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「龍が如く」最新作,助演女優オーディションの二次審査の模様をレポート。作品の顔となるキャラクターには,演技や歌も求められる
今回は,過去シリーズのキャバ嬢などのサブキャラクターではなく,主人公・春日一番の仲間となる女性という,かなり重要な役柄のオーディションだ。
選ばれるのは1名のみで,ゲームに出演するとともに賞金100万円が授与される。応募資格は国内在住の20歳以上の女性,2019年3月20日から4月21日までの応募期間に1000人以上がエントリーし,書類選考により約60名が二次審査に進んでいる。本稿では,5月18日にセガゲームス本社にて行われたオーディションの模様をレポートする。
二次審査は,数人のグループと開発陣との面談という形で行われた。開発陣はチーフプロデューサーの横山昌義氏と,プロデューサーの佐藤大輔氏,阪本寛之氏の3名だ。
取材当日,1組目に呼ばれたのは,里々佳さん,三上喬子さん,井元まほさん。学生の三上さん以外は現役のタレントというメンツだ。
今年3月までアイドルグループに所属していたという里々佳さんは,現在女優を目指して舞台などに出演しているという。
一方,井元さんはモデルと女優の兼業で10年近いキャリアを持つ。「龍が如く」シリーズにおける,“プレイヤーが操作をするキャラクターに対し,一体どんな演技が求められるのか”というところに興味を持ったことが,応募のきっかけだったそうだ。
三上さんは大学生3年生で,自分が興味あることはなんでもやっていくという思いで,オーディションに応募したという。「生きている証がゲームとして残るのは本当に素敵」と考え,友人に「私は死ぬまでに『龍が如く』に出る」と宣言をしていたという。
佐藤氏からの「どんな女性を演じてみたいですか?」という質問に「格好いい女性を演じたい」と里々佳さん。一方,三上さんは「『巨人の星』の星飛雄馬のお姉さんのような,芯はあるけど表に出さない控えめな女性」,井元さんは「ピュアで主人公を引っ張っていくような天真爛漫な女性」と答えている。
2組目は,長谷川愛美さん,椎名結加さん,清成咲月さん,東野瑞希さん。こちらのグループは全員がモデルや女優の経験があるメンツが選ばれている。
長谷川さんは子役時代に,実写作品の「龍が如く 〜序章〜」に幼少期の澤村由美役として出演経験があるという。学生時代は役者業から離れていたが,数年前に復帰し,現在はフリーの女優として活動していて,今回約13年ぶりに本作のオーディションに応募したそうだ。遊んでいる人が共感できるような役で,現実ではできないような職業のキャラクターを演じたいと語る。
モデルを経て現在は会社員という椎名さんは,「龍が如く」シリーズの大ファンで,中でも「龍が如く6 命の詩。」は舞台である尾道への聖地巡礼をしたこともあるほどだとか。演じたい役については,HONDAのイメージガールを務めていた経験から,バイクを乗り回すような格好いいキャラクターが理想とのこと。
清成さんもドラマやCMへの出演経験があり,父親が遊んでいた「龍が如く」を見て育ったという。自身が優しい顔なので,その裏にいろいろなことを背負っている着物が似合う女性を演じたいそうだ。
東野さんも女優やタレントとして活動中。ゲーム関連のイベントでのMCなども務めた経験があり,現在はソーシャルゲームに夢中であることをアピールする。アンニュイだったり,ちょっと影があったりするキャラクターをやってみたいと述べている。
二次審査は取材当日と翌日(大阪で実施)の2日間行われ,約60名の中から10名程度が三次審査へと進むこととなる。三次審査の模様は6月中旬にWebでも公開され,7月には最終選考結果が発表される予定となっている。
最後に面談をした開発陣と現場に立ち会った名越稔洋氏への合同インタビューが行われたので,そちらもお届けしよう。
――何組かの二次審査を終えられての感想をお聞かせください。
名越氏:
今回審査は若手に任せて(笑),私はどちらかというと見物に近い形で楽しませていただいています。
横山氏:
今までのオーディションの中でも,この二次審査に進むまでの書類審査が大変でした。何日にも分けて書類に目を通させていただいて,容姿だけではなく,エピソードや生き方などを参考に選考して,今日実際にお目にかかると,皆さんいろいろな経験をされている。ここからまた選考に悩むのかと思うと,ちょっと気が重いですね。
阪本氏:
助演女優オーディションということで,キャバ嬢とはまた違って,演技経験豊富な方々が多数応募されていて,次の三次審査では演技や歌なども審査させていただく予定なので,今から楽しみですね。
佐藤氏:
助演女優という大きなくくりでのオーディションは今回が初めてで,新しい主人公とも絡む作品の顔になるような存在なので,慎重に審査をさせてもらっています。合格された方の代表作として,それを機に成り上がっていただけるように,気合いを入れてオーディションをしている状況です。
――初めての助演女優のオーディションということで,今までのオーディションと意識されているポイントの違いはどこでしょうか。
名越氏:
毎回参加型の名物企画にもなっている中で,「またか」と言われないように,いろいろな切り口があったほうが,出る側の方もプレイされる方も楽しめますよね。違う切り口にした以上は,出た本人も「出てよかった」と思えて,プレイした人もこの企画をやったことでゲームが面白くなったと思えるところまで繋げるのが我々の仕事で,これからが大変だとは思います。
そういう意味で今回は,ルックスから一歩進んだお芝居という部分を重点的に見ていくことになると思います。
――助演女優とはいえ,ゲームのキャラクターとしての出演となりますが,選考のうえで何か違った視点で見ているところなどはありましたか?
横山氏:
これまでのシリーズと同じ手法で,本人の姿をキャプチャーしてCGモデルを作って,本人が声を充てるという形を予定しているんですが,CGに映える顔というのがあります。春日一番の横に並んで映える,あるいは共演するキャラクターと並んだときの個性も考えたうえで判断するという,一つの基準は設けています。
あとはノリですね。面接をしていて,性格が暗そうな方よりは,たくさんエピソードを話してくれるような方のほうが,感情移入はしやすいですよね。ただゲームのファンというだけではなく,この作品にどういう思い入れをもってアプローチしきてくれるのかは見ているところです。
――現時点でオーディション対象のキャラクター像が多少なりともある状態なのか,それとも出演が決まってから決めるのか,どちらなのでしょうか。
阪本氏:
具体的にはまだ言えないんですが,どちらにとっても一番いい形にしようということは決めていますね。
――オーディションの中で,歌に関する質問が出ていましたが,そういったシーンを入れる予定があるのでしょうか。
横山氏:
シーンというよりはゲームの内容として,主人公とともにプレイスポットで遊んだりすることがあって,これまでのカラオケのような遊びがあるかどうかはまだ決めかねていますが,そこをリサーチする意味合いが大きいです。どうしても歌えないという人は必ずいますし,そういう人が多ければナシというパターンもありますからね。
とはいえ話を聞いてみると,自信のあるなしに関わらず,今のところ全員歌は好きという人ばかりでした。無理して言っているのかもしれませんけど(笑)。
――これまでのキャバ嬢オーディションなどと比較して,応募された方に対する印象の違いはありましたか?
横山氏:
正直なところ,キャバ嬢のときとはがらりと変わりましたね。本格的に演技をやっていた方の割合が圧倒的に増えています。夜の仕事を本職にしているような方は減って,それと入れ替わる形で演技ができる方が増えましたね。
阪本氏:
そういう意味では少しハードルが上がったかもしれませんね。
横山氏:
実際,気軽に申し込めないような要項にしてしまったので,応募数が減るかもしれないという予想もしていたんですが,前作とほぼ同じかそれ以上の応募があって,少しホッとしました。今回は応募写真の加工禁止というルールを設けていて,実際にお会いすると写真そのままで,ちゃんと自分が正しく写ったものを使っていて,本気なんだということが改めて感じられました。その分選考はすごい大変でしたけど。
――その苦労されたという一次審査は,どのような基準で1000名以上の応募者の方から約60名に絞り込んだのでしょうか。
佐藤氏:
ビジュアルはもちろんですが,履歴書に書かれているエピソードの面白さなど,いろいろな視点で数人ずつ選出しました。なにせ選ばれるのが1人なので,ここの時点でグッと絞らなくてはならないため,本当に大変でした。
横山氏:
段階を踏んで絞っていきましたね。最初に半分を選んで,そこからさらに半分になるような選び方で,今回残った約60名も決まった枠ではなく純粋に候補として残った数なんです。これから演技審査などもありますし,これまでのオーディションよりも選考過程がずっと多く,一つ一つ真剣に審査をしないと,最終的に1人を選ぶことはできないでしょうからね。
――ありがとうございました。
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