プレイレポート
静岡旅行記「テクテクライフ」でGoToトラベル! 旅のお供の位置情報ゲームは今がチャンス?
※キャンペーン対象の旅行商品が最大35%割引
※割引額の上限は,1名1泊あたり1万4000円(日帰り旅行は7000円)
本施策は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で落ち込んだ旅行・観光事業者への支援策で,第2弾からは東京都および東京都民が対象になったほか,費用割引に加えて旅行代金15%相当額の「地域共通クーポン」が配布されるオマケ付きで,お得感がさらに強まった。
そんな折,示し合わせたかのように位置情報機能を使ったスマホゲーム「テクテクライフ」(iOS / Android)が,10月1日に配信された。
本作は,2019年6月にサービスを終了した「テクテクテクテク」の後継作で,プレイヤーが訪れた場所の“白地図を塗りつぶす”という独自性に特化した,斬新な楽しさを味わわせてくれる位置情報ゲームだ。
「テクテクライフ」CBTレポート。あの後継タイトルがついに再始動,地図を塗る楽しさに特化した内容をチェック
昨年6月にサービスが終了した「テクテクテクテク」の後継タイトルとなる「テクテクライフ」のクローズドβテストが,先日実施された。プレイヤーが歩いた場所の地図を塗っていくゲームシステムを継承し,新たな機能を充実させた本作の気になる出来栄えとは。
旅行と位置情報ゲームの相性のよさは言うまでもなく,GoToトラベルによって,さらに安価で楽しむチャンスが訪れたこのご時世。
そこで筆者はGoToトラベルを利用し,目的地を「東京都から比較的短時間で行ける静岡県」に定め,リリースされたばかりのテクテクライフの長距離移動におけるゲームプレイを試してきた。
今回はプレイの所感に,旅先の写真を沿えてお届けしていこう。
「Go To トラベル」旅行者向け公式サイト
「テクテクライフ」公式サイト
「テクテクライフ」ダウンロードページ
「テクテクライフ」ダウンロードページ
かなり安い? じゃあ行くか!
実のところ,最初はGoToトラベルをとくに意識しておらず,空いた時間にテクテクライフを試しに行くため「どこか遠方のホテルでも予約するかあ」と考えていた。しかし旅の同行者から「GoTo使うとかなり安いよ」と助言され,それに乗っかることにしたのである。
結果的にも,これくらい軽い気持ちで利用できる制度であった。
当初の予定では,移動方法が新幹線,宿泊先が1泊5000円程度の安めのビジネスホテルと見積もっていた。それを旅行代理店のプランに置き換えると,東京から静岡までの新幹線代(指定席・往復),1泊2日のホテル宿泊費,それぞれ2人分の代金が合計2万8200円と出た。
それがGoToトラベルの35%割引で“1万8330円”となり,1人あたり9165円にまで下がった。東京〜静岡間の新幹線の正規料金が5940円(自由席・片道)であることを考えると,往復料金より安いことになる。
しかもGoToトラベル第2弾では「地域共通クーポン」が発行され,旅行当日(宿泊の場合は1日め+2日め)は目的地と隣接する都道府県の対象店舗で,2人して4000円分のクーポンを利用することができた(※)。
※地域共通クーポンは,旅行代金の15%相当額が旅行者にクーポンで配布されるが,相当額に1000円未満の端数が生じる場合は四捨五入され,また端数が500円以上の場合は1000円分のクーポンとして付与
なお上記は平日の場合のプランであり(今回の旅程は10月6〜7日),旅行日程や移動手段,さらに旅行会社によって変動する可能性もあるので,あくまで一例として参考にしていただければ幸いだ。
さて,企画の本題であるテクテクライフだが,本作では“地図を塗る”という行為がゲームに昇華されていて,プレイヤーは位置情報マップ上に表示される自身を中心とした円形サークルに触れた「街区」(がいく。道に囲まれたエリア)をタップし,その場所を塗っていく(げんちぬり)。
街区をたくさん塗れば塗るほどプレイヤーランクが上がり,ランクアップ時はサークルのサイズが大きくなったり,「TTP」の上限が増えたりと(テクテクポイント。隣接する街区を「となりぬり」するときに必要なポイント),遊べば遊ぶほど街区が塗りやすくなる。
そうして街区を塗り続けていくと,真っ白だった地図に色がついていく。すると,自分が日本のどこに訪れたのかが記録として残る。
ゲームらしく収集癖をくすぐるところが,実にいい感じなのだ。
プレイヤーを中心とするサークルが「街区」に触れると,その場所に色が塗られる |
旅の前に「便利機能」がアンロックされる,プレイヤーランク6まで進めておきたい |
車や鉄道を使った長距離移動のときでも,高速移動中に通過する無数の街区を塗ることができる。タイトルの“テクテク”が表す,牧歌的な徒歩移動によるゲームプレイとは趣旨が多少違ってしまうものの,ストイックすぎないゲームバランスとしては小気味いい。
また街区はリアルタイムで塗らずとも,通過後24時間以内にタップすれば塗れるようになっている。これが「予約ぬり」の仕組みだ。
ただし駅や名所などに設定された「スポット」,そこに立ち寄った証となる「チェックイン」はリアルタイム操作のみとなるので,地図は塗りやすいがスポットはどうするか? 適度な制限がいい塩梅なのだ。
タップして「げんちぬり」したところは緑色になる。これで自分の移動記録が分かる |
オレンジ線で囲われた街区は通過した範囲。24時間以内はげんちぬり扱いで塗れる |
自身のサークルが「スポット」のサークルに触れると「チェックイン」が可能 |
一部写真があるスポットも存在。「スタンプラリー」機能にもひもづいている |
話を旅行開始時に戻すと,GoToトラベルのスタート直後とはいえ,平日ともなると,新幹線内はビジネス利用と見られる人がほとんどのようだった。指定席もソーシャルディスタンシングを意識した席模様に。
筆者も車内でマスクを外さず,飲食も控えた。ちょっと残念。
また月額サービス「ディスカバリー・コース」に入っておくと,アプリを端末のバックグラウンドで作動できるようになる。スマートフォンをスリープ状態にしても,別のアプリを使っている最中でもテクテクライフのゲーム内進行が停止しなくなるので,ここはお好みで。
東京駅の写真を撮り忘れてしまったので,本稿ではスクリーンショットでご容赦を。旅行はランク6からスタート |
サークル半径が2倍になる「ディスカバリー・タイム/コース」と「サークル3倍」を併用。半径は通常時の6倍の大きさに |
静岡までの移動時間は1時間半程度だったので,通過した街区をほぼリアルタイムでポチポチとタップして塗りつつ,新幹線駅やその通過時に見られるスポットに手動でチェックインしていた。
旅行にしては地味な道中であるが,スマートフォンの地図アプリを眺めながら,自分が今どこにいて,どこを走っているのかを眺めるのが好きな身なので,その延長線とも言える塗り作業は結構楽しい。
新幹線での移動を経て,静岡駅に着くころには,げんちぬりだけでプレイヤーランクが6から21まで上がっていた。有償通貨「歩行石」を300個×2を消費した「サークル3倍(1時間)」の効果もあって,東京〜静岡間の沿線の街区は広範囲にわたって塗ることに成功している。
実際に端から端まで細かく足を運ばずとも,ほどよく手抜きさせてくれるのがテクテクシリーズのいいところなのである。
筆者が静岡を旅先に選んだのには,実は理由がある。それは静岡市内の美術館で行われている,とある展覧会に行くためであった。
まずは現地に行く前に,「新静岡駅」の駅ビルにある,静岡県では有名なハンバーグレストランでランチしようと,開店時間まで駅周辺を散策することに。このとき「静岡県庁」と「駿府城跡」のチェックインに成功している。ちなみにあのハンバーグは,とっても美味だった。
本命の目的地は,新静岡駅から静岡鉄道「静岡清水線」に乗って約11分の「県立美術館前駅」まで行き,そこから徒歩15分ほどのところにある。そう,GoToせずにいられなかった展覧会「富野由悠季の世界」だ。
釈迦に説法とあれば恐縮だが,こちらはアニメ監督の富野由悠季氏のお仕事を回顧・検証するといった企画展で,館内には「機動戦士ガンダム」をはじめ,富野氏が手がけた作品にまつわる約3000点もの資料・原画などが展示されている。こちらは地方美術館6会場を巡回していて,東京からはここ静岡会場が最も近かったため,旅の本命にしたわけだ。
館内は撮影不可とあり,本稿でも入口周辺の写真しかお届けできないものの,展示物の数々にはとにかく圧倒され,筆者が若かりしころに心奪われたロボットアニメの冊子,ポスターなどの原画を生で見られてとても興奮した。とにかく興奮した。日本平の麓にある美術館のロケーションも最高で,本当に来てよかったと思えた。
それもテクテクライフとGoToトラベルのお供があることで,充実感もマシマシだ。とくに筆者のお財布が喜んでいる。
展覧会を見るのに3時間以上もかけてしまい,旅の興奮もあって少し疲れてしまったので,帰りは寄り道をせずにホテルに直行した。とはいえ,テクテクライフ的には寝る前のもう一仕事が残っている。そう,行きの新幹線の車中で塗り残した予約ぬりの街区を塗ることだ。
ホテルに帰った時点で,予約済みの街区は3000以上あったが,これらは通過から数えて24時間以内に塗っておかないと無効となってしまう。
ここで便利なのは,有償の機能「予約一括ぬり」である。
これは「1000街区」もしくは「1万街区」単位で,予約ぬりの範囲を一気に塗れるというもの。1日の旅を振り返るように,寝床で塗り残しをポチポチするのも楽しいが,疲れているときはこれが非常に助かる。今回は機能に頼って残りの街区を染め上げ,少し早めの眠りについた。
翌日。天気はやや悪し。2日めは日本新三景の「三保の松原」を見に行ってから,ついでに日本平の「久能山東照宮」にも足を運び,最後に東京に帰る算段だった。しかしこれらは「じゃあ行こっか」以上の計画を立てておらずで,名所への具体的なルートはスマホ検索ありきに。
まずはJR東海道本線に乗り,静岡駅から清水駅まで移動しつつ,ほぼ並行して走っている前日乗車した静岡清水線の全駅にチェックイン。スタンプラリーの「静岡鉄道静岡清水線ラリー」をコンプリートできた。
三保の松原を目的地としたのは,静岡駅からほど近い景勝地であることのほか,本作ではスポットに,別のアプリではランドマークに設定されていたことも大きな理由であった。このあたりは複数の位置情報ゲームをプレイしている人にとっては“あるある”な行動であろう。
近くの「清水港」で名物の海鮮料理に舌鼓を打ち,三保の松原までバスで移動する。この日は台風14号の接近により風が強く,小雨も混じる曇天も重なり,本作のスポット紹介テキストにも表記されている「富士山や伊豆半島を望む素晴らしい景色」を見ることが叶わなかった。
これもまた旅行ならではの“あるある”な状況であろう。
続く行く先,久能山東照宮への道中は,移動に関して完全に無計画だったことがたたり,かなり過酷なものになってしまった。
時間的に,三保の松原から東照宮まで直接向かえる交通手段が見つからず,歩くにしても距離7キロメートルほどあるのでかなりしんどい。
同行者といろいろ調べた結果,今しがた清水駅から出たバスに,途中のバス停から合流できるのではと甘い考えを立てた。当然甘かったため,違うバス+徒歩=計3.5kmを移動したところで光明が消え,あえなく撃沈。結局アプリでタクシーを呼ぶはめになったが,便利な世の中だ。
今にして思えば,まるでバラエティ番組の“路線バスの旅”のようではあるが,当日は雨風も強くなってきていて,とてもじゃないがのんびり気分を味わっている余裕はなく,道中の写真も残っていない有り様だ。
そうしてようやく到着した久能山東照宮も,海側の表参道から行く場合は,くねくねと折れ曲がる“1159段もの石段”を上らなくてはならない。高低差はなんと約200m。再び心が折れそうになる。せめて晴天なら,駿河湾の向こうに映る伊豆半島でも眺めつつ登れたのだが……。
仕方ない。これも旅だ。石段を一歩ずつテクテクしていく。
長い長い長い石段を上った先,東照宮の社殿は「苦労のかいあった」と思えるほどの美しいつくりで,雨中でも見応えのあるものだった。
静岡は“模型の街”ということでか,境内に寄贈されているプラモデル作品のディスプレイがあったのも面白いポイントである。
もちろん,テクテクライフでも東照宮はスポットに設定されている。食事で立ち寄った清水魚市場とともにチェックインをして,スタンプラリー「静岡市の名所10選ラリー」のうち4つを入手できた。
スタンプラリーに旅の行き先を委ねるのも,わりと乙かもしれない。
帰り道は,東照宮から出ている「日本平ロープウェイ」を使って頂上まで行くと,そこから静岡駅行きのバスがあることを同行者が発見。どんどん雨足が強くなっていたこのとき,あの石段を下ることなく帰路につけるというのは大きかった。よくやった,ありがとう嫁氏(同行者)。
こうして静岡駅に無事到着し,旅の終わりを新幹線に迎えられた。
一応,帰りの新幹線でも行きに塗り残した街区の対応を考えたが,さすがに体力的にギブアップ。旅行は帰りが一番疲れている。
そうして筆者は,塗り残しをバックグラウンド作動の予約ぬりに任せることにして,東京に着くまでの爆睡の途を堪能した。
これにてテクテクライフとGoToトラベルを携えた,計2日間の静岡旅行記は終了とさせてもらう。最後に,本文で触れられなかった“テクテクライフを使った旅行時のポイント”をいくつか書き出していきたい。
■新幹線のWi-Fiは,位置情報ゲームには向かない
新幹線にはフリーWi-Fiを使える車両もあり,東海道・山陽・九州新幹線では全車両で回線が提供されている。
ただ実際に試してみると,回線状況は決して安定しているとは言えず,乗車時にWi-Fi接続をしてからテクテクライフを起動すると,通信速度が出ずにエラーとなり,何度もタイトル画面に戻されてしまった。
位置情報ゲームのように,常時接続が求められるアプリこそWi-Fiに頼りたいのだが,回線がつながらない,つながっても快適に利用できないとなると本末転倒か。今後,品質が改善してくれると助かるのだが。
■GPS測位が途切れるトンネルは,じっと我慢
新幹線などでの移動中,長めのトンネルに入るとGPSによる位置情報の測位ができなくなって,ゲーム画面のアバターの動きも止まってしまう。トンネルから出ても,再び測位するまでに若干時間がかかるため,その間は地図を塗れなくなってしまうので注意したい。
大きな街区を一気に塗れる,山間部のげんちぬりは非常に気持ちいいのだが,トンネル内でそれができないとなると,なかなかもどかしい。もちろん我慢するしかない理由も分かるので,余計に。
旅行の行き帰りで同じ路線を利用するときは,行きに塗れなかったところを確認するといい。場合によっては,また行く理由につながる。
■スマホのバッテリー減に要注意
位置情報ゲームのプレイヤーならお分かりだろうが,常にゲーム画面を表示しながら通信接続も続けるこの手のゲームは,その性質上スマートフォンのバッテリーを大幅に消費し続けてしまう。
テクテクライフは有償機能でバックグラウンド作動も可能ではあるが,バッテリー消費まで抑えられるわけではない。ついでに別のアプリを起動しようものなら,当然バッテリー消費はさらに激しくなる。
そのため位置情報ゲームの持続的なプレイを心がけるなら,モバイルバッテリーの持ち歩きはマストとして,新幹線なら電源コンセントが用意されていることも多いので,移動中にもストレスなく遊べるよう「ACアダプター」の持ち込みなど,電源策を用意するのがオススメだ。
筆者の場合はさらに,別の乗客が先に電源を使っていたときのためにと,コンセントを分配できる電源タップも用意している。
■アプリ落ちにも注意
バッテリーとともに気を配りたいのがアプリのタスクキルだ。スマートフォンはゲーム以外でもなにかと触れる機会が多いし,バックグラウンド作動なら占有されないしと複数のアプリを同時起動すると,知らないうちにテクテクライフが落ちてしまうこともある。
本作はバックグラウンドでの作動中,スマートフォンの通知バーにテキストが表示されるので,それが見えなくなったらアプリを再起動するなどして,塗りや通過のロスを最小限に抑えるといい。
■地域限定クーポンは,ゲームの課金には使えない
GoToトラベル第2弾で発行中の地域共通クーポンは,対象店舗の増加に伴い,コンビニや駅の売店などでも使えるところが出てきている。
筆者はこれで「App StoreやGoogle Playのギフトカードを買って,ゲームに還元しよう」と考えていたのだが,残念ながらこのクーポンは“プリペイドカード類の購入には使えない”ことが判明した。その理由もしみじみ分かるので,もらった人は素直に旅先やお土産に還元しよう。
旅先でテクテクライフを遊んでみて,あらためて思った。本作は“散歩をするような気ままな旅”にも向いているということを。
各地の駅やランドマークに向かう際,モンスターを捕まえたり,戦ったり,ポータルを取ったりしながら進めるゲームもあるが,移動した道中をゲームの結果として残せるのは,本作ならではの楽しみである。
それに散歩の行き帰りに,別の道を選んで塗れる街区を増やすように,旅行中も行き帰りで足を変えるなどすれば,新たな街区を塗りやすくなり,旅先での新たな発見や出会いにつながるかもしれない。
GoToトラベル事業は,利用者も新型コロナウイルス感染症への対策を最優先課題と厳守しつつも,テクテクライフに限らず位置情報ゲームとの付き合い方を充実させる,よいきっかけとなるのは間違いない。
本稿の執筆中,GoToトラベル利用者が増大したことで,関係各社に配分された予算が少なくなり,一部の旅行会社が割引率を引き下げたり,ひとり当たりの利用回数を減らしたりするというニュースが飛び込んできて焦ったが,こちらも現在は対策され,最大割引率の維持・継続は引き続き保たれている。いずれにせよ無期限・無制限とはいかない施策ではあるので,プランは早いうちに立てておくのが賢明かもしれない。
2020年10月現在。コロナ禍が収まる兆しはまだ見えてきてはいないが,“withコロナ”対策をしっかりと意識したうえで,位置情報ゲームを大いに楽しむ旅なら,例年よりも格安な料金で検討することができる。
そういうことが,いつの間にかできるようになっていた。
「Go To トラベル」旅行者向け公式サイト
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(C)テクテクライフ
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