プレイレポート
「アイドルマスター スターリットシーズン」プレイレポート。各シリーズから集結したアイドルたちと高みを目指し,スペシャルなステージを作り出そう!
これにあわせて,体験版「The Debut」の配信もスタートしているので,この体験版で遊べる,プロデュース開始から最初の大型イベントとなる“スプリングナイト”までのプレイレポートをお届けしよう。
本作は,2005年に稼動を開始したアーケードゲーム「アイドルマスター」を1作目とするシリーズの最新作だ。アイドルプロデュースゲームとして登場した同シリーズは,2007年にシステムの変更やアイドル“星井美希”の追加などが行われたXbox 360版が発売。コンシューマ機では,続編である「アイドルマスター2」(Xbox 360 / PS3)や,「アイドルマスター ワンフォーオール」「アイドルマスター プラチナスターズ」「アイドルマスター ステラステージ」などがリリースされている。
また,シリーズはスマホアプリとしても展開しており,2011年に配信を開始した「アイドルマスター シンデレラガールズ」(iOS / Android)や「アイドルマスター ミリオンライブ!」「シャイニーカラーズ」(iOS / Android)などでは,コンシューマ機版とは異なる事務所を舞台に,新たなアイドルの物語などが描かれている。
タイトルによって,ゲームジャンルが異なるアイマスシリーズだが,「アイドルマスター スターリットシーズン」は“アイドルプロジェクトプロデュースゲーム”を謳っており,過去作に登場していた765プロ所属の13人だけでなく,「アイドルマスター シンデレラガールズ」「アイドルマスター ミリオンライブ!」「アイドルマスター シャイニーカラーズ」から参加するアイドルと,本作が初登場となる“奥空心白(おくぞら こはく)”を加えた29人が参加する。
アシンメトリーの髪形と,儚げな雰囲気が印象的な“奥空心白(おくぞら こはく)”。一度見たものを完璧に再現できるという優れた能力を持っているが,自身がアイドルをすることについては,複雑な思いを持っているようだ |
なお,本作のプレイヤーは,シリーズではおなじみである765プロのプロデューサーとして活躍することになる。
海外研修から帰国したばかりの“あなた”は,高木社長から“スターリットシーズン”というアイドルイベントの開催を知らされ,このイベントで頂点を目指すため,大型ユニット“プロジェクトルミナス”のプロデュースを行っていく。
765プロに所属するアイドルたちとの再会。みんなプロデューサーの帰国を心待ちにしていた |
本作におけるアイドルのプロデュース期間は10か月。プレイヤーは,プロデュース開始の3月からシーズンが終了する12月までをプレイし,“スターリットシーズン”の頂点を目指していく。
事務所の垣根を超えたユニット,“プロジェクトルミナス”は動き出す! |
「アイドルマスター スターリットシーズン」公式サイト
アイドルたちとの出会いが描かれる最初の月。美麗な3Dモデルにも注目
さて,プロデュース開始となる3月は,物語の導入部分として,集められたメンバーと顔合わせをしていく。描写はかなりしっかりしており,プロデュース可能な全29人のアイドルを知ることができるほか,これまでの作品では見ることのできなかった,作品を越えた掛け合いなども楽しめる。
ここで驚くのは,各タイトルごとに異なる絵柄で描かれているアイドルたちが,“らしさ”を保ちながらも調和された3Dモデルで登場することだろう。また,設定などでは明かされているが,横に並んだときにアイドルごとの身長差も改めて感じることになるので,見ていて面白かった。
筆者は,シンデレラガールズのアイドル“ウサミン”こと安部菜々さんのPだ。今まで慣れ親しんだ絵と少し違う雰囲気の担当アイドルを見るのは新鮮! |
また,プロデュースできるアイドルのほか,961プロに所属する新キャラクター“亜夜”も登場する。彼女は,過去作にも登場している“玲音”“詩花”とともに,ユニット“ディアマント”を結成しており,プロジェクトルミナスの前に強大なライバルとして立ちはだかる。
新キャラクターの心白とは面識があるようで,物語を進めていけば,ふたりの過去や亜夜の思惑などが明らかになってくるのだろうか。
実力派のステージとクール&ゴージャスなルックスに加え,堂々とした言動で見る人を惹きつけるディアマント |
なおディアマントだが,人気曲「オーバーマスター」を歌うMVも発表されているので,ぜひチェックしてみてほしい。
楽曲とアイドルのつながりを大事にしている765プロと対照的に,持ち歌の概念がなく,事務所が持つ曲であれば所属アイドルの誰にでも歌わせるという961プロ独自の方針が見て取れる。だが,所属する彼女らのアイドルに対する熱意と実力は本物だ。手ごわいライバルになること必至だろう。
スイーツショップで偶然出会った心白と亜夜。目を合わせず,気まずそうな会話……。二人の過去には何かがあったのだろうか |
営業やライブ,レッスンをこなしながら月ごとの目標を達成し,アイドルを育てていこう
4月に入るといよいよ本格的なアイドルプロデュースが始まる。
大型イベント・スターリットシーズンの頂点を目指すためには,まず季節ごとに開催される選考会“スプリンングナイト”“サマードルフィン”“ハロウィンオータム”“クリスタルウインター”に定められた目標を達成する必要がある。
また,選考会が開催されない月にも大規模ライブが開催される。選考会は,目標を達成できないとゲームオーバーになってしまうので,必ず成功させるためにも,日々アイドルたちの育成を効率よく行うようにしていきたい。
月末に開催されるライブまでの準備期間は,“プロデュースタイム”と呼ばれる。月初に“スターリットオーダー” (月間目標)が設定され,その達成に向けて一日ずつアイドルたちの活動を設定していく。
平日は,毎月設定される課題曲を歌うメンバーを強化する“歌唱メンバー活動日”と,プロジェクトメンバー全員が参加する“オールメンバー活動日”に分かれているので,それぞれの目的に合わせ,アイドルの能力を高めるレッスンを実施。さらに,ステージ開催などで入用になるマニーを稼ぐための営業も行っていく。
なお本作は,冒頭にも述べたように“アイドルプロジェクトプロデュースゲーム”の色を強く打ち出したゲーム性となっている。推しのアイドルを1人育成しているだけでは,最初の選考会すら目標を達成できないので,偏りなく全員をマネジメントしていこう。
活動の内容は,メニューの“カレンダー”で確認しよう |
以下はプロデュースタイムに行える各活動の説明だ。月間目標を達成しつつ,ユニットの現状を把握しながら効率よくアイドルたちを成長させていこう。
■レッスン
アイドルのボーカル・ダンス・ビジュアル能力を高めるレッスンは,上げたい能力によって違ったルールのミニゲームを成功させることで達成する。
どのミニゲームも,決まったボタンをリズムよく押していくタイプで,過去シリーズを踏襲するシステムになっている。やり直しも可能なので,できるだけ成功率を高めた状態で終わらせたいところである。
ビギナーレッスンはマニーを消費しないが,よりレベルの高いレッスンを受けるとなると,それなりのマニーが必要になる |
ボーカルレッスンは,光るサークルにノーツが触れている間,対応したボタンを押し続ける。声を出した分だけブレスゲージが減るので,一区切りごとに[L1]と[R1]ボタン同時押しで回復しながら続けよう |
ダンスレッスンは,お手本のあとに,同じ方向のボタンをリズムに合わせて入力するもの。プレイを進めていくと,リズム感のほか記憶力も必要になりそうだ |
ビジュアルレッスンは,指定された顔の表情とポーズの組み合わせを瞬時に入力する。次々と表情やポーズを変え続ける姿は,少しシュール |
レッスンの方針が定まらなければ,“パラメータ目標画面”が便利だ。各ライブに対しての推奨パラメーターと,ユニットに所属するアイドルの現在のパラメーターを比較できるので,必要な能力を上げるためのレッスンを行うようにすればいい。
推奨値を超えているパラメーターは赤く表示されているので分かりやすい |
■営業
営業は,さまざまな依頼主からオファーが来る仕事をこなすもの。営業活動中は,アイドルに対するアドバイスの選択肢が現れるので,適切なものを選べば,より多くのマニーを報酬として得られる。マニーは,レッスンやライブの開催などで必要になってくるので,可能な限り多く集めておこう。
オファーされているアイドル一覧から,仕事を受けるアイドルを選ぶ |
出演する番組で,どんな特技を披露すればいいか相談された。ここで選ぶべきなのは……今まで心白ちゃんと交流した内容を思い出せば,おのずとベストの回答が見えるはず |
■スキルボードによる能力獲得
本作では,各アイドルに“スキルボード”が用意されている。RPGなどによくあるスキルツリータイプののもので,ゲーム内で獲得した“スキルポイント”を使用することで,能力アップやスキル習得の枠を開放していく。
スキルポイントは,レッスンや営業の後に発生するフリータイムで手に入る。
フリータイム自体は,シリーズでおなじみのもので,途中で現れる選択肢によって,結果が“パーフェクト”“ノーマル”“グッド”になるのも同じだ。
良い結果になれば,それだけ獲得できるスキルポイントの量も増えるので,彼女たちの性格にあった回答を選べるようにしておきたい。
絆レベルがアップ! 同時にスキルポイントも手に入る |
新たなスキルを覚えさせて,ライブを有利に導こう |
■ライブ
平日のレッスンなどを終え週末を迎えると,ファンを増やすためのステージ活動が発生する。月末のステージとは違い,規模の小さいライブではあるが,選考会の目標にはファンの数も含まれるため,ここでできるだけ数を増やしておきたい。
週末のライブで目標を達成できない場合は,グループの育成がうまくいっていない可能性もある。セーブは自由にできるので,ライブを成功させられない場合は,月初めや月中から育て直すのもありだろう。
選考ステージに挑む際,必須タスクがクリアされていないとそこでゲームオーバーだ。自由タスクは達成しなくても構わないが,クリアすることで貰えるボーナスは見逃せない |
なおライブステージでは,ステージメンバーに割り当てられているボタンを,リズムに合わせて押していく必要がある。
ボタンを押してアピールを行ったメンバーのテンションは上昇するが,その隣にいるメンバーのテンションは下がる仕組みになっているのだが,全員のテンションをできるだけ高く保つことが重要なため,誰がアピールを行っていくかかが非常に大事となる。
ライブは,ボタンを押すタイミングの正確さやテンションなどによって上がっていくスコアと,ライブの盛り上がりで変化する“ハコユレ”の度合いで評価される。終了時に,両方が目標の数値に達していないと失敗扱いとなるので,週末や月末ライブに関わらず,成功できるようにすることがプレイの目標になってくるだろう。
ステージは,アイドル達の努力の結晶だ。彼女たち同士の絆も感じられる |
ライブ中は,アピールのほかに,シンクロゲージを大幅に上げる効果のある“思い出アピール”も使用できる。シンクロゲージをマックスにすると,“ユニゾンアピール”や“クライマックスアピール”を使用でき,全員のテンションをアップできるので,ライブ成功のために活用していきたい。
シンクロマックス!思い出アピールは出し惜しまず使おう |
春香のアピール。かわいさもMAX! 見とれていると手元がお留守になるので注意 |
ステージが成功すれば,“アンコール”として,MVモードを見ることができる。プレイ時は正直操作やアピールのタイミングなどに夢中であまりアイドル達のステージを鑑賞できないので,このシステムは助かる。ここではアピールなどの演出も好きな時に発動できるので,クリアの嬉しさとともに,思いっきり楽しもう。
ステージを重ねるごとに,要求されるスコアやハコユレレベルは高くなっていく。どんどん高くなるハードルを越えていくためには,プロデュースタイムでしっかりと育成を行っておくことが重要だろう。
育成要素がシリーズの中では一番高いと思われる本作。もちろん,ライブシーンも極上だ |
ゲーム中の4月はほぼチュートリアルで,その1か月で基本的なシステムを学ぶ仕組みになっている。覚えなければいけないことが非常に多いのだが,日によって大まかな活動内容が決まっているので,きちんと説明を読んでいれば,プレイに迷うことはなさそうだ。
なお,今回はプレイ時間をあまり取れなかったこともあり,会話やシステムメッセージを読み飛ばしながら進めていたのだが,それでも,4月まで終わらせるのに約6時間かかっている。計画的な育成を行い,12月まで終わらせることを考えると,ゲーム全体のボリュームはかなりのものになりそうだ。
周回要素については気になるところだが,メーカーの担当に聞いたところ「内緒です」との回答が。しかし,1周では習得しきれなさそうなスキルの数や,下記“STAGE FOR YOU!”で使用できるようになる衣装や楽曲のことを考えると,ありそうな予感もする。
自分好みのステージを演出できる“STAGE FOR YOU!”は撮影機能がパワーアップ
体験版のプレイ範囲ではないが,アイドル・楽曲・衣装・ステージを自由に構成し,自分好みのステージを演出できるモード“STAGE FOR YOU!”も簡単に紹介しておこう。
シリーズをプレイしているプロデューサーたちにはおなじみのモードではあるが,「アイドルマスター スターリットシーズン」では,さまざまな要素がパワーアップしている。さらに大胆になったカメラワークは,どのメンバーに寄るか,どの角度から映すか,ということが左スティックと方向キーで瞬時に選択できるので,「いくつかの決められたアングルから選択している」という感覚ではなく,自分がカメラマンになったような気分で楽しめる。
なんだかんだ,今作もしっかり働いてくれる双葉杏ちゃんにズーム!どの角度からもカンペキに輝いている…… |
夢のステージを作り出すために設定できる項目は盛りだくさん。細かいこだわりもしっかり再現可能 |
作り上げたステージは,ライブラリーに保存できる。オンラインのランキングにアップロードすれば,ほかのプロデューサーたちも閲覧できるようになるので,自慢のMVを発表し合うことも可能だ。
また,いつでも切り替えられるカメラモードで,歌唱中のアイドルの輝きをスクリーンショットとして切り取ることができる。
画面に効果をつけるプリセットのほか,フレーム,カラー,被写界深度,ライト,レンズフレア,エフェクトを手動で調整して楽しめるのだ。一時停止した状態で,カメラアングルも自由に変えられるので,こだわりを存分に詰め込んだ写真の撮影も簡単に撮れるだろう。
この“STAGE FOR YOU!”で選べる衣装などは,メインのストーリーを進め,そのなかで入手したものが反映される。まずはメインをある程度進めてからこちらに着手するほうが,選択肢が増えて良いのかもしれない。
今回,スプリングナイトまでを体験してみて感じたのは,プロデューサーとしてしっかりと彼女たちを支えるため,プレイヤーにはある程度ソツのないプレイが求められるということだ。
筆者はコミュニケーションで,おもしろ半分の珍回答をしてみたり,フリータイムにはなんとなく話すアイドルを選択してみたりと,戦略に乏しすぎるプレイを進めていたため,アイドルが育ちきらず,スプリングナイトでは相当苦戦してしまった。
選考会やライブが失敗しゲームオーバーになってしまっても,任意のタイミングに戻ってやり直せるのでそこまで深刻になりすぎることはない。しかし,今作のストーリーを最後まで終えると,おそらく数十時間はかかる見込みなので,長丁場となるイベントを成功させるTIPSのひとつとして,ぜひ筆者の屍を超えて行ってほしい。
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