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「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ
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印刷2021/08/21 10:00

プレイレポート

「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ

 2021年1月に発売された「HITMAN 3」PC / Xbox Series X / Xbox One / Switch)の日本語版「ヒットマン 3」PS5 / PS4)が,2021年8月26日にH2 INTERACTIVEから発売される。

画像集#001のサムネイル/「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ

 ステルス重視の三人称アクションゲームである本作は,2000年リリースの「Hitman: Codename 47」から始まる「Hitman」シリーズの最新作で,2016年から「HITMAN」「HITMAN 2」と続いてきたリブートシリーズ“World of Assassination”3部作の完結編だ。

 プレイヤーは,スキンヘッドで,後頭部にはバーコードの刺青がある暗殺者の“エージェント47”となり,さまざまなターゲットを暗殺するミッションに挑んでいく。ステルスゲームのため,変装やスニーキングを駆使して目的を達することが基本なのだが,目標を殺害さえすればクリアにはなるので,重武装で正面突破し,非ターゲットを巻き込んでの殺害といったプレイも可能になっている。

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 また今作は,PlayStation VR対応で,すべてのステージをVRでプレイできることが大きな注目点だ。本稿では,通常プレイとVRプレイ双方のプレイフィールを中心にお伝えしていく。

「ヒットマン 3」公式サイト


 「HITMAN 3」では,失われた記憶を取り戻したエージェント47が,仲間とともに自分を裏切った組織へ復讐するため,新たなる戦いに飛び込んでいく物語が描かれる。
 完結編ということもあり,ここまでの物語の再確認として,前作をプレイしようと思うファンもいると思うが,「HITMAN」や「HITMAN2」などのセーブデータがあれば,本作のシステム上にて,それらのミッションを遊ぶこともできる。
 まさにファン必携の一作だが,本作が初めてのプレイヤーであっても,シナリオやアクション,グラフィックスすべての面で完成度の高さに唸るはずである。

画像集#003のサムネイル/「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ
さらにパワーアップしたステルスアクションにも注目!

 本作のハイクオリティなグラフィックスを家庭用ゲーム機でフルに味わうのであれば,PS5版(PS4版からは有償でアップグレード可能)を選択したいところだが,個人的には今回プレイしたPS4版でも十分に美しいと感じた。
 ドバイのラグジュアリーな高層ビル,中国・重慶のネオンきらめく街並みなど,歩いているだけで楽しいので,このご時世では難しい海外旅行の気分も味わえるだろう。
 
 VRモードでは,プレイにおいて気になるほどではないものの,一度に描画されるオブジェクトの数が少なくなり,47がある程度近づいてからでないと表示されないものもでてくる。ただ,VR空間でこの世界を体験できるということは,本作のゲーム性からしても非常に価値があるので,PlayStation VRを持っている人は,ぜひVRモードでも遊んでほしい。

画像集#004のサムネイル/「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ
PS4版,ドバイのステージ。美麗なグラフィックスが,高級感のあるインテリアの説得力を高めている。大理石に映りこむ光と影,金属や木のリアルな風合いなど,それぞれの質感をじっくり堪能できる

画像集#005のサムネイル/「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ
こちらは,上のスクリーンショットと同じステージのVRモード。一人称視点であるVR版にはグリッドが表示され,より分かりやすく大きめのガイドが表示される

 本作で47が請け負うミッションは,どのステージであっても,「ターゲットを暗殺し,脱出すること」が目的。それを遂行する手段はプレイヤーに一任されており,どんな手を使っても,目的さえ達成できればミッションコンプリートだ。

 ステルスゲームということもあり,シリーズを知らない人などは,「ターゲットの懐に飛び込むための情報を集め,怪しまれない立場の人物から服を強奪し変更。人混みに紛れ込みつつ,じりじりと目的の人物へ近づいていき,ここぞというタイミングで暗殺,速やかに離脱する」ことを目指すと思う。

 ただ,犯行を目撃されてしまったり,不審な動きを周囲の人間に怪しまれてしまうような場面もあるはずだ。ほかのステルスゲームの場合,発見されてしまうとミッション失敗となることも多いが,本作では,そのような状況に陥ろうとも直ちに失敗とはならない。
 どこかに身を隠して追跡を逃れたり,さらに別の人物に変装してやり過ごしたり,追跡者を皆殺しにしたりと,プレイヤーのひらめきと判断が活路となり,無数の攻略方法が生み出されていく。

 暗殺の方法も,ときには銃で,またときには毒を飲み物に混ぜて,さらにはシンプルに拳でなど,状況と手持ちのアイテムに合わせて臨機応変に選べる。とにかく,ターゲットを暗殺し自分が生きて脱出しさえすればプレイヤーの勝ちなので,手段に囚われない柔軟な考えと自由な行動で,目的を達成しよう。

画像集#006のサムネイル/「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ
ミッション達成までの感覚をつかむには,ガイド付きトレーニングをプレイするのが近道

 ステージ内の所定の場所で発生する“ミッションストーリー”を進めると,ターゲットに近づく方法や暗殺方法のヒントが得られることもある。
 これを進行させるための情報は,NPCたちの会話から得られることが多く,本作の物語をさらに深く理解するうえでも見逃せないので,まずはこれに従ってプレイを進めていくこともおすすめしたい。初心者向けの暗殺指南にもなるだろう。
 また,特定の行動をすることで達成されるチャレンジ要素なども多数用意されており,ただ自由に遊ぶだけではない,幅広いプレイのスタイルが選択できる。

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鍛え上げられた体つきにスキンヘッド,後頭部にバーコードのタトゥー。そこそこ47は目立つ風体をしているはずなのだが,服を着替えるだけで変装したことになるというのがなんだかユルくておもしろい。しかし,中には周りの人間の顔を覚えているNPCもいるため,すべての人間を騙せるとは限らない

 暗殺者として目立たない行動を心がけるのが基本だが,明らかに現場にそぐわない行動がどこまで許されるのかという悪ノリもしてみたくなる。
 厳重に警備されたVIPルームの前で,パーティ会場のカウンターからくすねたバナナやリンゴを意味もなくちらつかせたあと投げてみるのは序の口で,人ごみの中で,炭酸飲料の缶を破裂させてみるといったイタズラもおもしろい。
 慌てて右往左往するNPCたちを見ているだけでも笑えるのだが,そんなお遊びをしているうちに,それまで思ってもみなかった暗殺のルートを思いついたりもした。効率やスマートさを追い求めるプレイも,隙のあるおふざけプレイもしっかり受け止め演出してくれる懐の広さがあるのだ。

画像集#008のサムネイル/「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ
速やかに気を失ってもらおうと振り上げたバールでうっかり頭を優しく撫でてしまい,バッチリ注目されてしまった場面

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せっかくおびき出した相手との距離が近すぎるために怪しまれたこともある。声を上げて人を呼ぼうとしたのでその場で屠ってしまったが,結局その現場も通行人に見つかり,警備員たちに追い回されることとなってしまった

 操作方法は,通常モードとVRモードで多少の違いがある。殺した相手をロッカーやゴミ箱に隠すというアクションの場合,通常のモードでは「R1ボタン」で隠したい敵をロッカーまで引きずっていき,「△ボタン」を押すだけだが,VRモードでは,「R1ボタン」で引きずりロッカーの前に着いた後,手をロッカーの取っ手近くまで持って行ってからドアを開けるアクションをする必要がある。
 より実際の動きに近い動きが要求されるため,自分が“47”になった気分がさらに高まるが,コントローラがDUALSHOCK 4のみの対応というのが少し残念に。ジャイロセンサーで腕の上げ下ろしができるなど,機能にまったく不足はないのだが,よりリアルな体験のため,PlayStation Move対応であればなおうれしかった。
 なお,両モードとも,複雑な操作は必要なく,ドアを開けるなどのアクションができる場所では,しっかりガイドが出るので非常に親切だ。

画像集#010のサムネイル/「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ
ロッカーには2人まで遺棄できる。犯行を見られた人物を次々に葬っていたら,ロッカーがギッチリ埋まってしまったので,以降は仕方なく床へ転がすことに……

 モードによる仕様の違いとして,VRモードではゲームの進行状況が自動でセーブされない点に注意したい。また,本作の音声は英語のみなので,VR版に日本語字幕が必要であれば,プレイ開始前の設定を忘れずに。
 なお,一人称視点になるVRモードでは自分自身の姿を確認しづらいので,現在どんな変装をしているかをうっかり勘違いしないように。

画像集#011のサムネイル/「ヒットマン3」プレイレポート。VRモードが追加され,さらに臨場感が増した世界で華麗な暗殺をクリエイトせよ
その場に居ることが自然な装いでないと,やはり怪しまれてしまう。VIPがくつろぐ部屋の近くでは,従業員になり切って堂々と

 VRモードと聞いて,“VR酔い”を気にする人もいるだろう。筆者は乗り物酔いをする体質で,VR酔いもかなり感じるほうである。ただ,本作に関しては,初回のプレイでそこそこの酔いを感じたものの,動きの感覚を掴んでから挑んだ2回目以降のプレイでは,とくに問題なく,プレイに没頭できた。
 空中に浮遊するようなシーンや,乗り物でのチェイスするシーンなど,一般的に酔いを誘発するとされる場面はほとんど出てこないので,酔いやすい体質の人は,しばらくは無理をせず,短時間のプレイで徐々に慣れていくことをおすすめする。

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酔いを感じ始めたら通常モードに切り替えるのもあり

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重慶の雨に濡れた街は雰囲気たっぷり。VRモードならなおさらだ

 世界を股にかけて展開される壮大なストーリーと,自由度の高いゲームシステムは,本シリーズの大きな特徴だ。ただ,そのシリアスな物語の雰囲気を打ち破るような珍プレーを,とことん楽しめる奔放さも持ち合わせているのが大きな魅力にもなっている。

 しっかりと丁寧に設定された舞台のなかで,プレイヤーが主体性を持って振る舞い,それがステージクリアにおける有効打となるおもしろさは,“ステルスアクション”“暗殺者”という設定のよさを十分に引き出しているのではないだろうか。
 VRモードは,通常モードに比べ直感的なプレイ感とは言い難い面もあるが,エージェント47の視点から世界を体験できるということはとても意味深い。全体的な完成度は非常に高くまとまっていて,ファン必携ということはもちろんだが,初めてのプレイヤーにも薦められる一作だ。

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