プレイレポート
「神獄塔 メアリスケルターFinale」プレイレポート。複数グループを切り替えながら進む“ザッピング”を駆使して真の脱獄を目指せ
これまで2作品にわたり,人々を収監して拷問にかける“生きた監獄”こと「ジェイル」からの脱獄を描いてきた本シリーズも,ついにフィナーレを迎えようとしている。本稿では,そんな本作のプレイレポートをお届けしよう。
「神獄塔 メアリスケルターFinale」公式サイト
赤い空と死体の山,そして処刑台少女
地獄を抜けた先にあったのは,さらなる地獄だった
本作の物語は,シリーズ第1作「神獄塔 メアリスケルター」のラストシーンから始まる。
長きにわたって人々を苦しめてきた地下監獄は,童話の転生体として人間離れした力を得た血式少女達と,唯一の血式少年・ジャックが率いる「黎明解放戦線」の手によって陥落した。最後の戦いでジェイルの力を受け取った少女・ヒカリの助力を受け,地下に収監されていた人々は地上へと這い上がり,とうとう脱獄に成功したのだ。
だが,地上で彼らを待っていたのは,真っ赤に染まった空と,おびただしい数の死体の山,そして空に浮かぶ監獄塔の姿だった。
そして戦慄するジャック達の前に,機械の鎧に青い炎をたたえた4人の少女が現れる。自らを処刑台少女(ジェノサイド・ピンク)と名乗る彼女達の力はまさに圧倒的で,血式少女すら一蹴されてしまう。
次々に仲間が殺される中,ヒカリは力を振り絞って彼らを安全な場所までワープさせることに成功する。しかし,戦いの中で傷を負ったヒカリはワープ先を制御できず,仲間達は離れ離れになってしまう。
引き離された仲間達は,気付くと見知らぬ監獄塔やジェイルの内部に捕らわれていた。この世界には空中の巨大監獄塔だけでなく,地上にも小型の監獄塔が複数存在しており,その内部に飛ばされてしまったのだ。
黎明の血式少女を始めとしたメンバーは近くにワープした仲間を集め,散り散りになった仲間との合流を目指すことになる。本作では,こうして生まれた6つのグループの視点を切り替えながら,地上世界の謎を解き明かしていくのだ。
ここまで紹介した内容からも分かるとおり,本作の物語は過去シリーズの2作品のストーリーと深くつながっている。重要なキーワードが登場した際にはしっかりと説明が行われるので,本作からプレイしても進行に支障はないが,キャラクターの背景を知っておいたほうが物語を深く楽しめるのは間違いない。
過去シリーズを遊んだことがない人は,過去2作品のイベントシーンやイベントCG,キャラクタービジュアル,背景画像などを自由に鑑賞できる「BEFORE STORY」モードを活用してみよう。メインストーリーはもちろん,サブクエストなどで展開される会話パートもすべて収録されているので“Finale”で脱獄デビューする人も安心だ。
操作グループを切り替える“ザッピング”を駆使して
行き詰まった別グループの道を開放せよ!
ジェイル探索の基本的な仕組みはこれまでのシリーズ作品と同様で,大量のトラップが設置された3Dダンジョンを少しずつ踏破していくことになる。
トラップはすべてリアルタイムで動いており,タイミングを考えずに進むと,どんどん体力が削られてしまう。トラップごとに対処法は異なるので,新しく訪れた場所ではマップの形状とトラップの把握に努めるのがジェイル探索の鉄則だ。
もちろん,ジェイル探索における最大の脅威「ナイトメア」も引き続き登場する。ナイトメアはジェイル内に存在する“核”を破壊しなければ倒せない不死身の敵で,探索時にパーティが発見されると「虐殺鬼ごっこモード」が始まる。追いかけられているあいだは視界が狭まり,難度がNORMAL以上の場合はミニマップの表示も消滅するので,いつナイトメアが出現してもいいように注意しつつ探索を進めよう。
どうしても逃げ切れない場合は,戦闘でナイトメアの部位破壊を行えば一時的に行動を停止させられるが,すぐに復活するので解決策にはならない。可能な限り避けられるルートを見極め,体力が心もとないときは,とくに注意が必要だ。
しかし,本作のジェイルはこれまで以上に入り組んでおり,普通に探索を進めていると完全に行き詰まってしまうこともある。そんなときは,本作から登場した新要素「ザッピングシステム」を使ってみよう。
ジェイルの探索中にザッピングを行うと,操作するグループ(パーティ)を切り替えることができる。同じジェイル内の異なる区画を探索しているグループを操作することで,ほかのグループでは触れられないギミックを起動し,その進行ルートを開放できるのだ。
「血しぶき」と「穢れ」への対処が生死を分ける
各グループの個性を見極めて戦おう
バトルの基本的な仕組みは過去シリーズと同様で,メンバーのうち1人がアイテムの使用など,味方の支援を引き受けるリーダーとなり,血式少女達を助けながら戦闘を進めることになる。
敵の弱点を突くなどで発生する「血しぶき」を利用して返り血アイコンを溜め,それを利用して戦うシステムも,もちろん健在だ。
本作では,穢れを浄化する能力を持つ血式少年(ジャック,ジュウ)がいるグループは過去シリーズと同様の戦い方で問題ないが,それ以外のグループでは戦い方を少し変える必要がある。
例えば,メアリーや火あぶり柱は穢れを払う能力を持っているが,戦闘中にアイテムを使用できない。その代わり,彼女達は血式少年と違って直接戦闘が可能なので,人数を活かしてアイテムに頼らない立ち回りを心がけよう。
各グループはゲームが進むごとに合流し,穢れへの対応能力が上がっていく。その頃には戦闘に参加する血式少女達も成長しているので,それぞれの個性をフルに活かした戦いを楽しめるようになる。
単に登場キャラクターを分割するだけでなく,各グループの能力に差異を与えつつ,ザッピングによって相互に影響する要素を加えることで,数多いプレイアブルキャラクター全員に活躍の機会が与えられている。まさに,シリーズの集大成と呼ぶにふさわしい作品と言えるだろう。
歯ごたえのある3DダンジョンRPGや,過去シリーズに輪をかけて容赦のない世界に全力で抗う少女達の姿を楽しみたい人は,ぜひ本作に触れてみてほしい。
「神獄塔 メアリスケルターFinale」公式サイト
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神獄塔 メアリスケルターFinale
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