インタビュー
駅構内を整備して人の流れを管理するPC用SLG「STATIONflow」が正式リリース。インプレッションと開発者インタビューでその魅力を紹介
同社が開発,販売を行う本作は,地下鉄の駅構内の整備をテーマとしたシミュレーションゲームだ。正式リリース版では,2019年12月より行われていたアーリーアクセスにて要望の多かった難度変更オプションや,「Steam Workshop」を用いて世界中のプレイヤーとのオリジナルマップ共有機能が追加。さらに日本語にも対応する。
そんな本作をインプレッションと開発スタッフへのインタビューをとおして紹介しよう。
Steamの「STATIONflow」タイトルページ
ハロー!Steam広場 第266回:地下鉄駅がダンジョン化しないよう構内を整備していくシミュレーションゲーム「STATIONflow」
ハロー!Steam広場 第266回は,DMM GAMESの「STATIONflow」を紹介しよう。本作は,地下鉄の駅構内を整備していくシミュレーションゲームだ。利用できる出入口が増えるにつれて複雑化していく構内にて,お客さんが迷わずに目的の場所に移動できるように道を作ったり,案内標識を置いたりしていくのだ。
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- 編集部:YamaChan
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平面と階層の双方を立体的に管理する新しいSLG
本作の主な目的となるのが,地下鉄の駅構内を整備し,改札とホームを行き来する乗客の流れをスムーズに保つこと。通路や方向案内を作って駅構内の整備を進めると,利用可能な改札とホームが増え,駅を利用する人も増えていく。駅の利用者が増えるとさらに通路や方向案内を作る必要が生じるわけだ。駅構内は必然的に複雑化する。駅の利用者が迷わず目的地にたどり着けるよう,さらに新たな通路や方向案内を作っていくというのが主なゲームの流れだ。
改札は4:00に開き24:00に閉まり,1日ごとに収支報告がなされる。収入のメインは運賃で,駅構内の整備コストは通路などを作った際に発生する。当然,コストは収入の範囲内に収めなければならない。
通路や階段を作ったり方向案内を設置したりするのは,画面中央下のメニューから設置したいオブジェクトを選択し配置していくだけ。ガイドラインが表示されるので,新たな通路をつなぐのは簡単だ。
本作の大きな特徴となるのが,通路などのオブジェクトをフリーグリッドで変形させられるところ。これにより,実際の駅にあるような斜めの通路なども任意の角度を付けて設置できる。
異なる階層にある改札や出入り口をつないでいくという,2次元だけではなく3次元で駅を増築していく点も,既存の都市経営シムなどではあまり見られなかった本作の特徴の一つと言える点だろう。この特徴は一方で,初めてプレイした際に多くのひとがつまづくであろうポイントでもある。筆者も最初につまずいたのが,異なる階層のつなぎ方だった。
それは設置した階段と改札を新たな通路でつなげようとしたときのこと。どうにも通路が正しくつながらないので困ってしまったのだが,しばらく経って階段を設置した階層と改札のある階層が異なっていることが分かった。
要は改札のある階層にマップを切り替えて通路を設置すればよかったのだが,初めてだと階層の切り替るということが分かりにくかったのだ。なお,筆者がつまづいたのはここだけで,あとはチュートリアルに沿っているだけでプレイ方法を覚えることができた。この階層の概念があるということを知っておけば,スムーズにゲームを進めることができるだろう。
方向案内は矢印でその先に何があるのかを示すもの。その先にA1出入口があるなら矢印にA1と記せばいいはずだが,通路が分岐してほかの出入口ができるなど駅構内が複雑化するにつれ,それだけでは済まなくなってくる。マップ上で不満を示している人を見つけたらクリックしてどこに向かいたいかを確認し,目的地に向かうための適切な方向案内を設置したり,既存の方向案内を整理したりする必要がある。
駅の利用者が増えると駅のランクが上がり,構内に設置可能なオブジェクトの種類も増える。自動販売機や売店は収入増加につながるので,維持費に注意しながら設置していこう。
一方,駅が大きくなることで,複雑化した駅構内の通路の拡張や混雑解消に追われることになる。ときには一度作った通路がのちのち邪魔になり,どうすればいいか策を講じることもあるだろう。
お年寄りや車椅子に配慮したバリアフリー化など,プレイヤーは常に駅を利用する人たちの利便性も図る必要がある。階段の代わりに設置できるようになるエスカレーターやエレベーターなどを活かしながら,多くの人が利用しやすい駅を作り上げよう。
現実でも新宿や渋谷などのターミナル駅はダンジョンと揶揄されるような複雑な構造となっており,さらにここ数年は,改装や拡張工事などでより複雑化している。本作をプレイすると,駅構内設計者の苦労が少し理解できるかもしれない。
開発者に聞く「STATIONflow」誕生の経緯
「STATIONflow」は,DMM GAMES R&D室のサボー・マルセイロ氏がゲームデザインとコーディング,ディレクションを担当し,ほとんどの部分をほぼ1人で開発したタイトルだという。今回,サボー氏と,本作のプロデューサーであるR&D室長の藤井隆之氏に話を聞くことができたので,以下にその模様をお届けしよう。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。本作はとくに日本向けのアナウンスはなく,12月にSteamでアーリーアクセスがスタートしたタイトルです。当時Steamでアーリーアクセス版を発見し,「なぜDMM GAMESが,DMM GAMES PLAYERではなくSteamでゲームを配信を?」と疑問に思いました。
開発経緯の前に,まずは本作を制作したというR&D室について聞かせてください。
藤井隆之氏(以下,藤井氏):
DMM GAMESはPCブラウザのソーシャルゲーム配信を中心に成長を続け,現在ではさまざまなプラットフォーム向けにゲームを提供しています。これまでは主に国内向けでしたが,そろそろ国内外で広くビジネスを展開するフェーズに移行しようと。
その中には日本のゲームを海外に展開する選択もあるのですが,私たちR&D室はそれとはまったく違うアプローチでゲーム制作を進めてきたチームです。
4Gamer:
そのアプローチとは,具体的にどのようなものでしょうか。
藤井氏:
最初から海外向けにゲームを制作し,海外のゲームファンに刺さるものを作るというものです。「なぜSteam?」と疑問に感じたそうですが,この理由はシンプルで,日本国内と違って海外にはDMM GAMESのプラットフォームがないからです。
サボー・マルセイロ氏(以下,サボー氏):
国内だとまだDMM GAMESに固定的なイメージを持っている方もたくさんいらっしゃると思いますが,実はいろんなジャンルのゲームを手がけてきているんです。
DMM GAMESには,「こんなゲームも作っているんです」というところをもっと見せたいという思いがあるのですが,その一端として私たちは,まだDMM GAMESを知らない海外のゲームファンに向けて,「ちょっとマニアックで面白いゲームを作る会社なんですよ」とアピールしたいと。
4Gamer:
では本作も,完全に海外向けの展開を意識したタイトルだったと。
藤井氏:
はい。知名度のない日本のデベロッパが海外向けに,ほぼ野良のような形でSteamにゲームを出してみた際,果たしてどのような形でゲームファンに刺さるのか。言うなれば実験的なスタンスではありました。
そういった理由で,「いずれ入れられたら」くらいで,当初は日本語を入れる予定がなかったんです。ところが幸いなことに,アーリーアクセス版が国内のPCゲーマーの皆さんのアンテナにも引っかかったようで,「何で日本語に対応していないんだ!」とお叱りを受けつつ好評もいただけて(笑)。では正式サービスの際には日本語を入れようとなりました。
4Gamer:
サボーさんは企画立案から制作作業まで,「STATIONflow」制作のほとんどを担当したということですが,そもそもどういった経緯でDMM GAMESに入社し,ゲーム制作に携わることになったのでしょうか。
サボー氏:
日本に来たのは2014年で,別の会社でスマートフォンゲームのディレクションをやっていたんです。DMM GAMESに入ったのは2年半くらい前になるのですが,もっと自由に自分が好きなタイプのゲームを作ってみたいと思って企画を出したのが「STATIONflow」でした。
4Gamer:
ゲーム中の駅の複雑さやあふれんばかりの利用者が往来する様子は,日本の都市部の電車事情を思わせられますが,やはりゲームのイメージ元というのは……。
サボー氏:
はい。まさに日本の電車事情そのものです。私は成人してから日本に来たので,日本の皆さんが当たり前だと思っていることや無意識に行なっていることが,私の目には変わっているものとして映ることがあるのです。日常でそういったものに着目し,海外各国と比較したりゲームのアイデアに活かせられるのかを考えたりしているのですが,日本の電車事情というのがまさに興味深いものでした。
4Gamer:
主にどのようなところに興味を持たれたのですか。
サボー氏:
とくに東京の駅なのですが,ターミナル駅の構内はすごく大きくて複雑ですよね。そのため改札やホーム,階段がどこにあるのか至るところに案内がある。駅構内の全体図を見たときに「これを自分でやりくりするゲームを作ったら面白いんじゃないか」と考えたんです。
4Gamer:
そう考えたのは,いつごろからなのでしょう。
サボー氏:
DMM GAMESに入社する前からですね。日本に来て,電車のシステムが独特だと考えているうちに何となくアイデアがまとまっていきました。本格的に企画をまとめたのは入社後で,開発を始めたのは2018年です。
4Gamer:
正式リリースまでおよそ2年という制作期間となりましたが,これはサボーさんがほとんどの作業を担当されたからですか。
藤井氏:
いえ。それよりもR&Dというチームとしても技術面でのトライアルがあったからですね。“ゲーム開発あるある”でもある「思っていたのと違う」という壁にぶつかってはそれを改修し,またすぐ次の壁にぶつかり……ということを繰り返していました。
サボー氏:
ほぼ自分1人で考えた企画だったので,制作を始めてみると想像以上に「このことについて考えていなかった」という課題が多かったんです。分かりやすいところだと,Steamにゲームを登録する方法ですね。
4Gamer:
ゲーム開発の部分以外でも,ですか。
サボー氏:
はい。もっと大きなチームなら,ほかのエンジニアやマーケティング部署と連携し,そうした課題を解決できます。今回は基本的になんでも1人でやったので「ゲームは作ること以外にも,たくさんやらなければいけないことがあるんだな」とあらためて実感しました。
自分がどうすればいいかまったく分からないところは,R&D室のエンジニアやデザイナーなど各分野のメンバーに助けてもらい,リリースについてはマーケティングの部署が力を借してくれました。本作では,本当に豊かな経験が得られましたね。
藤井氏:
AとBどちらがいいか,みたいな意見が平行線になった場合,最終的にはプレイヤーに触ってもらわないと分からない。とりあえずスタッフの誰かに2パターンともプレイしてもらい,どちらががいいか意見をもらうといったことも繰り返し行いました。
その答えが出たら,どうやって改善していけばいいか,一番いい方法を考えて実装していく。そこは小さいチームだからこそ,フレキシブルにいろいろな方向を模索できるし,細かい部分でトライ&エラーが行えました。おかげで「プレイヤーにとって面白いことは何か」ということを追求できたかなと。
……こう言うと聞こえはいいですが,彼とプロデューサーである僕の2人は,意見をぶつけ合って毎日ケンカしていただけです(笑)。
サボー氏:
(笑)。最初から完成形を目指すプロジェクトではなかったんですよね。作りながら「操作性をよくするにはどうすればいいか」「ゲームデザインを実現するために,この機能は必要かどうか」といったことを考えながら最終的な形に作り上げたんです。大きなプロジェクトだと途中で逆戻りや大きな変更は絶対できませんから,R&D室ならではのゲームになったと思います。
藤井氏:
「何が正解か分からないので,何でもやってみよう」というイメージですね。僕はコンシューマゲーム開発出身なんで,UIにしてもメニューにしてもコンシューマゲームのセオリーを入れたくなるんです。
一方サボーは,彼の出身であるハンガリーはPCゲームが主流なので,ヨーロッパのPCゲーム文化やセオリーがベースにある。それで,ぶつかりながらその落とし所はどこだろうと。
サボー氏:
私は日本でゲーム制作をしてきているので,そこまでヨーロッパのPCゲーム制作のセオリーなんて分かんないですけどね(笑)。
4Gamer:
なるほど。ゲーム制作の取り組み方を聞いていると,インディー系の開発会社のようでもありますね。
藤井氏:
アーリーアクセス版で「非常に好評」という評価をいただけているのは,小規模チームだからこその開発過程が結果に表れたと捉えています。
サボー氏:
見た目やUIがとくに好評なんです。中でも「UIがよくできている」というフィードバックは嬉しかったですね。制作過程で試行錯誤の結果生まれたものですから。
4Gamer:
「STATIONflow」の大きな特徴の1つが,通路などの幅や形を自由に変形できるフリーグリッドシステムだと思います。このアイデアは,いつごろ出てきたのでしょうか。
サボー氏:
これは最初からですね。リアルな駅を見ると,90度で交差する通路だけでなく,ショートカットできる斜めの通路があったりしますよね。その面白さを活かすために,長い時間をかけてフリーグリッドを実装しました。
自由度が高い分ゲーム制作が大変になったので,「普通にグリッドにしておけばよかったかな」と思うこともありましたが,やっぱりそれだとつまらないですよね。
藤井氏:
フリーグリッドでいくかどうかは,最初から最後まで意見を交わしましたね。単純にグリッドのほうが制御しやすいですから。
フリーグリッドは,自由につなげられる分チェックしなければいけないことが多くなり,オープンワールド的に何でもできてしまうのでゲーム自体が破綻しかねない。プロデューサーとしては,プロジェクトをしっかり着地させる意味でもグリッドを推していました。
最終的にそれは間違っていたなと。サボーのこだわりが,このゲームを高評価に導いたんですから。
サボー氏:
藤井の言うとおり,実装は本当に大変でした。例えば,フリーグリッドで引いた通路が,実際にほかの通路や階段などとつながっているかの確認です。
現在は通路が正しくつながると通路のフチの色が変わって分かるようになっていますが,当初はそうではなかったので,“通路がつながっているように見えて実はつながっていない”というケースが頻繁に発生しました。
藤井氏:
「アレ? つながってるはずなのに人の流れが滞っている」とよく見てみたら,微妙に離れているんです。このままだと分かりにくいねと。
サボー氏:
そういうケースはほかにもいろいろあって,本当に作りながら改善していくという感じでした。
4Gamer:
さらに「STATIONflow」には,高さの概念もありますよね。フリーグリッドと組み合わせるのは,相当大変だったのではないかと。
サボー氏:
見せ方をどうするかについては,かなり試行錯誤しました。
藤井氏:
地下6階,7階になったとき,パッと見でプレイヤーに情報を伝えるためにはどうすればいいのかは,最後の最後まで揉めた部分だったね。
サボー氏:
いろいろ試した結果,いまの形に収まりましたが,それでもまだ,何が正解なのか分からないですね。
ゲームとしての見栄えのよさは大事ですが,何層もある駅構内を全部見せるのはゲームとして無理があるし,見た目をシンプルにしたいという気持ちもある。その落とし所はどこなのか……全部ひっくるめて大変でしたね。
藤井氏:
本当に,大変という言葉しか出てこない(笑)。いろいろありましたが,よくここまで仕上げることができたなと。
従来の都市経営や建設をテーマにしたシミュレーションゲームは,ほとんどが平面か高さどちらかの管理だと思いますが,本作は平面と階層を同時に管理する必要があります。それを意識しながら「こんなところに新しい改札ができたけど,導線はどうすればいい?」みたいに考えるシチュエーションって,これまでゲームにはなかったと思うんですよ。
サボー氏:
自分の知るかぎり,ここまで3次元を管理するものは今までにないかなと思います。
ゲームなので考えながら何度も作り直したりできますが……現実に駅の設計をしている人って,すごい才能の持ち主だと感じましたね(笑)。
藤井氏:
一度設計図が完成したら,ネジ1本の発注すら間違えられないんですよね。すごい世界だ。
4Gamer:
別の路線が通るようになったら,駅が完成したあとに拡張するなんてこともありますから。
サボー氏:
実を言うと,そういった路線追加も再現したかったんです。完成した駅に,別の路線が追加されるというチャレンジモード的なものを。
藤井氏:
現行の仕様でも,一度作ったものを壊して作り直さなければならない局面が出てきますが,これも本作の面白いところですね。テストプレイのとき,自分の中で完璧な駅ができたところに新たな改札が増えて,「せっかく完成したのに,また作り直さなきゃいけないのか!」と言っていたら,それを聞いてサボーはニヤニヤしていました。
サボー氏:
(笑)。それは,ゲームの流れとしてまさに狙って作っていたところだからです。
ただ藤井のように,パーフェクトな駅を作り,スムーズな人の流れを眺めて楽しみたいというプレイヤーも多いと思うので,正式リリース時には最初から全マップが開放されているモードや,施設の設置コストがかからず,好きに駅をクリエイトできる機能を追加します。
4Gamer:
アーリーアクセス版も非常に好評ですが,実際に海外のゲーマーからはどういった反応があったのでしょう。
サボー氏:
最初は日本特有の電車事情がベースになっているところに意識がいくかもしれないですが,遊んでいると自分の国の鉄道駅を思い浮かべて楽しめているようです。
私のアメリカ人の友人は,開口一番「日本らしいゲームだね」と言っていましたが,私が「え,そうかなあ?」と返すと,「ああ,でもアメリカにも電車はあるか」と(笑)。これはデザインや見せ方も意識し工夫したところでもあります。
4Gamer:
その工夫とはどういったものでしょうか。
サボー氏:
特定の国や地域,人種などが連想されるようなものを極力省きました。
例えば,駅に配置するオブジェクトに漢字の表記があると,それが海外の人には日本や中国のように映りますよね。駅の利用者も同様で,肌の色があるとイメージが限定されます。
多くの人は気づかないかもしれないところですが,そういったところは時間をかけて考えました。
4Gamer:
あらためて,正式リリース版が日本語に対応している点について教えてください。
藤井氏:
冒頭でお伝えしたとおり,当初は日本語に対応する予定はありませんでした。それが日本語対応のリクエストも多かったのに加え,想定していなかった日本市場の数字が伸びていたんです。
それで,あらためて正式リリースは日本語対応にしようと。もともとボーダーレスなゲームを目指していたのでテキストも少なく,翻訳もそれほど大変じゃないですから。
4Gamer:
日本語対応自体はいつごろから考えていましたか。
藤井氏:
開発開始からずっと話題にはしていましたね。
サボー氏:
日本のゲーム会社なので日本語を入れたいと思うのです。一方で海外向けのプロジェクトなので,日本語を入れる作業に時間を割くのは難しいと。それがアーリーアクセスの反響を見て,「これで日本語を入れない理由はないよね」となりました。
藤井氏:
僕のプロデューサーとしてのスコープはボケていたんですね(笑)。「お前はどこを向いているんだ」といろんな人から指摘されます。
サボー氏:
(笑)。最初の最初は,英語だけで行こうと考えていたんですよね。翻訳の依頼や翻訳システムの実装など,手間やコストがかかりますから。
しかし藤井が「ワールドワイドを目指すからには,英語だけだとプレイヤーに優しくない」と言うのを聞いて納得し,まずはスペイン語やドイツ語などに対応しました。そこでもまた日本語をどうするかは話題にあがったのですが,フォントの問題などがあり対応は後回しになりました。
藤井氏:
アーリーアクセス版に日本語を入れるのは,少し荷が重かったというのもあります。正式リリースのタイミングで対応できて,ホッとしています。
4Gamer:
最後に,本作の正式リリースをも待っていた日本のゲームファンにメッセージをお願いします。
サボー氏:
これまで多くの日本の皆さんに英語でプレイしていただいており,大変感謝しています。そして,日本語対応お待たせいたしました。日本語が入ったことでもっと楽しく,遊びやすくなると思うので,正式リリース版で初めて遊ぶ人はもちろん,アーリーアクセス版をプレイした人もあらためて楽しんでください。
藤井氏:
正式版はマップエディタを実装し,自分が作った駅のデータを世界中のプレイヤーと共有したり交換したりできるようになりました。“地下鉄世界旅行”みたいな感じで世界中のプレイヤーの駅を見てほしいですし,個性的な駅をいっぱい作って「日本のプレイヤーはこんなにすごい駅を作ったぞ」と世界にアピールしていただければと思います。
DMM GAMESが世界に向かって仕掛けるタイトルですので,日本の皆さんの後押しをいただけると嬉しいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
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