インタビュー
「BLESS UNLEASHED」プロデューサーにメールインタビュー。CBTを経て進化したFinal Testへの意気込みを聞いた
Final Test募集中
「BLESS UNLEASHED」Steamページ
今回4Gamerでは,FinalTestの実施に先駆けて,本作の開発統括プロデューサーであるパク・ゾンスル氏にメールでインタビューを行った。CBT実施の意図から,フィードバックを元に改修したシステム,そしてFinal Testについて聞いたので,その内容を確認してほしい。
4Gamer:
まずは,自己紹介をお願いします。また,これまで手がけてきた作品も教えていただければと思います。
パク・ゾンスル氏:(以下,パク氏)
「BLESS UNLEASHED」の開発総括プロデューサーを務めておりますパク・ゾンスルです。以前からとくにMMOGRPGと縁があって,「グラナドエスパダ」をはじめとした多くの作品に参加してきました。日本の作品にも縁があり,カプコンの「モンスターハンター」フランチャイズの一部の制作に関わったことがあります。
4Gamer:
改めてお聞きします,BLESS UNLEASHEDはどのようなコンセプトで開発したのでしょうか。
パク氏:
BLESS UNLEASHEDはオープンワールドアクションMMORPGをコンセプトに制作したゲームです。Unreal Engine 4で描かれた美しく広大なオープンワールドを探索したり,世界を脅かす圧倒な力を持つ巨大なボスとギリギリの戦いを楽しんだりしながら,物語が進行していく新しいMMORPGです。他のプレイヤーと協力したり,競争したりするゲームが好きならば,ぜひ遊んでみていただきたいゲームです。
4Gamer:
一度サービスが終了したMMORPGをベースにして,新しい形のMMORPGを再構築するというのはかなりのチャレンジだと思います。それに対するプレッシャーや不安はなかったのでしょうか。また,BLESS UNLEASHEDとしてではなく,新規タイトルとしてリリースするという考えはなかったのでしょうか。
パク氏:
本作は「BLESS」の開発チームとはまったく別のチームで制作したゲームなので詳細をお話しすることは難しいですが,「BLESS」に対して酷評があったことは,BLESS UNLEASHED開発チームも認識しております。
しかし,コンテンツに関連する多くの部分はリニューアルされ,とくに戦闘はコンセプトから異なったものになっています。ゲームをプレイしていただければ,まったく別のゲームであることをご理解いただけると思いますし,むしろ,そのような部分を超えて再構築に成功することが,私達の1つの目標でもありました。
ですが,2020年3月に北米・欧州でサービスを開始したコンシューマ(Xbox One)版でのプレイヤーの反応をみると,BLESSのイメージの多くを一新できたと思います。
4Gamer:
今回,BLESS UNLEASHEDを全世界へ展開するにあたり,もっとも気に掛けていることは何でしょうか。
パク氏:
ゲーム性の強化を大幅に進めたいと思っています。
コンシューマ版のサービスを通じて,多くのプレイヤーの皆さんからいただいたニーズと,ゲームが持っているポテンシャルを最大限に発揮できるよう準備しています。戦闘の奥深さと楽しさを改善し,成長と経済のストレスに感じる要素を大幅に緩和する方向で進めており,メインコンテンツや新コンテンツの提供を通じて,これまでよりも簡単に多様な経験を楽しんでもらうことが最大の目的です。
これらの変更は,単に改善のための変更ではなく,新しいゲームの誕生に近い大変革を狙ったものです。
4Gamer:
ライバルとしてとくに意識しているオンラインゲームはありますか?
パク氏:
ほかのゲームで良い反応を得られているものや,利便性が高い機能をベンチマークして私達のゲームに適しているなら反映を検討するようなことはあるでしょう。ですが,とくにライバルだと意識しているゲームはありません。むしろ今のような状況では,多くのMMORPGが盛り上がるのが好ましいと思います。
4Gamer:
前回のCBTは,どのような目的をもって実施したのでしょうか。
パク氏:
一番の目的は,PC環境での安定性とゲーム性の強化です。CBTによって,信頼性の確保はもちろん,多くのプレイヤーの皆様からのフィードバックやプレイデータを介してPC環境に適した改善の方向を確認できました。これにより,よりゲーム性が強化されたBLESS UNLEASHEDの準備を進めています。
4Gamer:
CBTの手応えはいかがでしたか。
パク氏:
多くのプレイヤーから,プレイ経験に対して良い評価をいただきました。もちろん残念な部分についてのフィードバックもいただいており,それらすべてに目を通しています。Final Testでより良い姿でお届けできるよう準備しています。
4Gamer:
CBTに参加して気づいたのですが,職業によって通常攻撃の攻撃スピードにかなり差があると思います。この差は職業の個性ということでしょうか。また,職業間の差を無くすような調整は行われないのでしょうか。
パク氏:
職業による攻撃速度は,コンセプトに基づいて攻撃速度とアクションが異なるように調整しています。攻撃速度を一定に調整すると,すべてのクラスが特徴を失ってしまうので,職業間の差を無くす形の調整は考えていません。しかし,いくつかの攻撃速度増加アイテムやオプションも配置されており,その部分を育成する楽しさもあるのでご期待ください。
今回のFinal Testでは,キャラクターのバランスとアクションについての大規模な調整を行いました。5つのクラスの方向性を明確にし,クラス間のバランスもとれたのではないかと思っています。
4Gamer:
レンジャーやプリーストなど,遠距離攻撃タイプの職業は攻撃射程が短いように思えるのですが,もう少し射程が伸びたりはしないのでしょうか。
パク氏:
キャラクターの攻撃範囲は非常にデリケートな部分です。戦闘空間とキャラクターの視界距離,モンスターAIなど多くの部分に影響を与える要素でもあり,近接キャラクターと遠距離キャラクターの操作難度などにも関わってきます。開発チームでも継続的に検討していて,現在は射程距離を伸ばすことを議論しています。ローンチ時点では改善された形で実施できると思います。
4Gamer:
ダンジョンのオートマッチングは,同レベル帯のプレイヤーが申請しないと,マッチングが成立しないままということがありました。開発ノートでは「より楽にマッチングが行える」とありましたが,どのようなマッチングシステムの改善が行われるのでしょうか。
パク氏:
当然の話ではありますが,マッチングで最も重要な要素は「自分がクリアしたいダンジョンを,同じようにクリアしたいと思っている人を見つける」ことです。現在のマッチングは,その部分の改善を最優先目標としています。
本作には30以上のダンジョンがあります。それぞれレベルと報酬が分かれており,人々が分散してしまう構造を解決することが優先されます。その改善策として,“タイムダンジョン”という概念を導入し,より人が集まることができる形でコンテンツを提供することになりました。
タイムダンジョンのマッチングに申し込むことで,現在のキャラクターレベルで一番良い報酬が受けられる,難度が調整されたダンジョンに自動でマッチングされます。ですので,人が集まらないかもしれない,時間を無駄にするかもしれないという心配がなくなります。
ダンジョンだけでなく,フィールドのコンテンツも同様に,より容易に人を集め,より目的を明確にしてモチベーションが上がるよう調整しました。不具合についても改善していきますが,コンテンツが持つ根本的な性質の改善を優先したいと考えています。
4Gamer:
UIがゲームパッドでのプレイを前提に作られているのか,キーボードやマウスでは使いづらいところが多々ありました。キーボードとマウスの操作利便性を強化するという嬉しいアナウンスがありましたが,PC向けにしたため逆にゲームパッドでの操作がやりにくくなるといったことはないのでしょうか。
パク氏:
コンシューマ版のサービスを行っているゲームとして,パッド操作が楽なのはBLESS UNLEASHEDの強みです。PCの操作が強化されることで,その部分が弱くならないようにするつもりです。
操作だけでなく,コンソールサービス,PCサービス,両方のコンテンツの強化を進めていて,プラットフォーム間での差はあると思いますが,プレイにおいて一方が損をしたり,不快になるような状況が発生しないように注意しています。
4Gamer:
グローバルユーザーCBTのフィードバックを受け,Final Testではどのような変更が行われたのでしょうか。新たに追加した機能や,「グローバルユーザーCBT」から変更された機能・コンテンツなど,公開できる範囲で教えてください。
パク氏:
代表的な変更点は,以下の通りです。
・全体的な戦闘システムの改善
・PC環境に適したUI / UXの改善とグローバルコミュニケーション装置
・既存のコンテンツをさらに楽しく,楽に,挑戦的に変化
それぞれの詳細については,SteamのBLESS UNLEASEDストアページで展開しているエントリーをご覧いただければと思います。
4Gamer:
公式サイトの開発ニュースには,使用できるスキルを“ブレス”システムに限定させず,自由にカスタマイズできるよう仕様を変更するとありました。その場合,ブレスとスキルの関係はどのような形になるのでしょうか。
パク氏:
既存のスキルシステムは,ブレスを身に着けることで,ブレスに設定されたスキルセットのみを使用できるようにデザインされています。ブレスごとに異なる性格を持つようにして,状況や好みに応じてブレスを選択することが目的でした。
しかし,これはブレス選択後のスキルの選択肢が限られるため,自由度が落ちるという制限的な限界を持っていました。これらについて議論した結果,「より自由なスキルの選択と使用」を体験できるよう改善することになりました。
ブレスの変更によって,単純にコンボとスキルで戦うというだけでなく,プレイヤーの選択に応じてさまざまな戦闘スタイルを体験できることが大きな変化になります。
突きスキルに特化したブレスを身に着けてスキル「刺し傷」を取るのか,「封鎖」や「リーフアタック」にコンボを追加できるブレスを選択するか,どのスキルとも関連性のないキャラクターを丈夫にするブレスを選択するか。プレイヤー次第で細分化できるようになります。
新しくなったブレスは,これまでと同様に成長の重要な要素でありながら,選択によりクラスの特性と傾向,スキルの運用方法も変化することになります。
4Gamer:
Final Testは,希望すれば誰でも参加できるとのことですが,実質的にオープンβテスト相当と考えてよいのでしょうか。それとも後日,改めてオープンβテストが実施されるのでしょうか。
パク氏:
5月に行われるFinal Testはオランダとベルギーを除くすべての国で実施され,過去のCBT参加と関係なく誰でも参加が可能です。そして,テストの名称はFinal Testで決定しており,その名の通り最後に行うものと考え,準備しています。
4Gamer:
Final Testでは,どのような部分に重点を置いてテストを行っていくのでしょうか。
パク氏:
BLESS UNLEASHEDはゲーム性を高めるために大きく変化しました。Final Testでは,変化したBLESS UNLEASHEDをプレイヤーの皆さんにご紹介するとともに,変化したシステムの安定性を確認したいと思います。
4Gamer:
サービス形態は基本プレイ無料で,有料の要素ありとのことですが,どのようなものを予定しているのか,可能な範囲で教えてください。
パク氏:
PC版の有料化要素は,コンシューマ版と同様の形で準備しています。パッケージとブレスパスのような複合的な要素がセットになったものは,コンソールと異なる構成になる可能性がありますが,コンソールと価値的な面で大きな差が発生しないように考えています。
4Gamer:
サービスを行うにあたり,現在サービス中のコンシューマ版と同じサーバーでプレイできるのでしょうか。
パク氏:
BLESS UNLEASHEDのコンシューマ版とPC版は,それぞれ別のサーバーでサービスされる予定です。
4Gamer:
サービスイン後の話になってしまうのですが,アップデート内容や季節イベントの内容などは,サーバーごと,もしくはリージョンごとに異なるのでしょうか。
パク氏:
アップデートは,すべての地域とサーバーで,同じスケジュールで行う予定です。イベントについても,シーズンイベントは更新プログラムと同様,すべての地域およびサーバーに同じスケジュールで進行する予定ですが,インゲームGMイベントは,地域やサーバーの特性に応じて差別化されて行われることがある思います。
4Gamer:
CBTテスターを始め,BLESS UNLEASHEDに注目している読者にメッセージをお願いします。
パク氏:
現在,BLESS UNLEASHED正式サービスのために多くの準備を進めています。ゲームをプレイされた皆様からのたくさんのフィードバックを介してゲームの改善点を確認しており,さらに完成されたバージョンでのFinal Testとなります。
我々は,ゲームファンの方々との深いコミュニケーションとさまざまなフィードバックを最も大切にしています。 BLESS UNLEASHEDユーザーの方々とのふれあいを強化するため,継続的にコミュニケーションを行っており, 地域別に展開しているコミュニティチャンネルに用意した開発DEVディスカッションを通じて,さまざまな質問をいただき,耳を傾けるよう努力しています。
大きく変化したBLESS UNLEASHEDの,新しいゲーム性をご覧いただくことができるように開発チームは最善を尽くしてまいります。
「BLESS UNLEASHED」公式サイト
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