プレイレポート
[TGS 2019]「プロジェクト レジスタンス」のインプレッションをお届け。「バイオハザード」の世界で1vs.4の非対称オンライン対戦を楽しめる
本作は,「バイオハザード」シリーズの世界観を舞台にした,1vs.4の非対称オンライン対戦サバイバルホラーだ。プレイヤーは,策略を巡らせて状況を操る「マスターマインド」と,4人で協力し脱出を図る「サバイバー」に分かれ,駆け引きを繰り広げることとなる。なお,本作は“ワーキングタイトル”の位置づけとされており,発売は未確定,タイトルも仮称と考えていいだろう。
本稿では,今回の出展に先駆けて実施されたメディア向けのハンズオンデモで得られた情報を,プレイインプレッションを交えてお届けしていく。また,プレイ内容を解説したムービーも掲載するので,試合の流れを確認したい人はこちらにも目を通しておこう。
「PROJECT RESISTANCE」公式サイト
策略を巡らせるマスターマインド
サバイバーとの頭脳戦に勝利せよ
本作の舞台となるのは,アメリカ北西部にあるバイオシリーズではおなじみのラクーンシティ。この街の中心的な存在であり,国際的な製薬企業であるアンブレラ社は,公共の医療と福祉への貢献を標榜する一方で,生体兵器の開発という裏の顔を持っている。
アンブレラに生体兵器開発の実験体として拉致された4人のサバイバーは,協力して施設からの脱出を試みる。しかし,施設内にはバイオハザードシリーズでおなじみのクリーチャーが徘徊しているうえにさまざまなトラップが配置されているため,やすやすとは逃げられない。
そんな中,アンブレラ側の人間であるマスターマインドは,逃げ惑うサバイバーを監視カメラで観察し,彼らの恐怖に対する行動やその対処方法を収集していく。
本作は,1vs.4の非対称対戦ゲームということで,サバイバー側とマスターマインド側で
勝利条件が異なる。サバイバー側の勝利条件は,タイムカウント(制限時間)がゼロになる前に3つのエリアを突破し,施設を抜けだすことだ。なお,最終エリアからの脱出は4人全員がそろっていなくても可能で,1〜3人だけが脱出してゲームを終えることもある。
言うまでもないが,誰1人脱出できずにタイムカウントがゼロになれば,マスターマインドの勝利となる。
施設からの脱出を図るサバイバーに対して,マスターマインドはエリア内に設置された複数のカメラでサバイバーを監視し,クリーチャーやトラップを配置して脱出を妨害する。なお,マスターマインドは,サバイバーの位置やマップに配置されたギミックなど,多くの情報を全体マップで確認できるので,サバイバーの思考の先を読んで妨害ができるようになっている。
マスターマインドは,それらの情報を活用しつつカメラでエリアを監視し,見える範囲にクリーチャーやトラップを配置していく。また,カメラに銃器を展開し,サバイバーを直接攻撃することも可能だ。これらのアクションはすべて一定のコストを消費するのだが,コストが高いほど得られる効果も高くなっている。コストは時間の経過で回復していくが有限なので,効果的にクリーチャーやトラップを配置していくことが重要なわけだ。
ほかにもマスターマインドは,一定時間ドアをロックしたり,照明を消して周囲を暗闇にしたりできる。これらのアクションはコストを必要としないが,いずれもクールタイムが存在し,1つのドアや照明を連続して操作はできない。マップを確認しつつ,サバイバーが近づいたタイミングを見計らってアクションを実行するといいだろう。
マスターマインドは,基本的に監視カメラを介してサバイバーの妨害を行うが,指定のクリーチャーに乗り移って直接サバイバーを攻撃することもできる。マスターマインドの乗り移ったクリーチャー(スレイブ化と呼ばれる)は,目が赤く光るので,サバイバー側からも認識ができるようになっている。
また,マスターマインドは,B.O.W.(有機生命体兵器)の頂点・タイラントをスキルで呼び出せる。タイラントはスレイブ化したクリーチャーと同じく,プレイヤー自身で操作することになるが,極めて高い攻撃力と耐久力を有するため,サバイバーが強力な武器を持たない限りは好き放題に暴れられる。なお,タイラントは1分経過すると自動で消滅するうえ,クールタイムが長く,何度も使用できない。ここぞの場面の切り札として使っていきたい。
マスターマインドを操るうえで大切なのは,サバイバーの先を読むこと。サバイバーはキーアイテムがある部屋にかならず立ち寄ることになるので,出入り口付近にトラップやクリーチャーを配置するのは基本的な動きとなる。また,部屋に入って右往左往しているところを直接狙撃したり,照明を消したりするといった嫌がらせを重ねることでさらに時間が稼げるはず。
時間を稼げば稼ぐほどコストが回復するので,次にサバイバーが行かざるを得ない場所に先回りして仕掛けを作っていく……といった動きができれば理想的だ。
しかし,キーアイテムがある部屋のみにトラップやクリーチャーを配置すると,サバイバー側にヒントを与えることにもつながってしまう。まったく関係のない場所に仕掛けを作って,サバイバーを欺くことも時には必要となりそうだ。
サバイバーは仲間との協力が不可欠
チーム一丸となり,状況を打開せよ
一方,4人チームで行動するサバイバーは,それぞれの役割が決められており,連携・協力してクリーチャーやトラップを排除し,各エリアからの脱出を図ることになる。
役割は,「アタッカー」「タンク」「ハッカー」「サポート」の4種類で,アタッカーとタンクが前線で戦い,ハッカーとサポートは後方で支援,妨害を仕掛けていくことがチームの動き方となる。
また,今回のハンズオンでは4つの役割が定められた4キャラが使用できるが,キャラ被りは不可能となっていた。キャラ選択は早い者勝ちのルールだったので,使いたい役割がある場合は急いで選択したほうがいいだろう。
サバイバー側の操作感は,従来のバイオシリーズとほとんど変わらない。近接武器や銃火器で攻撃ができるほか,閃光手榴弾や破片手榴弾といった“面”で制圧できる武器も入手すれば使用できる。なお,各種アイテムはエリア始めのアイテムボックスで購入も可能だ。購入に必要なお金はマップに落ちていたりするので,こまめに拾っておきたい。
また,クリーチャーなどからダメージを与えられると段階的に体力と移動力が低下していくのも従来作と同じ。本作はサバイバー側のキャラが死んでしまってもすぐにリスポーンできるが,制限時間が多く削られてしまう。グリーンハーブやサポートキャラのスキルで体力を回復できるので,致命傷をもらう前に回復することを心掛けたい。
サバイバーは,それぞれのキャラに固有のスキルが設定されており,脱出の手助けになる強力な効果を発揮してくれる。スキルは,「パーソナルスキル」と「フィーバースキル」の2種類が用意されており,いずれも発動後,クールタイムを経て再使用可能だ。
スキルは積極的に使っていったほうがいいのは確かだが,いざというときにクールタイム中なんてことにならないよう,きちんと発動タイミングは図るべきだろう。とくにフィーバースキルは強力な効果ばかりとなっているので,相手の厄介な仕掛けに対して,対抗策として使っていこう。
サミュエル・ジョーダン(サム)
ロール:アタッカー
・パーソナルスキル「ダッシュパンチ」
付近にいる敵にダッシュしてパンチを繰り出す
・フィーバースキル「鋼の拳」
敵にボクシング仕込みのワンツー攻撃を繰り出せる。ただし,このスキルが発動中は素手による攻撃しかできない
ジャニアリー・ヴァン・サント(ジャン)
ロール:ハッカー
・パーソナルスキル「オーバーロード」
干渉装置を使って監視カメラを無効化し,マスターマインドの行動を妨害できる
フィーバースキル「EMP」
EMPで監視カメラの機能を弱め,マスターマインドの行動を妨害できる
ヴァレリー・ハーモン(ヴァレリー)
ロール:サポート
・パーソナルスキル「生存本能」
仲間が見つけやすいよう,付近のアイテムや脅威を強調表示できる
・フィーバースキル「スプレーヒーリング」
効果時間限定の救急スプレーを使い,付近の仲間を治療したり強化を与えたりできる
タイローン・ヘンリー(タイローン)
ロール:タンク
・パーソナルスキル「突き蹴り」
強力なキックで目の前の敵を攻撃できる
・フィーバースキル「サバイバル・エール」
仲間の士気を上げ,一定時間の間受けるダメージを軽減する
サバイバーがエリアから脱出するには,必要なアイテムを探し出して所定の位置にセットする,特定のクリーチャーを倒してカードキーを入手し,セキュリティシステムを解除するといった条件がある。さらに,第2エリアまで※は,条件を満たしたうえで4人全員がエリア出口の前にそろわないと,次のエリアに進めないようになっている。
※最終エリアのみ,1人ずつでも脱出が可能となっている
そのため,サバイバー間の情報共有は必須だ。誰かがキーアイテムを入手したり,出口を開く条件を満たしたりすれば,その旨のメッセージが表示され,UIやマップ上のアイコンも変化するのだが,クリーチャーと交戦していると気が付かないことも多い。サバイバーの目的はあくまでも施設からの脱出なので,状況を常に把握し,それを念頭においた行動をしていこう。
今年秋にはクローズドβテストの実施も
新感覚の対戦ホラーアクションを体験しよう
今回のハンズオンデモでは2時間弱ほどプレイしたが,説明を受ける以上にマスターマインドとサバイバーそれぞれのおもしろさを実感できた。
例えばマスターマインドであれば,初期状態で何体かクリーチャーが配置されているので,何もしなくともサバイバーが戦々恐々としながらエリア内を探索している姿を観察できる。その隙にクリーチャーを大量に配置してモンスターハウスを作り出したり,サバイバーが集まっている場所の照明を落としたりするわけだが,思惑どおり嫌がらせが成功したときは痛快だ。
しかしサバイバーもやられっぱなしではない。数回繰り返しプレイしているうちにサバイバーはエリアのマップを覚えられるので,「だいたいこの辺りにキーアイテムがあるだろう」と当たりを付けて,クリーチャーやトラップを可能なかぎり無視して出口を目指すようになってくる。そうなってくると,マスターマインドもうかうかとはしていられなくなる。刻一刻と変化する状況に合わせ,サバイバー側の思考を読み取って,すばやくクリーチャーやトラップを配置する必要性が出てくるのだ。
本作の醍醐味は,こういったマスターマインドとサバイバーの頭脳戦,そしてそれに伴うタイムカウントを巡る攻防にあると感じられた。
今回のハンズオンデモで筆者がとくに面白いと感じたプレイは,同行した編集者が行っていたマスターマインドでキーアイテムを持つ警備員ゾンビをスレイブ化して操作する遊び方だ。
まず警備員ゾンビを操作して出口付近まで移動させ,スレイブ化を解除する。そしてクリーチャーを複数配置しておき,サバイバー達がエリア内を探索している姿を高みの見物。そしてサバイバーが近づいてきたところで,タイラントを召喚・操作して阿鼻叫喚の地獄絵図を作り出したのである。これは「キーアイテムを持つ警備員ゾンビもスレイブ化できる」ということに気づいた編集者のセンスの勝利だろう。
本作は,マスターマインドとサバイバーが互いに相手の行動を読み合う駆け引きが面白いゲームであることは間違いない。その駆け引きはプレイするごとに練度が高まっていき,さらにプレイヤー間で共有されていくはずなので,本作がリリースされた暁には今回のハンズオンデモとは比較にならないくらい高度なプレイが見られるようになるのではないだろうか。
なお,今回触ったビルドにはなかったが,今後ボイスチャットを実装する予定とのことで,よりサバイバーの連携・協力がやりやすくなると予想できる。また,マスターマインドからサバイバー達に呼びかけるような機能の実装も予定しているという。
そのほか,今回のビルドではマスターマインドは1キャラ,サバイバーは4キャラ,ステージも1つで固定されていたが,今後バリエーションを増やしていく予定とのこと。追加キャラには,バイオシリーズファンが喜ぶようなキャラも含まれている模様だ。
また,本作のクローズドβテストが2019年10月4日16:00から10月7日16:00(予定)まで実施される。対応プラットフォームはPS4とXbox Oneの2つで,テスターの応募期間は9月12日10:00から9月19日0:00までとなっている。発売日はおろか,発売されるかどうかも未定という本作。続報に期待が高まるところだ。
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