プレイレポート
ターン制RPGとQTEが融合した戦闘,8ビットPC風のドット絵による“明るく奇怪なディストピア”。「Keylocker」プレイレポート
サイバーパンクなディストピアで,緊張感あふれる戦闘を楽しむ
「Keylocker」はSteam(PC)で発売予定のRPG。配信日は来年夏頃を予定しているという。本作を開発するのは,ブラジルのデベロッパであるMoonana。「セーラームーン」や「MOTHER」から影響を受けたというRPG「Virgo Versus The Zodiac」で知られている。
「Keylocker」の舞台となるのは,音楽が禁止された土星。主人公のBOBOは,腐敗した体制を音楽で倒すため,バンドメンバーを探すシンガーソングライターだ。刑務所に収監されている彼女は,仲間に助けられて脱獄を決意。行く手を阻む看守たちと戦うことになる。
土星の刑務所は,行き過ぎた管理体制が敷かれたディストピアだ。牢屋なのに“スケルトン仕様の新作手錠”のCMが流れ,パーソナリティの「テティス」は「選択を放棄して自由を味わいましょう」と,不気味なプロパガンダを口にする。看守たちは笑顔が描かれた仮面を被っていて一見ユーモラスだが,規則違反を犯した囚人には躊躇なく暴力を振るう危険な存在。体制側が作った規則を伏して崇める様は不気味としかいいようがない。ダークな世界観,そしてネオンなカラーかつ可愛らしいキャラクターデザインの8ビットPC風ドット絵が絶妙に組み合わさり,明るく奇怪なサイバーパンク世界が表現されている。
戦闘システムは,Moonanaお得意のコマンド選択式ターン制+QTE(クイックタイムイベント。ミニゲームのこと)。敵味方が行動する度にQTEが入るので,ターン制とはいっても気を抜けない。「流れてくるノードの通りに方向キーを押して,スキルのリソースとなる『エレキ』を生成する」「敵が攻撃してくる際,身体が光った瞬間にボタンを押して回避する」などいろいろなQTEがある。その成否によって,敵に与えるダメージや,エレキの生成量など,コマンドの効果が変わってくるため,シッカリと成功させる必要がある。
本作はシミュレーションRPGのように,マス目で区切られたフィールドの概念がある。複数の敵に囲まれないように移動するなど,位置取りも重要になり,敵も容赦なくカウンター技を使ってくるため,戦闘は歯ごたえがある。さまざまな局面でQTEが入ることと相まって,緊張感あるバトルを楽しめた。BOBOは職業を選ぶことができ,攻撃に優れた「ジャガーノート」,カウンターアタックを得意とする「サムライ」など,その特性はさまざまだ。職業によって仲間になるキャラクターも変化するため,繰り返しプレイも楽しめるという。
「Virgo Versus The Zodiac」が星座をテーマとした世界観だっただけに,新作はサイバーパンクということでファンは驚いたはず。しかし,少女漫画風のキャラクターデザインや可愛らしいドット絵,フィールドのあちこちにあるオブジェクトを調べると出てくる哲学的なテキストといったMoonanaらしさはそのままだ。Steam(関連リンク)ではデモも配信されており,ページに記載こそないものの日本語にも対応している。「Virgo Versus The Zodiac」のファンや個性的なRPGを求めている人はチェックしてみよう。
「Keylocker | Turn-Based Cyberpunk Action」Steamストアページ
「moonana」公式サイト
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Keylocker
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