プレイレポート
3人のキャラクターを切り替えてさまざまな謎を解くのが楽しい。「トライン4:ザ・ナイトメア プリンス」プレイレポート
ちなみに筆者はシリーズ未体験者で,「Steamのセールで見かけたシリーズだなあ」というくらいの知識である。そんな筆者でも本作は,プレイして楽しい作品に仕上がっているのだろうか。今回はNintendo Switch版をプレイして紹介しよう。
本作は3Dで描画されているが,手前や奥には移動できない2D風の横スクロールアクションだ。主人公は英雄と呼ばれる3人のキャラクターで,王子セリウスの救出を目指す。
気になるのは,やはり3人の主人公が持つそれぞれの能力だ。というわけで,彼らの詳細を紹介しよう。
○魔道士アマデウス
初老に見える魔法使い。魔法で木箱を出したり,その木箱やマップにある木の板などを自由に動かせる。戦闘能力は乏しい。
○騎士ポンティアス
剣を持っており,戦闘能力に長けた騎士。高いところから真下に落下して,攻撃したり薄い床を壊したりできる。盾でガードしたり,光を反射させることが可能。
○盗賊ゾヤ
弓で戦う女盗賊。ゲームを進めていくと,氷や炎の属性矢が撃てるようになる。またワイヤーをよじ登ったり,箱などにワイヤーを取り付けたりできる。
上記のように3人は個性や特殊能力が異なり,ゲーム中は瞬時に彼らを切り替えることが可能だ。道中に仕掛けが登場したときは,対応できるキャラクターに切り替えて謎を解き,道を切り開いていく。また体力ゲージは三者で別の扱いとなっており,戦闘中に体力が減ったらキャラクターを切り替え,無傷のキャラクターで戦闘を続行,なんてことも可能だ。
それぞれの長所を活用してさまざまなトラップを突破せよ!
ここからは実際のゲームプレイについて触れていこう。本作は“謎解き横スクロールアクション”と題されているように,ステージ構成は謎解きがメインとなっており,敵との戦闘頻度は少ない。
では,本作のキモとなる謎解きはどんなものがあるのか。いくつか具体例を挙げながら見ていこう。
例えば,最初のステージにはジャンプではとうてい届かないほど離れた場所に足場がある。何とかして先へ行かなければならないのだが,画面をよく見ると上のほうに長い木の板がある。こういう場合は魔道士アマデウスの力でこの板を動かし,橋を作ってしまうのが正解だ。
さらに,以下の画像のようにパッと見では先に進めそうなルートが見つからないというケースも存在する。
ここもキャラクターの特性を理解していれば簡単だ。画面を見ると光を反射する箱があり,壁には怪しげな鏡のようなオブジェクトが備え付けられている。騎士ポンティアスの盾は光を反射するので,これを利用してうまく壁の鏡に当てればいいのだ。箱はアマデウスの魔法で移動させればいい。
しかし,鏡に光を当てると,今度は上にあった巨大な歯車のようなパーツが回転を始めた。その先には道が見えるので,なんとかしてこの歯車を突破したい。
さて,どうしたものかと思案していたところ,歯車の一部にリングらしきパーツが付いているのを発見。よく見ると,左側の足場にも同じパーツが付いている。
実はこのリングには,盗賊ゾヤがワイヤーを引っかけられ,ふたつのパーツをワイヤーでつなぐことが可能だ。というわけでさっそくつなげてみたところ,ワイヤーの道が完成した。このワイヤーの上を伝って,歯車に付いている板に飛び乗り,先へ進めた。
このように,本作のステージにはさまざまな謎解きが散りばめられており,3人の特殊能力を活用して解法を見つけ出していく。アレコレ試し,ウンウンうなって考え,やっと突破できたときのスッキリ感はたまらない。またこの感動を味わおうと,ついつい先に進めたくなってしまう。
なお本作では,オブジェクトの移動や挙動は物理演算で制御されており,オブジェクト配置の自由度が高い。そのため複数の解法が存在する仕掛けも多く存在する。先ほどのロープの綱渡りは,正攻法ではない解決策に思えるが,突破してしまえば正義。行き当たりばったりでも,けっこうなんとかなったりするものも多い。
また本作には,先に進むための障害となっている仕掛けのほかに,ゲームクリアには関係ない隠しエリアも存在する。こちらは発見するのが難しく,隠しエリアの中にも難度が高い謎解きが存在することもあるため,やりがいのある要素になっている。
こうした隠しエリアには宝や手紙が隠されていることが多く,これらを集めるコレクション要素も楽しめる。各ステージのチェックポイントではアイテムなどの収集状況を確認できるため,取り逃しても再探索の目星を付けやすいのはありがたい。
経験値を稼いで新たな能力を手に入れろ!
続いて戦闘について紹介しよう。本作では常に敵が出現するわけではなく,特定のポイントに到達するとバトルシーンとなり,全滅させると先に進めるようになる。ただし頻度は低く,謎解き一辺倒になりがちな道中でのアクセント,というぐらいの位置づけだ。
バトルも謎解きと同様に,いつでも3人を切り替えられるため,個々の能力を活かして戦闘することになる。わかりやすいのは騎士のポンティアスで,剣で目の前の敵をガンガン斬りつけて攻撃できる。盗賊のゾヤは弓で遠距離から攻撃できるが,弓を引き絞るのに少々時間がかかるのがネック。連射できないし,近くの敵に攻撃するときも無防備な時間があるため,使いこなすには慣れが必要だ。
一番の問題は魔道士アマデウスで,直接的な攻撃手段を持たない。箱などのオブジェクトを落下させて間接的にダメージを与える,という手段しかないため,戦力としては期待しないほうがいい。
敵に倒された場合は,そのキャラは行動不能となってしまい,ほかのキャラに切り変わって戦闘続行となる。ここで生きているキャラで倒れた仲間に近づき,一定時間経過すると,復活させられる。全員が倒されるとゲームオーバーとなり,チェックポイントからの再開だ。
倒れた味方を復活できるため,難度が低い仕様に思えるかもしれないが,戦闘は意外と難しい印象を受けた。
戦いが得意な騎士ポンティアスで戦闘することが多いので,彼が倒れた場合は,比較的戦闘で使いにくいゾヤとアマデウスで戦わなくてはならない。なんとかポンティアスを復活させたいが,そもそもポンティアスが倒されるということは,敵の攻撃が激しい状況であることが多く,復活させるのはかなり難しい。
かといって敵の戦力を減らそうと思っても,ゾヤとアマデウスでは攻撃を当てるのも難しく,結果ジリ貧の状況になってしまうことが多かった。ポンティアスが倒される前にキャラクターを切り替えて体力を回復させる,などの戦略が重要だと感じた。
各キャラクターは強化によって,新たな能力を習得させることも可能だ。敵を倒すと経験値を入手でき,一定まで溜まると新たなスキルを覚えられる。またマップにあるピンクの水滴のようなアイテムを集めるとアップグレードポイントがもらえ,スキルを強化することもできる。
スキルの種類は多彩で,謎解きや戦闘で役立つ。さらに楽しくなるため,ゲームを進めるモチベーションにもなる。
なおステージには,ボスが登場する局面もある。こちらはそれぞれ有効な攻撃手段を見つけ出す必要がある。
例えば,ボス“呪われた騎士”は通常攻撃が効かないが,部屋の奥の壁越しに怪しげに光るポイントがある。そこで壁を攻撃して光るポイントを露出させると,光が部屋に降り注いでボスが弱まり,攻撃が通じるようになる。ザコ敵との戦闘に謎解き要素が追加された感じだ。
本作をプレイしてみて,最も魅力的に感じたのは,やはり謎解きだ。アマデウスで木箱を出して足場にしたり,その木箱にゾヤがワイヤーを取り付けて固定したり……と,それぞれのキャラクターが持つ特殊能力をうまく組み合わせるのが面白い。アレコレ試行錯誤して突破できたときの爽快感は素晴らしく,アクションゲームに登場するパズルギミックが大好きな人はたまらない作りになっていると言える。
一方で戦闘シーンは,少々不満が残る感じだ。まずキャラクターごとに攻撃方法が異なり,操作方法(攻撃に使うボタン)も違う。そのため,キャラクターは瞬時に切り替えられるが,操作に一瞬混乱してしまい,プレイヤーがすぐに攻撃に移れなかったのはストレスだった。そもそもバトル自体の必要性があまり感じられず(ストーリーに関連しているようだが)別になくてもいいのでは? という印象だ。
ただ,ボス戦は謎解き要素が含まれており,満足できる戦闘を楽しめた。戦う機会はそこまで多くないため,激しいバトルを楽しもうと思っていると肩透かしを食らうかもしれない。
というわけで,謎解きが好きな人なら間違いなく楽しめる本作。シリーズ物の続編だが,ざっくり言うと「シリーズ通しての主人公たちがまた新たな冒険に出る」というストーリーなので,特に過去の冒険を知らなくても問題なく楽しめた。気になっている人は,ぜひプレイしてほしい。
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