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スマホゲームのセルラン分析(2022年11月10日〜11月16日)。今週の1位は「勝利の女神:NIKKE」。最も収益が多い国内メーカーのバンナムについても深掘り
データ分析を専門に行うSensor Towerによると,2021年におけるスマートフォン向けゲームの国内収益は約2兆3746億円に達している(※関連記事)。そんな世界有数のスマホゲーム大国となった日本で,現在最も売れているタイトルを始めとした,さまざまなデータを毎週お届けするのが,本連載「スマホゲームのセルラン分析」である。
スマホゲームのセールスランキング
(2022年11月10日〜11月16日)
順位 | 前週 | タイトル | DL数の前週比 | 収益の前週比 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | 勝利の女神:NIKKE | -48% | 30% |
2 | 5 | プロ野球スピリッツA | -9% | 21% |
3 | 3 | Fate/Grand Order | 96% | -2% |
4 | 1 | モンスターストライク | -37% | -27% |
5 | 6 | パズル&ドラゴンズ | 1% | -13% |
6 | 7 | ウマ娘 プリティーダービー | -5% | -7% |
7 | 4 | 原神 | -7% | -47% |
8 | 11 | ドラゴンクエストウォーク | -48% | 13% |
9 | 14 | Pokémon GO | -2% | 3% |
10 | 13 | パズルサバイバル | 7% | 1% |
11 | 9 | メメントモリ | -25% | -22% |
12 | 19 | あんさんぶるスターズ!!Music | 9% | 78% |
13 | 142 | 雀魂 | 9% | 1122% |
14 | 16 | 放置少女 | -1% | 9% |
15 | 17 | 荒野行動 | -4% | -2% |
16 | 158 | 魔法使いの約束 | 62% | 1037% |
17 | 8 | アークナイツ | -26% | -55% |
18 | 24 | 三國志 真戦 | 3% | 45% |
19 | 21 | プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク | -12% | 29% |
20 | 120 | FFBE幻影戦争 | 200% | 581% |
21 | 12 | ディズニー ツイステッドワンダーランド | -21% | -51% |
22 | 10 | ONE PIECE バウンティラッシュ | -18% | -58% |
23 | 20 | LINE ポコポコ | -11% | -8% |
24 | 39 | ONE PIECE トレジャークルーズ | -2% | 60% |
25 | 25 | ロマンシング サガ リ・ユニバース | -2% | -1% |
26 | 58 | 幻塔 | -12% | 132% |
27 | 18 | Echocalypse -緋紅の神約- | -54% | -27% |
28 | 32 | ホームスケイプ | 10% | 11% |
29 | 15 | ヘブンバーンズレッド | -7% | -57% |
30 | 30 | マフィア・シティ | 9% | 4% |
31 | 26 | ブルーアーカイブ | -49% | -17% |
32 | 50 | ドルフィンウェーブ | -19% | 69% |
33 | 44 | 実況パワフルプロ野球 | 2% | 59% |
34 | 45 | Call of Duty: Mobile | 16% | 51% |
35 | 23 | モリノファンタジー | 2% | -24% |
36 | 42 | Top War | 10% | 49% |
37 | 37 | Age of Origins | -5% | 11% |
38 | 33 | ガーデンスケイプ | 13% | -5% |
39 | 35 | 転生したらスライムだった件 | -12% | -4% |
40 | 124 | ポケモンマスターズEX | 35% | 235% |
41 | 65 | にゃんこ大戦争 | 53% | 61% |
42 | 79 | 白猫プロジェクト | -3% | 111% |
43 | 38 | フィッシュダム | -18% | -8% |
44 | 28 | ドラゴンクエストタクト | 46% | -37% |
45 | 41 | 日替わり内室 | -11% | 1% |
46 | 27 | リネージュ W | 44% | -44% |
47 | 56 | ロードモバイル | 21% | 26% |
48 | 52 | eFootball ウイコレ CHAMPION SQUADS | 10% | 14% |
49 | 36 | 新信長の野望 | -16% | -23% |
50 | 51 | トゥーンブラスト | 0% | 3% |
※掲載データはSensor Towerから引用したものです。データの無断転載を禁じます
※iOSとAndroidの収益の合計をもとにしたランキングです。マルチプラットフォーム展開を行うタイトルでも,PCや家庭用ゲーム機向けの収益は含まれていません
一般的に,スマホゲームの注目作がリリースされるときは,最初の週にガチャで一気に売上を出し,その翌週からは少しずつ落ちていくことが多い。しかしNIKKEの場合は,11月4日に正式サービス開始から2週間が経過しても高止まりが続いている。4Gamerに掲載する本作の関連記事もPVランキングで上位に入ることが多く,このまま行けば今年を代表するスマホゲームの一作となりそうである。
NIKKEといえばワールドワイドでの反響も気になるところ。こちらに関してダウンロード数や収益の国別割合を見ると,日本,韓国,アメリカが特に好調だが,それ以外の国でも幅広く人気を博している。ダウンロード数に関しては,タイ(14.7%),インドネシア(7.3%),ブラジル(4.3%),台湾(4.1%),メキシコ(3.7%),フィリピン(3.6%)といった,こういったランキングではやや珍しい国々が高い数字を出しているのも興味深い。
バンダイナムコエンターテインメント内でのセールスランキング(2022年07月01日〜09月30日)
最初にピックアップするのは,前四半期で世界7位(日本のゲームメーカーでは1位)の収益を上げた(※関連記事),バンダイナムコエンターテインメントである。
以下に掲載するのは,同社内で売上を確認できたスマホゲームのセールスランキングである。また,各タイトルの右には参考用として,ワールドワイドにおける日本の収益の割合を添えてみた。仮にこの数字が100%だと,日本以外ではサービスがされていない(売上がない)。逆に0%のタイトルは,日本ではサービスがされていない(売上がない)わけだ。
順位 | タイトル | 日本の割合 |
---|---|---|
1 | ドラゴンボールZ ドッカンバトル | 45.3% |
2 | ONE PIECE バウンティラッシュ | 82.9% |
3 | ONE PIECE トレジャークルーズ | 77.4% |
4 | アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ | 99.8% |
5 | ドラゴンボール レジェンズ | 34.7% |
6 | アイドリッシュセブン | 97.4% |
7 | 転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚 | 76.5% |
8 | アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ | 100% |
9 | 機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE | 100% |
10 | ONE PIECE サウザンドストーム | 100% |
11 | 僕のヒーローアカデミア ULTRA IMPACT | 91.8% |
12 | スーパーロボット大戦DD | 100% |
13 | テイルズ オブ ザ レイズ | 100% |
14 | ドリフトスピリッツ | 100% |
15 | ガンダムブレイカーモバイル | 68.5% |
16 | アイドルマスター SideM GROWING STARS | 100% |
17 | NARUTO X BORUTO 忍者BORUTAGE | 16.6% |
18 | ミニ四駆 超速グランプリ | 100% |
19 | アイドルマスター シャイニーカラーズ | 100% |
20 | ソードアート・オンライン アンリーシュ・ブレイディング | 65.3% |
21 | キングダム セブンフラッグス | 100% |
22 | ソードアート・オンライン インテグラル・ファクター | 69.2% |
23 | 鋼彈 爭鋒對決 | 0% |
24 | テイルズ オブ アスタリア | 99.1% |
25 | ネットクレーンモール「とるモ」 | 98.8% |
26 | アイドルマスター SideM | 100% |
27 | 超級機器人大戰DD | 0% |
28 | ガンダムエリアウォーズ | 100% |
29 | 太鼓の達人プラス | 100% |
30 | アイドルマスター シンデレラガールズ | 100% |
31 | 聖闘士星矢 ゾディアック ブレイブ | 20.4% |
ランキングのラインナップを見ると,ドラゴンボール,ONE PIECE,ガンダム,ソードアート・オンライン等々,いわゆるIPモノが多くを占めている。しかも,ドラゴンボールのスマホゲームに代表されるように,収益全体に対する日本の割合がそれほど高くないタイトルも結構あるのだ。1位の「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」や,5位の「ドラゴンボール レジェンズ」は,アメリカ,フランス,ドイツ,イギリスといった国でも非常に人気が高い。
そのほかのタイトルにおける収益割合を見ても,たとえば「NARUTO X BORUTO 忍者BORUTAGE」ではアメリカ(収益の割合は30.1%)が,「聖闘士星矢 ゾディアック ブレイブ」では中国(63.3%)が突出している。おそらくは,元となったIPの現地における人気の高さが,スマホゲームの収益にもつながっているのだろう。
このようにして,各国で人気が高いIPの魅力を生かしたスマホゲームを,ワールドワイドで展開しているのが同社の特徴であり,前四半期で世界7位(国内1位)の実績を築いた原動力でもある。円安が続くなか外貨を獲得できるという面でも,大きな強みとなっているはずだ。
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