プレイレポート
「ゾンビサバイバル コロニービルダー They Are Billions」のPS4用日本語版を先行プレイ。想像を絶するゾンビの大群から,人類の拠点を守り抜け
本作は,数十億のゾンビが徘徊する惑星を舞台に,人類存亡の危機のなか,新たな生活圏となるコロニーを作り上げるシミュレーションゲームだ。2017年12月にSteamにてPC向けアーリーアクセス版が配信。2019年6月のPC版正式リリースののち,7月にはコンシューマ版が海外で発売されている。
そんな本作のPS4向け日本語版を先行してプレイできたので,本稿にて紹介しよう。
「ゾンビサバイバル コロニービルダー They Are Billions」公式サイト
人類の英知と科学力で,想像を絶する数のゾンビを退けよう
ゲームモードには,ストーリーを追ってマップをクリアしながら進めていく「キャンペーン」と,好みのマップや難度,期間などを設定し,ランダム生成されたマップのクリアを目指す「サバイバルモード」,ほかのプレイヤーと同じマップに挑戦し,クリア時のスコアを競う「今週のチャレンジ」が用意されている。本稿では主にキャンペーンのプレイをとおして,ゲームの進め方を紹介していこう。
キャンペーンでは世界のマップが表示される。各マップともに難度は7段階に設定でき,これがクリア報酬に影響する |
サバイバルモードは,マップ種類や襲来するゾンビの数,クリア目標となる期間を設定して開始する |
キャンペーンの舞台となるのは,人類自らが冒した過ちによりゾンビが蔓延し,文明が崩壊した世界だ。ゾンビの増加から2世紀以上が経過した西暦2260年。巨大なクレーターの中に築かれたコロニーから発展した帝国は,新たなコロニーを築くべくクレーターの外に進出する。
新天地に進む際に登場する鉄道やコロニーの建物など,全体的にスチームパンクをイメージさせる世界観となっており,こういったジャンルが好きな人には響くものがあるだろう。
ゲームのおおまかな流れは,マップの中心にある「司令部」を起点とし,人々の生活圏となるコロニーを構築して,一定の間隔で襲い掛かってくるゾンビの大群を退けながらクリア目標を目指すというもの。マップによってクリア条件は異なるが,ゲームの流れ自体はどのモードも基本的に変わらない。
プレイヤーのもとにあるのは,多少の資金と資材,そしてゾンビと直接戦える何人かの兵士。コロニーを大きくするため,資金,資材,人材,食料,エネルギー,テクノロジーなどを集めて新たな施設を建築し,その施設から得たリソースでさらにコロニーを発展させていく。
最初は,住人を増やすために住居となる「テント」と,彼らの食料を得るための「狩人小屋」や「漁師小屋」をそれぞれ建設しよう。さらに,施設の建築に必要な資源の採掘を行う「製材所」や「採石場」を作るといい。
「倉庫」を作れば資金や資材の貯蔵量が増え,「工房」を作ればテクノロジーを開発できるといったように,建造を進めることで新たな施設が作れるようになる。各リソースの残量を確認し,必要な施設をバランスよく建築していくことが重要となるだろう。
マップ上には森や岩場があり,隣接した場所に施設を建てることで資源の採取ができるほか,自然の要害としても利用できる。ほかにも朽ちた施設などがあり,「テスラタワー」を建ててコロニーのエネルギー供給範囲を広げれば,それらを修理して使うことも可能だ。
ゲームスタート時にマップで表示されるのは司令部の周囲のみだが,ユニットを調査したい場所に派遣することで,これまで見えなかった場所が表示されるようになる。点在するゾンビに注意しつつこれを撃退し,コロニーを広げよう。
コロニーのエネルギー供給範囲を広げるテスラタワー。これを建てることでさらに施設を建築できる範囲を広げられる |
兵士を移動させると,影が掛かっていた部分が視認できるようになる。ゾンビの居場所などは施設や兵士の索敵範囲内でしか分からないので,兵士派遣の際には注意しよう |
コロニーを大きくするうえで忘れてはならないのが,「防壁」や「塔」といった軍事施設や防衛施設,そして兵士を育成するための「兵舎」などを建築すること。ゾンビの大群は,一定の間隔でコロニーに押し寄せてくる。ゾンビの襲撃からコロニーを守り抜くための準備も欠かせないのだ。
最も基本的な防衛施設で,守備の要となるのが「防壁」。「杭の罠」と合わせればさらに防御力が上がる。コロニーを囲むように設置し,ゾンビの侵入を阻止しよう |
範囲内のゾンビに巨大な矢を放つ「バリスタ」。少ない資材で作れる便利な軍事施設だが,一度の射撃で一体しか狙えないため大群が押し寄せてきた際は心もとない |
兵士は単独のユニットとして表示され,それぞれに指令を出すことで,規定の場所を移動し,射程内にゾンビがいれば自動で攻撃を行う。ゾンビと戦うだけではなく,前述したマップの調査も兵士たちの重要な任務だ。
ユニットの能力は装備などによって異なり,移動スピードや火力などがパラメータで表示される。要注意なのが攻撃時の音。これが大きいと周囲のゾンビを引き寄せてしまうので,役割をよく考えてユニットに指示を出そう。
日に日に激しくなるゾンビの襲撃を退けるには,防衛設備や兵器の開発・設置,そして兵士の育成が重要だ。コロニーの規模が小さいうちは簡素な設備や武器しかないが,規模が大きくなると強力なものを開発できるようになっていく。
序盤から使える兵種は,足が速く,音が静かな弓を装備した「レンジャー」,連射可能な銃器による火力と回復力が特徴の「ソルジャー」,一撃必殺の遠距離射撃を得意とする「スナイパー」の3種類の下級ユニット。ゲームを進めて「エンジニアリングセンター」を作れば,火炎放射兵「ルシファー」,ロケット兵「タナトス」,機械兵「タイタン」といったより強力な上級ユニットが作れるようになる。
下級ユニットは、一定数のゾンビを倒すとランクが上がり,ベテランユニットになる。ベテランユニットは終盤でも活躍できるので,いかに彼らを失わないよう戦うかといった戦術も,長くコロニーを発展させるうえで大事なものとなる。
ゾンビの大群は施設を汚染させて使用不能にするだけではなく,接触した住人を感染させて仲間にしてしまうのが厄介だ。とくに住居が襲われるとゾンビが爆発的に増えてしまうので,襲われないよう優先的に防備を固めておこう。
襲い掛かってくるゾンビも,単体だと弱いがその量が“凶悪”な「ゾンビ」,通常のゾンビよりタフで力も強い「太ったゾンビ」,並外れた脚力で防壁を飛び越える「ハーピー」,遠距離から毒液で攻撃してくる「ベノム」など,それぞれ異なる特性を持っている。大群のなかに厄介な特性を持つゾンビが潜んでいることもざらにあるので,致命的な打撃を受ける前にそれらの位置を把握し,効率よく対峙していこう。
ゾンビが襲い掛かってくる日は予告されるが,それが何時になるのか,どの方角からやってくるかは直前にならないと分からない。しっかり対策を取っておかないと,あっという間にコロニーは全滅し,ゲームオーバーとなる。
どこから現れても大丈夫なように,防備が不完全な場所はないかしっかり確認しながら,コロニー全体が強固な砦になるように防衛施設を建築しよう。
キャンペーンでは,ゾンビの襲撃に耐え,マップに定められたクリア条件を達成すると次のマップへと進んでいく。その際に,テクノロジーのツリーを開放するために必要な「研究ポイント」が付与されるので,次のマップでのコロニー建築に活用しよう。
なお,サバイバルモードでは,スコアが算出され,規定スコアでクリアすると別のマップがアンロックされ,遊べるマップが増えていく。キャンペーンとともにこちらも挑戦してみよう。
難度はなかなか歯応えがあるものとなっており,こういったジャンルのゲームをあまり遊ばない人や苦手な人は苦戦するかもしれない。施設の設置条件など覚えることが多く,ゾンビの襲撃は何度もトライ&エラーを繰り返さないと慣れにくい部分もある。キャンペーンモードの冒頭にチュートリアルがあるが,内容は簡素なものとなっていた。チュートリアルだけで把握するのは難しいという人は,最低難度「スーパーイージー」が用意されているサバイバルモードで感覚を掴むといいだろう。
セーブはオートセーブと任意の中断のみで途中で保存できないため,ゲームオーバーになったら一からやり直しになるところもハードルとなりそうだ。また,もとがキーボードとマウスで操作するゲームのため,コントローラ操作に少々ややこしい印象を受けた。遊んでいるうちに覚えられるが,マウスとキーボードにも対応しているので,持っていればそちらを使用するのも良いかもしれない。
気になる点はいくつかあるが,ゾンビの大群が押し寄せてくる緊張感や“絶望感”は凄まじく,それだけに上手くゾンビを退けたときの達成感はかなりのもの。今回のプレイではそこまでの大群には遭遇しなかったが,一画面に表示される最大2万という数のゾンビを退けたときに得られる達成感は想像を超えるものとなりそうだ。スチームパンク×ゾンビというテーマに惹かれる人は挑んでみてほしい。
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