プレイレポート
[TGS 2019]“熱”と“ニオイ”で本物のキツネを見つけ出せ! VRゲーム「迷い狐火」のプレイレポート
話を聞くとKeio-NUS CUTE Centerは,シンガポール国立大学の研究機関だそうで,「迷い狐火」(The Lost Foxfire)というゲームを展示していた。早速体験してきたので紹介していこう。
本作は,家屋に火を点けて回るキツネの妖怪を追いかけ,消火器で退治するVRゲームだ。ただ,単に追い掛け回して倒せるほど甘くはなく,キツネは分身して四方八方に散ってしまうため,どれが本物なのかを見分けて倒す必要がある。
では,何を頼りに偽物と本物を見分けるのか。カギとなるのは“熱”と“ニオイ”だ。ゲーム開始前に特殊なウェアとHMDを装着するのだが,これらが本物のキツネに反応して熱とニオイを発生させるのだ。プレイヤーはこれを手掛かりに本物を退治していく。
プレイしてみると,確かに本物がいる方向からは熱を感じるし,消火器を吹きかければほのかにやさしい甘いニオイがふわっと漂う。序盤はサクサクと順調に進んでいけた。
「なんだ楽勝だな」なんて余裕をぶちかましていたのだが,後半になってくると偽物の数が増え,だんだんと難しくなっていく。また,筆者の体が甘いにおいと熱に慣れてきたせいか,体のセンサーがうまく働かなくなってきてしまった。
まごまごしている間にもキツネは待ってくれない。慌てる筆者を尻目にあちらこちらに火を点けるので,てんやわんやの大騒ぎである。最初の余裕はどこへやら……。
どうにかこうにかプレイを終えた結果,筆者はCランクという成績だった。これが一体何段階評価の何番目なのかは分からないが,ブースにいたスタッフの反応は,「Oh……Nice Play! Nice Play!」と明らかに気を使っている感じだった。皆さん,僕大人だからその反応がどういう意味か分かっちゃうんですよ……。
プレイ後の感想としては,熱やニオイというのは上記で触れたように体が慣れてきてしまうので,後半はニオイを強くするなどの調整が必要になるのではないかというのが,正直なところだ。熱に関しても首をモロに温めるため,プレイ時間が長引くほど体全体が熱くなってきて,感じにくくなってしまったように思えた。VRのゲームプレイ中,外部の刺激を与える手法は,新鮮な体験になるが,熱やニオイというのは,なかなか調整が難しそうなアプローチだ。
ただ,そのあともしばらくプレイする人の様子を見守っていたのだが,結果はランクAという優秀な成績だったので,もしかしたら,筆者の感覚器官の問題かもしれない。うーん,悔しいなあ。
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迷い狐火
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