プレイレポート
「ノーモア★ヒーローズ3」先行プレイレポート。シリーズ未プレイでもしっかり楽しめる,突き抜けた物語と演出,爽快アクションが魅力
ノーモア★ヒーローズは,映画や日本のアニメ,そしてゲームが好きなオタクな殺し屋であるトラヴィス・タッチダウンを主人公としたアクションアドベンチャーシリーズだ。ナンバリングタイトルとしては2010年10月発売の「No More Heroes 2: Desperate Struggle」以来,およそ11年ぶりの続編となる。
1作目,2作目と殺し屋相手に戦ってきたトラヴィスだが,シリーズ最新作で戦う相手はなんと“宇宙人”。銀河の彼方からやって来た“極悪王子”FUことジェス・パディスト6世が率いるヤバい宇宙人を相手に,地球の平和を守るため(?)「銀河系スーパーヒーローランキング」のランカーたちに挑むことになるのだ。
さて,ナンバリング3作目ということで,「気になる作品だけど,3から始めても楽しめる?」と思う人もいるかもしれない。しかし,そのあたりは心配せずプレイしてほしい。というのも,独特の世界観や演出,さまざまなミニゲーム,そしてメインとなる宇宙人たちとのバトルは,一度触れたらすぐその虜になるような魅力と“勢い”がある仕上がりとなっているのだ。
そんなノーモア★ヒーローズ3を発売前に少しだけプレイできたので,アクションを中心に紹介しよう。なお,本作はCEROレーティングZ(18歳以上対象)となっているので,その点には注意してほしい。
「ノーモア★ヒーローズ3」公式サイト
ビーム・カタナにプロレス技,スキル……さまざまな攻撃方法で宇宙人を駆逐しろ
前述のとおり,本作ではトラヴィスと宇宙人たちの戦いを中心に物語が進行する。とはいっても,その展開や“魅せ方”は一筋縄ではいかない。ゲームを開始したらすぐに,その独創的な世界観と物語,映画やアニメ,漫画,ゲームなど,さまざまな作品のオマージュが込められた演出に圧倒されることになるだろう。初見でその勢いを感じてほしいので,ここではあえて深くは説明しない。ぜひ実際にゲームをプレイしてその目で確かめてほしい。
物語は,ナンバリング2作品と2019年1月発売「Travis Strikes Again: No More Heroes」から続いている。過去作を知っていたほうがもちろん深く楽しめるのだが,とはいえ,本作で初めてプレイする人が置いてけぼりになることはない。イントロダクションからその勢いある演出と展開を見ているうち,気が付けばその世界観に没入していることだろう。
では,ここから本作のメインであるアクションを紹介したい。プレイヤーはトラヴィスを操作し,ランカーたちとの戦い「ランキングバトル」や,さまざまな敵が待ち構えるミッションで宇宙人たちと戦うことになる。
Lスティックで移動,Rスティックでカメラ操作,Bボタンでジャンプ,Aボタンで回避(ローリング),Yボタンでメインの武器となるビーム・カタナの弱攻撃(ノーマルアタック),Xボタンで強攻撃(ヘビーアタック)と,基本的な操作方法はシンプル。こちらも初めてでもすぐに問題なく覚えられるだろう。
そんなアクションのスパイスとなっているのが,Joy-Conを使った直感操作だ。矢印が表示され多方向にJoy-Con(R)を振ることで,強力な攻撃やとどめを刺す一撃「トドメスラッシュ」が発動するなど,コントローラ操作とは異なる爽快さが味わえる。これは,Wii用ソフトとして誕生し,Wiiリモコンでの操作が特徴となっていた1作目から続く,ナンバリングタイトルの伝統といえる部分でもあるのだ。
Switchの多彩なプレイスタイルにも対応しており,コントローラや携帯モード,Switch Liteなどのキー操作でも可能なので,そのときの遊び方に合わせてゲームを楽しむといいだろう。
相手の動きをよく見ながら,ノーマルアタックとヘビーアタックを使い分けながら連続で攻撃し,攻撃の予兆があればそれを一度止め,ジャンプやローリングで回避。ZLボタンがロックオンとなっており,ロックオン対象の敵の攻撃をガードできるので,これを交えることでさらに有利に戦うことができる。
さらに,敵の攻撃をタイミングよくかわして「ジャスト回避」が決まると,時間がスローになり,攻勢をかける大きなチャンスに。敵宇宙人を斬って斬って斬りまくろう。
要注意なのが,ビーム・カタナは電力切れを起こすところ。こちらは1作目から全作品を通してのお約束(?)で,ビーム・カタナをぶんぶん振っているうち電力が減っていき,電力不足になると武器として機能しなくなってしまうのだ。
電力がなくなったらどうすればいいのか。充電すればいい。Joy-Conを2本持ちして遊ぶ場合,Rボタンを押しながらJoy-Con(R)を上下に振る(キー操作の場合はRスティックを上下に動かす)ことで充電できる。これも1作目からある操作で,命がけの戦いの中でしこしこビーム・カタナを振って充電するトラヴィスの少し間の抜けた動き(と充電する音)を含み,シリーズを象徴する要素となっている。
トラヴィスの得意とする戦い方はビーム・カタナだけではない。彼はプロレスのセンスを持つ(?)殺し屋で,これまでのシリーズ作品でもさまざまなスープレックスを使いこなしてきた。本作でもそのプロレス技は冴えわたる。連続攻撃で敵をピヨらせたら,前から後ろから,あらゆる角度から相手を掴み,リング……ではなく地面に沈めてやろう。
プロレス技を決めると,ビーム・カタナの電力が回復するというおまけもある。勢い余ってビーム・カタナでとどめを刺してしまいがちになるが,プロレス技で電力回復を交えた“試合運び”ができれば,バトルを有利に進められるのはもちろん,より爽快さのあるフィニッシュを決められるだろう。
近接戦闘が得意な宇宙人に,射撃が得意な宇宙人,シールドや光学迷彩といった特殊な力を用いてこちらの攻撃を妨げる宇宙人も……。敵には種類があり,それらを複数同時に相手にする場面も多々あるので,油断しているとすぐにやられてしまう。
そんな強敵たちと戦ううえで使いこなしたいのが,トラヴィスの新たな戦闘方法である「デスグローブスキル」だ。狙った相手の近くに瞬間移動し,無慈悲なドロップキックで敵を吹き飛ばす「デスキック」や一定範囲の時を加速させる(敵の動きがスローになる)「デスクロー」など,使い方次第で戦いが有利になるスキルが4つ用意されている。
ナンバリング作品ではおなじみ「スラッシュリール」も,強敵や複数の敵を相手にするうえで重要だ。敵を倒したり「トドメスラッシュ」に成功したりすると,画面いっぱいにスロットが出現。絵柄が揃うと,その種類によってさまざまな効果が発動する。
とくに,BARが揃うことで超スピードの連続攻撃が可能になる「ムスタングモード」,スリーセブンで発動し,敵をロックオンして大ダメージを与える「フルアーマーモード」の2つは,ランカー以外の敵であれば全滅させることも可能な高威力を持つ。運任せの要素だが,強敵相手に苦戦しているときにそれらが揃えば,一気に形勢逆転にもなるのだ。
難度は「BERRY SWEET」「BITTER」「SPICY」の3段階あり,通常の難度にあたるBITTERでも十分に手強く,ここまで紹介したアクションやスキルをうまく使えないと強敵に勝つのは難しい。何度もやられて繰り返しトライすることにもなるだろう。
「いくらやっても勝てない!」ということがあってもご安心。リトライを選択した際に表示される「リトライルーレット」の結果次第で,有利な状態でリベンジできるのだ。何の効果もなく普通にやり直しの場合もあるが,攻撃力が1.5倍になった形で再戦できたり,敵に与えたダメージそのままで戦いが続行できたりと,その効果はなかなかのもの。負けてもあきらめずにリトライしよう。
街では何ができる? バトルやミニゲーム(バイト)を楽しみながらお金稼ぎ
さて,トラヴィスは「10位を殺ったら9位。9位を殺ったら次は8位だ」という風に,サクサク順番どおりにランカーたちに戦いを挑めるわけではない。上位ランカーに戦いを挑むため,このランキングを取り仕切る全米殺し屋協会(UAA)に諸経費を含む「ランキング戦登録料」を振り込む必要がある。
「地球のピンチなのにどういうこと?」と思うかもしれないが,ともあれトラヴィスは,愛用のバイク「デムザンティガー」で街のあちこちを駆け回りながら,アルバイトや街の防衛(?)などをこなして登録料を稼なければならないのだ。
トラヴィスが生活する“オラが街”「サンタデストロイ」のほか,古き良きアメリカといった雰囲気の「パーフェクトワールド」,マッドマックスな荒野が広がる「サンダードーム」,未来世紀ブラジル(?)な未来都市「ネオブラジル」など,複数のロケーションが登場。各所にはバイトやボランティア,バトルといったさまざまなミッションがあり,それらはマップ上にアイコンで表示されている。
街にはさまざまなスポットがあり,困っている人や“敵意のない宇宙人”があちこちにいる。ここでは「街でできること」をいくつか紹介したい。
まずはトラヴィスの自宅で,戦いの拠点となる場所であるモーテル。戦闘で得たWESN(ワールドエンドスーパーノヴァ)というポイントでステータスを伸ばす。ユートピコイン(お金)やガラクタ(素材)を使ってトラヴィスを強化するチップを作成するといったパワーアップのほか,あちこちで集めたTシャツやジャケットでコーディネートを変更したり,ネコのジーンとボールで遊んだりもできる。
ミニゲーム感覚で楽しめるのが,お金のほかさまざまな報酬が手に入るアルバイト(ボランティアミッション)。これもナンバリング作品ではおなじみの要素で,「ゴミ拾い」や「芝刈り」といった殺し屋がやるものとは思えない素朴(?)な仕事をこなしていこう。
ここでピックアップしておきたいのが「トイレレスキュー」。本シリーズには“トイレはセーブポイント”というこれまた“伝統”があり,本作では街のあちこちにある公衆トイレでセーブできる。
しかし,公衆トイレは最初からすぐに使えるわけではない。どうやら街のトイレは詰まりやすいらしく,これをラバーカップできれいに掃除しなければ使用できないのだ。Lスティックで詰まりの原因を探り,見つけたらLスティックをホールドしてJoy-Con(右)を上下に,もしくはRスティックを振ってスッポン! このトイレレスキューをこなすことで,セーブポイントが増えるだけではなく,報酬としてユートピコインやガラクタももらえる。これらのバイト以外でもちょっとした“お手伝い”があるので,困っている人がいたら話を聞いてあげるといい。
迷惑な宇宙人たちに“生活指導”をするのもトラヴィスの役目。数体のグループで複数回襲ってくる「防衛ミッション」で,街のため,お金稼ぎのために宇宙人たちを懲らしめよう。防衛ミッションには,フルアーマートラヴィスに変身して宇宙に飛び出し,巨大な宇宙怪獣と戦うものもある。メカやロボット好きに刺さるシューティングゲームとなっており,通常の宇宙人相手とは大きく異なるバトルが楽しめるのも魅力だ。
これらのアルバイトやバトルといったミッションは,素早くクリアして高評価となればそれだけ報酬も多くなる。何度も挑戦し,ハイスコアを目指そう。
さまざまなミッションをこなしてお金を貯めてATMに登録料を振り込み,「指定試合」をすべてクリアすることで,上位ランカーへの挑戦権が獲得できる。ランカーの宇宙人は強敵ばかり。また,それぞれ戦い方が大きく異なるため,相手に合わせた戦術を立てる必要がある。攻撃手段や攻撃パターンをしっかり確認し,好機を逃さず一気にコンボをたたき込み勝利を掴もう。
敵が強すぎる。かなわない……というときは,バトルに挑む前に「どんまい寿司」に寄っておこう。屋台でスシを食べれば,次のバトルの際にバフ効果が発動し,テイクアウトすれば,体力回復や攻撃力アップといったアイテムとしてバトル時に使えるようになる。たくさん持っていればバトルに有利となるが,ランカー戦のためにお金を貯めることを考えると,買い過ぎには注意したいところ。
動きを見切り,プレイヤー自身の技術で戦う。スラッシュリールの運に頼る。しっかりとステータスをあげ,回復アイテムを仕込んでからバトルに挑む。「肉を切らせて骨を断つ!」とばかりに真正面からビーム・カタナを振り回す……どんな戦いを演じさせるかは,まさにプレイヤー次第。ビジュアルや雰囲気に惹かれたという人でも,難度を下げれば,アクションはひたすら爽快感を味わいつつ物語をメインに楽しめるだろう。
面白おかしく勢いある物語が進んでいたと思いきや急にシリアスに。と思ったら脱力するような会話が始まり……といった調子で,物語もバトル同様,とにかく気の抜けない展開が待っている。本作で,“爽快スラッシュアクション”と独特の世界観が魅力のノーモア★ヒーローズの世界に飛び込んでみ,それらをたっぷりと堪能してほしい。
「ノーモア★ヒーローズ3」公式サイト
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