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印刷2019/09/13 14:43

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[TGS 2019]「冤罪執行遊戯ユルキル」のSTGパートをプレイ。冤罪を戦闘機の心理攻撃で晴らせ……ってどういうこと!?

 千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2019(一般公開日は9月14,15日)。そのKONAMIブースに出展されている,イザナギゲームズの「冤罪執行遊戯ユルキル」PS4 / PC)を紹介したい。

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 さて本作だが,筆者としては東京ゲームショウでここまで「よく分からない」ゲームを見るのは久々である。

 原作およびシナリオは,「賭ケグルイ」や「異世界法廷 〜反駁の異法弁護士〜」など,ブッ飛んだ舞台設定における殴り合いのような心理戦を得意とする河本ほむら氏。それで単にアドベンチャーゲームやカードゲームであれば分かりやすいのだが,今回プレイアブル出展されているのが,縦スクロールシューティングゲームのパートである。しかも,そのパートを開発しているのが「星霜鋼機ストラニア」「旋光の輪舞」などを手掛けたグレフという,生粋のシューティングゲームメーカーだ。

 シューティングゲームパートのシステム自体は,グレフ製のゲームらしく多少ややこしい部分はあるものの,比較的分かりやすいほうだ。敵を倒すと「マテリアル」という緑色のアイテムが出現し,それを入手すると「アウトバーストゲージ」が増加。同ゲージが20%以上あるときは,誘導弾の「アウトバーストショット」か,広範囲攻撃の「アウトバーストボム」を使用できる。なお,自機は残機制でなく耐久力制だ。

 プレイ感はだいぶ違うが,仕組みとしては「Gダライアス」の“キャプチャーした敵にショットを撃たせるか,αビームに転換するか”という選択に似ている。そういえばグレフは「Gダライアス」開発スタッフによって結成された会社だった。

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 道中にはザコも出てくるが,基本的にはボス戦がメインの設計となっているようだ。ザコはスコア稼ぎのポイントではなく,アウトバーストゲージの回収用と考えるといいのだろう。

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 ボス戦のトドメは通常攻撃では行えず,リナが放ってくる爆撃を吸収してボムを叩き込む必要がある。プレイ感はだいぶ違うが,仕組みとしてはこれまた「Gダライアス」のαビームカウンターに似ている。

シューティングゲームにおけるボスの出現アラートはおなじみだが,ここまで来ると別の意図……強いオマージュに思えてくる
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トドメはボムで! このあたりの演出はカジュアルゲーマー向けといった印象
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 ボス戦の前やステージ間にはデモシーンが挿入されるが,ここで展開されるストーリーが実に謎だ。ストーリー自体に謎があるのはもちろんだが,それ以上にシチュエーションが謎すぎる。

 主人公・春秋千石は,ペットボトルに火薬を詰めた爆弾で莇(あざみ)リナという女性の家族を殺害したという冤罪がかけられているらしい。ここまではいい。
 千石とリナは“ユルキルランド”という場所にいて,リナは執行人として千石の処刑を狙っているようだ。よく分からないが,まあゲームなりのファンタジー要素として理解できなくもない。

 そして,千石は戦闘機を駆り,リナの操縦する変形合体マシンと戦うことになる。なんでや! なお,千石の反撃は罪状を否定する「反証行為」であり,千石とリナの戦いはある種の精神的な攻防でもあるらしい。だからなんでや! 単に混沌としているなら,それはそれとして理解できるのだが,こうなっていることに何か理屈があるようなので,頭にクエスチョンマークが3つくらい浮かぶ。

ジェットコースターのように繰り広げられるバトル。なお,今回の試遊版では,狐面の“びん子”に関しては説明的なセリフすらない
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 ほとんど分からないながら印象だけを述べると,河本氏の「ブッ飛んだ舞台設定における殴り合いのような心理戦」が,グレフのシューティングゲームで超加速されているといったところだ。清原 紘氏によるスタイリッシュなビジュアルや,小見山優子氏によるハードな音楽も,その尖りぶりの鋭さに磨きをかけている。

 シューティングパートについて,筆者は幕間のミニゲーム的なものかと思っていたのだが,実際のところ驚くほどしっかりと作られている。演出が派手すぎて視認性が良くない,UIが画面端にあって確認しづらいなど未完成な部分は感じられるが,それにしても「グレフらしい」シューティングゲームの新作を久々にプレイできたことは喜ばしい。イザナギゲームズのスタッフに話を聞いたところ,シューティングゲームのパートだけを遊べるアーケードライクなゲームモードも実装予定だという。

 本作にはシューティングゲームのほかに,脱出アドベンチャーゲームのパートもあるそうだが,現時点でこれほど突き抜けた個性を見せつけているので,恐らく脱出アドベンチャーとして本気でありつつ,そちらも「普通」ではないのだろう。個人的にも続報が楽しみなタイトルだ。

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