プレイレポート
指1本で操作できるダークファンタジー。アーリー8Bitのシンプルなグラフィックスとハードなアクションが魅力の「Bleak Sword」(今日から始めろApple Arcade #13)
Appleが月額900円(税込)/年額6000円(税込)でiPhone / iPad / Mac / Apple TV向けに提供している,ゲームのサブスクリプションサービス「Apple Arcade」。
広告やゲーム内課金なしでプレイできるタイトルが現在200種類以上配信されているこのサービスの中から,4Gamerがチョイスしたタイトルを紹介していくのが,この連載だ。
第13回では,タップとフリックでハードな攻防を楽しめるDevolver DigitalのアクションRPG「Bleak Sword」を紹介する。
「Bleak Sword」
オススメポイント
1.ビデオゲームの黎明期を思わせる“アーリー8Bit”のグラフィックス
2.指一本で軽快な操作ができるゲームデザイン
3.モンスターとの攻防は,ブロックとカウンターが攻略のカギに
「Bleak Sword」公式サイト
「Bleak Sword」ダウンロードページ
この「Bleak Sword」は,スペインのインディペンデント系開発スタジオであるmore8bitが開発を手がけたアクションRPGだ。舞台となるのはダークファンタジーの世界で,剣と盾を装備した勇者が「絶望の剣」の呪いを解くために,モンスター達が跋扈する世界を戦い抜いていく内容となっている。
スクリーンショットを見ていただければ分かるとおり,そのグラフィックスは実にシンプル。いわゆる“マッチ棒”スタイルの剣士が主人公で,モンスターのドット絵も最大2色で表現された,ファミコンのそれよりもさらに前の,家庭用ゲーム黎明期の海外製ゲームソフトを思わせる味わいがある。
ゲーム開始時にはチュートリアルもあり,基本操作はここですべて覚えられる |
ゲームはチャプターごとにシチュエーションの異なるステージが複数存在。ステージをクリアすることで進行していく |
背景も同様のシンプルなドット絵だが,それぞれに色の濃淡を付けるなどして奥行きを演出。シーンによっては雨や風,水面,炎,揺れる草などといったところも同様の表現で演出されていて,動いている画面ではちゃんとそれっぽく見えるのもすごい。背景の要所は,この画のまま立体的に見えるようCG処理が施されているあたりも凝っている。
メーカーの紹介文には「ジオラマ風」とあり,確かにステージは小さなヴィネットのような形をしている。手のひらに乗ってしまうようなドット絵の背景の中で,ドット絵のキャラクターが滑らかに動き回って戦う様子は実に楽しい。
見た目もシンプルだが,ルールや操作も実にシンプルだ。プレイヤーは主人公の勇者となって,ステージに登場するモンスター達を倒し,すべてを倒せばクリアとなり次のステージに進んでいく。
ステージクリアによって経験値が入り,勇者はレベルアップして強くなっていく。また,装備やアイテムなどが手に入ることもあるが,敵にやられてしまうとそれらはすべて失われてしまう。
クリア時に入手したアイテムは2つまで装備できる |
HPが0になると死亡し,アイテムとそのステージで得た経験値を失う。次に同じステージに挑んで勝利できれば,それを回収できる |
操作は指1本で行えるゲームデザインで設計されている。スワイプでローリング(移動),ホールドしながらスワイプでライトアタック(通常攻撃),長くホールド(チャージ)してスワイプでヘビーアタック(強攻撃),タップでブロックといったアクションがあり,これだけでゲームを進められる。
また両手プレイ操作にも対応し,こちらは攻撃&ブロックとローリングがスマホ画面の左右にそれぞれ設定される。
ゲームパッドにも対応していて,こちらはアナログスティックや方向キーでローリングとは別に移動が可能となる。攻撃&ブロックとローリングがそれぞれボタンにアサインされているが,一般的なアクションゲームとは少し趣が異なり,攻撃を繰り出すときはボタンを押してから攻撃したい方向にスティックや方向キーを入力する形だ。
操作の設定上,攻撃はその場で出すのではなく,必ず動いてから繰り出すこととなる |
ヘビーアタック時は剣が光り,主人公の周囲に射程を表す円が広がる。ホールドが長すぎるとチャージが解除されるので注意 |
本作のアクションは見た目以上にハードだ。勇者が攻撃をするときは,画面左上の白いゲージで表示されたスタミナを消費する。スタミナ自体は攻撃をしなければすぐに回復するが,回復を待つ間に敵から攻撃されてしまうこともある。ゲームのルールとして連続攻撃が行えないので,戦闘は必然的にヒット&アウェイが基本となるわけだが,それを打破して有利になれるのがブロックだ。
敵の攻撃がヒットする瞬間にタップをすると,その攻撃を無効化するブロックが発動する。ブロックは発動するとスタミナを回復する効果があり,直後に敵のいる方向にスワイプすることで,カウンター攻撃を行えるという大きなメリットがある。
攻防を兼ねた圧倒的に有利になれる戦術だが,そのタイミングはかなりシビアで,かなりギリギリまで引きつけないと成功せず,失敗すれば一方的にダメージをくらってしまうという大きなリスクがある。このシビアさは,近年の“ソウルライク”なタイトルにも通じている気がした。
カウンターにこだわらず,ローリングを絡めたヒット&アウェイで戦う手もあるが,狭い場所などはローリングできる範囲が限られ,敵に防御されることもあるので,同じ手段ばかりで通用するほど甘くはない。
逆にプレイヤー側に有利に働くギミックもあり,例えば「スワンプ・スライム」という魔物はHPが少なくなると自爆するので,その爆風に周囲の敵を巻き込んだり,「マンインター」という植物の魔物が飛ばしてくる液体を誘導した敵にぶつけたりと,戦術における選択肢は複数存在している。
ボスなど,特定の敵はブロックが効かない攻撃をしてくることも。「!」マークがその予兆なのでこのときはローリングで回避する |
スワンプ・スライムの爆発に別の敵を巻き込んだ。敵の攻撃自体に敵を巻き込む戦術はほかにもあるようだ |
レトロスタイルのグラフィックスでありながらも,高度な戦闘を指1本で楽しめる本作。遭遇した敵が記録されるモンスター図鑑や実績などのやり込める要素も用意され,以前のアップデートでは新たなステージが追加されるなど,本編のボリュームもかなりのものとなっている。
2023年にはNintendo SwitchとPC向けに本作のアップグレード移植の「Bleak Sword DX」(PC / Nintendo Switch)もリリースされたが,個人的にはスマホにおける指1本操作で楽しめることこそが,本作の醍醐味だと感じている。
ゲーム内容はかなりハードなので,誰にでも気軽にオススメできるわけではないが,それゆえに高難度のステージをクリアできたときの達成感はかなりのもの。好き嫌いは別として,Apple Arcadeに加入したなら,この感覚をぜひ一度味わっていただきたい。
Apple Arcade:月額900円(税込) / 年額6000円(税込)
Apple One:月額1200円(税込)
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