インタビュー
[インタビュー]選手たちの友情は国や年代の壁を超えて。「プロセカ」チャンピオンシップ2024の感想を,出演者たちに聞いた
初披露の新曲による戦いも!「プロジェクトセカイ Championship 2024 Autumn Powered by ヴァイスシュヴァルツ」レポート
セガとColorful Paletteは2024年12月8日,公式大会「プロジェクトセカイ Championship 2024 Autumn powered by ヴァイスシュヴァルツ」の「準決勝」と「決勝」を開催した。今大会では,決勝だけでなく準決勝の各試合にも,未発表の新曲が使用されていた。
準決勝と決勝に未発表の新曲も使用された今回のチャンピオンシップだが,いままで以上にレベルの高いプレイが目白押しで,観客としても手に汗握る展開ばかりだった。
前回の王者「STK選手」など,多くの強豪選手が出場するなか,激戦を制し優勝をもぎ取ったのは,13歳の若きスターと言ってもいい「れ選手」だ。
そんな熱い大会の終了後,今大会のMCとして進行を行った太田博久さんと,アシスタントの中島由貴さん,実況を担当した柴田将平さん,解説の社築さんの4名に大会の感想などを伺った。
■「チャンピオンシップ2024」出演者
太田博久さん / お笑いグループ・ジャングルポケット
中島由貴さん / 声優(日野森志歩 役)
柴田将平さん / アナウンサー
社築さん / バーチャルライバー(にじさんじ)
「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」公式サイト
「プロジェクトセカイ Championship 2024 Autumn Powered by ヴァイスシュヴァルツ」公式サイト
プロセカでつながるプレイヤーたちの絆
4Gamer:
準決勝の4試合と決勝戦,どの試合も白熱した内容でした。まず,大会を終えての感想をお聞かせください。
太田博久さん(以下,太田さん):
「プロセカ」の大会は,2年ぶりにMCとして参加させていただきました。ただ,出演していない大会も視聴はしていまして,毎回熱い戦いが繰り広げられている記憶があります。
そのなかでも,今回はとくにドラマチックに感じましたね。決勝では,韓国勢の中に唯一13歳の日本人がひとりだけ。その大舞台でプレッシャーを跳ね除けて,その彼が優勝するっていうのが,なんだか映画やドラマのような展開で,胸が熱くなりました。
もちろん,どの選手も並々ならぬ思いでこの大会に向けて練習して,なかにはチャンピオンシップに向けて鍛錬する配信をされている方もいて,この大会に向ける思いのすごさを感じていました。
中島由貴さん(以下,中島さん):
私は1年ぶりくらいに,このチャンピオンシップにお邪魔させていただいたんですけれども,選手や試合内容のレベルアップの度合いがすごいというかなんというか……。アシスタントとして出させていただくたびに,毎回すごいな,感動するなって言ってはいるんですが,今回も泣きそうになっていました。
選手の皆さんが,いままで頑張ってきたものを全力でぶつけていました。その結果,ドラマが生まれると言いますか,すごく心を揺さぶられたんです。
私自身も,もっと「プロセカ」を遊びたいっていう気持ちになりましたし,キャラクターの声を担当しているキャストとしても,もっと「プロセカ」を広めていきたいという気持ちにもなりましたね。
柴田将平さん(以下,柴田さん):
感想の前に,ひとつ訂正させてください。
優勝した“れ選手”は,初めての大会出場と説明していたのですが,実は2023年春の「プロジェクトセカイ Championship 2023 Spring powered by ヴァイスシュヴァルツ」で,「U-12部門」に“まろやかれおちゃ♪”という選手名で出場していました。
その時には最後にミスをしてしまい,惜しくも優勝を逃しているんです。そこの経験があっての今大会への参加で,優勝したというのは,その成長度合いが本当にすごいなと思いました。今回,やっぱり一番インパクトに残ったのはそこですね。
社築さん(以下,社さん):
「男子,三日会わざれば刮目して見よ」と言いますから。3日どころか1年半くらい経ってますけれど(笑)。若い方ということもあってか,本当に成長が早いですね。
“れ選手”は,ちょっと見覚えある顔だなって思っていたんですよ。ただ選手名が変わっていましたし,確信もなくて,顔が似てる人だったら申し訳ないみたいなところもあって言えてなかったんです。大会が終わってから確認しまして,やはり彼だったのかと。
あの時から実力を伸ばして,本番の緊張にも打ち勝って優勝したのはすごいです。決勝はかなりアウェーな雰囲気だったとも思いますし。
でも一番印象に残ったのは,“れ選手”が優勝したときに,ほかの3人が彼の優勝を称えてハグをした場面でしょうか。美しくないですか?
太田さん:
あれは美しかったですね。
社さん:
「プロセカ」というコンテンツを通じて,年齢や国などが違う人たちがつながる。なんか素敵な大会だなって思いましたね。
中島さん:
しかも“れ選手”が小柄なため,ハグされると埋もれるっていう。あれがちょっと可愛かったです。
4Gamer:
各試合で印象に残ったシーンなどあれば教えてください。
太田さん:
いろいろありますけど,僕はやっぱりあれですね。
今回は準決勝も3曲目が新曲でしたが,グループCで「のだ」(作詞・作曲:大漠波新)と発表されたときに,matezon選手が,すぐさま指を動かしながらシミュレーションしていたんです。
この曲だったら,譜面はこういうふうになるんじゃないかっていう予測をしていたんだと思うんですけど,そんなことあり得るのかなって思っていたら,フルコンボですごいスコア出して驚きました。
柴田さん:
もう格闘家と一緒ですから。相手が決まった段階で準備を進めるみたいな。
太田さん:
相手の技に対する対策みたいに,このメロディーのときにはこういう感じ,この部分はこうなんじゃないかって予想しているのかな。「プロセカ」の大会にスポーツ性を感じたことがあるのですが,それが理由かもしれないですね。
中島さん:
今回はグループごとに色がありました。グループAの皆さんは,「みんなで頑張ろうね。楽しもうね」みたいな雰囲気があって,隣り合っていたSTK選手とmido*選手は,拳を突き合わせて頑張ろうみたいなことを裏でやっていたんです。
個人戦なのでバチバチするんだろうなって思っていたんですが,一緒にいまこの瞬間を楽しもうっていう雰囲気で,みんな優しいし,いい人だなって。すごく微笑ましくて,「プロセカ」は素敵な方々に愛されているんだなと思いました。
太田さん:
そういったグループAの行動によって,今大会の雰囲気が作られた気もしますね。
柴田さん:
選手たちのつながりっていうのは大会の序盤から感じていましたが,決勝のあと,表彰された4人をほかの選手たちがスタジオの出入口で出迎えていたんです。それがかなり印象的でした。
あと過去一番,楽屋が騒がしかったんじゃないかなと思います。出場選手が,みんなで賑やかに喋っていました。この大会で久しぶりに会った人もいて,喋ることも多かったのもあると思いますが,大会をきっかけに初めて会った人とも,キャラであったり曲であったり,共通言語として「プロセカ」があるので話も尽きないんだろうなと。
そのような人のつながりは,「プロセカ」のリリース時からいままでのあいだに,どんどん深まってるんだろうなと感じました。競技勢だけでなく,一般の方もこうしたつながりが増えているんだろうなと思うと,ゲームというコンテンツはいいなと改めて思いましたね。
4Gamer:
4Gamerの控え室が選手の控え室の隣でして,試合中は応援の声がすごく,休憩中も皆さんで楽しそうに話しているのが聞こえてきました。
チャンピオンシップには何度もお邪魔していますが,柴田さんが仰っていたように,いい意味で過去一番騒がしかった控え室だと思います。
社さん:
プレイ的な話になるんですが,グループBのREN選手が,1曲目の「人生」(作詞・作曲:gcmstyle(アンメルツP))でGREAT2を出したときに,「今回はREN選手が優勝するのかな」みたいなことをちょっと思っちゃったんですよ。
本番1発勝負で「人生」をGREAT2って,本当にありえないです。今回は,ほかにもすごいリザルトをいっぱい目にしましたが,あれが一番衝撃だったかもしれないです。しばらく忘れられそうにないです。
4Gamer:
準決勝と決勝では新曲が発表され,試合にも使用されました。選手たちは初見でのプレイだったわけですが,見守っていた皆さんはどのようにご覧になっていましたか。
太田さん:
決勝の「プロトディスコ」(作詞・作曲:ぬゆり)のプレイが終わったとき,会場全体が不思議な空気になっていた気がします。
柴田さん:
選手と出演者,全員がこれまでのリアクションと違いましたよね。
太田さん:
そうなんです。「やったー!」とか「くそー」とか「難しかったな」みたいなものではなく,「何? 何これ?」みたいな雰囲気でした。譜面には,こんな変化球もあるのかと……。
決勝で争うレベルの選手たちでも対応しきれない部分もあって,「プロセカ」側からの挑戦状でもあったのかなと思います。
社さん:
いままで,通常ノーツの中にトレースフリックが入っている形はなかったんです。それを,初見の本番でやらせるかという衝撃はありましたね。
中島さん:
STK選手がプレイし終わったあと,納得がいかないような様子でした。何度も「は?」という顔をしていたのですが,それが何に対してか分からなくて。
太田さん:
そうそう,我々は分かってなかったんです。
中島さん:
気が付くのに,少し時間がかかりましたね。
社さん:
僕も,あの譜面は戸惑いますね。なんでこんなもんやらせんねんみたいな(笑)。
4Gamer:
先ほど優勝者した“れ選手”にインタビューをしたのですが,あれは分からないと驚いていました。
社さん:
でもつないでましたよ!
太田さん:
すごいですよね。初見でなくとも,僕には無理かな……。
社さん:
画面にそのノーツが映ってから,指で押すまでに0.何秒しかないですから。その一瞬で判断ですからね。
中島さん:
選手の皆さん,新曲のときには,同じように「は?」みたいな声を出していたんですよ。
太田さん:
そうですね,生の声ありましたね。
中島さん:
そこは,みんな一緒なんだなって。
私も,初めてプレイする楽曲で新しい譜面を見たときに「何だこれ?」ってなることもあるので,上手い人たちも同じような気持ちになることがあるんだと思って,ちょっと勇気をもらえました。でも,自分があれを初見でやれって言われたら絶対できないなっていうのも,改めて感じましたね。
4Gamer:
チャンピオンシップも回数を重ねてきましたが,大会の魅力というのはどのようなところにあると感じますか。
柴田さん:
成長記録かなと思うところはありますね。それほど頻度が多くないなかで,選手たちはちゃんとレベルアップしてくるんです。曲がレベルアップしているのはゲーム内で分かりますが,選手のレベルアップというのは,試合でのプレイを通じないと,分かりにくいところもありますから。
また競技として,みんなが高いレベルで競い合える場があるというのは,すごいことだと思います。今後も定期的に開催してほしいですけど,譜面がどんどんすごくなっていくので,僕の喋りがついていけるのかどうかが心配です(笑)。
中島さん:
解説が追いつかないですよね。
社さん:
いまでも,解説しようかなと思っていたパートが一瞬で流れてしまうので,喋るタイミングが難しいことも多くて。本当に展開が早いんですよ。
一昔前までは,高難度もレベル30や31くらいでした。そのあたりだと,難所とそうじゃない場所とで結構メリハリがあり,そろそろ難所が来ますよみたいなことも言えたんです。
いまは大体全部が難しいので,「あっ,いま難しいです」「いまムズいです」「いまもムズいです」「終わりました」みたいな(笑)。
太田さん:
準決勝で,2曲ともレベル37とかもありましたしね。
社さん:
あれ,去年の決勝の2曲ですからね。
中島さん:
引き当てちゃって,ごめんねー(笑)。
社さん:
本当にヤバイのが出たと思いましたよ。
柴田さん:
そんなレベルの高い楽曲を前に,成長を感じさせてくれる選手たちってやっぱりすごいなと思えるのが,大会としての魅力なのではないでしょうか。
中島さん:
選手たちを含めて,「プロセカ」のプレイヤーたちは,いいひとが多いんですよね。
仲も良くて,SNSでは「#プロセカCS」のハッシュタグをつけて,選手たちにおめでとうってお祝いしている方たちもたくさんいるんです。本当にすごいなと,できた子たちばっかりだって思います(笑)。
4Gamer:
もはや,お母さん目線ですね。
中島さん:
お母さん目線ですよ! それに選手の皆さんの多くはお若いじゃないですか。めっちゃ10代みたいな。
柴田さん:
「プロセカ」のリリースやイベント初期の頃と比べると,プレイヤーへの見方が変わってきていますよね。当時は同年代くらいだと思っていたら,いまは親くらいかなと。
中島さん:
若い方たちがどんどん出てくるので。
太田さん:
先ほど柴田さんが,「プロセカ」がつなぐ絆みたいなことを仰っていましたけど,僕がたまたま見たYouTubeの配信では,選手同士が一緒に練習してる姿がありました。
選手たちのなかには,YouTubeやTikTokなどを利用して,チャンピオンシップに向ける自身の活動を発信している人たちもいて,そういったストーリーを見てからこの決勝を見ると,また違うドラマ性も感じられる気がします。
選手たちからは,試合に勝ちたいというだけでなく,チャンピオンシップを盛り上げようという気持ちも伝わってきます。SNSの活用を含め,なんだか新しい大会の形みたいな,これが魅力なんだろうなというのもすごく感じました。
4Gamer:
選手それぞれのバックボーンを知っていると,また見方が大きく変わってきそうですね。
では最後に,「プロセカ」や現在のお仕事での目標があれば,お教えください。
柴田さん:
ラスベガスで大会をやってほしいです!
太田さん:
ラスベガス大会いいですね!!
社さん:
ラスベガスに行きたいかー? みたいな(笑)。
4Gamer:
ラスベガスではなくても,海外で「プロセカ」の大会が開かれるのもいいかもしれないですね。海外プレイヤーも多いですし。
太田さん:
これだけ韓国勢が強いのなら,韓国大会はやってほしいですね。
柴田さん:
韓国の選手で,日本の仲間に会いたいから予選を通過できるように頑張ったという人が多いんです。韓国で大会を開催したら,日本の選手も韓国の選手に会いたいからという理由で頑張る人もいるんじゃないでしょうか。そういった絆がより強まるのも,大会の魅力のひとつだと思います。
あと配信のなかでも触れましたが,会場に観客を入れてのオフライン大会というのは夢ではありますね。新曲が発表されたときのどよめきや,すごいスコアが出たときの歓声とかを,直に感じてみたいです。
選手たちには,これまでとは違ったプレッシャーがかかるとは思いますが,それも味わってもらえたら本当に一生の思い出になると思うんです。
中島さん:
オフラインイベントの「プロジェクトセカイ アニバーサリーフェスタ 2021」はすごかったですからね。新楽曲が発表されたときは,かなり盛り上がりましたよね。懐かしい。
あのときの新曲が「ロストワンの号哭」(作詞・作曲:Neru)で,私から発表させていただいたんですけど,発表するタイミングにもルールがあって,ここでCUE(合図)するから絶対に言ってくださいっていう。
社さん:
そうだったんだ。
中島さん:
けっこうドタバタもあってドキドキしていましたが,無事に発表できてよかったです(笑)。リアルイベントの緊張感とかも独特なので,実現してほしいですね。
柴田さん:
太田さんも,スタジオでネタやるのとお客さんの前でネタをやるのって違いますか。
太田さん:
それはもう全然違いますよ。うねるような感覚というか,オフラインでやる良さは僕らもすごく感じています。
社さん:
僕,「アニバーサリーフェスタ」は解説で出演していましたが,選手としても出場していたんです。でも緊張もあって,めっちゃボロボロの結果だったんですよ。いまは結構慣れてきたので,オフラインが実現したらリベンジしたいです。
中島さん:
スペシャルチームマッチでしたよね。そうだ。
社さん:
あれで負けちゃったんですよ。しかもめっちゃ足を引っ張って。
中島さん:
前にもありましたけど,「プロセカ」好きなアーティストの方やタレントの皆さんとかと一緒に,こういう大会もできたらいいですね。
キャスト枠とかあると呼ばれちゃうかも知れないのでドキドキしちゃいますが,あったら頑張ります。
4Gamer:
オフライン大会,ぜひ実現を期待しましょう。本日はありがとうございました。
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