PC向けMMORPG「
BLESS UNLEASHED」の正式サービスが2021年8月7日にSteamで始まった。
NeoWizが開発・運営を行う本作は,2019年8月までゲームオンでサービスが行われていたMMORPG
「BLESS」の世界観を引き継いだ新作だ。しかし,ノンターゲティングバトルによるアクション性の高いオープンワールドが採用されるなど,まったく別のゲームに生まれ変わっている。
正式サービスが日本時間8月7日の午前1時だったにもかかわらず,久しぶりのPC向け新作MMORPGということもあってか多くのプレイヤーがログインしていた。本稿ではオープン直後の模様をレポートするとともに,サービスインで明らかになった
「生活ブレス」についても触れていこう。
プロローグの終了後に登場するフィールドボス。出現と同時に多くのプレイヤーが群がるのはオープン直後ならではだ
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ゲームバランスやカットシーンの演出が向上
本作はメインストーリーを追うタイプのMMORPGだが,とくに行動範囲は制限されないオープンワールドの形を採っている。心の赴くままに,未開の地を冒険するのはオープンワールドゲームの醍醐味だが,ほとんどのゲームでは格上のモンスターなどと遭遇するなど,かなりのリスクを伴う。本作もその通りなので,序盤はゲームになれる意味も含めてストーリーを追っていくプレイをお勧めする。
ストーリーを彩るカットシーンは,FINAL TEST(以下,FT)時から微妙にシーンが変更されていたり,順序が入れ替わっていたりする。また,新カットも追加されるなど,FTのときよりも,ストーリーが理解しやすくなった印象だ。「FTで見た」というプレイヤーもスキップせずに見てほしい
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NEOWIZは5月13日から17日に,PC向け新作MMORPG「BLESS UNLEASHED」の“FINAL TEST”を実施した。CBTからのフィードバックをもとに多くのシステムやコンテンツが改修された,今回のテストに参加して感じたプレイフィールや,CBTとの違いなどについてレポートしよう。
[2021/05/21 12:00]
格上のモンスターはキャラクターの頭上にある名前が赤く表示され,危険具合が一目瞭然。レベルも確認できるので,危なそうなら近づかないようにしよう
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移動はW/A/S/Dキー,攻撃はマウスクリックとショートカットにセットされたスキル,そしてクラススキルにより,多彩なアクションバトルが楽しめる。攻撃のメインとなるのがマウスクリックによるコンボ攻撃で,左右のボタンの組み合わせにより,いくつかのコンボルートが派生。状況に応じて使い分けられる。
コンボルートは,キャラクターのレベルアップにより開放される。コンボ中に回避などの行動を行ってもすぐに攻撃すればコンボは途切れないが,その受付時間はFTよりも若干シビアになった印象だ
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ゲームバランスについては,FTよりもだいぶマイルドになっており,ちゃんと装備を整えていれば戦える,十分に勝てるというところに落ち着いて遊びやすい。もちろん,フィールドボスといった強敵との戦闘にはポーションなどの回復手段は必要だが,FTのときほど長期戦になることはなく,気軽に戦うことができた。
巨大なフィールドボスと手軽にバトルできるのも本作の特徴だ。フィールドボスはエリートボス,ネームドボスなど複数のタイプがいるが,リポップする時間になるとどこからともなくプレイヤーが集まってくる
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レベルと装備がある程度整っていれば,ネームドボスの攻撃で一撃死ということはあまりなかった。とはいえ危険な相手であることは間違いない。ときに死亡することもあるが,それはそれで復活させてくれるプレイヤーもおり,MMORPGらしい面白さを体感できる
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装備品はダンジョン報酬のほか,サブクエストやフィールドで発生するクエストなどをクリアすれば手に入る。入手手段が多いので装備を集めることにそれほど苦労することはなさそうだ。装備のオプションを厳選し始めると話は別なのだが
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バランス変更により難度がグッと下がったのを体感できたのがダンジョンだ。2人で戦うチャレンジダンジョンも,5人パーティで挑むアドベンチャーダンジョンもFTのときのような,レベル下限では厳しいということはなくサクッと遊べるバランスとなっていた
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もちろん,本作はバトルだけでなく装備品やポーション,料理などといった生活系コンテンツも充実している。アイテムの製作には素材が必要で,採集行動やモンスターのドロップなどで入手可能だ。採集だけでも経験値が入り,レベルを上げられるので,生活系コンテンツだけという縛りプレイも一応可能ではある(メインストーリーを進めるうえで戦闘は避けて通れないので,ストーリーは進められなくなりそうだが)。
生産は,街などにある「錬金フラスコ」や「鍛冶場火鉢」などの施設で行う。料理のみ,フィールドに点在する焚き火で行える
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生産について悩みどころになりそうなのが素材の確保だ。地道にコツコツ集めていっても足りなくなること間違いなしなので,そういった場合は取引所で別のプレイヤーが出したものを購入するのもアリだろう
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正式サービス開始後,しばらくプレイしてみたが,
ゲームバランスはうまく調整されたという印象。また「チャットで漢字が使えない」という小さいけれど目立ってしまうバグはあったものの,進行が止まるような重大なバグにも遭遇することなく快適にプレイできた。
漢字のバグは,現時点ではすでに修正され,ちゃんと漢字仮名交じりでチャットできる。修正されるまではひらがなだけでチャットが行われ,読みづらいが意味は通じるというなんとも微笑ましい状況だった
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バトルや生産に欠かせない「ブレス」。使い方次第でプレイも捗る?
本作のシステムの特徴として「ブレス」というものがある。1つのブレスには複数のパッシブスキルが設定されていて,ブレスを切り替えることでさまざまな恩恵を受けられる。
ブレスの切り替えはフィールドに点在する「フィージスの祭壇」,もしくは焚き火で行える。ただし,焚き火で行うときは,スターシードというアイテムが必要になる
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本作のサービスインにあたり,ブレスは「戦闘ブレス」と「生活ブレス」の2つのタイプが実装されている。戦闘ブレスはFTで実装されたものと変わりなく,メインストーリーを進めることで開放できる。
戦闘ブレスのパッシブスキルは,それぞれのクラスが覚えるスキルに対応したもので,スキルの効果アップや追加効果などの恩恵が受けられる
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対して「生活ブレス」は,アイテムの生産や採集時にボーナスが受けられる生活系コンテンツ向けのブレスとなっている。ただ,習得方法が戦闘ブレスのようにメインストーリーではなく,
「業績」が大きく関わっている。
生活ブレスにカーソルを合わせてGキーを押すと,ブレスの習得方法が表示される。
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生活ブレスの習得方法はブレスによって異なり,例えば「リリアンテスの手」は「惜しまず与えてくれる自然」の業績を達成する必要がある。
この業績は採集で「祝福の灯」「細い枝」をそれぞれ30個,「未熟な果実」を5個入手する必要がある。これを達成すると,「木の葉に書いた招待状」がメールボックスに送られ,受領するとクエストが発生する。
どの生活クエストも,対応する業績を達成することからスタートする。業績の内容はシステムの「業績/称号」を見れば確認できる。「ファエティオンの手」の条件である「器用な人」は業績リストにないが,「手際が良いです」を達成すれば条件クリアとなる
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業績のクリア条件は難しくないのだが,手間と時間が結構かかる。とくに製作が条件のものは意外と素材を消費するので,日頃からコツコツと集めておきたい
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クエストの内容は生活ブレスによって異なり,現地でバトルしたり,強敵がひしめく(もちろんアクティブモンスターだ)洞窟内にあるアイテムを入手してきたり,ミニゲームをクリアしたりするなど,多岐にわたっている。こういったクエストを1〜3つほどクリアすると,各生活ブレスに対応した「記憶の欠片」が手に入る。これを持ってフィージスの祭壇へいけば,生活ブレスを習得することができる。
「リリアンテスの手」のクエスト「リリアンテスの手さばき」は,特定の場所でバトルをしたり,植物を植えたりするなど手間がそれなりにかかる。バトルでの強さはそれほどでもないが,異様に硬くて時間がかかった。生活ブレスは序盤でも習得は可能だが,クエストをクリアするにはそれなりの強さが必要で,もっと先に進んでから受けるようなものなのかもしれない
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生活ブレス「ファエティオンの手」の習得クエストは,荷物を持ってモンスターの攻撃を避けながら進むというミニゲーム形式。「ファエティオンの手」はこのミニゲームをクリアするだけで生活ブレスが覚えられる
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晴れて生活ブレスを覚えたらすぐにセットしてみたくなるのが人情だが,ここでひとつ注意。システム画面では戦闘ブレスと生活ブレスに分かれているが,
セットできるブレスはそれらをひっくるめて1つだけ。つまり,生活ブレスをセットすると戦闘ブレスがセットできなくなるのだ。
なんとなく戦闘ブレスと生活ブレスを1つづつセットできるのだろうなぁと思っていた筆者に大打撃。その日のプレイスタイルによって使い分けが吉……?
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焚き火でブレスの交換ができるためそれほど問題がないように思えるが,入手しづらいスターシードが必要なのでコロコロと変えたいとも思えない。採集や製作を行うと決めた日に生活ブレスに変更し,一気にノルマをこなすといった運用がベターなのではないかと思う。
生活ブレス「リリアンテスの手」は戦闘の合間に採集する身としては非常に便利なので,戦闘ブレスと併用する形でセットしておきたかったのだが残念だ
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という結論で締めたくなるが,実は戦闘でも有用な生活ブレスが1つある。それが「テレオスの手」だ。ポーション使用時に攻撃バフが付いたり,フィールドでモンスターを倒すと確率でポーションが入手できたりとクラスを問わず便利なパッシブスキルを持つ。戦闘ブレスの効果がプレイスタイルと合っていないというプレイヤーや,HP回復手段がポーション頼りのクラスはテレオスの手をセットしてみるのもよさそうだ。
「テレオスの手」習得クエストのトリガーは,業績「錬金術は面白いです」の達成。ポーション類を30個製作すれば達成でき,習得クエストが受けられる
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「テレオスの手」クエストの難度が少し高いので苦労するかもしれない。高レベルの人に手伝ってもらえれば,早いうちに習得できるかもしれない
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生活ブレスはゲームを進めていくと開放される「領地」で,いずれ大きな活躍が期待できるかもしれない。筆者はまだ開放まで到達していないため,
ガイド以上の詳細については分からない。ただ,しばらくするとプレイヤー間に情報が広がり,プレイするうえでの常識となるかもしれないが,こうした要素を自分の手で確かめていく楽しさは,オープン直後ならではの体験だ。
サービス開始直後の現在は,数々のキャンペーンやアイテムがプレゼントされるイベントなどが実施されており,プレイするにはまたとない状況と言えるだろう。
少しでも「BLESS UNLEASHED」に興味があるのなら,この機会にプレイを始めて,物語,システム,そして世界を手探りで明らかにしていく面白さを体験してほしい。