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[TGS2019]かわいいアートスタイルの「With Friends Like These」は,操縦士とガンナーが役割を入替えながら進む,協力型インディーシューティングゲームでした
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印刷2019/09/14 22:22

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[TGS2019]かわいいアートスタイルの「With Friends Like These」は,操縦士とガンナーが役割を入替えながら進む,協力型インディーシューティングゲームでした

 Co-opゲームが流行している感のある東京ゲームショウ2019のインディーゲームコーナーだが,中でも可愛らしい絵柄と独特のルールで注目を集めていたのがShyKidsClubの「With Friends Like These」だ。ピンクとブルー,2人の友達が力を合わせて進む協力型の横スクロールシューティングだ。

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「With Friends Like These」公式サイト


 ShyKidsClubはオーストラリアのインディーズソフトハウスで,東京ゲームショウ2019の10-A70にブースを出展している。かつては「The Incredible Journey of You and I」のタイトルで発表された同作だが,現在はタイトルを変え,協力プレイに主眼を置いたタイトルに生まれ変わったという。2人のプレイヤーが操縦と攻撃をそれぞれが担当し,さらにショット属性の切り替えを加えたメカニクスで,プレイヤー同士の連係を自然に即す仕組みが面白いタイトルなのだ。

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 本作の主人公は,ピンクとブルー,2つの球体が合体した「船」だ。協力プレイのシューティングというと,それぞれが別の機体を操作して戦うものがほとんどだ。しかし本作は,2人で1人の船を操作する。2人は操縦士とガンナーであり,操縦士の側は左スティックで船を操作し,ガンナーは狙いたい方へ左スティックを倒し,ボタンを押して弾を撃つ。さながらツインスティックシューターの要領だ。

中央にいる,丸が2つつながった形をしたキャラクターが,主人公である「船」。ピンクの丸とブルーの丸は,それぞれのプレイヤーが担当する
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ブースで配布されているインストラクションカード
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 さらには両者の役割が頻繁に入れ替わるのが本作のポイントで,その鍵は背景の色にある。背景がピンク色の場所にいる時はピンクのプレイヤーが操縦し,ブルーのプレイヤーはブルーの弾を撃つ。背景が青いときはその逆で,ブルーのプレイヤーが操縦,ピンクのプレイヤーはピンクの弾を撃つ。
 そして背景はピンクとブルーがそこそこの頻度で入れ替わるため,これに合わせてプレイヤーも役割を入れ替えるのである。文章にするとちょっとややこしいが,動画を見てもらえればすぐに分かると思う。


ここでは「船」がピンク色の泡の中にいるので,ピンクのプレイヤーが操縦を担当している。泡はフワフワと動いており,外に出ると背景はブルーなので,ブルーのプレイヤーへと操縦担当が切り替わる。敵の身体にはブルーの部分とピンクの部分があり,それぞれ同じ色の弾でしか破壊できない
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 そして,敵にもピンクとブルーの2種類が存在し,ピンクの敵はピンクの弾で,ブルーの敵はブルーの弾でしか倒せない。例えばブルーが操縦士の時にブルーの敵がやってきたら,役割を入替えるために,背景がピンクの場所に入る必要があるわけだ。

 操縦士とガンナーをプレイヤーが分担するタイトルはこれまでに存在していたし,敵を倒すために属性を切り替えるシューティングもこれまでには存在した。だが,本作のオリジナリティは,これらを組み合わせて,その切り替えのトリガーを背景に任せたところにあると思う。
 とくに面白いのは,背景ピンクやブルーが動くロケーションがあるということだ。例えばピンクの背景がベースの場所に,噴き出す水がかかっているような場面がそれで,ここでピンクの敵を倒すためには,ガンナーが敵を倒しきるまで,操縦したるピンクのプレイヤーは,自機を動く水の中にとどまらせておかなければならないのだ。

ピンクとブルー,2色の敵が混合で襲ってくる。背景でブルーの部分は熊が放射している水なので,あちこちに動く水の軌道に操縦を合わせなくてはならない
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背景のスクロールにあわせて,ピンクとブルーが入れ替わっていくステージも
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 操縦士をしているときと,ガンナーをしているときで,心がけるべきことが正反対なのも面白い。操縦士は敵を避けつつガンナーが撃ちやすい位置取りをしなくてはならないし,ガンナーは迅速に敵を狙って殲滅しなくてはならない。
 さらに2色の敵が混合で襲ってくるような場所や,背景が頻繁に変わるようなところでは,両者の役割はコロコロと変わらざるを得なくなる。「ガンナーとして,敵を狙うために敵の方へスティックを倒していたら,いつの間にか役割が変わっていて,そのまま敵へ突っ込んでしまった」とか,「相方に攻撃を任せていているつもりで,その実何もせずにボーッとしているだけだった」なんてことになりがちなので,プレイヤー同士で声を掛け合う必然性が生まれる。

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 筆者は,試遊でShyKidsClubのNicole Lawson氏と一緒にプレイさせてもらったが,いつの間にか「ブルーエネミー! ショットプリーズ!」とか「ナイスアタック!」などと,片言英語でコミュニケーションしていた始末である。これには正直,自分でも驚いたくらいだ。

なおピンクとブルーを1人で担当するモードや,色のことを気にせずに遊べるモードも存在するそうで,気軽に遊びたい人も安心だ
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 加えてアートの素晴らしさについても,ここで指摘しておくべきだろう。絵本がそのまま動いてゲームになったというか,キャラクターが丸っこくてとにかく可愛らしい。ゲームシステムがかなり独特な本作だが,このアートスタイルのおかげで親しみやすく感じるというものだ。

開発を手がけたShyKidsClubは,オーストラリアの夫婦が作ったソフトハウスとのこと。メンバーはプログラマーで夫のCraig Brown氏と,アートを担当する妻・Nicole Lawson氏の二人だけである
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 「With Friends Like These」は現在開発中で,2019年後半もしくは2020年初頭あたりに発売したいとのことだった。現時点での対応機種はPC,Macintosh,Linuxだが,Nintendo Switch版の予定もあるという(ただ,残念ながらオンラインマルチプレイには対応しないらしい)。一風変わったシューティングを遊びたい人や,友達と一緒に遊べるゲームを探している人は,東京ゲームショウの同社ブース訪れてみてはいかがだろうか。

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