［プレイレポ］「原神」の大型アップデート Ver.5.0「栄華と炎天の途」本日配信。カワイイ竜もカワイイキャラもいるナタに飛び出そう

　本日（2024年8月28日），HoYoverseがサービス中のオープンワールドRPG「原神」（PC / PS5 / PS4 / iOS / Android）のVer.5.0「栄華と炎天の途」が配信となる。
　今回の大型アップデートでは，マップ拡張により新たな国「ナタ」が実装され，新キャラクターの「ムアラニ」「カチーナ」「キィニチ」も登場する。今回，PC版のVer.5.0を一足早く体験し，ナタを探索してきたのでプレイレポートをお届けしよう。

　なお，本稿ではメインストーリーである「魔神任務」については触れないので，ストーリーのネタバレは心配無用だ。ただし，ナタのマップや新キャラの性能についてはしっかり紹介していくので，「まっさらな状態でナタを体験したい！　キャラの性能を知りたくない！」という人はご留意いただきたい。

「原神」公式サイト

戦争の神がいる「竜の国」ナタ

　Ver.5.0の目玉となる新地域「ナタ」は，スメールの「千尋の砂漠」の西側に位置する国だ。「戦争の神」がいることから，大地には終わりなき戦火が延々と広がり，多くの竜が存在しているという（ヌヴィレット談）。
　戦争だの竜だのと聞くと，かなり物騒で殺伐とした国を想像してしまうが，いざ訪れてみるとその印象はガラリと変わる。壮大な自然の中に文明が根付いており，動物が多く生息し，幻想的な景色も見られる豊かな土地だ。あと植物がデカい。

サクッとカメラを構えたのに“映え”がすごい。探索していて，とても楽しかった

植物なんてなんぼデカくてもいいですからね

　ナタには人間と竜が共生してきた文明があり，少し歩けば多くの竜と出会える。また，ナタにおいて竜はギミック的な扱いもされており，プレイヤーは「竜憑依」と呼ばれる能力を使って竜になりきれる。
　憑依が可能な竜は限られているが，なりきれば移動や探索に便利なスキルを使える。たとえば，エンシェントヴィシャップに似た見た目をしている「テペトル竜」は，地面に潜って崖を登れるうえ，「高速ジャンプ」を使った快適な移動が可能だ。


　草元素を操る「ユムカ竜」は，空中移動に長けており，空中にカギ縄をひっかけるように移動できる。また，水辺に生息している「コホラ竜」は水上を高速で移動する。
　現状，憑依できる竜は上記の3体のみだが，地形に合わせた場所に生息しているため，“欲しいときに周りを見たら大体いる”ようになっている。そのあたりの感覚としては，フォンテーヌの水中世界に生息する原海アベラント亜種に近いだろう。

人間と竜が共生している光景。ナタでは日常的に見られるようだ

憑依できない子竜も存在する。めちゃくちゃ可愛いが，フィールドでは敵対してしまうのでカメラを構えられない。街の中にも登場するので，ぜひ見つけて観察しよう

　竜憑依の手順は非常にシンプルで，竜のほうを向いて特殊操作［T］を押すだけ。また，ナタには竜のホログラム「魂燭」が各所に設置されているのだが，これを使っても竜憑依を行える。

魂燭は自身の竜憑依を解除したときに出現する

竜憑依を活用した挑戦「ストリートウェイ」。これは「流泉の衆」のキャラクター（ムアラニ）でも挑戦できるらしく，このためにもキャラを引きたくなりそう（性能に差はない）

新キャラクターはナタ探索に超役立つ性能！

特殊な仕様にも注目しよう

　Ver.5.0から実装されるナタのキャラクターであるムアラニ，カチーナ，キィニチは，「夜魂」という特殊な仕様を持っている。これを理解しておかないと元素スキルの説明などがしにくいため，先に解説しておこう。
　まずは元素スキルの使用時，共通して「夜魂の加護」という状態に入る。これはシンプルに「元素スキルが継続している状態＝夜魂の加護状態」と認識しておけば大丈夫だ（今回のナタキャラの場合）。
　そして，夜魂の加護状態は「夜魂値」と大きく関係している。夜魂値はスタミナゲージの反対側に表示され，元素スキル中に増減するのだが，キャラによってこの数値の扱いは異なる。たとえば，ムアラニは夜魂値が60から始まって継続的に減少し，0になると夜魂の加護状態が終了（元素スキルが終了）する。一方，キィニチは夜魂値が0から始まり，特定の行動で増加し，最大値の20になると強力な攻撃を繰り出せるといった具合だ。

夜魂値を示すゲージのデザインはキャラによって異なる

　また，キャラの固有天賦や聖遺物の発動条件として，「夜魂バースト」という単語が頻出する。夜魂バーストの条件は非常に簡単で，チーム内にナタキャラがいるときに，敵に元素ダメージを与えると発動する。また，チームにいるナタキャラが多いほど，夜魂バーストの発動間隔は「18秒→12秒→9秒」と短くなっていく。

夜魂バーストの条件は「チームにナタキャラがいること」なので，ナタキャラ以外でも発動可能だ。発動すると，画面に大きなエフェクトが発生する

　ナタキャラを解説するためには，ナタ地域のみで使える特殊なリソース「燃素」にも触れておく必要がある。燃素はHPゲージの上部に表示されており，「燃素の種」に触れたり，燃素を含むオブジェクトを破壊または採集したりすると生成される「燃素粒子」を吸収することで補充できる。また，ナタのワープポイントや七天神像でも補充可能だ。
　この燃素は，ムアラニの元素スキルにおいては夜魂値の代替リソースとして，夜魂の加護の継続時間を延ばせる。また，キィニチは燃素を消費することで連続して元素スキルを使えるなど，燃素に関係した効果を持つ。

燃素の種はナタのさまざまな場所で見つかる

　そしてナタキャラは固有天賦として，共通の「夜魂トランス」という効果を持っている。これは燃素を利用できるナタのエリアにいて，フィールド上のキャラが特定の条件にあるとき，キャラを切り替えて発動できる能力だ（チームで10秒に1回の制限あり）。
　例を挙げると，フィールド上のキャラが泳いでいるときに，ムアラニに切り替えると夜魂の加護が発動するというようなもので，主に探索中に役立つ効果だ。夜魂トランスが使えるときは右のキャラクターUIが黄色く光るので，ゲーム中は非常に分かりやすい。


　また，ナタキャラの元素スキルと元素爆発で与えるダメージは，「夜魂性質のダメージ」という固有の性質を持っている。ただ，今回の先行プレイでは夜魂性質がどういった価値を持つのかが分からなかったため，以下の紹介では触れていない。


ムアラニ


　ナタで出会うガイドのムアラニ（CV：東山奈央）は，流泉の衆（メツトリ）という部族の水元素・法器使いの星5キャラクター。サメやフグといった海の生物をモチーフにした攻撃を行う。自身のHP上限を参照する元素スキルと元素爆発がメインのアタッカーだ。
　通常攻撃「クーリングトリートメント」は最大3段の連続攻撃で，モーションとしてはクレーに近い攻撃を繰り出せる。重撃はプクフグフロートを打ち出して攻撃し，落下攻撃ではフグを着ぐるみのようにしてダメージを与える。

ひたすら「かわいい」の一言。かわいい

　元素スキル「サメサメウェーブブレイカー」は，サーフィンの姿勢に入って「ざぶざぶサメくん」に騎乗し，夜魂の加護状態に入る。継続中は夜魂値が減少し，これが尽きると夜魂の加護が終了する（燃素を夜魂値として消費可）。この状態では水面の上を移動できるようになり，通常攻撃では「サメサメバイト」を行って，HP上限を基に水元素ダメージを与える（ダメージは通常攻撃ダメージとみなされる）。
　さらに，この状態で敵に触れると，ムアラニは「ウェーブチャージ」を1層獲得し，3層の状態でサメサメバイトを行うと「ビッグウェーブ」になり，与えるダメージが上昇。ビッグウェーブ発動までに触れた敵に対して「サメサメロケット」を発射して，同様のダメージを与える。敵の数が多いほどビッグウェーブを発動させやすいため，複数の敵を相手にしているときは非常に楽しかった。

　フィールド状のキャラがダッシュや泳ぎの状態にあるとき，夜魂トランスを行うことで夜魂の加護状態に入れる。移動面では水の上に限らず，陸上でも高速移動かつジャンプが可能だ。ただし，継続時間が短く，スキル中にスタミナは回復しないため，陸上でのシンプルな移動で言えば，夜蘭や放浪者のほうが使い勝手がいいだろう。
　ただし，水上では固有天賦により夜魂値の消費量が大幅に減少するので，使い勝手が大幅に向上する。また，今回は確認できなかったが，入水するとダメージを受ける「液体燃素」という液体があるらしく，その上を走ってもダメージを無効化できるようだ。ナタの探索では非常に役立つだろう（とはいえ，ナタにおける水上移動の性能はコホラ竜に憑依しても得られるので，「持っていれば便利」といった感じ）。

移動中にキャラを正面から見ることはそうそうないが，かわいい

　詰め込みまくりの元素スキルに対して，元素爆発「爆瀑ロケット」は非常にシンプル。敵を追跡するビッグサメロケットを発射して，HP上限を基に水元素ダメージを与える。
　夜魂バーストの回数によって爆瀑ロケットのダメージが増加する固有天賦を持っているので，できるだけ多くのナタキャラと一緒に使ってあげたい。また，元素スキル・元素爆発ともに，倍率の高い単発ダメージなので，蒸発反応と非常に相性がいい。



カチーナ


　カチーナ（CV：久保ユリカ）は古名「ウッサビーティ」を授かる，こだまの子（ナナツカヤン）という部族の若き戦士であり，岩元素・長柄武器使いの星4キャラクター。岩元素らしく，防御力を参照するダメージを与えるサブアタッカーだ。
　通常攻撃「テペトルバイト」はアクロバットな動きから最大4段の連続攻撃を行う。重撃と落下攻撃は，一般的な長柄武器キャラと変わらない。


　元素スキル「いけ、ぐるぐるコマちゃん！」は，「ぐるぐるコマちゃん」を召喚して夜魂の加護状態に入る。継続中は夜魂値が減少し，これが尽きると夜魂の加護が終了する（燃素を夜魂値として消費可）。ぐるぐるコマちゃんは岩元素創造物の扱いで，一定時間ごとに地面を叩いて岩元素ダメージを与える。
　また，長押しで発動するか，召喚中に再度元素スキルを使用することで，カチーナはぐるぐるコマちゃんに騎乗できる。騎乗中の通常攻撃は地面を叩き，岩元素ダメージを与える。

　フィールド状のキャラがダッシュや登りの状態にあるとき，夜魂トランスによって夜魂の加護状態に入れる。移動面では，ぐるぐるコマちゃんの騎乗時に壁を登れるようになる。綺良々の元素スキルで途中まで壁を登り，夜魂トランスでカチーナに切り替えてさらに登る……なんて芸当も可能だ。
　カチーナだけでも燃素が最大の状態であれば，かなり高い壁を登れるので，ナタの探索中はぜひチームに入れておきたい。なお，ムアラニとコホラ竜の竜憑依は性能が似ているように，カチーナはテペトル竜と似た性能になっている。


　元素爆発「さあ、本気出すよ！」は，地面を叩いて防御参照の岩元素ダメージを与え，「スーパードリル領域」を生成する。この領域内では，ぐるぐるコマちゃんの攻撃範囲が拡大され，騎乗時の移動速度が上がる。継続ダメージなどはなく，ぐるぐるコマちゃんを強化するのが主な役割になるだろう。



キィニチ

　キィニチ（CV：杉山紀彰＆竹内順子）は懸木の民（ウィッツトラン）という部族の竜狩り人で，草元素・両手剣使いの星5キャラクター（実装時期はVer.5.0後半）。草元素だが，シンプルに高い倍率の攻撃で戦うスタイルであり，燃焼と列開花反応に関連する固有天賦を持つアタッカーだ。
　通常攻撃「武闘術・白夜」は，最大3段の連続攻撃を行う。重撃では前方に両手剣を投げて攻撃する。落下攻撃は一般的な両手剣キャラと変わらない。


　元素スキル「懸狩り・宙の遊猟」は，近くに敵がいるかどうかで性能が大きく変化する。まず，近くに敵がいるときは，その相手に対してカギ縄を投げてリンク状態になり，夜魂値0で夜魂の加護状態に入る。
　夜魂の加護の継続時間は10秒で，攻撃スタイルが変化する。通常攻撃ではリンクしている目標を中心とした円軌道射撃を行い，草元素ダメージを与える。このダメージは元素スキルダメージとみなされるが，夜蘭や行秋の元素爆発といった通常攻撃がトリガーになる攻撃は発動する。「円軌道射撃って……何？」と筆者も思ったが，実際の動きとしては「ロックオン状態」になって「相手の周りを衛星のように回りながら攻撃する」といった感じだ。

　キィニチの夜魂値の回復方法は4種類あり，時間経過で1秒ごとに2，通常攻撃の円軌道射撃で3，敵の周りに生成される死角エリアに入ると4，敵が燃焼反応または列開花反応ダメージを受けると7回復する。
　夜魂値が最大（20）になると，元素スキルボタンで「廻狩貫鱗砲（かいしゅかいりんほう）」を発動できるようになる。発動すると，すべての夜魂値を消費して，草元素の大ダメージを与える。この攻撃は夜魂の加護中に1度ではなく，夜魂値が最大になるたびに使用できる。

カギ縄をひっかけると同時に，死角エリア（向かって敵の右側）が生成される。敵をロックオンしながら，衛星のように周囲を回転しながら攻撃する

夜魂値が最大になれば，これを消費して強力な攻撃を繰り出せる

　一方，近くに敵がいないときの元素スキル「懸狩り・宙の遊猟」の挙動だが，こちらは探索用の効果になっており，前上方にカギ縄を飛ばして跳躍する。
　これがめちゃくちゃ便利。移動速度が速く，ナタ以外でも空中で1度まで使用可能，ナタでは燃素を消費すれば2回連続で使用でき，フィールド上のキャラが飛行しているときには夜魂トランスでも発動できる。さらに飛行中の使用時は，長押しで空中に停滞できるので，落ち着いて飛ぶ方向を決められる。

カギ縄の移動後に空中で通常攻撃を行うと，宙に向かって跳躍して攻撃を繰り出せる。あまり実用性はないが，かなりクール

　元素爆発「偉大なる聖龍を崇拝せよ」は，「聖龍アハウ」の力を解放して草元素ダメージを与える。聖龍アハウは15秒継続し，定期的に龍の息を放つ。

聖龍アハウは名前と召喚時の迫力のわりに小さくてかわいい

ほかにもVer.5.0はいろいろすごい！

　先行プレイの内容はここまでだが，Ver.5.0ではさまざまなシステム改善や機能追加が行われている。ハイスピードアクションで極限な回避をしながらンナンナ言ったり，夢の国でロボに変身するヒロインとイチャイチャしたりして，「原神」の情報を追えていない人のために，驚きのアップデート内容の一部を紹介しておこう。

※以下の掲載画像は，Ver.5.0「栄華と炎天の途」予告番組よりキャプチャしたものです

どれだけすごいかというと，公式配信で「本当に原神の話ですよね？」と発言が出るくらいすごい

　まずは，「原神」におけるガチャ「祈願」に関係する改善と機能追加からだ。
　「イベント祈願・キャラクター」に新たな機能「掴みし明光」が追加される。これは，星5キャラを引いたときにピックアップキャラでなかった場合，一定確率で発動し，その結果がピックアップキャラに変化するというものだ。発動時には特殊な演出が発生する。
　演出も気になるところだが，単純にピックアップキャラが獲得できる確率が55％に上がったため，旅人にとっては「ただただ嬉しいだけ」の調整だ。

　そして，「イベント祈願・武器」では命定値上限が2から1に変更となる。これからは星5武器が1度すり抜ければ，次は確定で欲しい星5武器が手に入る。「『原神』は武器ガチャが闇」と言われていたのも過去の話になりそうだ。


　育成素材周りの緩和も行われる。特産品をマップ上に表示する機能，特定の敵の素材ドロップ率上昇，世界ランク9の実装による素材ドロップ数上昇などだ。さらに，新規や初心者の旅人にとってありがたいメインストーリーの「クイックスタート機能」も実装されるなど，さまざまな緩和が明らかになっている。

素材ドロップ率上昇は「アビスの魔術師」や「遺跡守衛」なども対象に

　聖遺物にも改善と機能追加が行われる。改善としては，聖遺物の分解で経験値素材がもらえるようになる。強化したい聖遺物が1つも出ていないのに，「聖遺物がいっぱいです」と言われたときのイライラとはこれでおさらばできそうだ。
　そして新機能「祈聖のエリクシル」は，聖遺物の種類・メインステータス・追加ステータス2種を指定して聖遺物を作れるという驚きの内容だ。もちろん，消費するアイテムは非常に貴重であり，ある程度強化した聖遺物からの抽出やナタの探索，天空紀行の報酬などで少量入手できるようだが，聖遺物厳選の苦しみを知っている人間からすれば，実装してくれただけで感謝しかない。

確実に率ダメ聖遺物が手に入っちゃうなんて，いいんですか！？（作ったあと，実数値にすべての強化を吸われて泣く未来が見える見える……）

　また，Ver.5.0は「原神」の4周年を記念したアップデートでもあるため，プレゼントもかなり豪華だ。
　まず，ゲームにログインすると好きな恒常星5キャラを入手できる。これは今後の周年バージョンが訪れるたびに実施するとのことで，かなり太っ腹な配布だろう。


　もちろん例年どおり，8月30日から累計7日間ログインすると「紡がれた運命」を10個獲得でき，9月28日以降にログインすると原石1600個などの豪華な報酬も受け取れる。

公式Xの投稿より

　フォンテーヌが実装されたVer.4.0のときにも驚かされたが，Ver.5.0は「原神」の進化と，プレイヤーの声に耳を傾ける姿勢が見えるアップデートといった印象だ。復帰者向けのイベント「星の返還」の報酬も豪華になっているようなので，しばらくテイワットを訪れていなかった旅人もこの機会にログインしてみてはいかがだろう。

「原神」公式サイト