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「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」プレイレポート。シングルプレイに特化した,紛れもないスマホ版のオクトラ
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印刷2020/10/23 12:00

プレイレポート

「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」プレイレポート。シングルプレイに特化した,紛れもないスマホ版のオクトラ

 スクウェア・エニックスは,スマホアプリ「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」(オクトパストラベラー 大陸の覇者。iOS / Android)を,2020年10月28日に配信する。料金形態は基本プレイ無料。

画像集#001のサムネイル/「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」プレイレポート。シングルプレイに特化した,紛れもないスマホ版のオクトラ

 本作は,Nintendo SwitchやSteamで提供された「OCTOPATH TRAVELER」のシリーズ最新作で,スマホゲームながらも公式で“シングルプレイRPG”と謳われているとおり,1人プレイでじっくりと遊べるコンシューマライクな内容になっている。

 今回は,そんな本作のプレイレポートをお届けしていこう。

画像集#002のサムネイル/「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」プレイレポート。シングルプレイに特化した,紛れもないスマホ版のオクトラ

「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」公式サイト



富・権力・名声を極めし者たちのオルステラ大陸


 本作で描かれるのは,OCTOPATH TRAVELERの物語から遡ること数年。オルステラ大陸に,富・権力・名声を極めし者たちが君臨していた時代の話だ。底無しの闇に染まるこの場所で,プレイヤーは“指輪に選ばれし者”となって冒険を繰り広げ,極めし者たちと対峙していく。

 というのが大まかなストーリーとなる。

画像集#003のサムネイル/「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」プレイレポート。シングルプレイに特化した,紛れもないスマホ版のオクトラ

ゲーム冒頭の「仲間を導く」(ガチャ)で,最初のプレイヤーキャラクターが決まる。仲間は基本的にガチャで増えていく仕組み
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 メインストーリーは「富を極めし者」「権力を極めし者」「名声を極めし者」の3ルートがあり,プレイヤーが自由に選択できる。
 物語は章仕立てになっていて,例えば「富ルート2章まで進めてから,権力ルート1章を遊ぶ」といったプレイも可能だ。

 ただし章が進むごとにRPG攻略の「推奨レベル」も上昇,つまり敵も強くなっていくので,まずはメインストーリーをそれぞれ1章ずつ進めるのが無難な安全策になるかもしれない。このあたりは主人公8人の物語で構成されていた,前作のプレイ感覚に通じるものがある。

画像集#006のサムネイル/「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」プレイレポート。シングルプレイに特化した,紛れもないスマホ版のオクトラ

■極めし者たち
富を極めし者:“強欲の魔女”ヘルミニア
権力を極めし者:“英雄”タイタス
名声を極めし者:“劇作家”アーギュスト

 作中では,レトロ風なのに新しいHD-2D(ドット+3Dの独自表現)や,重厚な演出・音楽をとおしてさまざまな人間模様が描かれる。
 なかでも,本作のストーリーを象徴している極めし者たちの存在感は大きく,彼らが中心となる登場シーンは印象深い。

 例えば,筆者は富ルートを中心に進めていたが,強欲の魔女ヘルミニアは傍若無人な振る舞いで,人を人とも思わない残虐な所業に及んでいる。そのような彼女に恐れながらも付き従う者,彼女を憎んで打倒しようと志す者など,人々の思いの移ろいも十人十色なのだ。

ヘルミニアの蛮行に苦しめられる人々。ドットなのに迫力もすごい
画像集#07のサムネイル/「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」プレイレポート。シングルプレイに特化した,紛れもないスマホ版のオクトラ

 そういったシナリオである以上,ときには重苦しい展開が待ち受けていることもあるが,それがプレイヤー自身の「打倒,極めし者たち!」のモチベーションにつながったりもして,熱くたぎってしまう。

 前作の世界観も決してライトなものとは言いがたかったが,それだけに心に深く刻まれるシーンも少なくなかった。そしてそれは,大陸の覇者にも同じことが言えるのかもしれないと思えた。
 物語を主題とする作品ならではの魅力は,たしかにこもっている。

メインストーリーのほかに,さまざまなクエストも存在
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戦略性が冴える,最大8人のパーティバトル


 オクトラと言えば,オーソドックスなターン式コマンドバトルで,敵の弱点属性を突いて「ブレイク」を狙い,弱体化状態にいかに大ダメージを与えるかという基本攻略でプレイヤーを楽しませた。
 そして本作に関しても,バトルシステムは踏襲されている。

 ブーストポイントをためて「ブースト」を使えば,通常攻撃(たたかう)や技の威力を大幅にアップさせられる。こちらは好きなタイミングで発動できるが,ブレイク直後の活用が効果的だ。
 またブーストは回復魔法の効果も倍増させられるので,攻守にわたってどのように使いこなしていくかも思案のしどころである。

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ブレイクした瞬間に「BREAK」の文字が出て,スマートフォンがバイブレーション機能で震える。これが非常に気持ちいい
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 加えて,本作は“最大8人パーティのバトル”に刷新された。

 8人パーティは「前衛4人」「後衛4人」に分かれていて,前後はターン中にいつでも入れ替えられる。後衛は待機組という位置づけで,敵の攻撃を受けることもなく,ターンごとにHPが回復するようになっている。

 後衛にいてもブーストポイントはたまっていくため,ここぞという場面で前衛に変えて攻撃させる,相性のいい前衛を控えておく,逆にピンチになったら後衛に下げるなど,いろいろと戦略も広がった。

前衛と後衛に分かれての8人バトル
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 カスタマイズ面も前作と同じ,「ジョブ」ごとに異なる「アビリティ」を覚えて,それらを自由に組み合わせて構築する楽しさがある。

 ジョブには「剣士」「盗賊」「学者」「狩人」「薬師」「神官」「踊り子」「商人」などがあり,それぞれ特徴が異なる。8人バトルに準じて,前作の4人バトルよりもバラエティに富んだ編成ができるので,どのキャラクターたちを組み合わせるかで試行錯誤するのも面白い。

 一方,アビリティには「バトルアビリティ」「サポートアビリティ」「その他のアビリティ」が存在し,ゲームを進めるほど種類も増える。相手によって構成を付け替えるところは,相変わらず時間泥棒だ。

バトルでは,ジョブバランスを意識した編成も重要になりそうだ
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 ここで操作系についても説明しておきたい。

 本作はスマホゲームなので,スワイプで「歩く」,フリックで「ダッシュ」,タップ=「ダッシュ停止」といったスマートフォンの基本操作でプレイしていくことになるが,これがなかなかに快適だ。

 地味にうれしいのが,ダッシュ中に自動で右折・左折タップ地点に自動で移動してくれるところ。スマホでネックになりがちな移動要素が最適化されていることで,ストレスなく快適な操作を楽しめる。

操作性が快適で,スマホのタッチ操作でもストレスがほとんどない
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 もちろん「フィールドコマンド」も受け継がれている。こちらはフィールドで人々に話しかけると,情報を聞き出したり,持ち物を買い取ったり,バトルの支援者として引き入れたりできる会話と選択の拡張システムで,オクトラの自由度の高さを担保している要素だ。

 前作では,フィールドコマンドでしか入手できない武器なども存在していたので,本作でもそれ相応のやり込みは用意されていそうだ。
 ただ,選択によっては“その町での関係性が悪くなる”こともあり,関係性が悪くなると対象人物にフィールドコマンドが使えなくなってしまう。関係性は毎日回復する仕様のようだが,注意するにこしたことはない。

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HD-2Dと美しい音楽がゲームをもり立てる


 オクトラと言えば,やはりHD-2Dのゲーム画面が見逃せない。
 本シリーズでは,ドットグラフィックスに3DCGを加えた独特な表現や,被写界深度を適用した背景のボケ味がなんとも美しい。

 個人的には「フロストランド地方の雪景色」は好ましく,プレイ中にスクリーンショットを何枚も撮ってしまった。思わずシャッターを切りたくなるロケーションの数々は,ぜひ自身の目で見てほしいところ。

HD-2Dによる幻想的なグラフィックス表現
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 次いで,作曲家の西木康智氏が手がけるBGMも同じクチだ。
 前作から引き続き使用されている音楽と,本作からの新規音源の数々が,作中の物語を大いに盛り上げてくれる。

 事前登録記念で公開された新曲にうっとりした人も多いだろうし,2019年7月にはオクトラのコンサートライブも実現していたので,今回の大陸の覇者の楽曲についても,ぜひとも生で聴いてみたいものだ。


オクトラらしく,スマホのシングルプレイに特化


 本作はスマホゲームでありながら,プレイ感覚はコンシューマ向けRPGに非常に近い。フィールド移動があること,ランダムエンカウントであること,いいところが前作からそのまま引き継がれているのはもちろん,我々がイメージする“スマホっぽい動きの少ないRPG”になっていないところも加算されていて,余計にそう感じてしまった。

 ガチャで仲間を集める点は唯一,スマホアプリっぽさを感じるところだが,それもオクトラらしさにうまく埋没していて,公式の謳い文句のとおり,まさにシングルプレイRPGっぽさが際立ってる。
 1人でがっつり遊べる希少なスタイルとしても,1人のオクトラファンとしても,間もなくの正式リリースが楽しみで仕方ない。

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