インタビュー
「モンスターハンター ライダーズ」ハーフアニバーサリー大型アップデート記念インタビュー。新要素とリファインが盛りだくさん
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本作は,人とモンスターが共生するフェルジア大陸を舞台に,モンスターを駆るライダーたちと,そんなライダーと心を通わせるモンスターのオトモンたちが,タッグを組んで困難に立ち向かうという内容のストーリーが描かれる。2020年2月19日にサービスを開始し,8月19日にハーフアニバーサリーを迎える同作だが,そのタイミングに合わせて大型アップデートが行われるということで,ゲームのプロデューサー 和泉真吾氏と,開発ディレクター 川西晃大氏,そして運営ディレクター 中村幸仁氏に,詳しく話を聞いてきた。
本作では初の古龍「テオ・テスカトル」をオトモンにできる「龍天災クエスト」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずはもうすぐ迎えるハーフアニバーサリーについて,現在の率直な感想をお聞かせください。
(編注:本インタビューは2020年7月31日に収録しています)
和泉真吾氏(以下,和泉氏):
現在は開発が最終調整の真っ只中で,まだハーフアニバーサリーを迎えるという実感は湧いていないんですけど,元々このハーフアニバーサリー大型アップデートの内容は,本来であればもう少し早く皆さんに公開したかったものです。ようやくお届けできるというところでは非常に嬉しい気持ちです。
それと同時に,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響があり,アップデートが遅くなってしまった点は申し訳なさもあります。
川西晃大氏(以下,川西氏):
本当に,今まさに最終調整で現場はひいひい言っているところです。そうしてずっとドタバタしているので,僕もハーフアニバーサリーという意識はあまりないんです。
コンテンツの追加や改修しなければならない部分などが目に見えている状態なのに,新型コロナウイルス感染症の影響もあって開発もままならないまま,イベントの復刻などをやらないといけない状況だったので,結構苦しかったですね。
しかし,それでもここまで皆さんに遊んでいただいて,本当に嬉しい限りです。
中村幸仁氏(以下,中村氏):
ハーフアニバーサリー大型アップデート内容はリファインのボリュームも多く,全部を実装できるかが不安でした。でもスタッフたちが頑張ってくれて,本当にいいものができたなと今は思っています。最後の調整中ではありますが,皆さんに早くプレイしていただきたいですね。あとは公開日のトラブルとか緊急メンテとか,そういった不安もありますが,そこはもう祈るのみです。
4Gamer:
リリース当時もバタバタしていたとは思うのですが,そのときは大きな問題もなくスムーズに?
和泉氏:
これはトラブルでもありますが,やはりリリース初日にサーバーのほうが追いつかなくなるくらい接続があったことで,多くの皆さんが注目してくれていたタイトルなんだと思いました。
Twitterを始めとしたSNSなどはこまめにチェックしているのですが,プレイヤーの皆さんから応援の言葉をいただくほか,逆にもっとこうしたら良くなるというご意見もたくさんあり,皆さんの反応もありがたくて,とても思い出深いですね。
川西氏:
モンハンと言えばモンスターということで,今までモンスターがメインだったものに加えて,今回ライダーというキャラクターのほうにも焦点を当てていますが,正直それが受け入れられるのかというのが一番不安でした。しかし,サービス開始後は思っていた以上に皆さんに受け入れられて,驚きとともに,喜びも大きかったですね。
本作は元々弊社タイトルの「モンスターハンター エクスプロア」を開発/運営していたメンバーが多くいて,「モンスターハンター エクスプロア」の初期もお客さまが予想以上に来てトラブルが多かったことから,今回はそうならないようにしようと言っていたにも関わらず,今度はそれ以上にお客さまが来たという状況でした。そこに関しては嬉しい悲鳴ではありつつも,皆さんには申し訳ないという気持ちでいっぱいでした。
4Gamer:
やはり「モンスターハンター」シリーズの強さを感じられますね。
川西氏:
そうですね。こちらが思っている以上に,シリーズファンの皆さまの熱量を再確認させられました。
中村氏:
ほかにも,本作はアクションゲームではなく,コマンドバトルなので,そこもどう受け入れられるのかなと思っていましたが,これも好意的に受け止めてもらえました。皆さんが攻略動画を上げていたり,こちらが想定していた攻略要素にすぐに気づいてくれたりと,その熱心さがとてもありがたかったです。
ご意見をいただく内容もありましたが,もちろんそちらも参考にさせていただき,今後も引き続きバランス調整などをしていきたいと思っています。
4Gamer:
今回のインタビューのメインでもある大型アップデートについて,お聞きしていきます。ハーフアニバーサリーとなる今回の大型アップデートで,古龍解禁の第1弾として,「テオ・テスカトル」が登場します。彼(?)が第1弾に選ばれた経緯はなんでしょうか。
川西氏:
現在プレイされている方の多くはすでにお分かりと思いますが,メインストーリーで人気のある「ダライアス」というキャラクターのオトモンとして,「テオ・テスカトル」が設定されています。
今回ハーフアニバーサリー大型アップデートで大々的に古龍を題材にしようとした際,一発目はやはり,最初にゲーム内に登場した「テオ・テスカトル」が最適だと考えました。
4Gamer:
今回登場する「テオ・テスカトル」のビジュアルやゲーム的な性能面などで,こだわった点はどういったところでしょうか。
川西氏:
歴史の長いシリーズの中で結構重要なポジションにあるモンスターなので,そのイメージを崩さないようにというのが,一番気をつけたところですね。
それはビジュアルだけじゃなく,モーションなども含めた全体的なイメージを守るということでもあります。あえて大きな違いなどはつけず,これまでのシリーズの「テオ・テスカトル」を踏襲しました。
和泉氏:
ディテールについては,しっかりと再現する部分と,省略する部分っていうのがありますが,省略してしまうと元のイメージが崩れるからイメージを保とうみたいな,取捨選択に関してはとても気をつけましたね。
中村氏:
性能面でいうと,初の古龍というところで皆さんも期待されているかなと思っていて,こちらも慎重に調整をかけています。シンプルに最強だと自信を持ってお届けできる性能にはしたつもりです。
入手の難度はとても高いんですけど,今まで出たどのオトモンより強いということだけは確実に言えます。
4Gamer:
その「テオ・テスカトル」が登場する「龍天災クエスト」が実装されますが,こちらはどのようなクエストになりますか。
川西氏:
「龍天災クエスト」は新規のイベントコンテンツになります。このクエストは,すでに実装されている「討伐戦」「闘技大会」などを始めとしたほかのコンテンツで,「認定証」を集めれば受けられるようになっています。
「龍天災クエスト」は,対古龍の特別なクエストになっていて,ゲームにおいても最難関の最上位クエストとして実装します。ゲームの世界観的には,この最上位のクエストに挑むために,いろいろなクエストでその実力を示したうえで挑戦できるという形になっています。
今までのイベントは,いわゆる周回をしてポイントや素材を集めるという遊びでしたが,今回に関しては周回というより,認定証を集めてイベント期間内に挑める回数を増やし,その中で攻略をしていくという,1回のバトルに重きを置いた形になっています。
4Gamer:
では,「認定証」は数に限りがあるということでしょうか?
川西氏:
はい。数に限りがあります。一応ゲーム内でのすべてのイベントをこなすと,1日最大5回まで「龍天災クエスト」を受けられます。基本的には1日5回でイベント期間中繰り返し,それとは別にイベントやキャンペーンの報酬などで「龍天災クエスト」を受けられるチケットを配布します。
新規のプレイヤーさんもすぐに体験できるように作ってはいますが,基本としてはゲーム内のほかのコンテンツを頑張って,挑戦回数を増やしていくことになります。
中村氏:
初心者やライトプレイヤーの方にも楽しんでいただけるように,クエストの難度は初級,中級,上級,超級と4段階を用意しています。自信がなくても,まずは初級から参加してみてほしいですね。
そして,「テオ・テスカトル」には★5だけでなく★4もあり,★4のテオはわりと取りやすく作っています。★4でも既存の★5オトモンを上回るくらいの強さなので,初心者とライトユーザーの方々には,★4の強さにも注目していただきたいです。
4Gamer:
それは嬉しい。
川西氏:
先ほども言いましたが,この「龍天災クエスト」は最難関のコンテンツなので,今まで培ってきたものをどう生かして攻略していくかを,いろいろと試行錯誤していただきたいです。
加えて,ハーフアニバーサリー大型アップデートで入ってこられるプレイヤーさんもいると思うので,挑む準備がしやすい環境を作ってもいます。ぜひイベント期間中に「テオ・テスカトル」に挑戦してみてください。
4Gamer:
なるほど,そういった部分も含めて1か月半ほどの長い開催期間を設定しているのでしょうか。
川西氏:
すでにゲームをプレイされていて,ある程度実力を備える方であれば,イベントが開催されてすぐに挑戦できると思いますし,ハーフアニバーサリー大型アップデートから始めていただいたプレイヤーさんも,1か月半あれば「テオ・テスカトル」に挑戦できるところまではいけるかな,という形には調整しています。
4Gamer:
長期間の開催にはそういう意図もあったんですね。そういえば「討伐戦」に「ガノトトス」が追加されるとのことですが,こちらも「認定証」の入手に関わるんでしょうか?
川西氏:
そうですね。ハーフアニバーサリー大型アップデートで最初に追加されるコンテンツが「ガノトトス」の討伐戦になるんですけど,「認定証」が初めて入手できるクエストがまさにその討伐戦なんです。
4Gamer:
ということは,「テオ・テスカトル」に挑む前にまずは「ガノトトス」で実力を確かめるといったところでしょうか。
川西氏:
「テオ・テスカトル」の前哨戦みたいな感じになりますね。
4Gamer:
「ガノトトス」に関しては,デザインや能力において既存のシリーズと異なる点などはありますか?
中村氏:
大きな違いというのはありませんが,バトル的な要素でいうと,リリース当初から存在していた状態異常の「裂傷」が今回「ガノトトス」に効果的だという点はあります。
モンスターデザインについても,「テオ・テスカトル」という最終目標があるので,「ガノトトス」ではあまり奇をてらった調整はしていません。戦い方も一般的な攻略方法で倒せるようにしています。
川西氏:
その代わりにパラメータ的な部分を今までよりも少し高めに設定しているので,遊び的な部分というよりは,数値的なところでやや難度を上げています。
文字量はほぼ倍に?
シナリオ監修に巧 舟氏を加えたメインストーリー第8章
4Gamer:
続いては,メインストーリーのアップデートについてお聞きしていこうと思います。今回のアップデートからシナリオ監修に巧 舟さんが参加されるとのことですが,どのような経緯で参加に至ったんでしょうか。
和泉氏:
メインストーリーは現在,序章から第7章まで公開していますが,そこまではディレクターの川西が書いていたんです。
4Gamer:
えっ,そうだったんですか?
川西氏:
はい。そうなんです。
和泉氏:
当然ながら,ディレクター業務とシナリオ業務の両立が厳しい状態になっていました。
そんな中シナリオ業務をお願いできる人を社内で探していたところ,タイミングよく巧 舟が候補として挙がってきたんです。ご存じのとおり「逆転裁判」シリーズの生みの親でもある巧 舟が,「モンハン」シリーズの1つである本作のシナリオを書くとどうなるかというのは,未知数でありながらも,ちょっとワクワクする部分でもありました。そこでぜひ! とお願いして入ってもらいました。
当初,巧にはメインストーリーとは別に存在するライダーごとに焦点を当てた「ライダーストーリー」をお願いする予定だったのですが,書いてもらった「ライダーストーリー」が想像以上にしっかりとハマる内容になったので,第8章からメインストーリーにも入ってもらったんです。
「ライダーストーリー」を読んでいる方には分かると思いますが,いわゆる“巧節”というか,巧 舟のテイストがしっかりと発揮されていて,かつ本作に合った良いシナリオになっているので,ぜひご注目ください。
また,先日のイベント「荷車いっぱいの肉をあなたへ」のストーリーも実は巧が担当しています。メインストーリーだけでなく,ライダーストーリーやイベントストーリーなども書いていますよ。
4Gamer:
ちなみに今までのストーリーについては,プレイヤーからどんな感想や反響がありましたか?
川西氏:
序章から第4章くらいまでは,ゲーム内容の説明に重点を置き,意図して薄味の内容にしていて,第5章あたりから本格的にストーリーが展開していくように書いていたのですが,そこからは思った以上にストーリーに対する反響が多かったですね。そして第7章の最後にいろいろと先が気になる内容で終わらせたんですが,そこに対して想像以上に皆さんが反応してくれて,Twitterなどでいろいろと考察が上がり,とても楽しく拝見させてもらいました。
僕個人としては,ディレクターがシナリオを書く形になってしまっていたので,心配していたんですけど,思った以上に楽しんでいただいていてほっとしています。この第8章からは巧に変わるのですが,今後もストーリー原案などのプロット部分には自分も参加して,巧と2人で作り,シナリオ化を巧に全面的にお願いしてより面白くしてもらいます。ガラッと話が変わったりはしませんので,そこは安心してください。
4Gamer:
第8章では新ライダーも続々登場しますが,これらのキャラクターたちもすべて川西さんと巧さんで話し合って作っていったんでしょうか。
川西氏:
基本的なキャラ設計は僕のほうでやって,それを巧に伝えて作ってもらった形です。今回は雪の都市で「ギュンター」というキャラクターが登場しますが,それが巧 舟全面監修のオリジナルキャラクターになっています。彼がだいぶ話を引っ掻き回してくれるので,とくに巧さんファンの方は楽しみにしていてください。
4Gamer:
それは注目ですね。
川西氏:
そのおかげで,シナリオの物量が今までの1.5倍くらいになってしまいました。今までは1章分のストーリーで5000〜1万文字で書いていましたが,ここから大体1万5000〜2万文字くらいに膨れるので,単純に読み応えもあるかと思います。
4Gamer:
ほぼ倍ですね!
川西氏:
そんなに長くするつもりはなかったんですけど,あれもやりたいこれもやりたいと2人で盛り込んでいたら,えらいことになってしまいました(笑)。
4Gamer:
和泉さんと中村さんは,ストーリーを最初からご覧になっていると思いますが,どのような感想をお持ちですか。
和泉氏:
純粋に読み手として楽しんでいます。ただ,ストーリーは1か月に1章ずつ追加のペースなので,どこかでまとめて読めるといいなとは思っていますね。
川西が言っていましたが,ライダーストーリーがメインストーリーの伏線になっていることもあります。第8章からは序章〜第7章だけでなく,ライダーストーリーのほうにも散りばめていたいろいろなものが一気に動き出すような展開になっていきます。
ライダーストーリーはまだ読んでいないという方は,この機会に読んでいただければ,さらにメインストーリーが面白くなりますのでご注目ください。
中村氏:
僕としてもプレイヤーの皆さんと同じ目線で楽しませてもらっています。開発特権みたいなもので開発しながらちょっと先に読めるので,なかなか贅沢だなって思いながら読んでいますね。
4Gamer:
川西さんとしてはプレッシャーなどはありましたか?
川西氏:
吐きそうでしたね。今まで「モンスターハンター」シリーズで人間ドラマにフィーチャーしたタイトルというと,「モンスターハンター ストーリーズ」くらいだったと思うんですが,大人向けというか,年齢層を上げたちょっと濃い人間ドラマはやったことがなかったと思うんですよ。その中に,今までの「モンスターハンター」シリーズが培ってきた世界観や設定というものを,なるべく盛り込めるようにと作ってきたつもりではいましたが,そこが受け入れられるのかどうかは非常に心配でした。
「いや人間ドラマじゃなくてモンスター狩りたい」と言われたらそれまでです。そう言われないように,RPGとして,「モンスターハンター ライダーズ」は物語の部分でもしっかりと確立していきたいという気持ちがあったので,プレッシャーは大きかったです。
4Gamer:
プレイヤーの反応を見たときはいかがでしたか?
川西氏:
皆さんがSNSなどで攻略だけでなく世界観の設定やストーリーの考察などもされていて,それがすごく嬉しかったです。
あと和泉からも話があったとおり,基本的に「メインストーリー」「ライダーストーリー」,あと「イベントストーリー」も,全部話をつながるように設計してあるんですよ。「荷車いっぱいの肉をあなたへ」では,主人公の相棒である「マリィ」が持ってる太刀の秘密が明かされるなど,そういう小ネタを必ず仕込んでいます。
そして,それをつなぎ合わせると実は……というのを入れていて,「マリィ」の太刀に関しては,メインストーリーのとある真実につながる感じになっています。
4Gamer:
イベントストーリーは期間限定ですから,そうなると開催期間中にしっかりと読んでおいたほうがいいですね。
川西氏:
将来的には,期間限定のイベントストーリーをあとからでも読めるような機能を追加したいと思っています。イベント自体の復刻はそう簡単にはできませんが,せめてシナリオだけはいつでも読み返せるものを作っておきたいですね。これは近いうちに導入できないかを検討しているところです。
4Gamer:
分かりました。続きまして,本作では初めてとなる「シーズナルイベント」についてお聞きしたいです。
和泉氏:
詳細はまだ秘密なのですが,夏なので海をテーマとして,出てくるキャラクターも海賊や水兵がモチーフのライダーです。
「シーズナルイベント」に関しては,フェルジア大陸ではない別の場所が舞台になっているのも見どころです。今までとはかなり毛色の異なるイベントなので,そういった部分もお楽しみください。
4Gamer:
そちらのお話も「メインストーリー」につながっています?
川西氏:
ちゃんとつなげてありますが,詳しくは言えません(笑)。このイベントには特別なキャラクターたちが登場する予定です。そしてこのイベントも巧 舟が担当していますので,面白おかしい“巧節”をお楽しみいただければと。
中村氏:
ストーリーだけではなく,専用BGMなども用意しています!
川西氏:
ホーム画面に設定したキャラクターをタップするとしゃべる機能がありますが,ボイスがついているキャラに関しては,夏期間限定の特別な音声を追加しているので,いろいろチェックしてみてほしいです。
圧倒的なボリュームのリファイン要素は
ほぼ新生と呼べるような内容
4Gamer:
今回のアップデートでは,リファインもかなりのボリュームになっているそうですね。
和泉氏:
半年間サービスを運営しているなかでいろいろな課題や問題点,そしてプレイヤーの皆さんからのご意見があり,見直しをかけなきゃいけないところがたくさん出てきました。
中でもやはり遊びやすさに関わるところはかなり優先度を上げてやるべきだろうと考えた結果,今回のリファインはとんでもない物量になっています。
4Gamer:
はい。事前にいただいた資料を拝見しましたが,かなりの量なので驚きました。
和泉氏:
ですが,そのリストに書かれている量はまだ全体の1/3程度です。
4Gamer:
なんと。
中村氏:
自分の経験でも類を見ない物量だったので,開発スタッフは本当によく頑張ってくれたなと思っています。
和泉氏:
開発が本格的に再開できるようになったのが5月下旬くらいからで,そこからスタートしてこれだけの物量を入れられたというのは,単純によくやったなという感想しかないですね。
川西氏:
本来であればハーフアニバーサリー大型アップデートのタイミングでまとめてではなく,すぐにでも入れたい項目がたくさんあったんですけど,この状況で開発期間がとれませんでした。そして数を減らして小出しにしていくより,ハーフアニバーサリー大型アップデートで一気にガラッと印象が変わるように持っていきましょうと話し合い,無茶をした感じですね。
ただ,そのおかげでだいぶかゆいところに手が届くというか,プレイヤーさんからいただいていた「ここをこうしてほしい」部分はほぼ実現されていると思います。
4Gamer:
具体的な要素として挙げるなら,「AUTO周回終了時の報酬をまとめて表示する」という内容や,「闘技大会のAUTO周回機能追加」とかでしょうか?
川西氏:
それもありますね。AUTO周回に関して言うと,AUTOの速度アップも対応しまして,最大5倍速まで上げています。さらに,リザルトの表示なども一瞬で切り替わるようにしたので,体感で違いを感じていただけると思いますよ。そのうえで専用のリザルトを入れたので,AUTO周回終了時に何がどれだけ入手できたかというのは,分かりやすくなっています。
プレイヤーさんからの声が大きかったものとしては,パーティ編成時にどのオトモンがどのライダーに設定されているのか分かりづらいというものがありました。こちらについては「オトモンフィルタ」という要素を追加し,オトモンを軸に,そのオトモンがどのライダーにセットされているのかが分かるようになっています。
4Gamer:
「オトモンフィルタ」は,パーティ編成を考える際にかなり便利ですね。
川西氏:
ある意味そこにつながる要素でもありますが,「オトモン譲渡チケット」にも調整を入れています。これまでは1度ライダーに設定したオトモンを別のライダーにセットする場合,このチケットが必要でしたが,皆さんからは「オトモン譲渡チケットが足りない」というご意見や,「オトモン譲渡チケットというシステム自体どうなんだ」というご意見をいただいていました。
そこで,オトモンの新しい成長軸として,熟練度というものを実装しました。この熟練度は,バトルクエストをクリアすると上がっていくのですが,熟練度を一定レベルまで挙げると「オトモン譲渡チケット」なしでオトモンが譲渡できるようになります。
4Gamer:
それは「オトモン譲渡チケット」の消費も減っていきそうですね。そのほかで目立った部分だと初心者ミッションとUIの改修といった部分が気になったんですが,これはハーフアニバーサリー大型アップデートを機に始める新規の方に向けたものでしょうか。
川西氏:
そうなります。今までも初心者ミッションはありましたが,ちょっと分かりづらかった部分があるので,UIや誘導の部分を改修しました。新規で始めていただく方は,まずは誘導に従って進めていただければ,ゲームの流れなどが覚えられるようになっています。
そして初心者ミッションをクリアしたあと,「クエストオーダー」という新たなコンテンツを追加しました。これは毎日ランダムでクエストをピックアップして表示するんですが,ピックアップされたクエストをクリアするとよりよい報酬がもらえたり,通常より少ないスタミナの消費でクエストが受けられたりします。
この「クエストオーダー」を活用していただければ,素材なども集めやすくなると思います。また,すでに実装しているクエストの数もかなり多くなっていて,プレイしたことがないクエストなどをプレイするきっかけにもなればと思っています。
中村氏:
付け加えると,「龍天災クエスト」開催期間中は「クエストオーダー」のクリアで毎日「認定証」も手に入ります。また,先ほどお伝えしたオトモンの熟練度についても,「クエストオーダー」にピックアップされたクエストでは増量されているのでおすすめです。
ほかにもいろいろなリファインを実施していますが,それに伴ってゲームバランスをいちから全部見直しています。育成素材を今までよりも集めやすくしたり,バトルの難度を見直していたり,クエストの周回回数などについても手を入れています。
4Gamer:
ここまでくるとタイトルをまるごとリファインしているような印象を受けます。
中村氏:
ええ。ローンチのときと同じくらい,ゼロから組み上げたくらいの感覚でかなり大変でした。
和泉氏:
加えて「実績」部分のローディング時間も短縮しています。今後もロード時間の最適化は続けて行っていきます
あとは素材の再利用でしょうか。オトモン団子やライダー鉱石といった育成素材/宝珠が余っている方もいらっしゃると思うんですよね。そういった余剰アイテムを別のアイテムと交換できる機能を実装しました。
川西氏:
観測隊の時間短縮機能も入れましたね。観測隊の「観測隊時短チケット」というアイテムを導入したので,これを使っていただければ,観測隊の時間短縮もしくは即時帰還も可能になります。このチケットも「クエストオーダー」の報酬に設定されているので,活用していただければと思います。
あとはかなり細かい話になりますが,プレイヤーの方々からご意見もあったので,セリフにボイスが入ってないキャラについては,信頼関連のテキストを図鑑で確認できるようにしました。
和泉氏:
まだまだありますが,このように規模感的には単なる大型アップデートというよりは,ほぼ新生というか,それぐらいの規模感になっていますね。
川西氏:
ほぼ作り直した感じですね。そのため,今までプレイしていただいていた皆さんには,だいぶ新鮮な印象を持っていただけると思います。そして,これから始める皆さんは,よりゲームを楽しみやすい状況でプレイしていただけると考えています。
4Gamer:
アップデートより先のこともお聞かせください。
和泉氏:
6月に公開しているロードマップにも書かせていただいていますが,まずは年内を目標として,協力プレイのコンテンツを用意しようと進めています。これは現在のアップデートの開発と同時進行で行っておりまして,この協力プレイのコンテンツに伴い,フレンド機能についても導入を予定しています。
本作は当初,まずはシングルプレイをしっかりと楽しめる形にするというところでスタートしましたが,協力プレイやフレンド機能などに関するご要望がすごく多いので,それならやはり実現するべきだろうということで,現在準備しています。
これらの情報は,固まり次第お伝えしていこうと思いますので,ご期待ください。
4Gamer:
そのほかのコンテンツはいかがでしょうか。
和泉氏:
現在,パーティ編成はライダー3人にオトモン3体という形なのですが,すでにたくさんのライダーやモンスターが登場しています。そういったさまざまなキャラクターたちが活躍できるようなコンテンツを検討中ですね。
川西氏:
プレイヤーさんの資産としてのライダーとオトモンが増えてきているため,現在の3対3ベースのバトルでは,使い切れない状況が生まれてきています。我々としてもそんな資産を無駄にしたくないので,何か実現できないかなと考えているところです。
まだ具体的なことは言えないのですが,こちらもお話しができる状態になったらすぐに情報公開させていただきます。
4Gamer:
ありがとうございました。そろそろお時間のようなので,最後に一言ずつお願いします。
和泉氏:
ハーフアニバーサリー大型アップデートで「龍天災クエスト」という新しいコンテンツを実装します。エンドコンテンツではありますが,初心者の方でも挑戦できる形になっているので,安心して遊んでいただきたいですね。
それだけじゃなく,膨大な物量のリファインを行っています。それに併せて各種キャンペーンも実施しており,遊び始めるには絶好の機会でもありますので,未プレイの方もぜひこのタイミングで始めてみてください。
川西氏:
ストーリーのほうもより内容が濃い展開になっていき,新キャラクターが続々登場します。これまでのストーリーで完結していない要素をいろいろな場所に置いてきましたが,ここからはそれを回収していくターンに入っていくので,ぜひストーリーも楽しんでください。
またハーフアニバーサリー大型アップデートということで,今までアップデートの内容をご説明させていただいてきましたが,今後もより皆さんに楽しんでいただける要素を入れてもっと盛り上げていきます。ぜひ楽しみに待っていただけたらなと思います。
中村氏:
今回のアップデートでは,ゲームバランスを見直して,初心者,復帰者,そして現在プレイされている方というすべてのプレイヤーにとって遊びやすくしています。ぜひ皆さんに遊んでいただけると嬉しです。
今後も引き続きユーザーの声を確認していますので,そうした声に応えられるような運営を続けていけるように頑張ります。
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