［gamescom］言葉を武器にして戦うアドベンチャーゲーム「Dustborn」。4人組のアメリカ横断ロードトリップを描く

　ドイツのケルンで開催中のゲームショウ「gamescom 2023」に，Red Thread Gamesの新作「Dustborn」が出展されていた。Red Thread GamesのEgil Paulsen氏とMartin Bruusgaard氏によって行われたハンズオンデモで分かったゲームの内容をお伝えしよう。


　Dustbornは，未来のアメリカが舞台のアクションアドベンチャーゲームだ。未来とは書いたが，現実の延長線上に描かれた未来ではなく，多くの人が特殊な能力を持つという世界線における未来の話になっている（本作のアメリカはアメリカ共和国になっている）。

　主人公は30代の女性「Pax」で，彼女が3人の仲間とアメリカ西海岸から東海岸まで旅するロードムービー風のストーリーが描かれる。Paxは，言葉の通りにできる特殊能力を持っており，デモでは騒ぐ仲間達に対して「静かにしろ」と言葉を発することで，全員を黙らせる（全員が声を出せなくなった）場面が披露された。


　仲間にも特殊能力を持っているものがおり，Saiという女性は自分の皮膚を硬化させることができ，重い物を支えるなんてことも可能だ。また，Noamという男性キャラクターは，人を落ち着かせる能力を持っている。リーダーは特殊能力こそないが，いわゆるハッカー的な能力に長けているという。

　ストーリーがメインのゲームだが，いわゆるムービーシーンはなく，キャラクター同士が会話をしている場面でも，プレイヤーはカメラの角度を変えられる。Paxとほかのキャラクターとの会話では，選択肢が表示されることもあるが，どちらかを選ぶ，あるいはどちらも選択しない（ようは，返事をしない）という対応を取れる。対応の仕方次第で会話内容も変化するが，ストーリーが大きく変わるといった類いのものではないそうだ。


　本作にはパズル的な謎解き要素もあり，その例として主人公一行のセーフハウスで新たな乗り物のバスを獲得する場面が紹介された。バスの下には女性がいるのだが，ジャッキが壊れてしまって抜け出せなくなっている。プレイヤーは各キャラクターの能力を生かしてこの問題を解決へと導く。ここではNoamが挟まれている女性を落ち着かせ，Saiが腕を硬質化させてバスを支えつつ持ち上げた。そして，コンピュータ制御されているジャッキをリーダーがハッキングしてバスの下に再び潜り込ませ，女性の救出に成功した。

　ちなみに，主人公一行は国境を越える際にロックバンドを装っており，ミュージシャンであることを証明するために楽器を演奏することになる場面も紹介された。ここでは，いわゆるリズムゲームがはじまり，一定以上のスコアを獲得するとバンドとして認められるそうだ。とはいえ，これはあくまでもミニゲームで，リズムゲームがしょっちゅうでてくるわけではない。


　記事の冒頭で本作をアクションアドベンチャーゲームと紹介したが，しっかりと戦闘要素もある。主人公のメイン武器はバットだ。分かりやすくバットをぶん回して敵をなぎ倒すこともできるが，主人公の特殊能力を生かして，投げたバットを自分のところに戻るようにできるので，飛び道具としても使える。また，敵に攻撃を当てることでゲージが溜まり，それが一定値になるとシャウトという特殊能力も使用可能になる。デモではブロックという言葉をシャウトし，敵を硬直させるという使い方が紹介された。このほか，ムーブという言葉をシャウトして，敵を吹っ飛ばすなんていうこともできるそうだ。


　戦闘では一定以上のダメージを負うとPaxはやられて倒れてしまう。だが，周りにいる仲間の誰かがすばやく助けてくれて，すぐに戦闘に復帰できるという。これは戦闘がメインにならないための工夫で，何回トライしても勝てなくて先のストーリーが見られない，なんていう事態にならないようにしているそうだ。

　ストーリーの続きが気になっているのに，戦闘が難し過ぎるとストレスになることもあるので，ストーリーがメインのゲームであれば，こういった割り切りはあってもいいのかもしれない（戦闘に歯ごたえを求める人には物足りないだろうが）。

　Dustbornは，PC，PlayStation 5，PlayStation 4，Xbox Series X|S，Xbox One版が2024年初頭に発売される予定だ。ゲームの音声は英語のみだが，日本語字幕にも対応するということなので，4人の旅路の行く末が気になる人は，発売を楽しみに待とう。

Egil Paulsen氏（左）とMartin Bruusgaard氏（右）

「Dustborn」公式サイト

「gamescom」公式サイト

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