにしたモンスターの人気が高いんですよ。今回のヤツカダキも,人気が出るんじゃないかって期待しています。
一瀬泰範氏(以下,一瀬氏):
海外では竜以外にも人気の高いモンスターがいるので,今回はいろんな種のモンスターを登場させています。ヤツカダキはこれまで紹介してきたモンスターよりも格上で,クエストの難度も高めに設定してあります。PVの映像にありましたが,火を使ったり,子グモと連携したりしてハンターに襲いかかってきます。
──ほかにも新規モンスターの「泥翁竜 オロミドロ」が公開されていました。オロミドロについてもお話を聞かせてください。
一瀬氏:
オロミドロは海竜種のモンスターなんですが,尻尾を頭側に持ってきている体をくねらせたような姿が特徴的です。アニメーションはほぼ新しく作り直したと言っていいですね。ヤツカダキと同様にこれまでのモンスターと比べると格上のモンスターになります。
──最新PVで公開されたフィールドの「砂原」と「溶岩洞」についても聞かせてください。
一瀬氏:
砂原は,過去作にもあった砂原をモチーフにリファインをかけています。砂漠,荒野,岩場と大きく3つのエリアで構成されており,どこでモンスターと対峙するかで遊びが少し変わるので,自分が動きやすい場所にうまく誘導して狩猟してもらえるといいなと考えて設計しています。
溶岩洞は,水の領域と溶岩の領域に分かれたフィールドになります。それぞれモンスターのテリトリーが違うので,砂原と同じく,どちらにモンスターを誘導するか考えて狩猟に臨んでもらいたいですね。また,溶岩洞には洞窟以外の山肌部分にも移動でき,上下構造がほかのフィールドより多めになっています。これまでのフィールドで学習したことをすべて使って狩猟するような,言わば最終フィールドのような存在になっています。
──1月には体験版が配信されました。プレイしたハンターからの「翔蟲アクション」や「操竜」に対する反響はいかがでしたか。
辻本氏:
翔蟲アクションですが,プレイヤーからはこれまでにない軽快なアクションができると好評の声をいただいています。ただ,新アクションということもあって,慣れるまでに多少時間がかかってしまった人も少なからずいたようです。また,操竜についても,インパクトの強い大技ということで好評の声をいただいています。
翔蟲アクションも操竜も,動きの幅を広げるものとなっていて,それらをどのように取り入れてモンスターを狩っていくのかが,今作における狩猟のポイントになると考えています。
──体験版の反響を受けて,製品版に反映されたことは何かありましたか。
辻本氏:
一部,意図していない挙動をする部分や数値面,体験版で見つかった不具合などは修正しています。
一瀬氏:
アクションを変更したり,追加したりするといったことはしていません。
──今回から狩猟笛の操作方法が大きく変化しました。その経緯などを聞かせてください。
一瀬氏:
以前からモンスターを攻撃しているときも演奏をできるような形に落とし込めないかと考えて,いろいろ試していたんです。今回は翔蟲アクションもありますし,思い切って手を加えた結果,現在の形になりました。
──今回「鉄蟲糸技」が加わったことで,どの武器種も機動力が高まったと感じます。もともとスピード感をウリにしていた武器種と,遅くても一撃のダメージが大きい武器種の差別化を,今回はどのように表現しているのでしょうか。
一瀬氏:
鉄蟲糸技は各武器種の個性をより伸ばすことを考えて設計しました。武器を納刀しているときの翔蟲を使った気持ちいい移動を基本として,抜刀状態のときは武器ごとの個性的な鉄蟲糸技が使えるというイメージです。
また,鉄蟲糸技ごとに「翔蟲ゲージ」の消費量や溜まるスピードが違うので,お手軽に使えるものもあれば,タイミングを見て使わなければならないものもあります。その調整によって,従来の武器種ごとの特徴を残しています。
──体験版ではオトモガルクのアクションとして,鎖鎌や牙での攻撃のほか,巻物によるハンターのサポートが確認できました。これら以外にもアクションはあるのでしょうか。
一瀬氏:
いくつかあって,PVにも出てきた傘もその1つです。また,巻物には種類があります。ハンターをさまざまな形でサポートするべく,サブアイテムを付け替えて各クエストに臨むというイメージですね。
──今回は4人マルチプレイ時にそれぞれがオトモを1匹ずつ連れていける仕様になりました。その意図を教えてください。
一瀬氏:
過去シリーズで3〜4人でのマルチプレイ時にオトモを連れていくことは,ゲーム機の処理性能や調整の観点から厳しかった。あくまでもスペック的な部分の話が大きかったです。
ただ,今回はガルクに乗って移動できますので,何人でプレイしたとしても,そこは実現したいという思いがあって,なんとか実現できました。開発中はどこまで成し得るか処理面との戦いでした。
──プロモーション映像には体験版では見られなかった3つめの鉄蟲糸技らしき技がありましたが,ゲーム中ではいつ頃使えるようになるのでしょうか。また,最新PVではガンランスの溜め砲撃らしき動作からブラストダッシュを放っていましたが,鉄蟲糸技と関係あるのでしょうか。
一瀬氏:
これらのシステム面の情報は,次回の情報出しで紹介できるかと思います。期待してお待ちください。
──今回,モンスターのデザインに和やアジアのテイストを加えたとのことですが,これは既存のモンスターにもなんらかの形で適用されていますか。
一瀬氏:
テイストを加えているのは,新規モンスターのみで,それぞれに妖怪のモチーフを入れています。例えば,オロミドロは泥田坊,ヤツカダキは絡新婦(じょろうぐも)といった具合です。
既存モンスターに関しては,デザインやBGMともにこれまでのイメージを重視していますが,生態デモで何かしらの妖怪などに見立てた演出を用意してあります。「フルフルはこの妖怪をモチーフにしているんじゃないか」といった感じに考察して楽しんでもらえればと思います。
──先日,同一シリーズの防具を3か所以上装備することでハンターのすべての耐性値が上昇するという,防具の「シリーズ耐性値ボーナス」が発表されました。「MONSTER HUNTER: WORLD」にあったシリーズスキルはなくなったのでしょうか。
一瀬氏:
シリーズスキルに代わって,今回はシリーズ耐性値ボーナスになりました。
──「達人芸」や「○○の極意」のような,同一シリーズの防具を何部位かそろえると発動する「シリーズスキル」もなくなったのでしょうか。
一瀬氏:
はい,ありません。
──今回は翔蟲を使って大胆な移動が可能になりました。例えばフィールドを大きく縦断するといった動きです。これらのショートカットなどはハンター自身が積極的に探すことになるのでしょうか。
一瀬氏:
ぜひ皆さんで探してもらえればと考えています。また,体験版の大社跡フィールドにもありましたが,ショートカットをしてもらいたい場所には,翔蟲よりも長い距離を移動できる「大翔蟲」を配置しています。ストレスなく移動できるほか,探索を有利に進められますので活用してください。
──体験版のプレイ中に「珍しい生き物」という逃げ回る生物が出現したのですが,結局逃げられてしまいました。こちらについて何か情報を教えていただけますか。
一瀬氏:
環境生物の1つです。もし捕まえられれば,何らかの恩恵を得られます。
物語の核となる「百竜夜行」
4Gamer:
これまでにも何度もキーワードとしてでてきた「百竜夜行」ですが,最新PVでは数多のモンスターに襲われるカムラの里が確認できました。話していただける範囲で仕様などを聞かせてください。
一瀬氏:
百竜夜行は今回の物語の中心になるコンテンツです。複数のモンスターがカムラの里に迫り来るので,里の仲間と協力して追い払う,というのが大きな流れになります。
ゲームとしては,砦と呼ばれる場所で,備え付けられた兵器を駆使してモンスターを撃退していくような遊びになっています。PVでは受付嬢のヒノエとミノトが登場していましたが,それ以外の里の仲間もハンターを助けてくれます。より具体的なシステムについては,これも次回の情報出しでお話できるかと思います。
4Gamer:
「ヌシ」の名を冠したモンスターも登場していました。
一瀬氏:
ヌシは群れの中核を担うような,ひときわ異彩を放つ存在になります。今回のPVでは「ヌシ・アオアシラ」が登場しましたが,通常のアオアシラとは攻撃や行動が異なります。
4Gamer:
PVではラージャンを操竜しているシーンもありました。強力なモンスターを操ることで百竜夜行を有利に進められるのでしょうか。
一瀬氏:
百竜夜行は通常のクエストで学んだことを応用したり,砦の設備を使ったりといろいろな要素を複合しながら遊ぶコンテンツです。操竜もそれらの要素の1つですので,どういったタイミングで使うかを見極めるのも大きなポイントになっています。
4Gamer:
今回,集会所だけでなく拠点となる里全体でもマルチプレイができるようになりました。修練場では連携プレイなどの確認ができますが,ほかにも「こんな遊びができる」ということがあれば教えてください。
一瀬氏:
過去作では集会所に行けば皆と遊べるという,ある種の分かりやすさがありました。今回はその分かりやすさよりも「どこにいてもほかの仲間達と一緒にいられる」という部分に重きを置いて開発を進めました。それにより,今まで以上にゲームの世界に没入できるんじゃないかと考えています。
修練場では一緒にトレーニングができます。ほかにも一緒に散策したり,コミュニケーションを取ったりと,皆さんそれぞれの楽しさを見出していただければよいかと思っています。
――インタビューの最後に辻本氏からお知らせがあると聞いています。それを聞かせていただけますか。
辻本氏:
Switch版の「モンスターハンターライズ」は3月26日に発売されますが,これとは別に海外からの要望が多かったPC版の開発を,2022年初頭の発売を目処に進めています。まだ開発中ですので,詳細についてはまたお話できるタイミングで皆さんにお伝えします。
――本日はありがとうございました。
「モンスターハンターライズ」公式サイト
- 関連タイトル:
モンスターハンターライズ
- この記事のURL:
キーワード
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
- モンスターハンターライズ -Switch (【数量限定特典】「オトモガルク」と「オトモアイルー」の重ね着装備など 同梱)
- ビデオゲーム
- 発売日:2021/04/07
- 価格:¥3,230円(Amazon) / 3850円(Yahoo)