プレイレポート
「冤罪執行遊戯ユルキル」の物語が気になるけどSTGが難しそう。そんな人に本作のSTGパートを紹介しつつ,攻略のアドバイスを送ろう
制作陣は,「賭ケグルイ」の河本ほむら氏が原作を,その弟にして小説家の武野 光氏がシナリオを担当。さらに,「蒼き革命のヴァルキュリア」の清原 紘氏がキャラクターデザインを,「モンスターハンター3」「モンスターハンター:ワールド」の小見山優子氏が音楽を手がけ,シューティングパートは「旋光の輪舞」「星霜鋼機ストラニア」で知られるグレフが開発するなど,豪華メンバーが揃っている。
ゲーム概要については,以前に体験版をベースとしてプレイレポートをお届けしたので,そちらも読んでもらえればどんな作品なのかを理解してもらえるはずだ。一方,ストーリーは面白そうだけれど,「シューティングって遊んだことがない」「シューティングが難しそう」という理由で手が出せない人もいるのではないだろうか。
そこで今回は,7月8日にSteam版の発売も決定したということで,改めて本作の“シューティング”要素にフォーカスして紹介しつつ,シューティングゲーム初心者がゲームを進められるようにアドバイスを送りたい。
「冤罪執行遊戯ユルキル」体験版のプレイレポートを掲載。アドベンチャーと弾幕シューティングが融合した個性派タイトルだ
イザナギゲームズから5月26日に発売予定の「冤罪執行遊戯ユルキル」。その体験版が4月28日に配信される。アドベンチャーと弾幕シューティングを組み合わせた風変わりな本作だが,体験版で物語の第一章を遊べたので,そのプレイフィールをお届しよう。
シューティングパートで,囚人と執行人の魂がぶつかり合う
プレイヤーが参加するのは,優勝すれば囚人は無罪放免となり,執行人の願いが何でも叶うゲーム。囚人と執行人がチームを組むのだが,執行人はボタン1つで囚人を赦スか殺ス(KILL)かを選択できるという,なんとも危ういバランスでストーリーは進行する。そしてクライマックスに至ると,お互いの魂の削り合いとも言うべき,囚人と執行人による仮想空間でのシューティング対決が繰り広げられるのだ。
このシューティングパートでは,囚人は小さなユルキルファイター(戦闘機。機体は章によって変わる。以下,自機),執行人は巨大なボスの機体に乗って戦うのだが,執行人は恨みを燃やしながら激しい弾幕を放ち,プレイヤーが操る自機はこれをくぐり抜けなければならない。両者の感情の高ぶりをシューティングで表現しているわけだ。
シューティングパートの途中には,執行人の偏見を可視化した「ヘンケンシナプス」,(事件についてのセンテンスを完成させ)思考の迷宮を突破する「ココロメイズ」といった,アドベンチャーゲームのように選択肢が登場する場面もある。ストーリー(物語性)とシューティングの融合は昔から取り組まれてきたテーマだが,この仕掛けはシューティングファンとしても興味深いのではないだろうか。
「ヘンケンシナプス」では,正しい証拠を選んで執行人を説得しなければならない |
囚人がこれまでの行いを振り返り,どうすべきかを決める「ココロメイズ」。どちらもシューティングパートの合間に挟まるが,反射神経を問うものではなく,正答を選ぶアドベンチャーゲーム的な内容だ |
●ストーリーを楽しみたいなら「EASY」を選ぼう
本作には「EASY」「NORMAL」「HELL」の難度が存在する。シューティングに慣れていない人はEASYを選ぶといいだろう。難度が高くなると敵の攻撃が激しくなるのに加え,クイズに正解した際の自機の追加も少なくなったり,安全を確保する「オートボム」(いずれも後述)が使えなくなったりと難しくなる。
●クイズに正解するほど攻略は楽になる
ステージが始まる前に,事件の概略をおさらいする「高速クイズ」が出題され,正解するたびに自機が増えていく。全問正解すると,EASYなら30機,NORMALなら20機,HELLは10機の自機を持ってスタートできる。
自機の数だけミスできるので,EASYで全問正解すれば,やられては起き上がりを繰り返すゾンビアタックも十分に可能で,ごり押しプレイでも突破できるだろう。当然だが,正解するためにはアドベンチャーパートの展開をしっかりと覚えておく必要はある。
●最初は「メインショット連射」だけで操作に慣れよう
シューティングゲームをあまり遊ばない人の場合,システムの説明で戸惑うかもしれない。というのも,「メインショット連射」「ホールドショット」「オプション」「アウトバーストショット」「アウトバーストボム」「オートボム」と,シューティング用語と本作独自の用語が入り乱れるうえ,操作でいろいろなボタンを使うからだ。
最初からすべてを使いこなそうとしても難しいので,慣れないうちは「メインショット連射」(Switch版は[A],PS4/PS5版は[○])に絞って自機の操作に集中し,敵を撃ち落としていこう。
プレイに慣れてくると,そのうち「自機に弾が当たっているように見えたけど,すり抜けている?」「弾を食らっても,謎の爆発が出て助かるときと,そうでないときがある」といった疑問や,「敵をもっと早く倒したい」「狙いづらい敵を撃ち落としたい」といった欲が出てくるはずだ。
●ミス判定になる部分は小さいので,実は敵弾に当たりづらい
敵の弾を受けてミスと判定される部分は,自機に輝く十字の光,その中心のわずかな1点にしか過ぎない。それ以外の部分なら,機首だろうと羽根だろうと弾が当たっても何も起きないし,何のペナルティもないのだ。これは,いわゆる弾幕系シューティング(無数の敵弾が画面に出現するタイプの作品)におけるお作法の1つだったりするのだが,普段このジャンルを遊ばない人は気づきづらいだろう。
●1回だけなら被弾も耐えられる……かも?
EASYもしくはNORMALでプレイしている場合,敵の弾を受けると,謎の爆発が起こってミスにならないときと,ミスになるときがある。最初は何が原因か分かりづらいかもしれないが,この現象は「オートボム」によるものだ。
自機には「アウトバーストゲージ」(以下,ゲージ)という,敵を倒したときに出現する緑色のカケラを集めると増えるゲージが用意されている。このゲージが20%以上の状態で敵の弾を受けたときにオートボムが発動し,周囲の敵弾をかき消すと同時に,爆発中は自機が無敵となる。ただし,ゲージは0%に戻るので,無敵が解けた直後など,再びゲージが溜まる前に被弾すると,もちろんアウトだ。
なお,ゲージはこれ以外にも利用できる(内容は後述する)が,初心者へのアドバイスとしては,ミスに備えるという意味でゲージを温存しておこう。
ともあれ,自機を減らさないように,うまくオートボムで切り抜けられるようになってくれば,少し操作に慣れてきたと言えるだろう。
●硬い敵は火力で押し切れ!
道中には耐久力の高い敵も出てきて,素早く倒したいと思うことも多いだろう。そのためには,まずパワーアップだ。中型の敵を倒すと,箱のようなアイテムが出るのでこれを集めよう。
そして,「ホールドショット」(Switch版は[B],PS4/5版は[×])も利用しよう。ホールドショットを使うと自機の動きが遅くなるのだが,自機の弾が集中して飛ぶようになり,火力を目標に集められるのだ。さらに,自機に付いてくる結晶のような物体「オプション」の配置を変化させたり,固定させたりといった要素もある。
先ほど,小刻みに自機を動かして敵弾の回避しようと紹介したが,「ホールドショット」で自機の動きをあえて遅くするものいい。弾幕はそこまで高速ではないので,自機の移動量を減らしたほうが逆に避けやすい場合があるからだ。
そこで,普段は「メインショット連射」を押しっぱなしにして,弾幕の中に入ったときは「ホールドショット」に切り替えるという戦い方にも慣れていこう。
これはボス戦でも同様だ。ボスは大量の弾をばらまき,耐久力も高い。基本的に速攻で倒せるようなものではなく持久戦になるので,弾幕が迫ってきたら「ホールドショット」の速度で自機を動かし,慎重に避けよう。
●「スコアアタックモード」でSTGパートを練習するのもアリ
新たな章が始まると「スコアアタックモードの第×章が遊べるようになりました」という通知が届く。これは文字通りスコアアタックモードで,その章のシューティングパートがプレイできるようになる。そう,ステージをクリアしたら開放されるのではないのがポイントで,先に練習も可能なのだ。シューティングパートに入ったけれど,何も知らないステージに挑むのが怖い,できるだけ準備してからにしたいという人は,スコアアタックモードを遊ぶのも攻略の一手になるだろう。
スコアアタックモードはゲームオーバーになっても何もペナルティがなく,ヘンケンシナプスやココロメイズパートもないので,ストーリーのネタバレも最小限に抑えられているが,ボスに関してはネタバレというか,ボスの姿から何となくストーリーがイメージできてしまうことがある。該当する章のストーリーを進める前にスコアアタックモードに挑戦する場合は,その点は注意してほしい。同様の理由で本記事のスクリーンショットも,序盤の第1章〜第4章のものに留めている。
●操作に慣れてきたら「アウトバーストショット」で派手にいこう
ゲームに慣れてきたら,「アウトバーストショット」(Switch版は[R],PS4/5版は[R1])を使って,派手なプレイを楽しもう。アウトバーストショットは自機の種類によって異なる弾が発射されるが,いずれも高威力で,命中するとその場で爆発が起こり,敵の弾も消してくれる。
そんな強力な攻撃だが,撃つとゲージを消費してしまう。また,このゲージが20%以上ないと,撃つこともできない。
ゲージが減ったら,「オートボム」が使えなくなるのでは……? と思った人は本作のシステムがだいぶ理解できている。ストーリーの続きを見るだけなら,ゲージを温存するために,アウトバーストショットは一旦忘れてしまっても構わないだろう。
●強力だがリスクもある「アウトバーストボム」
ゲージを消費して利用できるもう1つの攻撃手段が「アウトバーストボム」(Switch版は[L],PS4/5版は[L1])だ。「オートボム」と同様に,大爆発が発生し,周囲の敵弾を消滅させられる。そして,その威力はゲージの量に応じて高くなり,100%であればボスも無事では済まないほどの高威力となる。
ただし,「アウトバーストボム」はゲージをすべて消費してしまう。そのため,発動すると「オートボム」や「アウトバーストショット」がしばらく使えなくなる。敵の出現パターンを覚えていれば一気にスコアを稼げるが,一発ミスのリスクも付いてくるわけだ。
ゲージを温存して「オートボム」で守るか。「アウトバーストショット」をこまめに撃って攻めるか。タイミング良く「アウトバーストボム」で敵を一掃するか。こうしたリスク含みの選択が,本作のシューティングパートをより奥深いものとしている。
なお,これもストーリーの続きを見るだけなら忘れてしまって構わないだろう。
●戦い方は理解したのでハイスコアを狙いたい
ハイスコアを狙いたいという人は,部位破壊と「アウトバーストショット」を意識しよう。
敵は破壊できる部位を持っている場合があり,その部位をうまく壊せれば,ただ倒すよりも多くのスコアを得られる。
例えば,円状のボディを持つ中型機やムカデ状に連なった中型機に装備された砲塔,2ステージボス「シコウテイサツ」の背中パーツなどが破壊可能だ。ただ,ボスは倒すまでの時間でボーナススコアが発生するので,部位破壊に執着していたのでは本体を倒せず,その分だけスコアを損してしまう。部位か本体かは,アドリブで判断していこう。
また,4ステージボス「アクギャクムドウ」の取り巻きが投げるサイリウム弾など,ミサイル系の攻撃を撃ち落とすことでスコアを稼ぐといったチャンスもある。
そして,「アウトバーストショット」で敵を連続して倒すとスコア獲得の倍率がアップしていく。道中の安全とスコアを天秤に掛けつつ,できるだけ多くの敵を倒していこう。
「シコウテイサツ」の背中パーツは破壊できる。ここを攻撃しなくてもボスには勝てるが,ハイスコアを狙うならうまく壊したいところだ |
ムカデ形の敵。左右に付いた小砲台は破壊するとスコアが入る |
「アウトバーストショット」をうまく当てると,どんどん倍率がアップする |
自機の性能を比べてみよう
ここからは,ストーリー(1〜4章)に登場する各機の性能やポイントを見てみよう。とくに「オプション」の性質には注目してほしい。なお,スコアアタックモードで利用するには,先にも書いたようにストーリーを進めて“章”を開放する必要がある。
●「ユルキルファイター1号機」:春秋千石
スピードも速く,素直で扱いやすい。まずは,この機体でシューティングに慣れよう。
オプションは自機の左右後方に配置される。広範囲を攻撃したいときは「メインショット連射」で攻撃すれば,オプション同士の間隔が広がった状態で弾を撃ってくれる。逆に弾を集中したい時は「ホールドショット」を使えば,オプションの間隔がキュッとまとめられる。
「アウトバーストショット」は,自機の近くにいる敵を狙い撃つホーミングレーザーだ。千石のステージでは「左右から同時に敵が出てきて,対処しきれない」ということも多いのだが,そんな時は「アウトバーストショット」や「メインショット連射」で対応すればいい。
●「ユルキルファイター2号機」:山田風太
2号機にして変化球的な機体だ。オプションは,自機が弾を撃っていないか「メインショット連射」中なら,自由に方向を変えられる。移動方向の逆を向くのが特徴で,上に移動したら下を向き,左に移動したら右を向くという感じに移動する。その状態で「ホールドショット」を撃つと,オプションの方向が固定される。これをうまく使えば,あらゆる方向から来る敵に,任意で対応できるわけだ。
また,自機が「ホールドショット」を撃っているとき以外の状態でオプションに弾が当たると,小型の「オートボム」で弾を消してくれる。慣れるまでとくに意識しなくてもいいが,うまく使えば守りで大いに役立つだろう。
「アウトバーストショット」も防御系で,自機の前方で爆発を起こす。
オプションに弾が当たると,小型の「オートボム」で弾を消してくれる |
うまくオプションの方向を定めて「ホールドショット」で固定すれば,真横や真後ろも撃てる |
●「ユルキルファイター3号機」:御室玄徳
1号機に似た機体で,広範囲に攻撃できるが,火力は低い。
オプションは,移動で弾を撃つ角度を変えられ,例えば前方に移動すると攻撃範囲が扇状に広がり,後方に移動するとその逆で狭い範囲に集中して攻撃できる。敵が多く出現するようなら前方移動の広範囲攻撃,耐久力の高い敵なら後方移動の集中攻撃……というように,状況に応じて角度を調整しよう。望む角度になったら「ホールドショット」で固定だ。
「アウトバーストショット」は,これも1号機に似たホーミングレーザーとなる。
●「ユルキルファイター4号機」:一凛花華
4号機のオプションは,自機の移動でフォーメーションを組めるのが特徴だ。と言ってもイメージしづらいと思うが,要はオプションが自機の移動したあとを付いてくるので,任意のタイミングで「ホールドショット」で攻撃して,オプションの配置を固定するという感じだ。
例えば,敵が広範囲に出てきたら,自機を横に移動させてオプションを横並びにしてから「ホールドショット」。耐久力の高い敵がきたら,自機を縦に移動させてオプションが縦に並ぶようにするわけだ。オプションを自機の前方に,まるで自機から突き出たように配置して,そのままオプションを敵の機体に食い込ませて攻撃すれば強力だ。
「アウトバーストショット」は,オプションの前方に爆発を起こす。
というわけで「冤罪執行遊戯ユルキル」のシューティング部分を紹介してきたが,いかがだろうか。ここに書いたように,難度を選択すれば初心者でも十分にクリアできるように配慮されているので,ストーリー目当てで始めても全然問題はないはずだ。そのうえで,ハイスコアを狙いたくなったら,自機や攻撃の特性を理解して,高難度で挑戦してみよう。
ところで,本作で得られる知識は,ほかのシューティングゲームでそのまま使えるものが多い。シューティングパートが気に入ったのなら,同ジャンルの作品も遊んでみるのもいいだろう。本作のように,ストーリーに興味を持ってもらい,とにもかくにも弾幕シューティングゲームを触ってもらうというのは,このジャンルを盛り上げる意味で理想的な戦略なのかもしれない。
なお,4Gamerとユルキルのコラボイベント「冤罪執行遊戯ユルキル×4Gamer」第1回スコアタキャラバンが7月31日18:59まで開催中だ。腕に自信が出てきたら参加してみよう。
「冤罪執行遊戯ユルキル×4Gamer」コラボイベントページ
「イザナギゲームズ」公式サイト
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