プレイレポート
[プレイレポ]「Mecha BREAK」限定先行βテストに参戦。メカならではのロマンにあふれるフィーチャーがファンの心をつかんで離さない
なお,Steamストアページではβテストの参加リクエストを受付中だ。
「Mecha BREAK」公式サイト
本作は,中国のAmazing Seasun Gamesが2025年内のサービスインを予定している3Dメカアクションヒーローシューターだ。「機動戦士ガンダム00」「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の柳瀬敬之氏,「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」「勇気爆発バーンブレイバーン」に携わった石垣純哉氏といったメカデザイナーも参加し,メカファンから注目を集めている。
これまでにクローズドテストやプレミアイベントが行われているが,今回はゲームのさまざまな要素を体験できるテストだ。
最大60人が入り乱れて戦う「マシュマーク」モードが披露された,「Mecha BREAK」オフラインイベントをレポート
Amazing Seasun Gamesは3月23日,「Mecha BREAK」のオフラインイベント「マシュマーク先行プレミアイベント ワールドツアーin東京」を開催した。最大60人が広大なフィールドに入り乱れてPvPやPvEで戦う,「マシュマーク」モードをファンが熱中して遊んだイベントの模様をお届けしよう。
本作では,特殊なパイロットが操る人型メカ「メカブレイク」(以下,MB)が新たな資源「EIC原石」を巡って戦い続ける物語を描いている。
「メカデザインは美的デザインではなく,軍事的な現実に基づいた工業デザインである」というキーワードのもと,機械骨格の上に装甲版が乗り,それぞれが独自に動くこだわりのメカデザインが大きな見どころとなっている。今回のβテストでは「ステーゴ」と「ピナカ」と呼ばれる機体が新たに追加されている。
ステーゴは全身に実弾兵器を積み込んだ超重量攻撃機だ。範囲ダメージを与える「ロケットランチャー」と,放物線を描いて飛ぶ「連射ロケットランチャー」を持ち,攻撃力はかなり高い。
さらに「砲台フォーム」に変形すれば,動けなくなる代わりにロックオンできる距離が向上し,前方にバリアを張ったうえで無数のミサイルを発射する「マイクロミサイル」が使用可能になる。砲台フォームとなったステーゴはバリアの効果もあって,そうそう攻め崩せない。また,「妨害型発煙装置」で煙幕を張れば,味方の装甲リチャージ速度やEN防御も上げられるため,攻防両面の中核となれる。
オリーブドラブを基調としたカラーリング,全身に装備されたマイクロミサイルはミリタリーの香りも高く,リアル系ロボットアニメ好きにはたまらないデザインと言えるだろう。
ピナカは中量支援機のカテゴリ。味方の修復にフォーカスした機体だ。メイン武器である「クイック修復パーツ」は味方MBに接触して修復を行うもので,攻撃能力を持たないところが本機を象徴している。
また,近くの味方を修復し続ける「修復ドローン」や,スタッガー(硬直)と麻痺の無効化+継続修復する「緊急支援ドローン」を持ち,さまざまな手段で味方をサポート可能だ。緊急支援ドローンは強力だが,背中にある光輪状のパーツを分離させるため,その間は同じパーツから多数の弾を発射する「スプリットカノン」が使えず,自衛手段を1つ失うことになる。
ユニークなのが「空中投下パーツ-防壁」だ。攻撃や移動を妨げる防御壁を空中から落とすというものだが,守りにおいて頼もしいのはもちろん,壁を敵MBに直撃させれば大ダメージを与える。油断した敵にぶつければ,実に爽快だ。
このように本作のMBには,メカファンの心に突き刺さる要素が詰まっている。
例えば,ステーゴの砲台フォームは移動自体を犠牲にして高火力を得る。「機動戦士ガンダム」第19話ではハヤトがガンタンクの下半身を捨てて,上半身のみで戦場に残ったエピソードが語り継がれているように,メカの機能を駆使した戦術やモードチェンジ,何かを犠牲にして特化した能力を得るというフィーチャーはメカファンの大好物だ。
また,ピナカは緊急支援ドローンとスプリットカノンを使用できるが,どちらも同じパーツを必要とするため,同時に併用できない。「同じパーツだから」というメカ的な説明に加え,前述の犠牲や特化のフィーチャーであり,集団戦で仲間に希望を託すあたりもリアルロボットアニメのテイストが漂う。
本作はヒーローシューターである。近年,同ジャンルの作品は多いが,メカならではのロマンあふれるフィーチャーにより差別化に成功していると感じた。
だから「龍淵」はアーマーをまとった状態で出撃し,HPが尽きてもアーマーを外して戦闘を継続できる。体力ゲージが2本あるようなもので,言い換えれば「2回倒さない」と撃墜したことにならない。対戦ゲームとしてはイレギュラーだが,アーマーの脱着はメカならではのロマンなので,むしろ歓迎だ。
「ファルコン」は戦闘機のような姿に変形し,視界に捉えることすら困難になる機動性を誇るが,これもメカのロマンである。「トライセラ」は「要塞フォーム」になるとすさまじい防御力を発揮し,撃っても撃ってもビクともしない。「鳴神」は狙撃機なのに「光学迷彩ドローン」で身を隠せる。
MBはいずれも強い個性を持ち,楽に撃墜できる機体は存在しない。敵に回したときには,それぞれ異なる厄介さとプレッシャーがある。これがリアルロボットアニメ的な雰囲気を醸成しており,ファンにはたまらない。
「ファルコンめ,速すぎて目で追えん!」「龍淵がアーマーを脱いで復活するぞ!」「敵は……要塞フォームのトライセラか! 周囲の味方よ,火力を集中してくれよ……」といった,リアルロボットアニメのパイロット気分に浸れるのだ。
MBに乗り込み,天地を駆ける疾走感はプレミアイベントのレポートでお伝えしたとおりだ。ダッシュも飛行も長時間持続でき,MBの力強さを存分に楽しめる。
敵も味方もスピーディに動き回るが,ロックオンは自動で行われる。ただし,敵を視野に収めるためのカメラ操作と,武器の射程内に接近するための操作テクニックは必要だ。また,優先的にロックオンを引き受けるデコイを撒く能力もあり,独特の駆け引きが生まれる。
新しい機体はゲーム内通貨で購入でき,事前に練習モードで操作チェックも可能だ。βテストでは購入した機体,それぞれに1人用モード「チャレンジ」が用意されていた。
これは「制限時間内に敵を×体撃墜する」「味方を護りながらゴールまで進む」といったミッションをクリアしていくもので,機体の特性をフル活用しなければならないバランスになっている。「これ,どうやったらクリアできるんだ……」と途方に暮れることもあるが,それだけに達成したときの爽快感は格別だ。
スタンダードを踏襲しつつ,ひねりを加えた対戦ルール
5つの対戦ルールを体験できたのも,これまでのテストとの大きな違いだ。用意された5つのマップはそれぞれのルールと結びついているので,言い換えれば「マップ=ルール」となる。
本作の対戦ルールはFPSやTPSのスタンダードを踏襲しつつ,ひねりが加えられている印象だ。
「クラオブ陥没坑」は3か所の「データノード」を占領/守備するというルールで,占領数が多いほどスコアが加算される。FPSやTPSではスタンダードなものだ。
「ミスラ・アイ」は特定の場所に出現する「暗号鍵」を入手後,マップ中央のゴールまで運ぶことになる。暗号鍵の奪い合いはもちろん,ゴールに運ぶ際には護衛といったチームプレイが重要だろう。
「メルクーリー造船所」は「輸送車」に乗り込んで中央作業所まで導くというルールだ。いわゆる「ペイロード」に似ているが,本作では敵側にも輸送車がある。MBの機動力があれば敵側の輸送車にたどり着けるので,後退させられるのが面白い。
「天空都市グレスリン」は敵を撃墜することが目的となる。リスポーンしないが,マップ上の「ビーコン」を使えば味方を復活できるため,使いどころが重要だ。
「ブラウン岬天文台」では,特定の地点に落ちてくる「地層破壊マシン」を多く解体したチームの勝利。解体中は無防備になるため,ゴリ押しは禁物だ。
今回のテストでは,中長期的なゲームサイクルも体験できた。
ライバルと対戦をすると「月虹名声」が手に入り,レベルが上がると「補給箱」「塗装資材箱」やキャラクター用アクセサリが手に入る。補給箱にはゲーム内通貨やMB用パーツが入っているが,後者にはプラスとマイナスの効果があり,とにかく装備すれば強くなるというものではないようだ。
一方,塗装資材箱からはMBのカラーを入手できるが,パラメータに影響を及ぼすものではない。アクセサリも同様だ。本作のプロジェクトプロデューサーのKris Kwok氏は,以前のインタビューにおいて「公平な競技ゲームとして,P2W(Pay to Win/勝つためには支払わなければならない)モデルにはしない予定」と語っている。
あと気になるのは,どれくらいゲームをプレイすると新しい機体を開放できるかだろう。こちらは正式サービスを待つしかなさそうだ。
多くの困難を乗り越え,理想のメカゲームを目指す「Mecha BREAK」。プロジェクトプロデューサーのKris Kwok氏にその苦労や見どころを聞いた
「チカラ!スピード!一斉砲火!」をキャッチフレーズとする対戦メカアクション「Mecha BREAK」。リアルでスタイリッシュなメカ描写で話題となった本作のプロジェクトプロデューサーであるKris Kwok氏に,開発の苦労やゲームの見どころを聞いた。
「Mecha BREAK」にはメカ好きのハートを鷲づかみにする,さまざまなフィーチャーが盛り込まれている。チュートリアルから「敵の襲撃を受けて危機に陥った主人公が,放置されていた新型機に乗り込んで戦い,大戦果を上げる」というリアルロボットアニメの王道になっているのだから,開発陣のメカ愛の深さがうかがえる。
今回のβテストでは,早くもキャラクターメイキングやMBのカラーリングに工夫を凝らしているファンの姿も見られ,正式サービスの盛り上がりがますます楽しみになってきた。
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