プレイレポート
[E3 2019]カヤックから一切降りずに敵地へ潜入するVRステルスアクション「Phantom: Covert Ops」のプレイレポートをお届け
※ブース内は撮影不可だったため,掲載画像はすべて公式スクリーンショットです
Phantom: Covert Opsは,冷戦終結後となる1991年の世界が舞台となっている。エリート工作員であるプレイヤーの目的は,旧ソビエト海軍基地にて秘密裏に行われている軍事作戦を妨害し,全面戦争への発展を未然に防ぐこと。今回のデモ版では,夜間にカヤックを使って敵軍の基地に潜入し,巨大な電波塔を破壊するというミッションをプレイできた。
本作の大きな特徴となるのが,プレイヤーの移動手段となるカヤックの存在だ。実はこのゲーム,ステルスアクションでありながらも,(一般的な同ジャンルのイメージに反して)カヤックから一切降りないのである。
カヤックでの移動には,両端にブレード(水かき)のついたパドルを利用する。パドルはカヤックの左側面に収納されているので,これを両手で持ち上げたら,パドルの一方を水面に差し入れて後ろに引く。これを左右交互に繰り返すことで前進するわけだ。
筆者は実際のカヤックに乗ったことはないが,この動作自体は見たことがあるので,難なく操作できた。左右どちらか一方だけを漕ぎ続ければ向きを変えられるし,パドルを差し入れる角度によって進む力が変わる。カヤックの操作性はリアルに限りなく近い……はずだ。もしや,と思いパドルで岩や壁を押すと,ちゃんとカヤックが逆方向に押されて少し感動してしまった。
カヤックには弾薬や爆薬,そして消音器付きのスナイパーライフルが積んであり,敵を見つけたらカヤックに乗った状態で静かに狙撃する。こういったシチュエーションは映画でしか見たことがなかったので,それを実際に自分がやっていると思うとついつい口角が上がってしまう。そのほかの武器は,主人公の胸部にピストルが,背中にサブマシンガンが,それぞれ装備されている状態だ。
いざとなればサブマシンガンで派手に撃ち合うこともできるが,いかんせんプレイヤーの体の一部はカヤックに預けている状態なので,敵からしてみれば水に浮かぶただの的である。実際のところ敵に発見されるとあっという間に倒されてしまうので,いわゆる“脳筋”スタイルでのプレイはほぼ不可能だ。
そんなわけで終始隠密行動に徹する必要があるわけだが,敵のサーチライトを避けながらカヤックを前に進めるのはなかなかに難しい。筆者は諦めて,スナイパーライフルで全滅させながら歩を進めていたが,おそらくパドル操作に慣れれば,無駄な戦闘を避けてガンガン進んでいけるのだろう。
何度か敵に見つかってゲームオーバーになりながらも,どうにか目標の電波塔に到着。サーチライトの光が目の前を通りすぎた瞬間に必死にパドルを漕ぎ,急いで塔の下に潜り込む。胃から何かが込み上がってくるような感覚に襲われながらも何やら重要そうなケーブルを引っこ抜くと,電波塔が爆発するカットシーンが流れてミッション成功。ここで今回のデモは終了となった。
本作はとにかくパドルを使ったカヤックでの移動が面白く,そのリアルな操作性とステルス要素がうまく噛み合って,なんとも言えない臨場感を生み出していた。椅子に座った状態でプレイできる――というよりそのほうが違和感がないというのもポイントが高い。
ただ,体が座ったままの状態で視界が前に横にと動くため,先ほどのようにものすごい勢いでパドルを漕いで前に進むと,人によっては相応の酔いを感じるかもしれない。
とはいえ本作は,端的に言って「酔い止め薬を飲んででもプレイしたい」と思えるほど面白いタイトルだった。RiftないしQuestを持っている人は,本作のリリースを楽しみに待っていてほしい。
「Phantom: Covert Ops」公式サイト
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