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【PR】オーディオテクニカの「ATH-G1」は,高音質&優れた定位感で勝利をもたらすゲーマー向けヘッドセットだ
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印刷2019/07/06 12:00

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【PR】オーディオテクニカの「ATH-G1」は,高音質&優れた定位感で勝利をもたらすゲーマー向けヘッドセットだ

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 音のプロ向けから一般消費者向けまで,多彩なオーディオ製品を扱うオーディオテクニカから,ひさしぶりにゲーマー向けヘッドセットの新製品が登場した。7月12日に発売となるのは,アナログ接続型の「ATH-G1」と,ATH-G1をベースに独自方式のワイヤレス接続型にした「ATH-G1WL」の2製品だ。

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ATH-G1
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ATH-G1WL

 同社が以前にリリースした製品は,46製品の横並び比較で取り上げたことはあったが,単体でのレビューは初めてになる。
 今回は2製品のうち,ATH-G1を取り上げたい。本製品は,名門オーディオメーカーのゲーマー向けヘッドセットに多い,「ピュア・アナログヘッドセット」になる。その実力はいかほどのものだろうか。じっくり見ていこう。

ATH-G1
メーカー:オーディオテクニカ
問い合わせ先お問い合わせ・サポート
価格:オープン価格(税込のメーカー想定売価 2万3652円前後,※2019年7月6日現在)
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「オーテク」らしいエンクロージャと少し個性的なヘッドバンド


ATH-G1と付属品。着脱可能なブームマイクと,4極3.5mmミニピン×1から3極3.5mmミニピン×2への変換ケーブルが付属している
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 まずは外観からチェックしていく。
 ツヤ消し黒色を基調としたATH-G1のエンクロージャ表面には,オーディオテクニカのロゴがグレーであしらわれており,その周囲にメタリックな青色のパーツがアクセントで差し込まれている。エンクロージャ裏側のスピーカーネットも明るい青色だ。一方,エンクロージャとヘッドバンドの長さを調整する部分は,金属の銀色がそのまま残されている。
 このロゴとエンクロージャの形状で,分かる人には「あ,オーテクだ」と分かる定番的な形状だ。

ATH-G1の外観。エンクロージャは,オーディオテクニカ製モニターヘッドフォンなどでお馴染みのデザインだが,ヘッドバンド部分の印象は大きく異なる
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左右のエンクロージャをつなぐ白黒のケーブルを露出させたデザインを採用する。ヘッドバンドとエンクロージャをつなぐ延長部分には目盛りがあり,片手で調整も可能だ
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 ただ,よく見ると,左右のエンクロージャを電気的につなぐ,ツイスト状の白黒ケーブルがあえて剥き出しだったり,ヘッドバンド部分の薄い金属板に,軽量化と通気性確保のためか,多くのスリットが入っている。また,ヘッドバンドと頭部を支えるクッションの接続に小さいネジを使っているなど,少しインダストリアル感のある外観で,やや「硬派」な印象を受ける。ゲーム用だからといって派手にはならず,ミニマルで飽きの来ないデザインを維持しつつ,少しヘッドバンド部分で個性を出した,というところだろうか。
 ヘッドバンド長を調整する部分は剥き出しの金属製だ。裏側には目盛があり,長さを調整するとクリック感がある。片手で調整できる程度に動きは軽い。

合皮カバーで覆われた頭部クッション(左)。厚みは実測で約10mm,左右の幅は同約90mmくらいだ。右はヘッドバンドを上から見たところ。頭部クッションはネジ止めなのが分かるだろう
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首像に装着して上から見た様子。金属製のヘッドバンドにいくつものスリットが入れられたうえ,頭部クッションとは小さなネジで接続されているなど,かなりインダストリアルな印象。ちょっと今まで見たことがない斬新なデザインだ
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 エンクロージャ外側のイヤーキャップ(イヤカップ)部分は,同社のモニターヘッドフォンなどで見かけるオーディオテクニカらしいデザインで,資料によると密閉型である。昨今のゲーマー向けヘッドセットと比較すると,サイズはかなりコンパクトで,実測で78(W)×100(D)×30(H)mmほどだ。なお,材質はプラスチックである。

右横から見たところ(左)。「オーテク」ロゴとメタリックブルーのワンポイントが印象的だ。真正面から見ると,エンクロージャが最近のゲーマー向けヘッドセットと比べてコンパクトなのが分かる(右)
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イヤーパッドを取り外してスピーカードライバーを露出させてみた
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 スピーカードライバーは,資料によると周波数特性が5Hz〜40kHzのハイレゾ仕様で,口径は45mmとのこと。口径40mmや50mmのドライバーはよく見かけるが,45mmというサイズは初めて見た。このコンパクトなエンクロージャに,40mmより大きなサイズのドライバーを組み合わせて,どんな音がするのか興味が湧く。

 イヤーパッドを取り外すと,スピーカードライバーは上から見て水平より若干「ハの字」に傾いて取り付けられていた。最近のヘッドセットによく見られる工夫で,定位感の向上などを期待してのものである。

45mm径のスピーカードライバーは,頭部から見た時「ハの字」になるよう角度が付けられている。耳の向きと合わせ,定位を向上させる最近よく見られる手法だ
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イヤーパッドは,肌に当たる面がスポーツメッシュ風の布素材,側面は合皮製になっていた
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 そのイヤーパッドは,縦横がイヤーキャップとほぼ同じで,厚みは実測で約20mmと標準的なサイズだ。耳の入る部分は実測で58×33mmくらいなので,耳の形状によっては若干アタリが出るかもしれない。
 顔に触れる部分はメッシュ生地で,イヤーパッドの側面は合皮製だ。青いスピーカーネットはストッキングのような生地で,伸縮性がある。メッシュ生地の素材は,最近流行の速乾性が高くて蒸れにくいタイプのようで,試した感じでは肌への当たりもよい。長時間装着のストレス軽減を図るための配慮と思われる。メッシュ生地で通気性を確保しつつ,側面の合皮素材で音漏れというか,とくに低音の音抜けを防ぐ意図があるのだろう

 ヘッドバンドとの接合部分は,表面の上側にオーディオテクニカの英字ロゴが,裏面の下側には「L」または「R」の文字が印刷されていた。
 エンクロージャは,接合部の下で前後に回転するように動き,目測で前側には15度弱,後ろ側に90度ほど開く。開いた状態では厚みが減るので,バッグに入れて持ち運ぶときに役立つだろう。

エンクロージャを後ろ側に90度回転させた状態。バッグに入れて持ち運ぶときに便利だ(左)。右写真は,ヘッドバンドとエンクロージャの接合部を拡大したところ。内側に左右を示すマークがあり,写真は右耳側なので「R」となっている
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エンクロージャが接合部にぶつかるのを防ぐために,小さなゴムのクッション(赤丸内)がついている
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 また,エンクロージャは上下にも30度ほど角度を変えられるのだが,珍しいことに,エンクロージャの角度を変えたときに当たる接合部側には,小さなゴムのクッションが取り付けられていた。細かい工夫だが,これによりエンクロージャが傷つくのを防げるわけだ。

 左エンクロージャに取り付けられたブームマイクは,着脱可能なタイプである。接続端子を除いたブームマイク全体の長さは,実測で約145mm。ブーム部分の長さは約90mmで,柔らかく全方位に曲がるので,狙ったところにきっちり設置できる。
 ブームマイクの接続端子は,直径2.5mmのモノラルミニピン仕様なので,モノラルマイクと予想できる。接続部分にとくにロック機構などはないが,本体に四角い溝が掘ってあり,ここにはめ込むので,奥まで差し込むとカチッと接続され,強度的に問題はなさそうだ。

ブームマイクを取り外した状態(左)。ブーム部分は柔軟に曲がる。右はブームマイクのプラグとATH-G1本体の取り付け部分を拡大したもの。本体側に四角い溝があり,ここにプラグをはめ込む方式。奥まではめ込むとカチッと手応えがあり,ロック機構がなくても簡単には抜けない
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 資料によると,マイク本体はハイパーカージオイド(ハイパーカーディオイド)型の指向性を持つコンデンサーマイクで,周波数特性は30Hz〜20kHzと広い。カージオイドの前に「ハイパー」とついているのは,おそらく「指向性が強い≒音を拾う範囲が狭い」というアピールだろう。
 ブームマイクの先端には,実測で約35×20×20mm程度のスポンジ製ウインドスクリーンが装着されている。ウインドスクリーンを取ると,実測で約32×12×10mm程度という小さなマイク部分が露出した。マイクの口側には,細かく空気孔が開いており,外側には外周付近に孔が開いた銀色のプレートが貼られ,オーディオテクニカのロゴがあしらわれていた。ウインドスクリーンなしの状態は,結構かっこいい。

マイクの口側(左)と外側(右)。ウインドスクリーンを付けていると見えない部分の金属パーツにメーカーロゴがあしらわれていて,芸が細かい外周の空気孔からは,マイクのパーツがかすかに見える
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 ケーブルは本体に直付けで,本体側から実測で約40cmくらいのところにインラインリモコンがある。端子部分を除いたケーブルの実測長は,約199cmだった。表面はゴムのようで,触れると引っかかりのある素材であり,太さは実測で約3mm弱と結構太いというあまり見ないタイプだ。
 直付けケーブルの接続端子は4極3.5mmのミニピンで,3極3.5mmミニピン×2への変換ケーブルが付属する。ちなみに,変換ケーブルの長さは端子部分を除いて実測約83mm。3極3.5mmミニピン×2側は,黒とグレーに端子が色分けされており,黒色がヘッドフォン出力,グレーがマイク入力と分かりやすい。

ケーブル長は2m弱と,PC向けヘッドセットとしてはやや短い部類(左)。むしろ据え置き型ゲーム機向け製品に近い長さだろうか。PCへの接続で必要に応じて利用する3極3.5mmミニピン×2の変換ケーブル(右)。黒のプラグがヘッドフォン出力で,グレーがマイク入力と分かりやすい
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インラインリモコンはわりと大きめだが,上面のマイクミュートスイッチと,左側面の音量調整ダイヤルだけというシンプルなものだ
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 ツヤ消し黒色でプラスチック素材のインラインリモコンは,大きさが実測で約85×18×12mm程度とやや大きめだ。向かって正面にマイクミュートの切り替え用スライドスイッチがあり,左側面に音量調整用のダイヤルがある。マイクミュート時は,赤色の丸アイコンが見えるようになるので分かりやすい。なお,服に留めるためのクリップはない。

 ATH-G1の重量は,実測で約257g。マイク部分は約6gであった。最近は,長時間装着したままゲームをプレイしてもストレスがかからないように軽量化を図るヘッドセットも増えてきているが,その流れを踏襲しているようだ。

上から見ると,左右のエンクロージャがハの字に開くように角度が付いている。装着感を良くする工夫だ
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 実際装着してみると,本体自体が軽めで,おそらく重量バランスも計算されているのだろう。軽い装着感で,長時間利用でもストレスを感じることはないと思われる。装着した状態で上から見ると,エンクロージャは水平ではなく,ハの字になるよう角度がつけられていて,小型でありながら快適な装着感が得られる老舗らしい工夫が施されている。実際に使ってみても,筆者の耳に当たって不快に感じることはなかった。
 側圧はやや軽めで,これも軽い装着感に一役買っているものと思われる。ヘッドバンドによる圧迫は多少感じるが,そもそもの重量が軽いので,多くの人はストレスを感じないのではないだろうか。

 マイクは,設置の自由度が高い点を高く評価できるが,ウインドスクリーンをつけた状態で,あまり曲げずに使っていると,唇の上あたりにマイクが来て視界に入るかもしれない。ブローノイズ対策を兼ねて,マイクが視界に入らないように口元より下へ来るように調整することをお勧めする。

※息を吐いたときに生じるノイズの一種。ブレスノイズとも。

 ATH-G1のスペックを以下に示しておこう。

●ATH-G1の主なスペック
  • 基本仕様:アナログ接続型,密閉型エンクロージャ採用
  • 本体色:ブラック
  • 公称本体サイズ:未公開
  • 公称本体重量:約250g(※マイク,ケーブル除く)
  • 公称ケーブル長:約2m
  • 接続インタフェース:4極3.5mmミニピン×1,3極3.5mmミニピン×2
  • 搭載ボタン/スイッチ:マイクミュートボタン,ヘッドフォン音量調整ダイヤル
  • 主な付属品:4極3.5mm×1→3極3.5mm変換ケーブル,着脱式マイク
  • 公式対応ハードウェア:PC,PlayStation 4シリーズ,Xbox Oneシリーズ
  • 発売予定時期:2019年7月12日
  • メーカー想定売価:2万1900円前後
  • 保証期間:1年間
《ヘッドフォン部》
  • スピーカードライバー:45mm径
  • 周波数特性:5Hz〜40kHz
  • インピーダンス:45Ω
  • 出力音圧レベル:101dB/mW
《マイク部》
  • 方式:コンデンサ型
  • 周波数特性:30Hz〜20kHz
  • 感度:−43dB
  • インピーダンス:未公開
  • S/N比:未公開
  • 指向性:単一(ハイパーカージオイド)
  • ノイズキャンセリング機能:なし


タイトでスムーズ,定位感は抜群の出力


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 ATH-G1自体の説明に続いて,テストを進めていこう。
 2019年7月時点において,4Gamerのヘッドセットレビューでは,3つのテストで実力を検証することになっている。

  1. ヘッドフォン出力の周波数特性計測と試聴
  2. ヘッドフォン出力の遅延計測(※USBおよびワイヤレス対応モデルのみ)
  3. マイク入力の周波数特性および位相計測と試聴

 ヘッドフォン出力測定の対象は,周波数特性と位相特性,そして出力遅延だが,アナログ接続型ヘッドセットでは事実上意味のない遅延計測は省略して,今回は周波数特性と位相特性を計測する。具体的なテスト方法は「4Gamerのヘッドセットレビューなどにおけるヘッドフォン出力テスト方法」にまとめたとおりだ。
 一方,マイク入力の測定対象は,周波数特性と位相特性で,こちらも具体的なテスト方法は「4Gamerのヘッドセットレビューなどにおけるマイクテスト方法」にまとめている。
 基本的には,それらを読まずともなんとなくは理解できるよう配慮しているつもりだが,未見の人や気になるところがある人は,リンク先をチェックしてほしい。

 というわけで,いつものようにヘッドフォン出力から見ていこう。ここではCreative Technology製サウンドカード「Sound Blaster ZxR」と組み合わせた状態の出力波形を,ダミーヘッドで出力することになる。

ヘッドフォン出力品質テスト用のリファレンス波形
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 本稿で示すテスト結果において,波形スクリーンショットの右側に置いた画像は,それぞれ「得られた周波数特性の波形がリファレンスとどれくらい異なるか」を見たものだ。
 これは,Waves製アナライザ「PAZ Analyzer」で計測したグラフを基に,4Gamer独自ツールを使ってリファレンスと測定結果の差分を取った結果を画像化したものだ。リファレンスに近ければ近いほど黄緑になり,グラフ縦軸上側へブレる場合は程度の少ない順に黄,橙,赤,下側へブレる場合は同様に水,青,紺と色分けするようにしてある。

 差分画像の最上段にある色分けは,左から順に重低域(60Hz未満,紺),低域(60〜150Hzあたり,青),中低域(150〜700Hzあたり,水),中域(700Hz〜1.4kHzあたり,緑)中高域(1.4〜4kHzあたり,黄),高域(4〜8kHzあたり,橙),超高域(8kHzより上,赤)を示す。

 それではATH-G1の周波数特性を見てみよう。結果は下に示したとおりで,低域と高域の間にあるギャップが結構大きな,低強高弱のドンシャリ風の波形になっている。
 最近のゲーマー向けヘッドセットでは,あまり低音を強くしない製品が多い中で,低域の比較的広範囲が60Hz付近を頂点とする山の頂上になっている様子が見てとれる。一方で,375Hz付近にグッと深い谷があり,それより上の500Hz〜1kHz付近はやや高く,1.3〜3.8kHzくらいはまた低い。イメージとしては375Hz〜3.8kHzくらいが,ドンシャリの谷と考えていいだろう。
 高域の山は6kHzを頂点とするので,プレゼンス帯域から外れており,おそらく耳に痛い感じの高域ではないと予測できる。さらに高域になると,16kHzくらいから急峻に落ち込みを見せた。「ハイレゾ仕様なのに?」と思うかもしれないが,筆者のテスト環境ではいつもこうなので,本機の特性というよりも,テストルームの音響特性と思ってもらっていい。

ATH-G1のヘッドフォン出力特性
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 低強高弱の音質傾向により,ATH-G1は,音楽を聞くと低音がしっかり聞こえるので非常に心地よい。低域が強いわりには,濁った感じがせずタイトなのは,低域の山が350Hz付近までで,375Hz付近で抑えられるからではないだろうか。また,プレゼンス帯域より高い6kHz付近に高域のピークがあるおかげで,耳に痛くなくスムーズに聞こえるのだろうと思われる。音源の移動も非常に分かりやすい。

Razer Surround Proの設定。フロントLRを前方に寄せている
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 音楽では良好なATH-G1は,ゲームだとどう聞こえるだろう。ゲームサウンドのテストとして,今回も「Fallout 4」と「Project CARS 2」,「MONSTER HUNTER: WORLD」(以下,MHW)の3タイトルを用い,サラウンドソリューションには,4Gamerのリファレンスである「Razer Surround Pro」の最新バージョンを使用した。
 一聴して分かるのは,「重低域はしっかり鳴るが,タイトに聞こえるので音全体の明瞭度や高域の解像度をスポイルしていない」という点である。

 Fallout 4で,ヘリに乗り込む前にその前でぐるぐる回ってみると,Razer Surround Proでもなかなかの精度で定位の変化を確認でき,細かい音もよく捉えられた。ヘリに乗り込んだあとも,カメラの斜め右前方30度くらいにあるヘリのローターの回転音が,きちんと30度くらいから聞こえる。
 Razer Surround Proで,フロントLRチャンネルをだいぶ中央よりにしている効果もあるとは思うが,筆者の記憶をたどってみても,これまでにテストしたヘッドセットの中でも定位のよい部類に属すると思う。ドンシャリ系だけあって,重低音の響き方はかなり強い。たとえば,ヘリが収納されるシーンでは,心地よい重低音が感じられる。一方,低域の強さは350Hz程度までなので,より高い周波数にかぶって音が濁るようなこともない。

 Project CARS 2では,サイドLRからリアLRへの定位感は秀逸で,非常に正確だ。きちんと敵車の位置を音で捕捉できる。左右から後ろへの移動,あるいは後ろから左右への移動もきちんと音で捉えられた。重低域再生が強いので,Project CARS 2のような低域成分が多く継続的に鳴り続けるエンジン音などは強めに聞こえ,最近流行の低弱高強なゲーマー向けヘッドセットでは捉えにくい,縁石に乗り上げる音まできちんと拾える。
 一方で,高周波成分がマスクされることもなく,高周波中心の効果音もきちんと聞こえる。低域のブーストが350Hz程度までに抑えられているおかげだと思うが,他のヘッドセットではあまり聞こえない観客席の歓声なども,とくに意識せずとも聞き取ることができた。

 最後にMHWを試してみよう。今回は,自分でマップ内を歩き回って定位感を確認している。重低音が強く,サイドからリアLRへの定位が秀逸なのはMHWでも確認できた。前方定位は,センターこそはっきり分かるが,そこから左右への音源移動がスムーズに聞こえるときと,それほどでもないときがある感じだ。
 もっとも,前方定位はATH-G1側ではなく,旧世代のサラウンドソリューションであるRazer Surround Proに起因する問題であろう。サイドからリアLRの正確さに比べると,フロントLRの定位はどうしても若干甘くなりがちだからだ。フロントLRをシビアに定位させたい場合は,より新しい技術を採用したサウンドデバイスを利用することをお勧めする。


クセがないマイク入力は,広帯域ボイスチャットで威力を発揮


マイク入力品質テスト用のリファレンス波形
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 ではマイク入力はどうであろう。リファンレンス波形と比較してみよう。
 まず周波数特性結果だが,60Hz以下が弱く,60Hzくらいから1.8kHzくらいまでが比較的フラットで,6kHzを頂点としてほぼ台形型に2kHzから7kHzくらいまで若干高くなり,9kHz付近で大きく落ち込んで12kHzくらいから20kHzくらいまで戻すといったところか。2〜7kHzが一段高く,9kHzで落ち込むものの,全体としては比較的フラットに近い印象だ。
 なお,LRの位相は完璧で,モノラルマイクであることが確認できる。

ATH-G1のマイク入力特性
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 実際に自分の声を録音してみると,カージオイド型で指向性が高いこともあり,低周波から高周波までの音を拾うにも関わらず,低周波のルームノイズや高周波のヒスノイズはほとんど聞こえない。というか,筆者テスト環境ではまったく聞こえなかった。ただ,Sound Blaster ZxRと接続していると「ブーン」という低音のハムノイズが入ったので,低周波まで拾えることにより,PC本体やサウンドカードで生じるノイズを拾っているようだ。どうしても気になる人は,マイクゲインブーストを下げるといった対策を施せばいいだろう。

 マイクの音質傾向は,低周波までしっかり拾って,かつ9kHz付近に谷があるので,高周波も出ているというよりは,落ち着いたコンデンサーマイクの音といったところで,クセがなく扱いやすい印象だ。最近は,広帯域の音声を流せるDiscordで音声チャットをするゲーマーも多い。Discordで使う場合,狭帯域を想定して聞かせる帯域を強く強調したヘッドセットよりも,ATH-G1のほうが適切かもしれない。


使っているとその良さが「ジワる」,派手さはないが実用的な老舗の一品


ATH-G1の製品ボックス
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 オーディオテクニカといえば,オーディオ業界でプロ用モニターヘッドフォンからプロ用マイクまで扱い,広く支持されている老舗の定番メーカーである。同社が蓄積したノウハウをしっかり活用しつつ,作り込んできたゲーマー向けヘッドセットがATH-G1という印象だ。
 タイトで耳に痛くないドンシャリ系のサウンド出力や,クセがなく外部のノイズを拾いにくいマイクの音は,オーディオメーカーならではだろう。

 一方で,非常に軽量で側圧もあまり強くなく,メッシュ生地を採用して長時間の装着時にストレスを感じにくい設計になっている点や,ヘッドバンド部分の金属が剥き出しにしてオーディオテクニカのホームオーディオ製品よりも硬派なイメージを醸し出すといったアレンジは,おそらくゲーマー向けヘッドセットということを考慮した設計であろう。
 同社が過去にリリースしたゲーマー向けヘッドセットよりも,製品としての完成度が高まった印象もあり,ストレスなく「いい音」でゲームを楽しめるはずだ。定位感も良好なので,できれば高品質なサウンドデバイスと組み合わせてゲームで活用してみてほしい。

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オーディオテクニカのATH-G1製品情報ページ

オーディオテクニカ公式Webサイト

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