プレイレポート
[プレイレポ]「スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ」は,TPSとアクションが互いの魅力を引き立て合う,ジャンル的にもクロスオーバーな作品だ
本作のPS5版をプレイする機会を得られたので,本稿にてそのプレイフィールをお伝えしよう。
「スーサイド・スクワッド キル・ザ・ジャスティス・リーグ」公式サイト
本作の世界は,映画「スーサイド・スクワッド」(2016年)や「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党,集結」(2021年)とは違い,Rocksteady Studios制作のゲーム「バットマン:アーカムナイト」と同じ世界の5年後という設定だ。ただし舞台はゴッサム・シティではなく,スーパーマンのお膝元であるメトロポリスとなる。
プレイヤーが操作するのは,デッドショット,ハーレイ・クイン,キャプテン・ブーメラン,キング・シャークの4人で構成される「タスク・フォースX(TFX)」,通称“スーサイド・スクワッド”。その標的は,あのバットマンやスーパーマン,ワンダーウーマンらによるヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」だ。
DC(ディティクティブ・コミックス)系のスーパーヒーローやヴィラン(悪役)に馴染みがない人はピンとこないかもしれないが,要するに本作は作品の枠を超えたクロスオーバーもので,しかも普段はヒーローに懲らしめられるヴィラン側で大暴れできるゲームというわけだ。
まずはプレイアブルキャラクターとなる4人を紹介しよう。TFXの(一応)リーダー格である「デッドショット」は,バットマンとの関係が深いキャラクターだ。狙撃と暗殺の名手で,どんな任務にもプロフェッショナルとしてベストを尽くす。同時に子煩悩な父親としての一面もあり,バットマンにその平穏な暮らしを奪われたという因縁がある(逆恨みではあるのだが)。
主に狙撃銃とアサルトライフルを使って戦い, ジェットパックを使用して空中を移動できる。素直な操作感なので,まずはこのキャラクターでシステムに慣れるのが無難だろう。
お次はジョーカーのことが好きすぎてヤバいことになった元精神科医「ハーレイ・クイン」。セラピーをきっかけにジョーカーの世界に取り込まれた彼女は,非情なサイコパスだったり,恋に恋する少女のようだったりと,二面どころでは済まないカオスな魅力を放っている。
得意武器は野球バットとサブマシンガン。ホール・オブ・ジャスティスから盗んだバットマンのグラップリング・ガンとバットドローンの合わせ技で,某立体機動装置のような移動が可能だ。
三人目は「キャプテン・ブーメラン」。「ザ・フラッシュ」の代表的なヴィランのひとりで,名前の通りブーメランが得意だ。セコくて不潔で嘘つき,でもちょっと抜けている憎めないヤツという,スーサイド・スクワッドのムードメーカー兼トラブルメーカー的存在だ。
得意武器はブーメランとショットガン。投げたブーメランを目印に,宿敵フラッシュのように超スピードで動くこともできる。また空中で3回まで短距離のダッシュを行うことが可能だ。
最後のひとりは「キング・シャーク」。サメの神の息子であり,本作においては「高貴なる野蛮人」的パーソナリティ。パワフルなだけでなく思慮深いが,人間社会のことはよく知らないのでとことんズレている。
武器はマチェットとチェーンガン系の重火器を得意とするが,彼の場合は肉体そのものが凶器にもなる。自前の身体能力で高く跳び上がることも可能だ。
これら4人のキャラクターの操作感はまったく別物で,かなり個性的だ。彼らのことをよく知らないという人も,このゲームをプレイすればきっとどんなキャラクターか分かるだろう。
また,ミッション中やその合間に繰り広げられる彼らのダベリも,それぞれの個性がよく出ていてかなり面白い。ネタバレを避けるため詳しくは書かないが,個人的にキャプテン・ブーメランがかなりのお気に入りキャラだ。
本作はTPSであり,広いメトロポリスを縦横無尽に移動しつつ,そこで出くわしたミッションを次々にクリアしていくという内容だ。
これまで「バットマン・アーカム」シリーズを手掛けてきたRocksteady Studiosが制作しているだけに,単なるオープンワールド系のTPSではなく,各所にスーパーヒーローものの要素が加わっている。
まず,TFXのメンバーは「トラバーサル」という空中移動の手段を持っており,自由かつ爽快に移動できる。広いメトロポリスも,端から端まであっという間に移動可能だ。
トラバーサルは使用時間に制限があるが,「着地時に地面をスライドする」「垂直の壁面を駆け上がる」「急降下」など,別のアクションを挟むことですぐ再使用できるようになるのがポイントだ。やや操作が忙しいので慣れるまで大変だが,コツが分かれば移動だけでも楽しくなってくる。とくにドローンを使えるハーレイは,建物が少ない場所でもトラバーサルを続けやすい。
また,トラバーサルは戦闘時にも役に立つ。空中を高速で移動すれば,敵の攻撃が当たりづらく,被弾を最低限に抑えられる。逆に棒立ちで戦っているとあっというまに蜂の巣になるので注意。
こちらを包囲する集団の側面に素早く回りこんだり,敵の頭上に飛んで落下しつつ攻撃したりと,状況に合わせて適切に扱えるようになると,プレイ感が一気に変わるだろう。
さらに,「相手の攻撃の前兆を特殊なショット(カウンターショット)で撃ち大ダメージを与える」「近接攻撃で打ち上げた敵を狙い撃ち(ジャグリング)するとクリティカル」「近接攻撃でアーマーを剥がす」などなど,クロスレンジにいる敵への特殊攻撃が豊富に存在する。
このように大量の弾幕を撃ってくる相手の攻撃をかいくぐりつつ,まず頭上から一撃。グレネードで怯ませた集団を近接攻撃で次々に倒してシールドを回復。残る敵のアーマーをはがしてジャグリングでビルから落下させ,また別の敵にカウンターをきめて近接攻撃……という具合に,ノリノリで暴れまくれる。銃撃やグレネードで相手のスキを作り,近接攻撃でその後の銃撃の威力をアップさせる仕組みが,両方の爽快感をうまく引き立てあっている。
このほかにも低い姿勢で地面を滑走して攻撃をかわす「スライド」や,属性攻撃をからめる「アフリクション・ストライク」などで,さらに華麗に戦うこともできる。
上手くコンボを繋ぐにはそれなりに慣れが必要だが,ゲージを溜めて使用する「トラバーサル・アタック」「スーサイド・ストライク」といったド派手かつ高威力な技や,相手の動きを止めて大ダメージを与える「アフリクション・ストライク」など,攻撃手段はいろいろ存在するので,バトルはそれほど難しくない。
なお,身を守るための「シールド」は一時的に上限を超えてチャージできるため,攻撃を回避するより,敵からシールドを補充するほうがやられにくい。1ミッションにつき2回まではダウンしてもOKなので,あまり気負いすぎずにチャレンジしてほしい。とはいえ,アクションが苦手だけどストーリーを楽しみたいという人は,ゲームの難度を下げてしまうのもひとつの手だ。
なお,本作のシネマティック(ストーリー)要素はクレイジーかつ荒々しい楽しさにあふれたものだ。ジャスティス・リーグのヒーローたちやヴィランを知らなくても物語を楽しみやすい。
ゲームはホール・オブ・ジャスティス(ヒーロー博物館のようなもの)からスタートするので,各ヒーローたちの能力や個性はここで予習できる。
バットマンにいたっては専用のミュージアムまで用意されており,ゲーム「バットマン:アーカム」三部作の大まかな流れを振り返ることも可能だ。そこでは暗闇でバットマンに狙われるヴィランの絶望感を嫌というほど味わえる要素も……。
危機に見舞われた街の状況を報道するのはクラーク・ケント(スーパーマンの仮の姿)の同僚ロイスだったり,ポイズン・アイビーやペンギンが意外かつ納得できる役回りと姿で登場したりと,キャラクターゲームとしてのこだわりはさすがRocksteady Studiosといったところだ。
さらに本作はネットワークを利用した最大4人での協力プレイが可能。フレンドと会話しつつ遊んだり,同じストーリー進行度のプレイヤーとマッチングしてプレイしたりできる。
操作は少し難しめだが,慣れればシューターとヒーローアクションが融合した新しいゲーム体験ができる本作。ミッションを繰り返しプレイすることでより良い装備の入手を狙うハクスラ要素やクラフト要素,継続的なアップデートによるライブゲームとしての楽しさなど,ストーリークリア後のお楽しみもたっぷり用意されている。シューターにそこそこ慣れており,かつヒーローアクションものが好きな人には,ぜひおすすめしたいタイトルだ。
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SUICIDE SQUAD KILL THE JUSTICE LEAGUE software (c) 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Rocksteady Studios.
SUICIDE SQUAD, JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements (c) & TM DC.
WARNER BROS. GAMES LOGO, WB SHIELD: TM & (c) Warner Bros. Entertainment Inc.
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