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印刷2021/03/06 12:00

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【PR】RAM RIDERが語る,禁酒法時代を描いたクライムストラテジー「エンパイア・オブ・シン」が持つ,ギャング映画ファンをとりこにする魅力

画像集#025のサムネイル/【PR】RAM RIDERが語る,禁酒法時代を描いたクライムストラテジー「エンパイア・オブ・シン」が持つ,ギャング映画ファンをとりこにする魅力

 1930年 禁酒法はシカゴをギャング戦争の街に変えた
 10億ドルの密造酒市場のあがりをめぐって
 各組織は手投げ弾と機関銃で血の抗争を続けた
 それはギャングの時代であり,アル・カポネの時代であった

 これは禁酒法時代のシカゴを舞台にしたギャング映画「アンタッチャブル」(1987年公開)冒頭の一節だ。実在する財務省捜査官をモデルにした主人公が,暗黒街の帝王アル・カポネを追い詰める様子を描いたクライムサスペンスの金字塔であり,僕自身もかなりお気に入りの作品だ。とくに終盤の乳母車と階段をモチーフにした銃撃戦は,映画史に残る名シーンと言われている。
 その世界観に近いゲームが最近リリースされたということでプレイしてみた。それが本作「Empire of Sin エンパイア・オブ・シン」PlayStation 4 / Nintendo Switch)だ。

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 舞台は「アンタッチャブル」と同じく禁酒法時代のシカゴ。10人以上いる癖のあるキャラクターの中から一人を選び,選ばなかった残りの敵対組織をすべて壊滅させて暗黒街の頂点を目指すクライムストラテジーだ。プレイヤーキャラクターの中にはアル・カポネの名もある。映画ではロバート・デ・ニーロが演じていた実在した人物だ。
 ゲームは1920年からスタートし,禁酒法が廃止される1933年12月5日までの約13年を舞台としている。時系列でいうと「アンタッチャブル」で描かれる時代をゲームの終盤に配置しているイメージになるだろうか。これは面白そう。

 突然の自分語りで恐縮だが,PlayStation 3やXbox 360が登場して以降のここ15年ほど,自分で好んでプレイするゲームはストーリー重視のFPSやオープンワールド系の3Dアクションがメインだった。そんな僕もファミコン現役世代であり,小学生の頃はストラテジー物もよく遊んでいて,「SDガンダムワールド ガチャポン戦士」(とくに最初のディスクシステム版「スクランブルウォーズ」)や,「ファミコンウォーズ」「ファイアーエムブレム」など,子供にも分かりやすいシステムと魅力的な世界観に魅了されたものだ。
 しかし,段々とパラメータが複雑になったり,リアルタイム選択系が台頭したりしたせいか,少しルールについていけなくなり,しばらくストラテジーゲームから遠ざかっていた。
 そんな自分が本作に興味を惹かれたのは「禁酒法時代のシカゴ」を自ら体験できる,という映画ファンとしての,そして最近のストラテジーゲームってどんな感じなのかな? というゲーム好きとしての,それぞれの目線からだ。
 最近はボードゲームで遊ぶ機会も増え,興味のある題材であれば久々に戦略,シミュレーション物もいいかもと思っていたところだった。

 プレイを開始し,選んだキャラクターはアル・カポネ。戦闘時には攻撃力の高いマシンガンで乱射できる能力を持っているらしい。複雑な要素が苦手なアクション好きにはもってこいだ。

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 ボスにはそれぞれ特別なアビリティが備わっており,血の気の多い者,商才を備えた者など個性は豊か。それこそ,「経営する店の売上がアップする」特殊能力を持つ者もいるなど多彩だ。
 こうしたボスごとの個性は,“エンディングを見る”ことだけを重視し,2周目,3周目をまずやらないで生きてきた自分でも,これなら繰り返しプレイするモチベーションになるかもしれないと思えた。

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 ゲームを始めてしばらくはチュートリアル的な解説が付く。これがスマホのゲームなどにありがちな「最初に一気に教えます! はいここ見て! 次にここ見て! 次はここ!」的なテンポ感ではなく,ストーリーを進めながら少しずつ解説してくれるので,長年のアクション脳には助かった。
 直接操作や目的地をポインティングしての移動といった基本操作を覚えると,敵対するマフィアが経営するバーに戦闘をしかけるため,いよいよ最初のターン制バトルが始まる。
 カメラを自由に動かせる箱庭感覚の視点がフィギュア好きにはちょっと嬉しい。FPS慣れしすぎているせいか初戦はやや戸惑ったが,ターゲットや武器選び,リロード,体力回復のタイミングなどRPGと共通する要素に,壁などを利用したカバーポジションの選択が加わり,過去に遊んだことのない感覚での戦いとなった。

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 見事店を奪い取ると,そこで新たな事業を始めることができる。他業種に切り替えると金がかかるが,居抜きでバーとしてオープンさせると無料でいける,というのが妙にリアルで笑ってしまった。ほかにも裏カジノや下宿,ホテルなど,さまざまなビジネスを展開することが可能だ。

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 バーの経営ぐらいは当然プレイ前から想像がついていたが,そこはさすが禁酒法時代がテーマの本作だけあり,政府に隠れて酒を生産する「密造酒製造工場」が重要なファクターとして取り入れられている
 美味い高級酒を密造するにはそれなりの原料も必要だし,それを卸す先のバー経営にしても治安や集客効果,「客がどんな酒を好んでいるのか」などの要素が絡んでいて,想像以上に本格的。ここだけ切り取っても本格的な「酒業界シミュレーション」といった感じがする。

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 ひととおりプレイを進めていくと,一人,また一人とライバルのボスが介入してくる。相手によっては呼び出しを要求され,期限までに会いに行かないと勝手に交渉決裂となるケースもある。バトルはターン制だが,街を歩いているときには絶えず時間が流れ続けるリアルタイムシステムなのもユニークだ。
 そういえば「ガチャポン戦士」も初期はストラテジー+リアルタイムアクションバトルだったなと,どうでもいいことを思い出しながら隣のシマを牛耳るマフィアに会いに行く。

 まずは「対話」モードで慎重に言葉を選び,手っ取り早く喧嘩を売って奪いにいくのか,一時的にでも協力態勢を取るのかを考えながら,会話を進める。銃を使って脅すのもいいが,相手が挑発に乗るまでゆっくりと追い込むのもいい。
 映画「アウトレイジ」をRHYMESTERの宇多丸さんが評した際の,「ヤクザは言質の取り合い」といった雰囲気だ。この会話劇パートもゲームの重要な要素であり魅力と言えるだろう。

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 とりあえず序盤は,殺し屋や闇医者を雇い入れてチームを作っては敵対する店を次々と襲撃し,少しずつ支配下の店を増やして足場を固めてみた。しっかり助っ人に金をかけて戦いに臨むも良し,最低限の戦闘要員で戦略的に倒すも良し,という選択の余地もこういうゲームの良さなのかもしれない。
 ストーリーを進めるうちに警察との三つ巴,などというシチュエーシェンも登場。より映画好きにとって好みな展開になってきたが,戦闘時は当然それぞれが「妙にリアルな駒」なわけで,そのフィギュア感もボードゲームっぽくてやはり良い。

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 このようにターン制ストラテジー,リアルタイムストラテジー ,経営シミュレーション,会話劇によるアドベンチャーゲームなど,いくつかの独立したゲームが「禁酒法時代のシカゴ」という一つの舞台に多重に絡み合っているのが,本作の魅力だろう。
 この作品に限らず禁酒法時代を描いた物語では,現代ではコンビニなどで手軽に買える「酒」を巡って巨大なブラックマーケットが作られ,血で血を洗う争いが多く起こっていたという事実そのものが,すでにある種のおかしみを抱えている。警察も飲酒自体はそれをほぼ取り締まらず,野放しだったらしく,ギャングにとってはきっと輝かしい黄金期だったのだろう。
 「アンタッチャブル」「シカゴ」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」といったアメリカ禁酒法時代を扱ったギャング映画ファンはもちろん,最近であればNetflixで配信されているイギリス・バーミンガムを舞台にしたアイリッシュ系ギャングドラマ「ピーキー・ブラインダーズ」など,マフィアの立志伝が好きな人にはオススメの一本だ。

■■RAM RIDER(ミュージシャン,音楽プロデューサー)■■
1990年代中頃に音楽活動を開始。現在は自身のレーベル「401」から精力的に作品をリリースしつつ,ライブ,DJと並行しアーティスト,バンド,アイドルのプロデュースや,TVドラマの劇伴,映画,舞台への楽曲提供など活動の幅を広げている。


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[2021/02/24 18:00]
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[2021/02/19 12:00]

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