プレイレポート
「BLESS UNLEASHED」のFINAL TESTプレイレポート。広大なオープンワールドの世界と,CBTから改修されたシステムやコンテンツを確認
本作は2021年前半のサービスインを目指しているタイトルで,FTでは2021年1月15日〜19日に実施されたクローズドβテスト(以下,CBT)のフィードバックを受けて,数多くのシステムやコンテンツに改修が加えられたバージョンがプレイできた。本稿では,実際にFTに参加して感じたプレイフィールや,CBTとの違いなどについてレポートしよう。
BLESSの世界観を受け継いだオープンワールドでアクションが楽しめるMMORPG
「BLESS UNLEASHED」は,日本でも2017年11月から2019年8月までサービスが行われていたMMORPG「BLESS」の世界観を引き継いだ作品で,登場する種族や登場人物,地名にはその名残りがある。3Dグラフィックスと3人称視点である点も同様だが,王道のMMORPGとして良くも悪くもオーソドックスだったBLESSより,アクション性の高いオープンワールドのMMORPGとして,まったく別のゲームになった。
ルミオスという世界で綴られる物語は,夢の中でプレイヤーが「混沌の狭間を開くはしごから現れる,邪なる飢えし者達」に対抗できる存在であると告げられたことから始まる。
その後,故郷であるテラオンが悪魔を操る「レッドマスク」という組織に滅ぼされてしまうが,プレイヤーは間一髪で脱出に成功。やがて「邪なる飢えし者達」であるルメナスを復活させるためにレッドマスクが暗躍していることを知り,その阻止に必要な神々の欠片を集める冒険へ出ることになる。
ゲームの進行は,メインクエストを追っていけばスムーズに進む。オープンワールドなので,クエストを放っておいて世界中を冒険することもできるが,メインクエストの進行具合で開放される要素・コンテンツもあるので,メインクエストに沿ってプレイしたほうがスムーズだろう。ただ,それだけではレベル上げや装備品が揃わないこともあるので,サブクエストやダンジョンなどを適宜攻略していこう。
BLESSにも登場したドン・チコに協力し,テラオンの悲劇の真相へと迫っていくことに。メインクエストはカットシーンも豊富で,物語への没入感を高めてくれる |
協力者の一人でもあるオルフィーナ教授がCBTの頃よりも行動が怪しくてドキドキする |
各種クエストをクリアしていくと,キャラクターのレベルを上げる経験値とSP経験値,お金やアイテムなどが手に入る。SP経験値は,一定量が溜まるとレベルアップして,スキルを強化できるスキルポイントが獲得できるというもの。クエストをこなさなくてもモンスターを倒せば経験値は入手できるが,スキルポイントはSP経験値を溜めてレベルアップしないと手に入らないので,積極的にクエストをクリアするのがオススメだ。
CBTでもそれなりにオープンワールドらしい広さを感じられたが,FTではさらにマップが拡張され北から南までかなりのエリアを冒険できた。物語を進めるメインクエストは途中までの実装となっていたが,オープンワールドらしくメインクエストの進行とは関わりなく,世界中を自由に移動することができたので,その一部を紹介しよう。
広大な世界を旅するのはかなり大変だが,フィールドや街などには「テレポスト」というファストトラベル可能な施設がある。これを行く先々で開放しておけば,お金は必要だが自由に世界を駆けめぐれるようになる。
たいていの場合,テレポストの近くでHPが回復できるほか,料理をしたり,後述するブレスを交換できる「焚き火」があるので,これらを活用しながら冒険を進めていこう。
巨大モンスターとのノンターゲッティングアクションバトルが楽しめる
本作では,移動がW/A/S/Dキー,攻撃がマウスクリックといった一般的な操作に加えて,Ctrtキーによるジャンプや,Shiftキーによるダッシュなど,キーの組み合わせで多彩なアクションが楽しめる。
アクションはノンターゲッティングタイプで,プレイヤーの腕とスキル次第で様々な戦術がとれる。攻撃は,マウスの左右クリックによる通常攻撃と最大4つまでセットできるスキル,そして職業固有の2つのクラススキルを駆使して行う。
通常攻撃は,マウスの左右ボタンをクリックする順番でコンボを放つことができる。ゲームを始めた直後はコンボも短いが,キャラクターのレベルが上がるとコンボが開放され,威力も上がっていくようだ。
CBTでは,回避でコンボが途切れてしまい,コンボを成立させることへのストレスが生じていたが,しかし,FTではこの部分に修正が入り,コンボの途中で回避行動などを行っても,コンボが継続できる。
アクションバトルということもあり,基本的にはどの職業もアタッカー的な部分が前面に押し出されている。プリーストは回復,レンジャーは遠距離攻撃,メイジはDoT(継続ダメージ)やデバフなど,職業ごとに特徴あるスキルを持っており,協力することでバリエーション豊かなバトルが楽しめるようになっている。
操作が大変そうに思えるかもしれないが,使用するキーは少なめなので,キーボードでのアクションに慣れてない人でも,あまり混乱することなくプレイが楽しめるだろう。ゲームパッドでのプレイにも対応しているので,手に馴染んだデバイスでプレイするといい。
本作にはインスタンスダンジョンでのバトルもある。マッチングシステムによってパーティを編成してダンジョンを攻略するといったもので,CBTではなかなかマッチングが成立しなかったが,FTでは比較的短時間でマッチングが成立するようになった。同時に複数のダンジョンへのマッチングも可能になり,利便性も向上しているのが嬉しい。
マッチングで行けるダンジョンにはいくつか種類がある。「チャレンジ」は2人パーティ用と5人パーティ用の2つのタイプがあり,それぞれボスモンスターとバトルをする。基本的には1体とのバトルだが,2体ペアのボスと戦うこともある。
5人パーティで挑む「アドベンチャー」は,ダンジョンを攻略するというもの。ルート上に現れる雑魚モンスターを討伐しながら進み,中ボスを倒し,最後にボスモンスターを撃破すればクリアとなる。
このほかにも,毎週決められた曜日の特定の時間にのみ入れる「タイムダンジョン」,15vs.15のPvP「戦場」,3vs.3のPvP「闘技場」などのコンテンツもマッチングで入場できる。
全体的なダンジョンの印象としては,入場可能なレベル下限では難度的に少々厳しいといったところだろうか。ポーションを買い込み,パーティで連携したとしても結構苦戦する。
「ブレス」システムを始め,スキル周りはより使いやすい方向へ一新
CBTと大きく異なった点として,バトルの核心的部分であるスキルシステムと,本作のタイトルにもなっている「ブレス」システムの大幅な変更が挙げられる。これらの改修についてをここでまとめておこう。
本作の特徴でもある「ブレス」システムは,メインシナリオを進めることで開放できるアクティブ/パッシブスキルのプリセット的なものだった。CBTでは,ブレスごとに使えるスキルが決まっていて,ブレスを切り替えることで違った戦い方が楽しめるようになっていた。例えば,タンク的な役割のガーディアンを攻撃主体にすることもできるし,ガチガチの壁役とすることもできたのだ。
しかしFTでは,ブレスのセットで機能するスキルはすべてパッシブスキルへと変更されている。
「BLESS UNLEASHED」プロデューサーにメールインタビュー。CBTを経て進化したFinal Testへの意気込みを聞いた
2021年前半にサービスイン予定のPC向け新作MMORPG「BLESS UNLEASHED」。5月に予定されているFinal Testでは,グローバルユーザーCBTの結果を受けて,さまざまなシステムの改修が行われるという。このテストを前に開発統括プロデューサーであるパク・ゾンスル氏にメールでインタビューを行った。
では,CBTでブレスに設定されていたスキルはどうなったのかと言えば,効果などの見直しや数が整理されたうえで,キャラクターのレベルに応じて覚えられるようになった。正確には特定のレベルになると習得が可能になり,手動で習得するという形だ。
こうして覚えたスキルをスキルスロットにセットすれば,バトルで使用できるようになる。セットできるスキルは4つまで。ブレスとの組み合わせでスキルの効果が上がるものもあるので,プレイスタイルによって組み合わせを考える楽しみもありそうだ。
クラススキルは一定以上のレベルで開放できる職業固有のスキル。2つまでしかセットできないが,どれも強力な効果を持っているのでうまく使い分けたい。スキルやブレススキルと同様に強化が可能だが,そのためにはレベル28以上で「クラスレベル」を開放する必要があるようだ。クラスレベルの開放によってクラスポイントが獲得できるようになり,これを使ってクラススキルを強化できるとのこと。
今回はそこまでレベルが上げられず詳細は不明だが,クラススキルのパッシブスキルに一定以上のポイントを使うと,追加効果が得られるとのことなので,キャラ育成には重要なコンテンツと言えそうだ。
釣りや採集,クラフトなど生活系コンテンツも充実
MMORPGらしい多様なプレイが楽しめる
ここまで主にバトルを中心に紹介してきたが,もちろんMMORPGらしい生活系コンテンツも充実している。
水辺では釣りができるし,フィールドに点在する植物や鉱物といった素材を採集し,装備品などの製作も行える。レアな素材は,ダンジョンのボスや巨大なフィールドモンスターからのドロップも多いので,採集だけでなく積極的にバトルに参加する必要もありそうだ。
公式サイトのゲームガイドを確認するとわかるが,さらにメインクエストを進め,特定のクエストをクリアすると,領地が手に入るようだ。ハウジングを楽しめるようになり,生産に使う素材が入手できるようになったり,テイミングしたモンスターを飼えるようになる。
サービス開始が待ち遠しい完成度。ただ,ちょっとモンスターが強すぎる?
今回のFTは,登録すればすぐに参加できるという実質的にはオープンβテストと言っていいものだった。一部のコンテンツは機能が制限されていたり,表記上の間違いなどやゲームガイドとの矛盾もあるにはあったが,北米ではすでにXbox One版のサービスが行われており,すぐにPC版でのサービス始まっても問題はなさそうに思えた。
一つ気がかりに思えるのが,ちょっと敵が強い・硬いと感じた戦闘のバランス面だ。FTでは機能が制限されていたのか,装備品の強化はほとんどできず(※CBTでは低レベル装備もしっかり強化可能だった),装備品をクエスト報酬やドロップで揃えても,レベル20以上のモンスターを同レベルのキャラクターで倒すのに苦労するありさまだ。ダンジョン攻略も,入場に最低限必要な程度のレベルではかなり厳しく,3レベルぐらい上でかつ装備が整っていないとクリアが難しい。
難度が高いことで影響を受けそうなのが,メインクエストのクリア条件として倒さねばならないフィールドボスの存在だ。フィールドボスはエリートボスとネームドボス,そしてネームドボスが変異したミュータントネームドボスの3タイプがいる。
エリートボスはその気になればソロでも十分倒せるレベルのモンスターなのだが,各地域に1体ずつ存在するネームドボス(およびミュータントネームドボス)はかなりの強敵で,数十人のプレイヤーで戦わなければ倒せない,いわゆるレイドボスに近い存在だ。
当然のことながらソロでの討伐は不可能に近く,人を集めて,もしくは集まっているところに参加せざるを得ない。当然,人が集まらなかったらメインクエストはそこで止まる。
フィールド上に登場するモンスター相手ではマッチングシステムは使えないので,筆者も時間を変え,チャンネルを渡り歩いてようやく討伐に成功したぐらいだ。
クエストクリアを狙うレベルのプレイヤーだけではちょっと厳しいので,すでにクリアした高レベルプレイヤーを集めるために,討伐によるメリットなどといった施策も必要なのではないかと感じられた。
FTはすでに終了しており,正式サービスの開始日付こそ告知されていないが,現在も事前登録が受付中だ。「正式サービス開始まで残り時間は限られている」と記されており,そう遠くない時期に正式サービスが開始されるのではないかと考えられる。
昨今のMMORPGというとスマホでのタイトルが多く,とくにPCでプレイできる新作は数少ない。アクション性は高いものの使用するキーは少なく,それでいて壮快なプレイが楽しめるBLESS UNLEASHED。もし,PCで本格的なMMORPGをプレイしたいと考えているなら,ぜひ本作の事前登録を行い,プレイしてみてはいかがだろうか。
「BLESS UNLEASHED」公式サイト
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