［TGS 2020］「KINGDOM HEARTS Melody of Memory」の体験版が10月中旬に配信。実機プレイが初披露された放送をレポート

　スクウェア・エニックスは2020年9月25日，東京ゲームショウ2020 オンラインの同社公式放送にて，「『KINGDOM HEARTS Melody of Memory』TGS2020 SPECIAL SHOW」を配信した。2020年11月11日に発売を予定しているリズムゲーム「KINGDOM HEARTS Melody of Memory」（PS4/Xbox One/Switch）の実機プレイが初披露され，体験版の情報も公開された配信の模様をレポートする。

※画像は配信映像をキャプチャしたものです

　「KINGDOM HEARTS」（以下，KH）シリーズでは初のリズムゲームとなる本作だが，もともとプロデューサーの間 一朗氏が，ディレクターの野村哲也氏にやりたいと何年も前から言っていたそうだ。当時は実現しなかったが，別のタイミングでディズニーのほうからもリズムゲームのオファーがあり，開発することになったという。

プロデューサーの間 一朗氏，Co.ディレクターの鈴井匡伸氏が登場。ディレクターの野村哲也氏は，“天の声”として音声のみで出演

　そんな本作は，鈴井匡伸氏によると「シリーズは遊んでいるけど，リズムゲームは……」という初心者でも，さまざまな難度や遊び方で楽しめるようになっているという。
　例えば操作方法は，いくつかのボタンを使用する標準的な「ノーマルスタイル」のほか，ひとつのボタンで遊べる「ワンボタンスタイル」も用意されている。上級者であれば，使用ボタンが増えて複雑な操作が必要になる「パフォーマースタイル」も選択できる。


　本作に収録されている楽曲は140種類以上。そのうち一番多いのが，キャラクターが譜面の上を走って進行していく「FIELD BATTLE」だ。さらに，宇多田ヒカルさんの曲や，キャラクターの音楽は，思い出の映像に合わせて展開される「MEMORY DIVE」で楽しめる。
　後述する「ワールドトリップ」の要所では「BOSS BATTLE」が用意され，これはうまく入力することで敵からのダメージ量が減少する仕組みになっているという。


　リズムゲームながら，KHシリーズらしいアクション要素を取り入れた本作だが，そのモーションやエフェクト，効果音などは，KHスタッフの手で作られているそうだ。そのぶん，これまで展開してきたリズムゲームよりも労力をかけて作り込んでいるが，リズムゲームとしての遊びやすさと，KHとしての見栄えを両立しているとアピールしていた。

　本作で遊べるモードはいくつかある。シングルプレイ用となるのが「ワールドトリップ」で，これは初代「KINGDOM HEARTS」から「KINGDOM HEARTS III」までのストーリーを振り返るというものだ。編集されたムービーを，カイリのナレーションで楽しめる。
　リズムゲームなので，もちろん対戦も用意されている。「バーサスモード」では，オンラインでの対戦や，Nintendo Switchのローカル通信を使った最大8人のバトルロイヤルなどが可能だ。
　協力プレイも盛り込まれており，「ダブルプレイ」では複数のコントローラを使って1つの画面で一緒に遊べる。

コレクション要素も豊富に用意されているという。プレイ中に手に入るコレクションカードは，キーアート，ステンドグラス，カットシーン，キャラクター，エネミー，キーブレードのカテゴリで，800種類以上が用意されている

プレイ画面も初公開された。体験したG-Star Gamingの芦澤佳純さんは，「KHと操作がそんなに違わないので，取っつきやすかったです」とコメント

野村氏の「これは無理だわって譜面が見たい」により，ダブルプレイの高い難度も披露

　続いては，作曲家の下村陽子氏と，ピアニストの清塚信也氏が登場し，楽曲について語るコーナーに。
　本作で手掛けた楽曲がメインとして使われることについて聞かれた下村氏は，「人生でこんなことがあっていいんですかね」と話す。音楽は縁の下の力持ちであり，目立ちすぎずに少しは印象に残ってほしい，ちょっと引いてるぐらいがいいと考えて，普段は作曲しているそうだ。しかし本作で主役に据えられ，恥ずかしい気持ちがあるという。


　清塚氏には，思い入れのある楽曲が問われ，タイトル画面の曲である「Dearly Beloved」が病的に美しいとコメント。しかし，下村氏によると，最初はタイトル曲ではなかったという。当時，どこかのイベントで使えないかと現場で相談したところ，合うシーンがないという話になり，下村氏はボツになったと思っていたそうだ。
　ところが，急遽タイトル画面で曲が必要となり，「こういう海っぽい曲があるんだけどどうですか」と聞いてみたところ，一発OKが出た。Dearly Belovedは8小節しかない曲だが，これは本決まりになると思っていなかったからというのが理由だ。
　タイトル曲に決まってから，何か足そうか考えたが，何を足しても余計なものにしかならない気がしたと，当時を振り返った下村氏。こうした偶然もあって，ループの美しいDearly Belovedが，世に出ることとなった。

清塚氏による演奏も。本作で登場するアレンジバージョンの「Dearly Beloved -Swing Version-」，そして「Wonderland's Surprises」「Roxas」のメドレーだ。Wonderland's Surprisesは，やたら敵が多くエンカウントがすぐに発生し，曲を聞きたくても戦闘曲と入れ替わってしまうという“あるある”まで再現しての演奏だった

　最後に，本作の無料体験版の情報が公開された。配信は10月中旬を予定しており，詳細は今後発表されるとのことだ。

「KINGDOM HEARTS Melody of Memory」公式サイト

スクウェア・エニックスのTGS 2020 ONLINE公式サイト

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