プレイレポート
「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」先行体験版インプレッションを掲載。オルステラ大陸の“数年前”には,どんな冒険が待っているのか
スマホ版の本編は,Switch版の“オルステラ大陸”の数年前を物語の舞台とし,新たなストーリーを描くという。配信に先駆けてリリースされた先行体験版では,そのストーリーの一部を確認できたので,本稿でレポートしよう。
なお,取り上げている内容はストーリーの第一章に留めているので,「過度なネタバレはいらない」という人も安心して読み進めてほしい。
「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」公式サイト
戦略次第で難敵さえも楽に撃破!
2つの要素で戦略が広がるコマンドバトル
スマホ版のバトルシステムも気になる人は多いと思うが,基本的にSwitch版を踏襲した形式となっている。代表的な要素であった「ブレイク」「ブースト」によって,弱点を突いて敵の態勢を崩し,大ダメージを与える爽快感はスマホ版でも健在だ。
敵にはライフポイントほかにシールドポイントという数値が設定されており,弱点を突いてこの数値を削り切ることで,ブレイクという状態に陥る。ブレイク状態の敵は大幅に防御力がダウンし,かつ1ターン行動不可になるのだ。
一方で,味方パーティメンバーには,「BP」という値が用意されている。BPはブーストに必要なリソースで,各キャラはBPを消費した分だけブーストし,攻撃回数を2回〜5回に増やせる。BPはブーストしなければ毎ターン1ずつ増えるほか,特定のコマンドで増加できる。
ブーストを使って敵のシールドポイントを一気に削るか,ブレイク状態の敵に叩き込むかはプレイヤーの選択次第だ。
ブレイクとブーストの要素をうまく使えば,工夫次第でレベル差を覆した勝利を狙えるのが,本作の面白いポイントだ。敵の弱点を狙えるキャラが2名以上いれば,順番にブーストを使って攻撃回数を増やし,毎ターン敵をブレイク状態にして,ほぼ一方的に攻撃をし続けるといった,さまざまな戦法を編み出せる。
基本,敵との遭遇はランダムエンカウント式となっているが,道を塞ぐ強敵としてシンボルエンカウントが用意されていることもある。強敵のシンボルが登場するタイミングは大体「現在のゲーム進行度では到底叶わない」と思うこと請け合い。
必然的に世界観に浸れるゲームシステム
RPGにおいて町中にいるNPCとの会話や,民家に入るといった散策は1つの醍醐味と言える。一方で,ストーリーを早く進めるために会話や散策をしないプレイヤーもいると思うが,本作においては必然的に町中を散策することになるだろう。
スマホ版にもSwitch版同様に「フィールドコマンド」が用意されており,町中にいるNPCたちと会話をすることで,さまざまな恩恵を得られる。通常の会話とは別に“聞き出す”のコマンドを使用すると,そのキャラクターが所持しているアイテムを譲ってもらったり,購入できたりするのだ。
また,“支援者”として戦闘中に手助けをしてくれるように協力を要請できる。それぞれのNPCによって能力が異なるため,どのNPCを支援者にするのかが最適かを見定めることも大切だ。
中にはレアなアイテムを持っていたり,強力な力を持っていたりするNPCもいるので,新しい町に到着したら,まず最初にするべきは全NPCの能力と所持品の確認になるだろう。外はもちろんのこと,民家も一軒ずつ見て回り,優秀な人材探しをするのも賢い遊び方だ。
フィールドコマンドによるアイテムの入手や支援者の確保という要素を生かすため,町中を隅々まで散策してNPCと会話をすると,必然的にゲームの世界にどっぷりと浸かる。会話の内容はもちろんのこと,“聞き出す”コマンドでNPCの詳細プロフィールも確認でき,細かいフレーバーテキストもつい目で追いかけてしまうのだ。
敵側の“悪”が際立つ秀逸な物語
スマホ版のストーリーについてもシンプルに紹介していこう。
Switch版とは異なり,1人のキャラクターをとおして,さまざまな物語に身を投じることになる。
冒頭で「富」「権力」「名声」の3つから選んでストーリーを始められるが,ある程度ゲームを進めることで,ほかの物語も選択可能になる。それぞれの地域でストーリーが展開されるので,自由に行き来して,好きなように進められる。
今回は最初に「権力」,次に「富」のストーリーを1章ずつ進めてみたが,どちらも共通して敵が“徹底した悪役”として描かれているのが印象的だった。
「富」のストーリーでは,怪しい薬を売って町全体を支配する「大富豪ヘルミニア」が暴虐の限りを尽くし,誰に咎(とが)められることもなく,商売を続けていた。町では小さな子供が怪しい“粉”を売り,畑で働く奴隷は蹂躙されるなど,絶望的な状況が広がっている。
「権力」の場合は,かつては英雄として名の知れた「タイタス」という男がエンバーグロウという町を牛耳り,強力な軍隊を生み出そうとするストーリーが展開していく。恋人を人質に取られ,死ぬ代わりに強靭な肉体を得る薬の開発を強いられる研究者や,そんな研究者の身を案じる恋人など,さまざまな人間ドラマが繰り広げられる。
このストーリーで大きな敵として立ちはだかるタイタスという男も徹底した悪役で,10年働いた使用人を“運んできた食事を落とした”という些細な理由で薬の実験台にするほか,弱みを握って人を従わせるなど,まさに倒すべき敵として描かれていた。
いずれのストーリーも悲劇的な展開を予想させるものであり,先に進んでいけば,きっと救済されるエンドが待っているのでは……という希望にすがり,続きを見たくなる魅力を秘めている。
Switch版プレイ経験者であれば気になるであろう,OCTOPATH TRAVELERのバトルやストーリーの良さを損なわれている印象はまったくなく,遊びやすいスマホ版に仕上がりつつあった「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」。正式配信を楽しみにしたい。
「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」公式サイト
- 関連タイトル:
OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者
- 関連タイトル:
OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者
- 関連タイトル:
OCTOPATH TRAVELER
- この記事のURL:
キーワード
(C)2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
(C)2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.