プレイレポート
[E3 2019]スカンジナビアの伝承をテーマにしたポイント&クリック型アドベンチャー「Röki」を紹介
本作は,スカンジナビアの民間伝承に触発され制作された作品で,主人公は人里離れた雪深い大地に住む少女トフィ(Tove)。父親が酔っぱらって育児に興味を失ってしまっているどころか,ずっと揺り椅子に座って何もしないため,彼女は幼い弟のラース(Lars)の面倒を見ている。責任感の強いお姉ちゃんだ。
ところがある日,用を足すため屋外トイレにラースが出た矢先,モンスターが現れて家を破壊し,弟のラースがさらわれてしまう。トフィはラースを見つけ出すために冒険に出ることに……というのがストーリーの冒頭だ。
本作の開発者は,もともとSony Interactive Entertainment傘下のGuerilla Gamesで,「キルゾーン」シリーズの第1作からアートを担当していたという。そんなベテランが作る作品だけに,そのアートワークは完成度の高いものだった。
とくにトフィの作り込みは細かく,おさげ髪やスウェットシャツの紐は移動するたびに揺れるし,雪の中をかき分けていくと足跡がしっかりと残る。3Dグラフィックスにヘビーなシェーディングを施すことにより,まるで2Dアドベンチャーのような雰囲気になっている。
トフィは,目の前にパズルが現れたときは「おや?」というような声を出し,パズルに正解したときは「あは!」と喜ぶなど可愛らしいリアクションを取る。そのほかにも「ふふふ」と笑ったり,「うぐぐぐぐ」と恐怖に震えたりし,声だけでなく感情に合わせて表情もしっかりと変えるため,プレイヤーがぐいぐいと感情移入できるように工夫されている。
今回は,橋の下で通せんぼしているトロールの肩に刺さった剣を引き抜き,道を開けてもらうというミッションに挑戦した。近くを探索してキーアイテムを探し出し,それらを組み合わせ,トロールから剣を引っこ抜いてクリア。
「Röki」を開発するPolygon TreehouseのTom Jones氏は,これまで激しいアクションゲームに携わってきたそうだが,本作は,より多くの人に息抜きとして楽しんでもらえる作品を目指して開発しているという。同じく開発者のAlex Kanaris-Sotiriou氏も,「Röki」にはバイオレンスな描写はなく,トフィの無邪気さと勇気をテーマにした,誰でもプレイできるアドベンチャーゲームを目指すと語っていた。開発自体は2年前にアナウンスされており,2019年内にリリースされる予定とのことだ。
Polygon Treehouse公式サイト
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